受領書の返送方法と封筒の書き方|署名押印・「受領書在中」・「行」を「御中」に

結論:署名・押印して「行」を「御中」に直して返す
署名・押印して返すよう送られてきた受領書を返送する手順を解説します。受け取った側が受領書にサインして、それを送ってきた相手へ送り返します。最も多い典型例は、商品と一緒に物品受領書が同梱されてくるケースですが、手順そのものはどの受領書でも共通です。
たとえば返金受領書(返金する側がフォーマットを送り、受け取った側が署名・押印して返す)や、納品明細と受領欄が1枚になった納品書兼受領書も、署名・押印して返送するという流れは同じです。返金受領書そのものの書き方は次の記事で解説しています。

返金受領書の書き方|返品・過払い・二重請求の文例とテンプレート(印紙の扱いも解説)
返品・解約・過払い・二重請求で返金を受け取った側が出す返金受領書の書き方を解説。必須項目・返金理由別の文例(個人・法人)・収入印紙は売上代金以外の受取書として5万円以上一律200円という判断まで、書き換え可能な無料テンプレートとあわせて紹介します。
記事を読むやることは大きく3つだけです。①受領書に署名・押印する/②返信用封筒の宛名「行」を二重線で消して「御中」に直す/③指定された期日までに返送する。受領書は「確かに受け取りました」と相手に返す書類なので、送り返す先はその書類(や商品・金銭)を送ってきた取引先です。
| 手順 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 内容を照合して署名・押印 | 品名・数量が届いた現物と合っているか確認してからサイン・捺印 |
| 2 | 返信用封筒の宛名を直す | 「行」を二重線で消し「御中」へ。担当者名なら「様」 |
| 3 | 送付状を添える(任意) | 「受領書を返送します」の一文があると親切 |
| 4 | 期日までに返送 | 指定がなければ受領後できるだけ早く |
迷ったときの判断軸は「自分は受け取った側=サインして返す側」という点です。誰が発行し誰がもらうのかを整理したい場合は、下記の記事もあわせてご覧ください。

受領書は誰が発行・もらう?原本を準備するのはどちら・控えはどっち
受領書は受け取った側が署名して発行し、渡した側がもらう書類です。原本(用紙)を準備するのは証拠が欲しい渡す側のことが多く、納品なら売り手が用紙を用意して買い手が署名、自分が渡す側なら自分で用意して相手に署名してもらう、と場面で変わります。発行者・原本の準備・控えの向き・金銭受領書の場合まで整理します。
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署名・押印の位置と方法
受領書には、用紙の下部にある受領者欄(受領印・署名欄)に記入します。受け取った担当者の氏名を署名し、その横または下に押印するのが基本の体裁です。サインのみでも書類として成立しますが、会社の角印(社判)や認印を押しておくと、社として受領した証跡になり信頼性が上がります。
- 署名 — 受け取った担当者の氏名を記入(部署名を添えると丁寧)
- 押印 — 氏名の横/下に。会社なら角印(社判)、個人なら認印が一般的
- 受領日 — 実際に商品を受け取った日付を記入(届いた日と合わせる)
- 照合 — 品名・数量が現物と合っているか確認してからサインする

押印は法律上の必須要件ではありません。社判(角印)かサインのみか、シャチハタは使えるか、電子印鑑で返してよいかといった押印の使い分けは、別記事で詳しく整理しています。

受領書はサイン・印鑑どちらが必要?|ハンコの種類・押す位置・電子化
受領書にサインや印鑑(ハンコ)は必要かを解説。押印は法的に必須ではなくサインのみでも有効、会社は角印・個人は認印が慣習、シャチハタの実務的な扱い、押す位置、電子受領書の電子サイン・電子印鑑まで受領書を書く側・受け取る側の両視点でまとめました。
記事を読む現物と数量が合わない・破損していた場合は、その場で署名せず先に売り手へ連絡します。サインを入れて返すと「内容に問題なく受け取った」証拠になってしまうため、不一致があるまま返送しないのが安全です。
返信用封筒の「行」を「御中」に直す
返信用封筒が同封されている場合、宛名には差出人(売り手)の社名のあとに「○○株式会社 行」と印字されています。これは自分宛に送ってもらうための謙譲表現なので、そのまま送り返すのはマナー違反です。返送する側で「行」を消して「御中」に直します。
| 元の表記 | 直し方 | 結果 |
|---|---|---|
| 会社・部署名 + 行(宛) | 「行」を二重線で消す | 後ろに「御中」 |
| 個人名 + 行(宛) | 「行」を二重線で消す | 後ろ(下)に「様」 |
消し方にもマナーがあります。修正液・修正テープは使わず、二重線で消すのが正式です。極太マジックではなく、普段使うボールペンで引きます。線の向きに厳密な決まりはありませんが、縦書きなら縦線、横書きなら横線で消すのが一般的です。
- 「御中」「様」を書く位置 — 縦書きは「行」の真下、横書きは「行」の右側
- 「行」と「宛」はどちらも同じ扱い — 二重線で消して「御中」または「様」に直す
- 会社・部署宛なら「御中」、担当者個人宛なら「様」(両方は併用しない)
- 修正液・修正テープ・砂消しはNG。きれいな二重線で消す

あわせて、封筒の表に「受領書在中」と添え書きしておくと相手の仕分けがスムーズです。書く位置や囲み方は次の見出しでまとめます。
封筒に「受領書在中」と書く位置と書き方
封筒の表に「受領書在中」と添え書きしておくと、相手が開封前に中身を判別でき、社内での仕分けがスムーズになります。返送のときだけでなく、受領書を郵送する場面全般で使えるひと手間です。義務ではないため省いても書類の効力には影響しませんが、添えておくと丁寧な印象になります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 書く位置 | 封筒の表面、宛名の左下あたり(横書きは宛名の下〜右下、縦書きは宛名の左下) |
| 囲み | 赤色で四角く囲むのが通例。手書きなら定規で赤い枠線を引く |
| 書き方 | 専用スタンプがあれば押す。なければ赤ペンで「受領書在中」と記入 |
- 横書き封筒 — 宛名の下、または右下に。表面の左下が一般的
- 縦書き封筒 — 宛名の左下に縦書きで添える
- 色 — 赤色で囲むと目立つ。黒一色より中身が伝わりやすい
- 向き — 受領書以外を送るときは「請求書在中」など中身に合わせて書き換える
返信用封筒に最初から「受領書在中」が印字・スタンプ済みのこともあります。その場合は新たに書き足す必要はありません。印字がなく、自分で封筒を用意して返送するときに添えると親切です。
郵送・FAX・PDFでの返送、どれが正解?
返送方法に法律上の決まりはなく、原則は相手の指定に従うのが最優先です。返信用封筒が同封されていれば郵送、メールで送られてきた受領書ならPDFで返信、というように、相手が想定している方法に合わせます。それぞれの向き不向きは次の通りです。
| 方法 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 郵送 | 返信用封筒が同封されている/原本での保管を求められる | 最も確実。切手・封筒が同封されていればそのまま使う |
| FAX | 急ぎで到着を知らせたい | 印字が不鮮明になりやすい。後日あらためて原本を郵送すると丁寧 |
| PDF(メール) | 電子でやり取りする取引先/ペーパーレス運用 | 事前に相手の合意を取る。送ったPDFは自社でも控えとして保存 |
物品の受領書(物品受領書・納品書兼受領書)はそもそも収入印紙の課税対象ではないため、紙でもPDFでも印紙は不要です。電子返送は便利な一方、相手が原本回収を前提にしていると行き違いになるため、PDFで返してよいかは事前に一言確認しておくと安全です。
ただし、金銭の受領書(金銭受領書・返金受領書など)を返送する場合は、金銭の受取書として印紙の論点があり得ます(営業に関する受取金額が5万円以上なら課税、営業に関しないものは非課税。なお電子データで交付する場合は印紙が不要)(出典:国税庁 質疑応答事例「契約書等の電子化に関する質問に対する回答について」)。「受領書だから一律に印紙不要」とは限らないため、金銭の受領書を返すときは下記の記事で要否を確認してください。

受領書に収入印紙は必要?物品は不要・金銭は5万円以上で課税【種類別の早見】
受領書に収入印紙が要るかは「何を受け取ったか」で決まります。物品受領書は非課税、金銭・売上代金の受取書は5万円以上で200円〜、返金など売上代金以外は一律200円、個人・給与は非課税、電子交付は不要。国税庁の区分に沿って種類別に即答します。
記事を読むPDFで送付したあと、手元に残った紙の原本を破棄してよいか、念のため保管または後日郵送すべきかは、相手の指示や取引ルールに従うのが基本です。原本の保管が必要な期間は、下記の記事で詳しく解説しています。

受領書の保管期間は何年?法人7年・個人5年と起算日・電子保存のルール
受領書の保管期間は、法人が原則7年(赤字の年は最大10年)、個人事業主は青色・白色とも原則5年です。受け取った側も発行した側も保存が必要で、起算日は申告期限の翌日。電子取引データは2024年1月から電子のまま保存、受領サイン入り原本の扱いやスキャナ保存要件まで、国税庁の情報をもとに整理しました。
記事を読むPDFで返送するときは、署名・押印した受領書をスキャンするか、電子印鑑を押した状態で送ります。送信後は送ったファイルを自社フォルダにも保存し、いつ・誰に返送したかを残しておきましょう。
返送期日の守り方
返送期日は、依頼文や送付状に「○月○日までにご返送ください」と指定があればそれに従うのが原則です。指定がない場合でも、受け取ったらできるだけ早く返送するのがマナーです。受領書の返送が遅れると、相手側で入金処理や請求の締め、返金手続きなどが進まないことがあるためです。
- 指定期日がある — その日付までに相手に届くよう、郵送日数を逆算して投函する
- 指定がない — 受領後おおむね数日以内を目安に返送する
- すぐ返せない事情がある — 一報を入れ、いつ返送できるか伝えておく
- 取引基本契約で期限が決まっている — 「受領後○営業日以内」などの条項に従う
継続的な取引では、契約書に「受領後○営業日以内に受領書を返送する」という条項が定められていることがあります。社内ルールや基本契約を一度確認しておくと、毎回の返送がスムーズになります。
返送時に添える送付状の一文
受領書だけを封筒に入れて返しても問題ありませんが、一文だけ送付状(添え状)を入れておくと丁寧です。「受領書を返送します」という用件と、品物を受け取ったお礼を簡潔に書けば十分です。
送付状(添え状)の右上に書く「令和〇年〇月〇日」は、受領書に記入した受領日ではなく、その送付状を投函・送信する日の日付を書きます。受領日と発送日がずれていても、添え状の日付は発送する日に合わせるのが一般的なビジネス文書のマナーです。
上の2つは郵送(封筒に同封)向けの添え状です。メールで返送する場合は、署名・押印した受領書をPDFにして添付し、本文には次のような短い文面を書けば送付状代わりになります。件名から行頭詰めで使えます。
PDFで返送してよいかは事前に相手の合意を取り、送ったPDFは自社でも控えとして保存しておきます。物品受領書は紙でもPDFでも収入印紙は不要です。
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署名・押印済みの受領書の体裁
返送する受領書そのものの記入例です。空欄になっている受領者欄に、署名・受領日・押印を入れた状態が次のイメージです。
「(印)」の位置に角印または認印を押します。納品書と1枚になった「納品書兼受領書」の場合は、用紙下部の受領確認欄(「上記の通り受領いたしました」の欄)に同じ要領で署名・押印して返送します。
売り手として受領書の返送を「お願いする」場合は
ここまでは受け取った側(買い手)が返送する手順でした。逆に、売り手として「受領書を発行・返送してください」と依頼する文面や、相手から受領サインがどうしても取れない場合の代替証跡(配送伝票・受領メールなど)については、別記事でまとめています。重複するため、ここでは扱いません。

納品書と受領書の違い|発行者の方向・取引フロー・兼用書類の運用
納品書は売り手→買い手、受領書は買い手→売り手と発行者の方向が逆になる書類です。役割・タイミング・必須項目の対比表、納品書兼受領書の運用、検収書との段階差、印紙税の扱い、受領サインが取れない場合の代替証跡まで、実務目線で解説します。
記事を読むよくある質問
Q. 「行」を消し忘れてそのまま返送してしまいました。問題ですか?
受領書としての法的効力に影響はありません。「行」を「御中」に直すのはあくまでビジネスマナーであり、書類が無効になるわけではありません。とはいえ気になる取引先もいるため、次回からは二重線で直して返送するようにしておくと安心です。
Q. 押印は必須ですか?サインだけではダメ?
押印は法律上の必須要件ではなく、署名(サイン)のみでも受領書として成立します。ただし会社の角印や認印を押しておくと、社として受領した証跡になり信頼性が高く扱われます。押印の使い分けの詳細は「受領書のサイン・印鑑」の記事を参照してください。
Q. 返信用封筒が入っていませんでした。どうすればいい?
自分で封筒を用意して郵送するか、相手にPDF(メール)やFAXでの返送が可能か確認します。電子で返してよい取引先であれば、署名・押印した受領書をスキャンしてメールに添付するのが手早い方法です。封筒を用意する場合は、宛名に売り手の社名+「御中」を書き、表に「受領書在中」と添えると丁寧です。
Q. 受領書をなくしてしまいました。再発行してもらえますか?
受領書は買い手が発行する書類なので、用紙を紛失した場合は売り手に空の受領書(または納品書兼受領書)を再送してもらうか、自分で同じ内容の受領書を作成して署名・押印し返送します。品名・数量・受領日を実際の納品内容に合わせて記載すれば問題ありません。
Q. PDFで返送したら収入印紙は必要ですか?
物品の受領書はそもそも収入印紙の課税対象ではないため、紙でもPDFでも印紙は不要です。一方、金銭の受け取りを示す受領書(金銭受領書など)は、営業に関する5万円以上の受取書だと紙では課税対象になり得ますが、PDFなど電子データで交付する場合は印紙が不要になります(出典:国税庁 質疑応答事例「契約書等の電子化に関する質問に対する回答について」)。印紙の要否は「受領書の収入印紙」の記事で整理しています。
TEMPLEX のテンプレートで署名・返送する
受け取った受領書を紛失した・自分で受領書を用意して返送したいときは、TEMPLEX の無料テンプレートが使えます。署名・押印して返送できる「納品書兼受領書」は、上半分が納品明細、下半分が受領確認欄になっており、受領日・署名・押印を入れてそのまま返送できます。「納品書兼受領書」テンプレートを開く。
物品の受領だけを証明する単体の受領書がほしい場合は、「物品受領書」テンプレートが便利です。品名・数量・状態・受領印欄を備えており、フォーム入力だけで印刷できるPDFが完成します。「物品受領書」テンプレートを開く。
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コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
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