請求書を手渡しするときの封筒とマナー|書き方と添え状

結論:手渡しでも封筒に入れる。郵送と違うのは4点
請求書を直接持参して渡すときも、白い封筒に入れて渡すのが基本です。請求書には金額や取引内容が書かれているため、裸の紙のまま渡すと第三者の目に触れやすく、改まった書類としての印象も弱くなります。ただし郵送と全く同じに準備する必要はなく、投函しない分だけ省ける項目があります。
郵送と違って省けるもの・変わるもの
- 郵便番号・相手の住所 → 不要(ポストに入れず直接渡すため)
- 切手 → 不要(郵送料ではないので貼らない)
- 封字「〆」・のり付け → しない(その場で中身を確認してもらえるよう封はしない)
- 添え状(送付状)→ 基本は不要(口頭で挨拶・用件を伝えられるため)
逆に、郵送でも手渡しでも変わらないのは封筒の表に「請求書在中」と書くことです。受け取った相手が中身を一目で把握でき、経理へ回しやすくなります。封筒の色・サイズや三つ折りの向きといった共通の基本は請求書の封筒の書き方で確認できます。ここでは手渡しならではの部分だけを扱います。

そもそも封筒は必要?裸で渡すのはアリか
結論として、請求書1枚を裸で渡しても「違反」になるわけではありませんが、取引先に渡すなら封筒に入れるのが無難です。封筒に入れる目的は、金額や明細を他人に見られないようにすること、そして持ち歩く間に折れ・汚れが付くのを防ぐことの2つです。
丁寧さの度合いは相手との関係で調整して構いません。改まった取引先なら封筒、毎日のように顔を合わせる近い相手ならクリアファイルでも実害は小さい、というのが実務の感覚です。迷ったら封筒に入れておけば、どの相手でも失礼になりません。
クリアファイルを使うなら、透明だと移動中や受付で金額・取引内容が第三者に見えてしまう点に注意します。不透明なファイルを選ぶか、請求書の前に白紙を1枚重ねておくと中身が透けません。
封筒に入れず手渡しした場合でも、相手から「正式な請求書は封筒で改めて」と言われることがあります。先方の経理ルールに合わせるのが結局は早道です。
手渡し用の封筒の書き方|郵便番号・住所は書かない
手渡しの封筒で書くのは、表の「請求書在中」と、裏の自社名・担当者名だけで足ります。ポストに投函しないので、表に郵便番号や相手の住所を書く必要はありません。
表面に書くこと
表面は「請求書在中」を書けば最低限OKです。相手の会社名・担当者名(宛名)は、書いても省いても構いません。受付や別の人にいったん預ける可能性があるなら、誰宛てか分かるよう宛名を書いておくと取り次ぎがスムーズです。逆に、その場で本人に直接手渡すと決まっているなら、宛名を省いて「請求書在中」だけでも問題ありません。
「請求書在中」の文字色は赤・青のどちらでも構いません。市販の「請求書在中」スタンプを使えば手書きより整い、位置は縦書き封筒なら表の左下、横書きなら右下が目安です。
裏面に書くこと
裏面には自社の会社名と担当者名を書きます。封筒だけが相手の手元に残っても、どこからの請求書か分かるようにするためです。郵送なら裏に自社の住所も入れますが、手渡しでは住所まではなくても困りません(書いても問題ありません)。
封筒のフタはのり付けせず、封字「〆」も書きません。手渡しはその場で相手が中身を確認できるのが利点なので、すぐ取り出せるようフタは折るだけにしておきます。請求書の三つ折りの向きや重ね順など、入れ方の基本は請求書の封筒への入れ方と同じで構いません。
添え状(送付状)は付ける?
手渡しの場合、添え状は基本的に不要です。送付状は本来「直接会えないので書面で挨拶と用件を伝える」ためのもの。直接渡せるなら、その場で口頭で挨拶すれば同じ役割を果たせます。
ただし、より丁寧にしたいときや、これまで郵送していた相手にいつも通りの体裁で渡したいときは、送付状を1枚添えても問題ありません。受付に預けるなど本人に直接会えないことが分かっている場合は、用件が伝わるよう一言メモか送付状を添えておくと親切です。
きちんとした送付状を添える場合の文面は、場面別の送付状の文例の請求書向けの例をそのまま使えます。手渡しに合わせて「下記のとおり請求書をお持ちしました」のように言い回しを少し変えるだけで整います。
渡し方のマナー|両手で、相手から読める向きに
渡し方の基本は、封筒を両手で持ち、相手から文字が読める向きにして差し出すことです。片手でぞんざいに渡したり、自分から見て正位置のまま(相手から見ると逆さ)渡したりしないよう気を付けます。渡すときは「請求書をお持ちしました。ご確認をお願いいたします」と一言添えると丁寧です。
相手別の渡し方
担当者本人に手渡すときは、「△△の件の請求書でございます」と用件を添えて両手で渡します。初対面で名刺交換がある場合は、先に名刺交換と挨拶を済ませ、席について本題に入るタイミング(または退出間際)に請求書を差し出すと自然です。受付や別の方に預けるときは、自分の会社名と名前を名乗ったうえで「○○様宛の請求書をお持ちしました」と伝え、封筒のまま両手で渡します。本人がその場で開封するわけではないので、預ける場合は宛名を書いておくと取り次ぎが確実です。
請求書を渡すと同時にその場で現金や小切手を受け取る(集金する)なら、別途領収書も必要です。代金を受け取った側は、相手から求められれば受取証書(領収書)を交付する義務があります(民法486条)。集金に伺うときは、請求書と一緒に金額を記入した領収書も持参しておくとその場で渡せます。両方の要否は請求書と領収書は両方必要かで整理しています。
アポイントを取って訪問する場合は、相手の都合を優先し、用件が済んだら長居しないのが基本です。請求書を渡すだけのために相手の時間を取りすぎないよう気を配ります。
手渡したあとの注意|「渡した証拠」を残す
手渡しは郵送と違って発送記録が残らないため、請求書が経理担当者まで届かない・処理を忘れられるといったリスクがあります。受け取った人と支払い処理をする人が別、という会社では特に起きやすいので、渡したあとのひと手間で防ぎます。
- 控えに受領サイン・受領印をもらう:渡した事実をその場で残せる最も確実な方法
- 受領後にメールで一報を入れる:「本日◯◯の請求書をお渡ししました」と送り、相手にも記録を残してもらう
- 支払期日が近いときは口頭でも期日を伝える:処理漏れによる入金遅れを防ぐ
渡した相手が担当者本人でなかった場合は、誰に何時ごろ渡したかをメールに書いておくと、社内で行方が分からなくなったときに追跡しやすくなります。
手渡しでもインボイスの記載事項は同じ
渡し方が郵送でも手渡しでも、請求書そのものに書くべき内容は変わりません。インボイス(適格請求書)として発行する場合は、手渡しでも登録番号・適用税率・税率ごとに区分した消費税額などの記載要件を満たす必要があります(国税庁 適格請求書等の記載事項)。
つまり「手渡しだから記載を省いてよい」という例外はありません。記載事項そのものに不安があるときは、渡し方ではなく書類の中身を請求書の書き方で確認しておきましょう。
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コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。









