受領書は誰が発行・もらう?原本を準備するのはどちら・控えはどっち

受領書は誰が発行・もらう?原本を準備するのはどちら・控えはどっち

結論:受け取った買い手が発行し、渡した売り手がもらう

受領書は、物品を受け取った買い手(発注者)が発行し、物品を渡した売り手(受注者)がもらう書類です。「受け取った側がもらう」のではなく、受け取った側が発行して、渡した側に出すという向きが、受領書のいちばん間違えやすいところです。

混乱しやすいのは、白紙の受領書フォーマット(用紙)を用意して納品物と一緒に送る人と、そこに署名・押印して正式な受領書として発行する人が別だからです。納品の場面では用紙を用意・送付するのは売り手のことが多いですが、署名して発行するのは受け取った買い手です。「用紙を渡す=発行」ではないので、発行者はあくまで署名する買い手になります。

立場やること受領書の向き
買い手(発注者)物品を受け取り、受領書を発行して渡す出す側(発行)
売り手(受注者)物品を渡し、受領書をもらうもらう側(受領)
受領書を誰が発行し、誰がもらうか

迷ったら「自社が買って受け取る側なら、受領書は自社が書いて相手に渡す」と覚えてください。お金を受け取った側が出す領収書とは、発行する向きがちょうど逆です。

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「商品は受け取るのに受領書は出す側」になる理由

「商品を受け取った側が、なぜ受領書を出すのか」と混乱しやすいのは、受領書が“受け取ったこと”を相手に伝えるための書類だからです。受け取った事実を一番よく知っているのは受け取った本人なので、その本人が「確かに受け取りました」と署名して相手に渡す、という形になります。

売り手の側から見ると、商品を送り出したあとは「ちゃんと届いたのか」を自分では確認できません。だから受け取った証拠を、受け取った相手から返してもらう必要があります。受領書を「もらう側」が売り手になるのは、この“届いた証拠が欲しい人”が売り手だからです。

つまり、物品の流れ(売り手→買い手)と、受領書の流れ(買い手→売り手)は逆向きになります。物品を受け取る動作と、受領書を発行する動作は別物だと切り分けると、混乱しなくなります。

流れるもの向き
物品(商品)売り手 → 買い手
受領書買い手 → 売り手
物品と受領書は逆向きに流れる

実務では、売り手が空欄の受領書を商品に同梱しておき、買い手が署名・押印して返送する運用がよくあります。用紙は売り手が用意していても、発行者(署名する人)はあくまで受け取った買い手です。

受領書を送り返す手順(「行」を「御中」に直す・返信用封筒の使い方など)は、別記事にまとめています。

受領書の返送方法と封筒の書き方|署名押印・「受領書在中」・「行」を「御中」に
受領書

受領書の返送方法と封筒の書き方|署名押印・「受領書在中」・「行」を「御中」に

署名・押印して返すよう同封されてきた受領書(物品受領書・納品書兼受領書・返金受領書など)を送り返す側(受け取った側)の手順をまとめました。返信用封筒の「行」を二重線で消して「御中」に直す方法、「受領書在中」の封筒の書き方、署名・押印の位置、郵送・FAX・PDFでの返送の可否、返送期日の守り方、添える送付状の一文と署名押印済み受領書の体裁(コピペ可)まで解説します。

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原本(用紙)はどちらが準備する?

「署名・押印して受領を証明する人(発行者)」と「用紙=原本を準備する人」は、別のことがよくあります。署名して発行するのは受け取った側で固定ですが、用紙を準備するのは“受け取った証拠が欲しい側=渡す側”のことが多いためです。誰が用紙を準備するかは、「どちらが相手に渡すのか」で決まります。

場面(誰が渡すか)用紙(原本)を準備する人署名・押印する人=発行者
売り手が商品を納品する(通常の取引)売り手(納品物に同梱して送る)受け取った買い手
買い手が物・書類・お金を相手に渡す/返す買い手(自分で用紙を用意する)受け取った売り手など相手
用紙を準備する人と、署名して発行する人は分かれる

たとえば、自分(買い手)が相手に商品や書類を渡して「確かに受け取った」と証明してほしいときは、自分で受領書の用紙を用意して持参・送付し、受け取った相手に署名・捺印してもらうのが実務的です。逆に、売り手から商品が届く通常の取引では、売り手が用紙を同梱し、受け取った買い手が署名して返します。どちらの場合も、署名して受領を証明した人が発行者である点は変わりません。

ポイントは、「用紙を準備する人」ではなく「署名・押印して受け取りを証明する人」が発行者ということです。用紙はどちらが用意しても構いません。受領印が欲しい側(渡す側)があらかじめ用紙を整えておくと、その場で署名・捺印をもらえてスムーズです。

控えはどっち?原本は相手に渡し、控えは発行側が持つ

受領書の原本と控えは、原本(正本)を相手(売り手)に渡し、控え(写し)を発行した自分(買い手)が持つのが基本です。署名・押印した正式な1通は相手に渡し、自分の手元には「いつ・何を・誰に受領書を出したか」の記録として控えを残します。

どの紙渡す相手/保管者役割
原本(正本)相手=売り手(受注者)が保管受け取った事実を証明する正式な1通
控え(写し)発行した自分=買い手(発注者)が保管いつ・何を受領したかの自社記録
受領書の原本・控えはどちらが持つか

複写式の用紙なら、切り取って相手に渡すのが原本、手元に残る複写が控えです。控えを取らずに1通だけ作る場合は、コピーを取るか同じ内容で2部作成して、片方を自社控えにしておくと安心です。

PDFなどの電子データでやり取りする場合は、紙の原本・控えという形ではなく、相手に送信したデータそのものを控えとして自社で保存します。送ったPDFを保存しておけば、それが「いつ・誰に・何を受領書として出したか」の記録になります。

見落としやすいのが、受領書は発行側・受領側のどちらも保管が必要という点です。受け取った売り手はもらった原本を、発行した買い手は控えを、それぞれ取引関係書類として保存します。具体的な保管年数(法人・個人の違いや電子保存)は、保管期間の記事で整理しています。

受領書の保管期間は何年?法人7年・個人5年と起算日・電子保存のルール
受領書

受領書の保管期間は何年?法人7年・個人5年と起算日・電子保存のルール

受領書の保管期間は、法人が原則7年(赤字の年は最大10年)、個人事業主は青色・白色とも原則5年です。受け取った側も発行した側も保存が必要で、起算日は申告期限の翌日。電子取引データは2024年1月から電子のまま保存、受領サイン入り原本の扱いやスキャナ保存要件まで、国税庁の情報をもとに整理しました。

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金銭受領書の場合は「お金を受け取った側」が発行する

ここまでは物品の受領書の話ですが、お金の受け取りを証明する金銭受領書(受取書)になると、向きが入れ替わります。金銭受領書は、お金を受け取った側が発行し、お金を払った側がもらう書類です。物品受領書が「受け取った買い手が発行」だったのに対し、金銭の場合は「受け取った“お金の受領者”が発行」になる、と整理すると分かりやすいです。

これは商習慣だけでなく、民法第486条(受取証書の交付請求等)にも根拠があります。お金を払った側から請求があれば、受け取った側は受取証書(領収書・受領書)を交付しなければなりません(出典:e-Gov法令検索 民法第486条(受取証書の交付請求等))

弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。
— 出典:民法第486条第1項

なお、金銭受領書の書き方・但し書き・個人と法人の文例、収入印紙の判断は、金銭の受領に絞った記事にまとめています(売上代金の受取書は5万円以上で印紙が必要など、物品受領書とは扱いが変わります(出典:国税庁 タックスアンサー No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書))。

金銭受領書の書き方|個人・法人の文例とテンプレート(領収書との違い・印紙税も解説)
受領書

金銭受領書の書き方|個人・法人の文例とテンプレート(領収書との違い・印紙税も解説)

金銭受領書(受取書)の書き方を個人・法人の両形式で解説。必須記載項目・領収書との違い・収入印紙の判断・書き換え可能な無料テンプレートと実用例文を網羅したガイドです。

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領収書・納品書との発行の向きの違い

「誰が発行するか」で混同しやすいのが領収書と納品書です。領収書はお金を受け取った売り手が発行するもので、物品受領書(買い手が発行)とは出す人が逆になります。受領書と領収書は名前も役割も似ていますが、発行する向きが反対だと押さえておけば取り違えません。

受領書と領収書の役割・印紙の違い、「受領証」との表記差については、違いを整理した記事をご覧ください。

受領書と領収書の違い|発行者・印紙・経費・受領証との違い
受領書

受領書と領収書の違い|発行者・印紙・経費・受領証との違い

受領書は「受け取った事実の証明」の総称で、お金を受け取った金銭受領書とモノを受け取った物品受領書を含みます。金銭の受領書は領収書と法的効力・印紙の扱いがほぼ同じで違いは呼び名と場面だけ、物品の受領書は領収書とは別物。発行者・印紙税・経費の証憑性・「受領証」との表記差まで実務目線で整理します。

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一方の納品書は売り手が「納品しました」と通知する書類で、受領書とはちょうど往復で対になります。納品書と受領書の比較表や、1枚で済ませる「納品書兼受領書」、取引フロー全体での位置づけは、納品書との違いを扱った記事で詳しく解説しています。

納品書と受領書の違い|発行者の方向・取引フロー・兼用書類の運用
納品書

納品書と受領書の違い|発行者の方向・取引フロー・兼用書類の運用

納品書は売り手→買い手、受領書は買い手→売り手と発行者の方向が逆になる書類です。役割・タイミング・必須項目の対比表、納品書兼受領書の運用、検収書との段階差、印紙税の扱い、受領サインが取れない場合の代替証跡まで、実務目線で解説します。

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よくある質問

Q. 受領書は受け取った側がもらうのではないのですか?

逆です。物品を受け取った側(買い手)が受領書を発行し、渡した側(売り手)がそれをもらいます。受け取った本人が「確かに受領しました」と署名して相手に渡す、という流れになります。

Q. 受領書を渡す側はどちらですか?

物品の受領書を渡す(発行する)のは、商品を受け取った買い手側です。売り手が用紙を同梱していても、署名・押印して相手に渡すのは買い手なので、発行者は買い手になります。なお、お金の受け取りを証明する金銭受領書は、お金を受け取った側が発行して払った側に渡します。

Q. 受領書の用紙(原本)はどちらが準備しますか?

受け取った証拠が欲しい側(渡す側)が準備することが多く、署名・押印して発行するのは受け取った側です。売り手が商品を納品する通常の取引では売り手が用紙を同梱し、買い手が署名します。逆に、自分(買い手)が物や書類を相手に渡して受領印が欲しいときは、自分で用紙を用意して相手に署名・捺印してもらいます。用紙を準備した人ではなく、署名した人が発行者です。

Q. 受領書の控えはどっちが持ちますか?

原本(正本)は相手=売り手に渡し、控え(写し)は発行した買い手が持ちます。複写式なら切り取った原本が相手用、手元に残る複写が自社控えです。発行側・受領側のどちらも保管義務があります。

Q. 受領書は発行側も保管しないといけませんか?

はい。受け取った売り手はもらった原本を、発行した買い手は控えを、それぞれ取引関係書類として保存する必要があります。保管年数は法人・個人で異なるため、保管期間の記事で確認してください。

受領書をテンプレートで作る

TEMPLEX では、買い手が署名・押印して使える受領書テンプレートを無料で公開しています。フォームに宛先(売り手)・受領品目・数量・受領者を入力するだけで、受領印欄つきのPDFが完成します。控えが必要なときは2部印刷してください。テンプレートは 物品受領書基本の受領書 から選べます。

TEMPLEX の受領書テンプレート
TEMPLEX の受領書テンプレート

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コラム著者・編集者

TEMPLEX編集チーム

TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。

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