香典返しを辞退する/辞退された時のお礼状の書き方と例文|両側対応テンプレ

香典返しを辞退する/辞退された時のお礼状の書き方と例文|両側対応テンプレ

香典返しの辞退は失礼にあたるのか

ご香典を包むときに「お返しは辞退したい」と思った方、または香典返しを送ろうとして相手から辞退の意向を受けた方に向けて、両側それぞれの文面と対応をまとめました。香典返しを辞退することは、マナー違反ではありません。むしろご遺族の負担を軽くしたいという厚意の表れと受け止められるのが一般的です。

辞退の意思は、口頭ではなく必ず文面で残します。受付や葬儀の慌ただしさの中で喪主に伝わらないことが多いため、香典袋への記載か、一筆箋を同封する形が確実です。一方、辞退を受けた喪主側は、品物を送らず、忌明けにお礼状(挨拶状)で感謝を伝えるのが本来の作法です。

  • 辞退の主な理由はご遺族の経済的・事務的な負担軽減
  • 会社規定で香典返しを受け取れない(公務員や一部の企業)
  • 故人・遺族の遺志で香典を福祉団体へ寄付したい
  • 連名・少額の香典で、お返しのほうがかえって負担になる

弔事の文面は句読点を打たないのが古くからの慣例です。本記事の例文はすべて句読点なしで作成しています。差し替え箇所は ○ や続柄プレースホルダー(亡父○○○○ など)で示しているので、ご自身の状況に合わせて書き換えてご利用ください。

辞退する側(弔問客)の伝え方

辞退の意思は、書面に残すのが鉄則です。受付や葬儀会場の混雑の中で「お返しは結構です」と口頭で伝えても、喪主にまで届かないケースがほとんどです。次の3つの方法のいずれかで、必ず文字で残しましょう。

  1. 香典袋の中袋(または裏面)の住所氏名の左脇に一文を書く
  2. 一筆箋(縦書き)に短くお悔やみと辞退の意を書いて香典袋に同封する
  3. 現金書留などで郵送する場合はお悔やみ状の文末に辞退の旨を添える

一筆箋を使う場合は、宛名→お悔やみ→辞退の意思→差出人の順で書きます。便箋やカードに長文で書くと、かえって辞退を主張しすぎる印象になるため、短くまとめるのが上品です。文面では「ご遠慮申し上げます」「ご辞退申し上げます」「ご配慮はご無用に願います」のいずれかが定型表現です。

口頭のみで辞退を伝えると、喪主側で忘れられて後日香典返しが届くことがあります。届いてしまった香典返しは、辞退の意向があった旨を改めて伝えた上でも、いったん受け取るのが角の立たない対応です。返送するとかえって失礼にあたります。

近年は葬儀の受付で「当日返し(即日返し)」として小ぶりな返礼品をその場でお渡しする葬儀が増えています。事前に辞退を文面で残していても、受付の混雑で喪主に伝わらず手渡されることがほとんどです。その場で渡されたら無理に断らず、いったん受け取るのが角の立たない対応で、返送するとかえって喪主側の事務負担を増やしてしまいます。辞退の意思は香典袋やお悔やみ状の文面で残しておき、当日返し自体は素直にお受けするのが現代の現実的な落とし所です。

辞退する側の文例(会社代表/個人/親族)

立場によって辞退文のトーンが変わります。会社代表で出す香典は事務的・簡潔に、個人での香典はお悔やみを丁寧に、親族からの香典は遺族への配慮を前面に出すのが定石です。それぞれコピーしてそのまま使えます。

弔問客・辞退文(会社代表で出す香典)
○○○○様 貴社○○様のご逝去に際し 弊社一同 心よりお悔やみ申し上げます 誠に勝手ながら 香典返しのご配慮はご辞退申し上げます ご遺族の皆様のお力になれましたら幸いに存じます 令和○年○月○日 株式会社○○ 代表取締役 ○○○○
弔問客・辞退文(会社代表で出す香典)
弔問客・辞退文(会社代表で出す香典)
弔問客・辞退文(個人で出す香典)
ご尊父様のご逝去の報に接し 心よりお悔やみ申し上げます 安らかにご永眠されますようお祈り申し上げます 誠に勝手ながら お返しのお心遣いはご無用に願います 何卒ご家族の皆様で大切にお使いくださいませ 令和○年○月○日 ○○○○
弔問客・辞退文(親族からの香典)
このたびは○○兄様のご逝去 まことに痛恨の極みでございます 心よりお悔やみ申し上げますとともに ご冥福をお祈り申し上げます 誠に勝手ながら お返しなどのご配慮は遠慮させていただきます ご遺族の今後のためにお役立ていただければ幸いに存じます どうぞお力を落とされませんよう くれぐれもご自愛くださいませ 令和○年○月○日 ○○○○
弔問客・辞退文(連名・有志一同で出す香典)
○○○○様 ご尊父様のご逝去の報に接し 私ども有志一同 心よりお悔やみ申し上げます 誠に勝手ながら ○○部有志一同からの志のため お返しのお心遣いはご無用に願います 皆で故人を偲ばせていただきますとともに ご遺族の皆様のご健康をお祈り申し上げます 令和○年○月○日 株式会社○○ ○○部有志一同 代表 ○○○○

会社代表で出す香典は、社内規定で「慶弔費(福利厚生費・交際費)」として処理されることが多く、もともと香典返しを想定していない位置づけです。それでも喪主側で判断に迷わないよう、辞退の旨を明記しておくと親切です。

浄土真宗の喪家に出す場合は「ご冥福をお祈り」「ご霊前」は使わず、「お念仏申し上げます」「ご仏前」と書き換えます。宗派が分からないときは、お悔やみの言葉を「謹んでお悔やみ申し上げます」「安らかなお眠りをお祈り申し上げます」と婉曲にするのが無難です。

辞退された側(喪主)の対応

ご香典に辞退の一文が添えられていた場合は、相手の意向を尊重し、品物は送らないのが原則です。代わりに忌明けに合わせてお礼状(挨拶状)を送り、感謝と忌明け法要を済ませた報告を伝えます。これが「品物の代わりに気持ちでお返しする」という慣習に沿った対応です。

  1. 香典袋・一筆箋・お悔やみ状に辞退の文言があるか必ず確認する
  2. 忌明け(仏式は七七日忌/神式は五十日祭/キリスト教式は召天記念日・追悼ミサ)に合わせてお礼状を送る
  3. お礼状には「辞退のお気持ちを有難く頂戴した旨」を一文入れる
  4. 高額のご厚志や親しい間柄で気が引ける場合は 後日のお中元・お歳暮や会食で改めて感謝を伝える

半返し(いただいた香典の半額程度をお返しする)」「三分返し(3分の1程度)」が一般的な香典返しの相場ですが、辞退の意思表示があった場合はこの慣習を適用しません。代わりに、お礼状を出すかどうか自体は省略しないのが大切です。お礼状を出さずに済ませると、辞退の意向を雑に受け止めたような印象になります。

辞退の意向を改めて「お言葉に甘えて」と尊重しつつ、故人を偲ぶ気持ちを表現として残すと、文面に温かみが生まれます。「お言葉に甘え 偲び草のしるしまでに故人の好物を仏前に供えさせていただきました」のような一文を添える形式が、葬儀社や挨拶状印刷でも定型として使われます。

葬儀受付で当日返し(即日返し)を辞退された場合は、相手のご厚意に甘えて無理にお渡ししないのが基本です。受付の場で押し問答になると、せっかくのお気持ちを汲み取らないことになるため潔く引き下がるのが穏当です。香典帳や受付メモに辞退の旨を控えておき、忌明けに合わせてお礼状(挨拶状)のみをお送りすれば、相手の意向に沿った対応になります。

喪主のお礼状の文例(仏式フォーマル/カジュアル/神式・キリスト教式)

辞退を受けた喪主が出すお礼状は、香典返しの挨拶状と同じく句読点を打たずに書きます。違いは「品物をお届けする」一文を入れず、代わりに「お言葉に甘えて辞退を尊重した」一文を入れる点です。宗派ごとに用語を使い分ける必要があり、特に神式・キリスト教式では仏式用語を避けます

喪主・辞退されたお礼状(仏式・フォーマル)
謹啓 亡父○○○○ 儀 葬儀に際しましては ご多用中にもかかわらず御懇篤なるご弔慰並びにご鄭重なるご厚志を賜り 厚く御礼申し上げます また香典返しのご辞退に際しまして 過分なるお心遣いを賜り 誠に有難く存じます お陰をもちまして去る○月○日 七七日忌の法要を滞りなく相営むことができました お言葉に甘え 香典返しは控えさせていただきますが 故人を偲ぶしるしとして仏前にお供え物を捧げさせていただきました 本来であれば拝趨の上 御礼申し上げるべきところ 略儀ながら書中をもちまして謹んで御礼かたがたご挨拶申し上げます 謹白 令和○年○月 喪主 ○○○○
喪主・辞退されたお礼状(仏式・フォーマル)
喪主・辞退されたお礼状(仏式・フォーマル)
喪主・辞退されたお礼状(仏式・カジュアル/親しい間柄)
先般 父○○○○の葬儀に際しましては お忙しい中ご丁寧なご厚志をいただき 誠にありがとうございました また香典返しを辞退する旨のお心遣いまで賜り 重ねて御礼申し上げます おかげさまをもちまして 先日四十九日の法要を無事に済ませることができました お言葉に甘え 香典返しは控えさせていただきます 父も○○様のお気持ちをきっと喜んでいることと存じます まずは書中にて御礼かたがたご報告申し上げます 令和○年○月 喪主 ○○○○
喪主・辞退されたお礼状(神式・五十日祭)
謹啓 亡父○○○○ 儀 帰幽に際しましては ご丁重なる御玉串料を賜り 誠に有難く厚く御礼申し上げます また返礼のご辞退に際しまして 過分なるお心遣いを賜り 重ねて御礼申し上げます お陰をもちまして去る○月○日 五十日祭を滞りなく相営むことができました お言葉に甘え 偲び草の品はお送りせず 故人を偲ぶ気持ちのみお受け取りいただければ幸いに存じます 本来であれば拝趨の上 御礼申し上げるべきところ 略儀ながら書中をもちまして謹んで御礼申し上げます 謹白 令和○年○月 喪主 ○○○○
喪主・辞退されたお礼状(キリスト教式・召天記念)
謹啓 亡父○○○○ 召天に際しましては ご丁重なるお花料を賜り 誠に有難く厚く御礼申し上げます また返礼のご辞退に際しまして 心温まるお心遣いを賜り 重ねて御礼申し上げます お陰をもちまして去る○月○日 召天記念会を滞りなく相営むことができました お言葉に甘え お返し等のご配慮は控えさせていただきますが 故人を偲ぶ気持ちのみお受け取りいただければ幸いに存じます 本来であれば拝趨の上 御礼申し上げるべきところ 略儀ながら書中をもちまして謹んで御礼申し上げます 謹白 令和○年○月 喪主 ○○○○

神式では「ご冥福」「成仏」「供養」「往生」「他界」など仏式用語を用いず、「帰幽」「玉串料」「五十日祭」と表現します。キリスト教式は教派によって異なり、プロテスタントは「召天」「召天記念会」「お花料」、カトリックは「帰天」「追悼ミサ」「お花料」を使うのが基本です。

浄土真宗の場合は「冥福」「霊前」「冥途」を避け、「ご厚志」より「ご芳志」、忌明けの呼称は「満中陰」とします。「お念仏申し上げます」「お念仏のご縁」など浄土真宗らしい表現に置き換えると整います。

香典を寄付した場合の挨拶状

故人の遺志、もしくはご遺族の意向で、ご香典を社会福祉協議会や日本赤十字社などの福祉団体へ寄付するケースがあります。この場合も香典返しの品物は送らず、お礼状で「ご香典を寄付した旨」と「寄付先の団体名」を明記して報告します。寄付先からの受領証や礼状を同封すると一層丁寧です。

  • 社会福祉協議会(市区町村単位の地域福祉組織)
  • 日本赤十字社(国内外の人道支援)
  • あしなが育英会(遺児の進学支援)
  • 故人にゆかりのある学校・病院・宗教施設
  • 国境なき医師団など国際支援団体
香典を寄付した場合の挨拶状
謹啓 亡父○○○○ 儀 葬儀に際しましては御懇篤なるご弔慰並びにご鄭重なるご厚志を賜り 誠に有難く厚く御礼申し上げます お陰をもちまして去る○月○日 七七日忌の法要を滞りなく相営むことができました つきましては誠に勝手ながら 故人の遺志により 皆様より賜りましたご芳志は ○○市社会福祉協議会へ寄付させていただき 香典返しに代えさせていただきました 何卒故人の意を御汲み取りくださり ご寛容賜りますようお願い申し上げます 本来であれば拝趨の上 御礼申し上げるべきところ 略儀ながら書中をもちまして謹んで御礼かたがたご挨拶申し上げます 謹白 令和○年○月 喪主 ○○○○

寄付先は故人の遺志を尊重するのが原則ですが、生前の意向が定まっていない場合は、地元の社会福祉協議会か日本赤十字社が選ばれることが多いです。寄付できる金額・受領証発行の有無は各団体で異なるので、事前に窓口へ確認してください。

「香典返しに代えて寄付した」と書く場合は、すべての方に同じ案内になるよう挨拶状を統一します。一部の方にだけ品物を送り、別の方には寄付の案内を送るのは混乱の元なので避けます。親族など特に近しい間柄の方には、口頭でも事前に意向を伝えておくと角が立ちません。

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コラム著者・編集者

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