遅刻の始末書 書き方・例文|寝坊・電車遅延・体調不良など理由別テンプレート

遅刻で始末書を書くことになった方へ
遅刻で始末書を書くよう指示されたとき、「なんと書けば許してもらえるのか」「寝坊だと正直に書いていいのか」「電車遅延を理由にすると言い訳がましくないか」と迷っている方は多いはずです。
結論を先に言うと、遅刻の始末書で最も重要なのは、理由の正当性ではなく「事実を正確に・言い訳せず・再発防止策を具体的に書く」の3点です。理由が寝坊でも電車遅延でも、書き方の骨格は変わりません。
本記事では、寝坊・電車遅延・体調不良・家庭事情・慢性的な遅刻の5パターンを中心に、コピーしてそのまま使える例文を用意しました。あわせて、「電車遅延を口実にしすぎない」「寝坊を素直に書くべきか」といった、多くの方がつまずきやすい判断基準も整理します。
遅刻ではなく無断欠勤の始末書を探している場合は『無断欠勤の始末書|書き方と例文・処分との関係』を、書き方の汎用論は『始末書の書き方完全ガイド』もご参照ください。
遅刻の始末書|共通の構成と書き方の3原則
理由が何であれ、遅刻の始末書には共通の骨格があります。次の構成と3原則を押さえれば、あとは事実部分を差し替えるだけで仕上がります。
共通の構成(5ブロック)
- 発生日時・遅刻時間(何時何分始業のところ、何時何分到着で何分遅刻したか)
- 状況・経緯(その日何が起きたかを5W1Hで簡潔に)
- 原因(自己管理・確認不足など、自分の責任の所在を明確に)
- 業務への影響(誰に・どんな迷惑をかけたか。なければ「業務開始の遅延」程度でも可)
- 再発防止策(実行可能で具体的なものを2〜3個)

書き方の3原則
- 原則1|事実は事実として書く。「○分遅刻」「○時○分到着」など時刻は分単位で正確に。曖昧な表現(「少し遅れて」など)は避けます。
- 原則2|言い訳・他責表現を入れない。電車遅延・体調不良といった外的要因が事実でも、まず自分の責任を認めたうえで添えます。冒頭から「電車が遅れたため」と書き始めると、反省文として読まれません。
- 原則3|再発防止策は実行可能なもの。「気をつけます」「以後注意します」だけは避け、行動レベルで書きます(後述)。


始末書は当日または翌営業日中の提出が望ましいとされています。社内のフォーマット(Word・手書き便箋など)が決まっている場合はそれに従います。
本記事の例文は宛名を「代表取締役 ○○ ○○ 様」としていますが、大企業や規模の大きい会社では、宛先が「支店長」「工場長」「所属部署の部門長(部長・本部長など)」に指定されているケースも多くあります。社内の規定や上司の指示に従って差し替えてください。
本記事の例文は「9時00分」「10時15分」のように12時間表記で統一していますが、社内文書として24時間表記(09:00・10:15・13:00 など)を標準としている会社も多くあります。コピーして使う際は、社内の慣例(12時間表記か24時間表記か)に合わせて表記を統一してください。
理由別の判断基準|寝坊・電車遅延・体調不良の書き方の違い
「寝坊」「電車遅延」「体調不良」は遅刻理由の三大カテゴリですが、書き方のニュアンスは少しずつ違います。それぞれの判断基準を整理しておきます。
| 遅刻理由 | 正直に書くべき度 | 書き方のコツ | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 寝坊・遅起き | 正直に書く(自己管理として) | 「自己管理が不十分であった」「起床時刻の管理を怠った」 | 嘘で電車遅延などにしないこと。後で発覚する |
| 電車・バス遅延 | 事実なら遅延証明書とともに | 路線名・遅延時間・振替輸送の有無を客観的に | 口実として多用すると不審がられる。乗車時刻の余裕不足にも触れる |
| 体調不良(軽微) | 簡潔に。診断名は最小限 | 朝の連絡時刻を明記。受診したなら受診の事実のみ | 詳細な症状を書きすぎない。プライバシーの問題にもなる |
| 家庭事情 | 概要のみ。具体内容は最小限 | 「家族の急病対応のため」など端的に | プライベート過多の記載は逆効果。要点だけ |
| 慢性的な遅刻 | 事実関係を整理して | 過去の経緯と今後の改善行動を構造的に | 「忙しい」「疲れていた」を理由にしない |
「寝坊を正直に書くべきか」問題
ネット上では「寝坊を電車遅延と書いておけばよい」という助言が見られますが、これは絶対に避けてください。会社が遅延証明書の提出を求めたり、駅員に問い合わせたりすれば事実は判明します。
後で虚偽が発覚すれば「虚偽報告」「服務規律違反」「誠実義務違反」として、当初の遅刻よりはるかに重い処分(譴責→出勤停止など)に発展する余地があります。寝坊は「起床時刻の管理を怠った」「自己管理が不十分であった」と言い換え、事実として正直に書くのが安全です。
「電車遅延を口実にしすぎない」問題
実際に電車遅延があった場合でも、それだけを原因にするのは避けます。なぜなら、遅延が起こりうることは事前に予想できるはずで、「想定外の遅延に対応できる時間的余裕を持って家を出ていなかった」という自分側の準備不足にも触れるのが、反省文として通りやすい書き方だからです。
遅延証明書が出るほどの大規模遅延は別ですが、5〜10分程度の小さな遅延を理由にした遅刻は、ほぼ自己管理の問題と扱われると考えてください。
始末書のやばさ・処分との関係が気になる方は『始末書はやばい?書くとどうなる・クビになる可能性』もあわせてご確認ください。
例文1|寝坊・遅起きによる遅刻
最も多いパターンが寝坊です。素直に「自己管理が不十分だった」と認めたうえで、再発防止策を具体的に書くのが基本形です。

「夜更かしの理由(飲み会・動画視聴など)」を書き込む必要はありません。原因は「生活リズム管理が不十分」で十分です。詳細を書きすぎるとかえって印象が悪くなります。
リモートワーク中の寝坊で、オンライン朝礼やWeb会議をすっぽかしてしまった場合も書き方の骨格は同じです。例文の「○時○○分に出社(○分の遅刻)」を「○時○○分に始業のチャット報告を実施(○分の遅刻)」や「○時開始のオンライン朝礼に不参加(事後連絡)」に置き換え、業務への影響欄に「ミーティング不参加・チャット応答の遅延によるチームへの迷惑」を記載すれば足ります。
例文2|電車・バスの遅延による遅刻
実際に電車遅延があった場合でも、自分側の準備不足にも触れるのが安全です。遅延証明書がある場合は添付し、書面では客観的事実(路線名・遅延時間)と自身の準備不足の両方を簡潔に書きます。
遅延証明書は当日中に取得(駅・各鉄道会社のWebサイトで発行可能)し、始末書とあわせて提出します。書面に「証明書を別途提出」と明記しておくと丁寧です。
例文3|体調不良による遅刻(軽微)
体調不良で遅刻した場合は、朝の連絡時刻を明記し、症状の詳細は最小限にとどめます。診断名や薬の名前など、医療プライバシーに関わる情報を書き込む必要はありません。受診した場合は「受診のため」と簡潔に書けば十分です。
症状(発熱○度、頭痛、吐き気など)を細かく書く必要はありません。「体調不良」「受診」程度で足り、必要に応じて口頭で補足する形が無難です。
例文4|家庭事情(家族の急用など)による遅刻
家族の急病対応や子どもの送迎トラブルなど、家庭事情で遅刻した場合は、概要のみ簡潔に書きます。プライバシーに関わる詳細(誰がどんな病気で、どこの病院で、など)は書かないのが原則です。
「家族の急病」「家族の事故」「子どもの体調不良」など、概要を一文で示せば足ります。続柄や病名まで書く必要はありません。
ここまでの例文をすぐに整えるなら
ここまでの例文を見て、自分のケースに近いものをコピーしたら、あとはフォーマットに流し込むだけです。TEMPLEXの始末書テンプレートを使えば、社内向け/社外向けの宛名切り替えや、始末書/顛末書の様式変更も含めて、印刷用のレイアウトに整った状態で出力できます。
例文5|慢性的な遅刻に対する始末書
「3か月で5回」「直近1か月で3回」など、繰り返しの遅刻に対して始末書を求められた場合は、単発の遅刻とは書き方が変わります。過去の経緯を整理し、根本原因を特定し、構造的な改善策を示す必要があります。
慢性的な遅刻に対する始末書は、再発時により重い処分(減給・出勤停止など)の根拠資料となる可能性があります。事実と異なる経緯を書かない、達成不可能な再発防止策を約束しないという2点に特に注意してください。
繰り返しの遅刻が解雇につながるかが気になる方は『始末書はやばい?書くとどうなる・クビになる可能性』の「3回書いたらクビのような数のルールはない」のセクションをご参照ください。
再発防止策の作り方|「気をつけます」では通らない
始末書で評価を最も左右するのが再発防止策のパートです。「以後気をつけます」「二度と遅刻しません」だけでは、改善の意思は伝わっても、改善する手段は伝わりません。次の3条件を満たしているかチェックしてください。
- 条件1|行動レベルで書かれていること。「就寝時刻を23時に固定」「始業30分前到着」など、誰が見ても実行できているか判定できる形にします。
- 条件2|原因と対応していること。原因が「寝坊」なのに「通勤経路を見直す」では対応していません。原因に対して直接効く対策を書きます。
- 条件3|実行可能で持続可能なこと。「毎朝5時起床」など極端な対策を書くと、続かなかったときに「再度の不履行」として印象を悪化させます。
| NG例 | 改善例 |
|---|---|
| 今後は気をつけます | 始業30分前の8時30分に出社することをルール化する |
| 二度と寝坊しません | 目覚ましを2系統(スマホ+置時計)に設定し、置時計はベッドから離れた位置に置く |
| 電車の遅延に注意します | 始業60分前に最寄り駅を出発し、代替ルートを2経路事前に登録しておく |
| 体調管理を徹底します | 23時就寝・6時30分起床を平日固定とし、就寝1時間前以降のスマホ使用を控える |
再発防止策に書いた行動は、提出後に実際に運用してください。「書いた対策をやらない」と書面と実態が乖離し、次に問題が起きたときの心証を著しく悪化させます。
遅刻の始末書でよくある失敗例
提出された遅刻の始末書のうち、上司・人事から「もう一度書き直して」と差し戻されやすいパターンを4つ紹介します。
失敗1|事実と異なる遅刻理由を書く
実際は寝坊なのに「電車が遅れた」と書く、軽微な体調不良を「家族の急病」と書く、などの虚偽記載は最も避けるべきパターンです。会社が遅延証明書を求めたり、後日他の社員から事実が伝わったりすれば、当初の遅刻よりはるかに重い処分の根拠(虚偽報告・服務規律違反・誠実義務違反)になりえます。
失敗2|冒頭から言い訳を書く
「電車が遅れたため」「家族の事情で」と冒頭から書き始めると、反省文として読まれません。順番は「お詫び→事実→原因→影響→再発防止策」が原則で、外的事情は原因のセクションで客観的に触れます。
失敗3|再発防止策が抽象的
「気をつけます」「以後注意します」「自己管理を徹底します」だけで終わると、改善する手段が示されていないため、評価者から見ると「反省はしているが対策はない」と読まれます。前章のチェック項目を満たすように具体化してください。
失敗4|過剰な自責表現
「会社の信用を著しく毀損し、取り返しのつかない損害を与えました」のような過剰表現は、軽微な遅刻に対しては不釣り合いです。
文書として残るため、後で「軽微なミスを本人が重大な非違行為と自認していた」という証拠扱いになることもあります。事実より重く書くのも、軽く書くのも避けます。
「始末書」と「反省文」の違いが気になる方は『始末書と反省文の違い|どちらを書くべきか』もご参照ください。遅刻の場合は反省文で済むケースも多くあります。
遅刻の始末書|よくある質問
Q1. 1回の遅刻で始末書を書かされるのは普通ですか?
業種や役職によります。シフト制の店舗運営や受付業務など、遅刻が他人の業務開始を直接遅らせる職場では、1回でも提出を求められることがあります。一方、内勤の事務職などでは、繰り返しの遅刻に対して提出を求めるのが一般的です。
Q2. 遅刻の始末書を書くと給料は減りますか?
始末書(譴責処分)の提出だけで給与が減る運用は通常ありません。ただし、遅刻した時間分のノーワーク・ノーペイ控除は別途行われます(所定労働時間に達していない時間分の賃金が支払われない)。減給処分が同時に通知される場合は、就業規則の懲戒規定の範囲内で行われます。
Q3. 遅刻の始末書は何枚書くとクビになりますか?
「○枚で解雇」のような数だけのルールは原則として無効です。ただし、同種の遅刻を繰り返した結果として、改善の機会が十分に与えられたうえで改善が見られない場合は、解雇の有効性を判断する事情の一つになります。詳しくは関連記事をご参照ください。
Q4. 遅延証明書は必ず添付すべきですか?
電車遅延を理由とする場合は、客観性を担保するため添付するのが望ましいです。各鉄道会社のWebサイトで当日中に発行できることが多く、紙でなくてもプリントアウトで足りることが一般的です。
Q5. 寝坊を「電車遅延」と書いてしまいました。どうしたらいいですか?
提出前であれば、書き直して正確な事実を記載してください。提出後であれば、自分から上司に申し出て訂正の機会を求めるのが原則です。隠し続けて後で発覚した場合の処分のほうが、自ら訂正した場合より格段に重くなります。
Q6. 体調不良の症状はどこまで詳しく書くべきですか?
「体調不良」「受診のため」程度で足り、診断名・症状の詳細・薬の名前などは書く必要がありません。これらは医療プライバシーに関わる情報で、業務上の文書に必要以上に記載するのは推奨されません。必要があれば口頭で補足する形が無難です。
遅刻の始末書をすぐに整えるなら、テンプレートで
事実関係と再発防止策が固まったら、フォーマットで悩む時間は最小限に抑えるのが結果的に最も評価への悪影響を減らす進め方です。手書き派は便箋に清書、Word派はテンプレートに流し込みで整えてください。
▶ 始末書・顛末書テンプレートを開く(社内・社外、始末書/顛末書の切り替えに対応)
手書きで提出する場合の便箋・封筒・縦書きのマナーは『始末書を手書きで書くときのマナー』を、ケース別の例文集は『始末書・顛末書 例文集』もご参照ください。
コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。








