社内規定違反の始末書 例文|服務規律違反・コンプライアンス違反のケース別書き方

社内規定違反の始末書を書くことになったあなたへ
「服装規定に違反した」「SNS投稿で社名が出てしまった」「USBメモリを社外に持ち出した」「経費精算で誤った申請をした」「社用パソコンを私的に使ってしまった」――こうした社内規定(服務規律・コンプライアンス)違反を理由に始末書の提出を求められると、業務上のミスとは違う独特の重みを感じる方が多いはずです。
社内規定違反は会社の信用や情報資産に直結する論点であり、書き方の方向性を間違えると、軽い注意指導で済むはずだった案件が「重い処分の根拠資料」に変わってしまうこともあります。
本記事では、社内規定違反の始末書に絞って、ケース別の例文と書き方のポイントを整理します。まず社内規定違反の始末書に共通する構成と注意点を確認したうえで、服装・身だしなみ規定、SNS投稿規定、機密情報の取扱い、経費精算、社内設備の私的利用、副業届出、就業時間外の社外活動の7パターンを、コピペで使える形で並べていきます。
提出そのものを断りたい場合は『始末書を拒否できる?書かせる会社の法的根拠と対処法』を、書いたあと評価・解雇への影響が気になる場合は『始末書はやばい?書くとどうなる・クビになる可能性』もあわせてご確認ください。
社内規定違反の始末書に共通する構成と書き方の指針
社内規定違反の始末書は、業務ミス系(作業ミス・紛失・破損など)とは違い、「違反した規定が何条のどの条項なのか」「違反行為の具体的内容」「会社・取引先・第三者にどのような影響を及ぼしうるか」を短く明確に書くことが特に重要です。事実関係をぼやかして書くと、原因分析・再発防止策の説得力が落ち、結果的に評価への悪影響を増やしてしまいます。
| 項目 | 書く内容 | ポイント |
|---|---|---|
| タイトル | 「始末書」(中央上部) | 「顛末書」「反省文」と混同しない |
| 日付・宛名 | 提出日/代表取締役・所属長など | 宛名は「肩書+氏名+様」で統一 |
| 氏名・押印 | 所属部署と氏名、押印 | 認印で可。電子申請なら省略可 |
| 違反した規定 | 「就業規則第○条」「○○ガイドライン」など | 条文番号がわかる場合は明記する |
| 事実関係 | 発生日時・場所・行為内容 | 5W1Hで簡潔に。誇張も矮小化もしない |
| 原因 | なぜその行為に至ったか | 他責表現は避けつつ、要因は事実として書く |
| 影響 | 会社・取引先・第三者に及んだ/及びうる影響 | 確認できた範囲で書く。憶測は避ける |
| 再発防止策 | 具体的に何をするか | 誰が・いつ・どうやってまで落とし込む |
| 謝罪・誓約 | 反省と再発防止の誓約 | 「いかなる処分も受ける」は書かない方が無難 |

社内規定違反の始末書で特に避けたい3つの書き方
- 「軽い気持ちで」「つい出来心で」など、故意性を肯定する表現を不用意に書く(後で重い処分の根拠にされやすい)
- 違反した規定の名称を曖昧にしたまま、行為だけを延々と謝罪する(再発防止の説得力が落ちる)
- 他の社員も同じことをしている、慣例だった、と書く(組織全体の問題化として処分が拡大することがある)
服務規律違反は、就業規則上の懲戒事由に該当する典型例です。始末書1枚で終わるとは限らない可能性があるため、事実関係に違和感がある場合は提出前に労働組合・弁護士・労働基準監督署などへの相談も検討してください。
ケース1|服装・身だしなみ規定違反の始末書 例文
クールビズ期間外のクールビズ着用、来客時の不適切な服装、髪色や装飾品の規定違反など、服装・身だしなみに関する違反は、軽微なケースも多い一方、お客様の前での印象を損なうため繰り返すと評価に響きやすい論点です。
書くときのポイント
- 違反した条項(服装規定・身だしなみガイドライン)の名前を短く明示する
- 「気付かなかった」ではなく「規定の確認を怠った」と書く(過失の認識を示す)
- 再発防止策は「前日までの服装チェック」「規定の再読」など、その日から実行できるレベルに落とす
服装・身だしなみ違反は本人の主観で「これくらい大丈夫」と判断しがちな領域です。始末書では、自分の判断ではなく規定の文言を基準に書くと、再発防止策の説得力が大きく上がります。

ケース2|SNS投稿・情報発信規定違反の始末書 例文
SNS投稿は、近年最もトラブルになりやすい領域の一つです。社名や取引先名の無断記載、業務中の写真投稿、社内イベントの様子の発信、顧客情報を推測できる投稿などは、SNS利用ガイドラインや情報セキュリティ規程に抵触するケースが多くあります。
書くときのポイント
- 投稿日時・媒体(X、Instagramなど)・公開範囲・閲覧数を可能な範囲で具体的に書く
- 削除・非公開措置をとった場合はその日時を必ず書く
- 「拡散の有無」「第三者からの問い合わせの有無」など、確認できた事実を整理して書く
- 再発防止策は「投稿前のセルフチェック手順」「業務に関わる内容は投稿しない誓約」など、本人が運用できるレベルに落とす
ケース3|機密情報の取扱い違反の始末書 例文
USBメモリの社外持ち出し、私用メールへの業務データ転送、許可なくクラウドストレージへ業務ファイルをアップロード、来客への資料の置き忘れなど、機密情報の取扱いに関する違反は、会社の信用や個人情報保護に直結するため、社内規定違反の中でも特に丁寧な記載が求められます。
書くときのポイント
- 情報の種類(顧客情報、人事情報、技術情報など)と、特定可能な範囲を区別して書く
- 持ち出し・転送の経路、保存先、削除の有無を時系列で整理する
- 外部漏えいの「確認状況」を必ず記載する(漏えいの有無を断定する場合は会社調査の結果に従う)
- 再発防止策は、自分の運用ルールだけでなく、ITポリシーの再学習・申請プロセスの遵守までセットで書く
機密情報の漏えいに関する記述は、会社の損害賠償・対外説明にそのまま使われる可能性があります。「漏えいはありません」と断定する書き方は避け、「現時点で確認されておりません/社内調査結果に従います」と書くのが安全です。
テンプレートでフォーマットを整えるなら
社内規定違反の始末書は、フォーマットで悩んでいる時間が長引くほど、上司・人事から見て「対応が遅い」という別の悪印象を生みます。事実関係と再発防止策が決まったら、レイアウトはテンプレートで整えてしまうのが結果的にいちばん早く、評価への悪影響も抑えられます。
▶ 始末書・顛末書テンプレートを開く(社内・社外、始末書/顛末書の切り替えに対応)
始末書と顛末書の使い分けに迷っている場合は『始末書と反省文・顛末書の違い』を、社内向けの顛末書をお探しなら『顛末書(社内向け)の書き方』もあわせてご確認ください。
ケース4|経費精算規定違反の始末書 例文
経費精算規定違反は、領収書のないままの精算、私的な飲食代の業務経費としての申請、交通費の二重申請、上限を超える接待費の事前申請漏れなど、規定の運用面で発生しやすい論点です。
金額の大小にかかわらず、会社の経理処理の信頼性に直結するため、事実関係と返金・修正対応をセットで書くことが重要になります。
書くときのポイント
- 違反した精算の対象期間・件数・合計金額を具体的に書く(金額をぼかさない)
- 返金・修正済みであれば、その日付と方法(給与控除/振込/現金返金など)を明記する
- 故意か過失かが争点になりやすいため、「確認不足によるもの」など事実に即した表現を選ぶ(後付けで故意性を否定するような誇張は避ける)
- 再発防止策は、申請前のダブルチェック・領収書管理・私的支出の分離など、運用面まで落とす
金額が大きい場合や、意図的な不正と疑われる可能性がある場合は、始末書だけで済まないことがあります。提出前に事実関係を上長と整理し、必要に応じて返金計画を文書化しておくと、その後の手続きがスムーズになります。
ケース5|社内設備の私的利用の始末書 例文(PC・社用車・備品)
業務用パソコンでの私的なWeb閲覧、社用車での私用外出、備品の社外への無断持ち出し、業務用メールでの私的やり取りなど、社内設備の私的利用は規程違反として始末書の対象になりやすい論点です。違反内容によっては、会社の資産管理や情報セキュリティの問題と重なるため、設備の種類ごとに書き方を変えるのが安全です。
書くときのポイント
- 設備の種類(業務用パソコン/社用車/備品など)を冒頭で特定する
- 私的利用の頻度・時間帯(業務時間中/業務時間外)を整理する
- 業務への支障や、設備の損耗・燃料費・通信費など金銭的影響の有無を書く
- 相応の弁償・返却が発生した場合は、対応日付を必ず記載する
社用車の私的利用は、事故が発生していなくても就業規則違反として処分対象になりえます。返金や走行記録の修正など、金銭的・運用的な後始末が伴う場合は、それを始末書に明記することで誠実な姿勢が伝わりやすくなります。
ケース6|副業届出違反・就業時間外の社外活動規定違反の始末書 例文
副業を許可制にしている会社で届出をせずに副業を行った、就業時間外の社外活動について事前申告が必要なのに行わなかった、というケースも社内規定違反の典型です。
違反の重さは「届出を怠ったこと自体」と「副業先・活動内容に実質的な利益相反があるか」で大きく変わります。始末書では、まず届出義務違反の事実を素直に認めたうえで、副業・活動の内容を簡潔に書き、利益相反の有無についても触れておくのが安全です。
書くときのポイント
- 違反したのは「届出義務」か「禁止規定そのもの」かを区別する
- 副業先・活動先の業種、業務内容、勤務時間、報酬形態を簡潔に書く
- 本業との利益相反、競業避止義務、本業への支障の有無を整理する
- 再発防止策は、届出フローの遵守、必要な場合の副業中止・調整など、その後の運用を具体的に書く
社内規定違反の始末書によくある質問
Q1. どの規定に違反したかが自分でも特定できないときは?
始末書に「就業規則第○条」と空欄のまま提出するより、上司・人事に該当条文を確認してから書くのが安全です。違反規定の特定は会社側の説明責任の範囲でもあるため、確認の依頼を遠慮する必要はありません。条文番号がどうしても確認できない場合は「服務規律」「情報セキュリティ規程」など、規程名のみで書く運用も実務上は行われています。
Q2. 違反の事実関係について、会社の認識と自分の認識がずれているときは?
事実関係に争いがある状態で始末書に署名すると、後で覆すのが極めて難しくなります。提出を即時に求められた場合でも、自宅で確認のうえ提出する旨を伝えて持ち帰る対応は正当です。事実関係に納得できない部分があれば、その点だけは始末書本文または別紙に「事実関係について以下の点を補足する」として残しておきましょう。
Q3. 「いかなる処分も受ける」と書くべき?
書かなくて構いません。むしろ書くと、後の処分の重さに対して反論しづらくなります。再発防止と謝罪の意思は「再発防止に努める所存です」「深く反省しております」で十分に伝わります。
Q4. 同じ社内規定違反で過去にも始末書を書いている場合は?
同種違反の繰り返しは、より重い懲戒処分や解雇の有効性を支える事情の一つになりえます。同じ内容の再発防止策を再提出するのではなく、前回の再発防止策が機能しなかった原因を整理したうえで、運用を変えた具体策(チェックの仕組み化、上長関与の強化など)を書くと、改善意欲が伝わりやすくなります。
Q5. 始末書のあとに減給や降格をされたら?
始末書(譴責処分)と同じ違反行為で減給・降格まで重ねて科すのは、二重処分の禁止の観点から問題が生じる場合があります。違反内容と処分の重さが釣り合っているかに疑問がある場合は、社内の相談窓口、労働組合、弁護士、労働基準監督署などに相談する選択肢があります。
始末書の枚数や処分の累積に関する論点は『始末書を書いたことがある人の割合』や『譴責処分とは?始末書との関係と影響』もご参照ください。
社内規定違反の始末書をテンプレートで素早く整える
社内規定違反の始末書は、書式の整え方で印象が変わりやすい一方、フォーマット自体は共通です。違反内容と再発防止策が固まったら、レイアウトはテンプレートで整えて、提出までの時間を短くするのが結果的に評価への悪影響を抑える進め方です。
▶ 始末書・顛末書テンプレートを開く(社内規定違反のケースにそのまま使えます)
他のケース(作業ミス・レジ過不足・紛失・破損・交通事故・遅刻・無断欠勤など)の例文は『始末書・顛末書 例文集|ケース別テンプレート総まとめ』に集約しています。書き方の汎用論は『始末書の書き方完全ガイド』もご確認ください。
コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。








