無断欠勤の始末書|書き方と謝罪文の例文・連絡せず休んだ後の対応

無断欠勤してしまった後、まず何をするか
「気づいたら始業時間を過ぎていて、連絡できないまま1日休んでしまった」「体調不良で寝込んでいる間に数日経ってしまった」など、結果として無断欠勤になってしまうことは社会人なら誰にでも起こりえます。これから出社する前後の段階で、「謝罪をどう伝えるか」「始末書を書くようにと言われたが何を書けばよいか」「このままクビになるのではないか」といった不安を抱えている方は多いはずです。
結論を先に書きます。1日だけの無断欠勤で即解雇になるケースはほぼありません。一方で、対応を誤る(連絡を引き延ばす・嘘の理由を後出しする・始末書で言い訳ばかり書く)と、本来は譴責処分で済むはずの案件が、より重い処分や次回の再発時の解雇リスクへと膨らんでしまいます。
本記事では、ケース別の始末書の例文と、出社初日の動き方、再発時の解雇リスクを下げる書き方をまとめます。
「もう書かないと終わらない」状態であれば、始末書テンプレートを開きながら本記事の例文を貼り付けて整える進め方が最短です。やばさレベルの判定が先に必要なら『始末書はやばい?書くとどうなる・クビになる可能性』もご参照ください。
出社前・出社初日にやるべきこと(始末書の前にやる謝罪)
始末書は「文書としての謝罪」であって、口頭の謝罪を代替するものではありません。むしろ、出社前後の口頭・電話での対応が雑だと、後で書く始末書がどんなに丁寧でも信用されません。次の順序を厳守してください。
- 気づいた瞬間に直属の上司に電話する(メール・チャットだけで済ませない)。深夜・早朝でも、相手の始業時刻まで待たずに連絡を入れる
- 電話がつながらない場合は、メール・社内チャット・SMSの全手段で連絡を残す(「電話したが繋がらないため、文書で先にお詫びします」と一言添える)
- 出社初日は始業時刻より早めに出社し、上司・関係者・取引先の順で口頭で謝罪する
- 始末書は、上司から指示があった場合に作成・提出する
- 提出するまでの間、自分の控えとしてもコピーを必ず1部保管しておく
「気まずさ」で連絡を遅らせるほど、相手の心証は悪くなります。連絡が遅れた言い訳を考えるより、今すぐ電話する方が結果的に処分は軽くなります。
始末書を手渡しするときに添える一言
出社初日に始末書を上司へ手渡す際、無言で差し出すと印象が悪くなります。次のような短い一言を添えてから渡すと、文書としての謝罪と口頭の謝罪がつながり、誠意が伝わりやすくなります。
渡すタイミングは、上司の手が空いている時を選び、立ち話ではなく短時間でも個別に時間をもらうのが理想です。会議の合間や朝礼直後の慌ただしい時に渡すと、十分に受け止めてもらえないまま処理されてしまうことがあります。
「無断欠勤」と「遅刻」が混在している(昼前に出社した日がある等)場合は、『遅刻の始末書|書き方・例文と再発防止策の書き方』の例文も組み合わせると整理しやすくなります。
無断欠勤の始末書に必ず入れる5要素
無断欠勤の始末書は、ミス系(作業ミス・破損など)の始末書と比べて「連絡を入れなかった」という社会人として基本的な義務違反が論点になります。事実関係に加えて、なぜ連絡できなかったのかを正直に書くことが求められます。
| 要素 | 書く内容 | 書き方の注意 |
|---|---|---|
| 1. 事実関係 | 欠勤した日付・期間、本来の勤務予定(シフト・客先訪問など) | 日時を曖昧にしない。期間は「○月○日(○)から○月○日(○)までの○日間」と特定 |
| 2. 連絡を怠った経緯 | なぜその時点で会社に連絡しなかったか | 「面倒だった」など投げやりな表現は避けつつ、嘘の理由は書かない |
| 3. 業務への影響 | 顧客対応の遅延・同僚への引継ぎ未了など、把握している影響 | 把握していない影響を勝手に書かない(後で過大認定される恐れ) |
| 4. 原因と反省 | 「連絡が遅れた」原因と、社会人としての基本動作の欠如への反省 | 体調不良が原因の場合は通院・診断書の有無にも触れる |
| 5. 再発防止策 | 起床・連絡・体調管理について具体的にどう変えるか | 「以後気をつけます」だけで終わらせず、具体的な行動を1〜3個書く |

始末書の汎用的な書き方・5要素の埋め方は『始末書はやばい?書くとどうなる・クビになる可能性』の「やばさを増やさない書き方」セクションでも詳しく整理しています。
ケース1|1日だけの無断欠勤(連絡を忘れた・できなかった)
最も多いのが、体調不良や寝坊で1日だけ無断欠勤になり、翌日以降に出社するパターンです。1日だけのケースは、対応さえ間違えなければ譴責(けんせき)処分すら付かず、口頭注意+始末書1枚で完結することが多い案件です。

1日だけのケースでは、「体調管理」より「連絡を怠った」点に反省の重心を置くと、文書全体が引き締まります。体調不良は誰にでも起こることで、責められるのは「連絡しなかった」事実です。
ケース2|数日連続の無断欠勤(体調不良の重症化など)
体調不良が予想以上に長引いた、メンタル不調で動けなかったなど、複数日続けて連絡が入れられなかったパターンです。数日連続になった時点で、譴責処分が付く可能性が一気に上がります。診断書がある場合は必ず添付し、なくても通院した事実は記載してください。
数日連続の場合、診断書の添付が再発防止策と同じくらい重要です。診断書があると「正当な事情があった」ことの客観証拠になり、解雇リスクの議論に発展した場合の防御材料になります。
出社初日に診断書の発行が間に合わないこともあります。その場合は始末書の本文(再発防止策の項など)で「診断書につきましては、医療機関での発行が完了次第、後日速やかに提出いたします」と一文を添えておけば問題ありません。あわせて添付欄から「添付:診断書 1通」を一旦外し、後日の提出時に「別紙のとおり診断書を添付いたします」と記した送付メモとともに渡すと、書類として整います。
ケース3|寝坊が長時間化して結果的に欠勤になった
「目が覚めたらすでに昼を過ぎていて、今さら出社できないと判断してそのまま休んだ」というパターンです。連絡しないことを自分で選択した時間が長い分、ケース1より心証は悪くなります。
ただし、ここで嘘の理由(体調不良など)を後出しすると、後でスマホの位置情報やSNS等から発覚した際に処分が一気に重くなります。事実は事実として書くのが結果的に最も軽く済みます。
寝坊系のケースで一番やってはいけないのは、嘘の体調不良を後出しすることです。事実を事実として書くと、評価者は「正直に書いている」と受け取りやすく、結果的に処分が軽くなります。
ここまでの3つの例文のうち、自分のケースに近いものを選んで具体名(日付・部署・氏名・業務内容)を差し替えれば、提出可能な始末書が15分以内に整います。形式の整え方で迷うより、テンプレートを使って早く出すほど評価への悪影響を抑えられます。
▶ 始末書・顛末書テンプレートを開く(社内・社外、始末書/顛末書の切り替えに対応)
提出形式について手書きが指定されている場合は『始末書は手書き?パソコンで書いていい?』を、用紙サイズで迷ったら『始末書の用紙はA4?B5?縦書き・横書きの正解』もご参照ください。
ケース4|慢性的な無断欠勤(繰り返し)の最終始末書
過去にも無断欠勤で注意・始末書提出があり、今回が複数回目に該当する場合の始末書です。このフェーズでは「次に同じことを起こせば懲戒解雇の可能性が高い」と人事側が判断していることが多く、書面の出来が直接、雇用継続の判断材料になります。
この場合に重要なのは次の3点です。形式的な反省文では、もはや雇用継続の判断材料にならないと考えてください。
- 過去の指導・処分を真摯に受け止めた認識を示すこと
- 今回の原因を表面的に片付けず、生活習慣・通院・業務量など根本要因まで踏み込んで書くこと
- 再発防止策を「会社側がチェックできる形」(例:週次の上司報告、産業医面談の継続)で提示すること
最終段は「処分を真摯に受け止める」程度の表現に留めるのが安全です。「いかなる処分も甘受する」など包括的に同意する文言は、後の解雇・処分の有効性を争う場面で本人に不利な証拠として使われる余地があるため避けてください。内容に納得していない場合は無理に書く必要はありません。
繰り返しケースで処分内容に納得できない、退職勧奨を匂わされている場合は『始末書を拒否できる?書かせる会社の法的根拠と対処法』・『始末書後の退職判断|自主退職・納得できない場合の対応』を必ず読んでから判断してください。
無断欠勤と解雇の境界線|2週間ルールと再発時のリスク
「無断欠勤でクビになるのか」を知りたい方のために、実務上の整理を簡潔にまとめます。日本の解雇規制は厳しく、解雇は「客観的に合理的な理由」と「社会通念上の相当性」を満たして初めて有効です(労働契約法16条)。1日や数日の無断欠勤、1〜2回の繰り返しでは、原則として解雇は認められません。
厚労省の解雇予告除外認定基準と「2週間」
労働基準監督署が解雇予告手当の支払いを除外できる「労働者の責めに帰すべき事由」の認定基準として、「正当な理由なく2週間以上無断欠勤し、出勤の督促にも応じない場合」が挙げられています。
これは即「2週間で必ず解雇できる」という意味ではなく、解雇を有効と判断するうえでの目安として裁判実務でも参照される基準です。逆に言えば、6日程度の無断欠勤を理由とした解雇はほぼ不当解雇と判断される傾向にあります。
| 欠勤期間・状況 | 解雇有効性の傾向 | 本人側の対応 |
|---|---|---|
| 1日のみの無断欠勤 | 解雇は通常認められない | 口頭謝罪+始末書1枚で完結することが多い |
| 数日連続(連絡あり/診断書あり) | 解雇はほぼ認められない | 始末書+診断書の提出で譴責程度 |
| 数日連続(連絡なし) | 譴責〜減給の余地。解雇は通常時期尚早 | 始末書を急いで丁寧に書く |
| 2週間以上の無断欠勤・督促無視 | 解雇有効性の目安となる期間 | 出社不可なら退職届の提出も選択肢 |
| 繰り返しの無断欠勤+指導・処分歴あり | 解雇有効性が認められる方向 | 産業医面談・休職など別ルートも検討 |
解雇できない例外:背景にハラスメント・メンタル不調がある場合
2週間以上連絡が途絶えていても、背景に職場のセクハラ・パワハラ、または明らかなメンタル不調・精神疾患がある場合は、解雇が無効と判断されるケースが多く報告されています。これは「無断欠勤」という外形的事実だけで判断せず、背景事情を含めて総合的に判断するというのが裁判実務の基本姿勢だからです。
ハラスメントやメンタル不調が背景にある場合、無理に始末書だけで決着をつけず、産業医面談・休職制度の利用・労働組合や労働問題NPOへの相談を先に検討してください。本人にとっても会社にとっても、休職→復職プロセスを踏んだ方が結果的に適正な対応になります。
再発時に解雇に至った場合の動き方や、退職届の出し方は『始末書後の退職判断|自主退職・納得できない場合の対応』にまとめています。
再発時の解雇リスクを下げる始末書の書き方
始末書は「書いて終わり」の文書ではありません。次に同じ問題が起きた際に、解雇の有効性判断に使われる証拠でもあります。書き方を間違えると、自分の首を自分で絞めることになります。次の3点を押さえてください。
ポイント1|過剰な自己否定表現を入れない
「会社の信用を著しく毀損し、取り返しのつかない損害を与えた」「社会人として失格である」のような重すぎる表現は、後で「本人自身が重大な非違行為と認めている」ことの証拠として使われかねません。事実より重く書くのは避け、業務影響は把握できる範囲のみを淡々と書きます。
ポイント2|事実無根の事項に署名しない
会社が用意したテンプレに、自分の認識と異なる業務影響(「○○社との取引停止に至った」など)が書かれていることがあります。事実と異なる部分は赤線で訂正したうえで提出するか、提出を保留して上司・人事と確認してください。
事実無根の内容で署名すると、後の解雇有効性判断で不利な証拠になります。
ポイント3|再発防止策を「検証可能な形」で書く
「以後気をつけます」「二度と起こしません」だけで終わると、再発時に「具体的な改善行動を約束していなかった」とされてしまいます。
逆に「週次で上司に勤怠状況を報告する」「目覚ましを2台体制にする」「体調不良時は前日夜に共有する」のように、外から検証できる行動を書いておくと、仮に再発しても「改善努力はしていた」と評価される余地が残ります。
再発防止策に書いた行動は、必ず実際にやってください。書面と実態が乖離すると、それ自体が「指導の効果がなかった」ことの証拠になり、解雇有効性を支える材料に変わります。
無断欠勤の始末書によくある質問
Q1. 1日の無断欠勤でも始末書は必要?
会社の運用次第です。就業規則に「無断欠勤は始末書提出の対象」と明記されている会社では1日でも対象になります。明記されていない会社でも、上司・人事から指示があれば提出します。指示がない場合でも、1日無断欠勤した事実は人事ファイルに残ることが多いため、自発的に書面で謝罪を残しておく方が後々のためになります。
Q2. 始末書を書かないとクビになる?
始末書1回の不提出だけで即解雇になるケースはほぼありません。一方で、無断欠勤の事実があり、かつ始末書の提出を求めても応じない・改善意思も示さない、という事情が組み合わさった場合、解雇の有効性を支える事情の一つになります。「拒否すれば全部なかったことになる」わけではない点に注意してください。
Q3. 無断欠勤の始末書は手書きとパソコンどちらがよい?
会社の指示に従うのが原則です。指示がない場合、無断欠勤のように「誠意を文書で示す」性質の始末書は、伝統的には手書きが好まれます。ただし近年はパソコン作成を許容する会社も増えており、社内の前例を確認したうえで判断してください。
Q4. 連絡せず休んだ理由を正直に書きたくない(嘘の理由を書きたい)
推奨できません。スマホの位置情報、SNS、同僚の目撃などから後で発覚した場合、「嘘の始末書を提出した」事実が新たな処分対象になります。書きたくない部分は「私的な事情により」と最低限にぼかすか、原因の詳細は省いて反省と再発防止策に重心を置く書き方にしてください。
Q5. 無断欠勤が原因で取引先に迷惑をかけた。取引先への謝罪文も必要?
社内向けの始末書とは別に、取引先向けの謝罪文(顛末書ベース)が必要になることがあります。社内宛の文書と社外宛の文書では宛名・敬語・記載粒度が異なるため、別々に作成してください。
Q6. 無断欠勤が2週間続いてしまった。もう詰みなのか?
2週間は解雇有効性の目安にはなりますが、即「詰み」ではありません。背景にメンタル不調・ハラスメント・通院などの事情があれば、解雇ではなく休職扱いに切り替えられる余地があります。診断書・通院記録などの客観資料を持って、まず産業医・労働組合・労働問題NPO・弁護士に相談してください。本人から退職届を出してしまうと、後の交渉余地が小さくなる点には注意が必要です。
Q7. 始末書を書いたあと、いつまで人事ファイルに残る?
保管期間は会社ごとに異なりますが、退職まで残る運用が一般的です。一方で、半年〜1年経過後の評価への影響は徐々に小さくなる傾向があり、「再発がない」事実が積み上がるほど実質的な影響は薄れます。
ケースが固まったらテンプレートで仕上げる
本記事のケース1〜4のうち、自分の状況に最も近い例文を選び、日付・部署・氏名・業務内容を差し替えれば提出できる始末書が完成します。形式で迷うより、早く提出する方が評価への影響を抑えられます。
▶ 始末書・顛末書テンプレートを開く(社内・社外、始末書/顛末書の切り替えに対応)
出した後の動き方・評価への影響は『始末書はやばい?書くとどうなる・クビになる可能性』、納得できなくて退職を考える場合は『始末書後の退職判断|自主退職・納得できない場合の対応』もあわせてご確認ください。
コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。








