社葬・団体葬の会葬礼状の書き方と例文|葬儀委員長・社長名差出のテンプレ

社葬・団体葬の会葬礼状とは
創業者や役員の社葬を任された総務・秘書室の方は、会葬礼状の文面と差出表記で迷う場面が多いはずです。社葬の会葬礼状は、個人葬と書式の骨格は同じでも、差出人を会社が担い、葬儀委員長を立て、故人を「弊社○○儀」のように所属と肩書きで示す点が違います。
社葬とは、会社が施主となって執り行う葬儀の総称で、創業者・現職役員・功労者が亡くなった際に、会社の意思表示として営みます。費用も運営も会社が負担し、喪主は遺族側、葬儀委員長は会社側というかたちで役割が分かれます。会葬礼状は、当日参列いただいた取引先・株主・関係先・社員に対し、会社名と葬儀委員長名で御礼を伝える書状です。
社葬・合同葬・お別れの会の違い
| 形式 | 主催 | 喪主・施主 | 宗教儀礼 | 時期 |
|---|---|---|---|---|
| 社葬 | 会社 | 施主は会社/喪主は遺族・葬儀委員長を会社が立てる | あり(仏式・神式・キリスト教式) | 密葬の後に本葬として執行(没後二週間〜二ヶ月) |
| 合同葬 | 会社と遺族の合同 | 施主は会社と遺族/喪主は遺族 | あり | 通夜・葬儀の通常スケジュールで一度に執行 |
| お別れの会・偲ぶ会 | 会社または有志 | 施主は会社 | なし(献花・音楽・スピーチ中心) | 密葬・本葬の後(没後一〜二ヶ月) |
会葬礼状を用意するのは、宗教儀礼を伴う社葬と合同葬が中心です。お別れの会・偲ぶ会は宗教色を持たないため、礼状ではなく案内状の御礼や記念誌の冊子で代えるケースもあります。本記事では、社葬と合同葬に共通する会葬礼状のフォーマットを扱います。
社葬は会社の意思表示を兼ねるため、会葬礼状の差出人欄は喪主単独ではなく「葬儀委員長」「会社名」「親族一同」を併記するのが定型です。誰の名前を筆頭にするかは、後述の「差出表記」で整理します。
葬儀委員長を立てる意味と表記方法
葬儀委員長は、社葬の進行と意思決定を統括する責任者で、社葬の規模・社外への印象を左右する重要な役割です。会葬礼状の差出人欄でも筆頭に書かれるため、誰を立てるかは礼状の文面を確定する前に決めておきます。
誰を葬儀委員長にするか
| 故人の立場 | 葬儀委員長の候補 |
|---|---|
| 創業者・現職社長 | 会長または次期社長 |
| 会長・相談役 | 現社長 |
| 役員・部長クラス | 現社長または担当役員 |
| 大規模葬・業界葬 | 業界団体の代表・重要取引先の社長・地元選出の議員に依頼するケースあり |
創業者や現職社長が亡くなった場合、社内に次期社長候補が定まっていれば、その方が葬儀委員長を兼ねるのが自然な流れです。社内で適任者が不在のときは、長く取引のある重要取引先の社長や、創業者と縁の深い業界団体代表に依頼する例もあります。社外に依頼する場合は、事前に承諾を得ます。
現社長が葬儀委員長を兼任する場合
中小企業の社葬では、現社長が葬儀委員長を兼任するのが最も多いパターンです。この場合、会葬礼状の差出人は「葬儀委員長 代表取締役社長 ○○ ○○」と肩書きを連記します。喪主が遺族側にいる場合は別行で「喪主 ○○ ○○」を併記します。喪主と葬儀委員長が同一人物(社内功労者の社葬で社長が喪主も務める)の場合は、「葬儀委員長兼喪主」と書く例もありますが、通常は「葬儀委員長」と「喪主」を分けて記す方が形式が整います。
葬儀委員長の氏名は、会葬礼状の文面確定前に決め、本人または家族から正式な書字確認を取ります。「斎藤」「齋藤」「渡辺」「渡邊」など旧字体・新字体の取り違えは、社葬の品位を損ねる典型的なミスです。
「弊社○○儀」「故○○氏」差出表記
社葬の会葬礼状で迷いやすいのが、故人をどう呼ぶかという表記です。個人葬では「亡父 太郎 儀」のように続柄から書きますが、社葬では肩書きと所属が前に来ます。
本文中の故人の表記
| シーン | 表記例 |
|---|---|
| 創業者・現職社長の社葬 | 弊社 代表取締役社長 故 ○○ ○○ 儀 |
| 会長・相談役の社葬 | 弊社 代表取締役会長 故 ○○ ○○ 儀 |
| 役員の社葬 | 弊社 取締役 故 ○○ ○○ 儀 |
| 功労社員の社葬 | 弊社 元○○本部長 故 ○○ ○○ 儀 |
| 合同葬で家族側からも差出 | 弊社○○ 亡○○ ○○ 儀 |
故人の肩書きは亡くなった時点のものを基準にします。退任後に亡くなった元役員の社葬では「元代表取締役会長」「元取締役」と「元」を付して、現職役職者と区別します。「故○○氏」と「氏」を添える表記もありますが、自社の故人に対して「氏」を用いると外部の人物のように響くため、社葬の自社礼状では「故○○儀」または「故○○ ○○」を用いるのが一般的です。
差出人欄の並び順
- 会社住所(本社所在地)を1行目に置く
- 会社名・葬儀委員長名(肩書き付き)を続けて記す
- 遺族側の喪主氏名は別行で「喪主 ○○ ○○」と併記する
- 親族一同を加える場合はさらに別行で「親族一同」と記す
- 社葬実行委員会を主体にする場合は「○○株式会社社葬実行委員会」と末尾に添える
葬儀委員長と社葬実行委員会を併記する場合のレイアウト
大規模葬・業界葬で「社葬実行委員会」を組成し、その代表として葬儀委員長(または実行委員長)を立てる場合は、差出人欄を「会社住所→会社名→葬儀委員長(肩書き付き氏名)→社葬実行委員会名」の順で並べると、意思決定責任者(葬儀委員長)と運営主体(実行委員会)の両方が読み手に伝わります。喪主・親族一同を併記する場合は委員会名の後に続けます。
実行委員長と葬儀委員長を別人物にする運用もあります。たとえば葬儀委員長を社外の重要取引先社長に依頼し、実行委員長を自社の現社長が務める場合は、「葬儀委員長 ○○社代表取締役 ○○ ○○/実行委員長 弊社代表取締役 ○○ ○○」のように二行に分けて記し、社葬の名誉責任者と実務責任者の区別を明示します。
葬儀委員長を筆頭に、喪主・親族一同の順で並べると、社葬の主体が会社であることが明確に伝わります。家族側で香典返しを別に行う合同葬では、家族側の住所も会葬礼状とは別の挨拶状で示すのが整理された運用です。
仏式・社葬の会葬礼状
仏式の社葬で最もよく使われる定型は、葬儀委員長名で会葬への御礼を述べ、生前の厚誼への深謝で結ぶ二段構成です。葬儀委員長が現社長兼任の場合の文例と、葬儀委員長を別途立てた場合の文例を分けて掲載します。
以下の例文に句読点(、。)が無いのは誤字ではありません。儀礼的な挨拶状では「葬儀が滞りなく流れますように」「ご縁が途切れないように」という意味合いから句読点を打たず 全角スペース・改行で文の切れ目を示すのが古くからの作法です。社葬の会葬礼状もこの慣例に従い、本記事の他宗派・他相手向けの例文もすべて同じ書式で記載しています。

「謹啓」で始めたら必ず「謹白」または「敬白」で結びます。社葬の正式な礼状では「拝啓/敬具」よりも「謹啓/謹白」を選ぶと格が整います。日付は和暦の漢数字で記すのが弔事文書の慣例です。
神式・社葬の会葬礼状
神式の社葬では「葬儀」を「葬場祭」または「諸祭儀」と言い換え、香典に当たるものを「玉串料」と表記します。仏教用語の「成仏」「冥福」「供養」は使いません。代わりに「帰幽」「神霊」を用います。
「ご逝去」は宗派を問わず使えますが、神式では「帰幽」を用いると格式が整います。「お悔やみ」「冥福をお祈り」は仏教用語のため避け、「謹んでお祭り申し上げます」「御神霊の安らかなることをお祈り申し上げます」が神式の定型です。
キリスト教式・社葬の会葬礼状
キリスト教式の社葬では、亡くなることを「召天」(プロテスタント)または「帰天」(カトリック)と表現し、香典に相当するものを「お花料」または「御ミサ料」と書きます。「冥福」「成仏」「供養」「香典」「葬儀」など仏教由来の語彙は避け、宗派に合わせて文言を選びます。
カトリックの故人を見送る社葬では「召天」を「帰天」に、「御花料」を「御ミサ料」または「献花料」に置き換えます。「追悼ミサ」「葬儀ミサ」と「葬送式」も使い分けが必要なため、所属教会のしきたりを事前に確認しておきます。
香典・供花を辞退した場合の文例
近年の社葬・合同葬では、コンプライアンスや経理処理の簡素化の観点から「ご香典・ご供花は固くご辞退申し上げます」と案内するケースが増えています。辞退を案内した場合の会葬礼状は、定型から「御鄭重なるご厚志を賜り」「御供花御供物を賜り」の一文を削除し、辞退の旨を一文添えるかたちで整えます。
辞退を案内した場合の差し替えポイント
| 箇所 | 辞退なしの定型 | 辞退ありの差し替え |
|---|---|---|
| 御礼の主文 | ご会葬を賜り また御鄭重なるご厚志を賜り 厚く御礼申し上げます | ご会葬を賜り 厚く御礼申し上げます |
| 供花・供物の言及 | 御鄭重なる御供花御供物を賜り | (削除する) |
| 辞退の補足 | (記載なし) | ご厚志は固く辞退申し上げましたため 会葬の御礼のみにて失礼いたします |
辞退の理由は「故人の遺志」「会社規定」「経理処理の都合」のいずれかが定番で、案内状・会葬礼状・香典返し挨拶状でも同じ理由を一貫させます。香典・供花の両方を辞退する全面辞退と、香典のみ辞退して供花は受領する部分辞退では文面の組み立てが変わるため、運用方針に合わせて文例を選びます。
香典・供花辞退の案内は、社葬案内状の段階で必ず明示します。当日に受付で香典を断る運用にすると参列者・受付の双方に負担がかかります。辞退の理由は案内状・会葬礼状・株主向け礼状・香典返し挨拶状の四つの書状で揃え、社外への表現が食い違わないようにします。辞退を周知しても当日持参される方は一定数いるため、受付での代替対応(後日返送・社内規定による寄付など)も決めておくと運営が滞りません。
株主・取引先・社員での文面差
社葬の会葬礼状は、受け取る相手の立場で文面の重みを微調整するのが慣例です。同一の文章で全員に渡しても失礼にはあたりませんが、株主・取引先・社員と相手が分かれる場合は、関係性に即した一文を差し替えると御礼の温度が伝わりやすくなります。
取引先・関係先向け
取引先・関係先向けには、生前の取引・支援への感謝を簡潔に添えます。「平素より格別のお引き立てを賜り」「永年にわたり弊社事業にご支援を賜り」など、ビジネス関係を示す一文を冒頭に置きます。
株主向け
株主に対しては、創業期からの株主・機関投資家を含めて「経営の継続」を示す一文を加えるのが定型です。事業承継への配慮を求める文末を添えると、葬儀後の経営説明にも繋がります。
社員向け
社員向けの会葬礼状は、社内掲示・社内回覧で代用するケースが多いものの、別会場で社葬を執り行い社員が会葬者として列席した場合は、外部関係先と同じ礼状を渡すか、社内向けに少し砕けた表現に差し替えます。
海外拠点・海外取引先には、英文の会葬礼状を別に用意するケースもあります。英文では「passed away」「memorial service」「funeral committee chairman」が定型表現で、句読点を打たない作法は不要です。本記事の和文版とは別冊子にまとめると配布の手戻りが減ります。
社葬の前後に出す挨拶状の流れ
社葬は、訃報の発信から香典返しの発送までを四つの書状で支える長い流れになります。会葬礼状はそのうち三つ目で、社葬当日に手渡しする位置づけです。総務・秘書室で社葬を担当する場合は、四つの書状の発送タイミングを最初に整理しておきます。
| 順序 | 書状 | 対象 | 発送タイミング |
|---|---|---|---|
| 1 | 訃報通知(社外向け) | 重要取引先・関係先・株主・業界団体 | 密葬翌日〜数日以内に新聞広告・FAX・メールで一斉発信 |
| 2 | 社葬案内状 | 本葬の参列を依頼する取引先・株主・社員 | 本葬の二週間〜一ヶ月前に郵送 |
| 3 | 会葬礼状 | 本葬当日の会葬者・後日参列できなかった方 | 本葬当日に手渡し/参列できなかった方へは翌日〜一週間以内に郵送 |
| 4 | 香典返し挨拶状 | ご香典・玉串料・お花料を頂いた方 | 忌明け(仏式四十九日/神式五十日祭/キリスト教式一ヶ月後)に郵送 |
訃報通知(社外向け)
創業者・現職役員の訃報は、密葬の翌日〜数日以内に重要取引先・関係先へ発信します。新聞訃報広告に加え、FAX・メール・電話で個別連絡するのが現代の運用です。本葬を予定している旨と、後日改めて社葬案内状を送ることを明記します。
社葬案内状
社葬の日時・会場・形式(仏式・神式・キリスト教式)・献花の有無・服装規定・受付窓口を記した正式な案内状を、本葬の二週間〜一ヶ月前に郵送します。出欠の返信期限・代理出席の扱い・供花辞退の有無もここで明示します。
会葬礼状
本葬当日に会葬御礼品(お茶・ハンドタオル・小袋菓子など)と一緒に手渡しします。参列できなかった方には翌日から一週間以内に郵送し、社葬当日の様子と御礼を簡潔に伝えます。
香典返し挨拶状
ご香典・玉串料・お花料への御礼と忌明け法要の報告を兼ねた書状を、香典返しの品物に添えて忌明けに合わせて郵送します。社葬では「弊社○○儀」と表記する点は会葬礼状と共通で、文面の趣旨が「会葬への御礼」から「ご香典への御礼と忌明け報告」に変わります。
四つの書状の文面と差出名は一貫させます。葬儀委員長名・会社名・故人の肩書きが書状ごとに揺れると、受け取り側で「同じ社葬なのか」が判別しにくくなります。最初に一覧表でフォーマットを揃え、印刷会社へは四種類セットで発注するとミスが減ります。
社葬の会葬礼状を無料で印刷する
TEMPLEX の会葬礼状テンプレートは、社葬・団体葬向けに葬儀委員長欄・会社名・故人の肩書きを入力できるフォームを備えています。仏式・神式・キリスト教式のプリセット文面から選び、本文の差出表記をその場で書き換えてPDF化・印刷できます。
ブラウザだけで完結し、縦書きハガキ(100×148mm)に最適化された書式で出力されます。社葬の案内状・香典返し挨拶状もカテゴリ内のテンプレートからセットで作成できます。
テンプレートを開く: /template/sougi/kaisoureijo-shasou
コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
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