請求書番号の付け方|通し番号のルールとインボイス登録番号との違い

請求書番号の付け方|通し番号のルールとインボイス登録番号との違い

請求書番号とは?まず押さえる2つの前提

請求書番号とは、発行する一枚ごとに割り振る自社管理用の通し番号のことです。付け方を考える前に、混乱のもとになりやすい2つの前提を先に押さえておきます。

  • 請求書番号の記載は法律上の義務ではない。付けなくても請求書は有効で、付け方のルールも法律では決まっていません(採番は自社で自由に決められます)。
  • 「請求書番号」と「インボイスの登録番号(T+13桁)」はまったくの別物。登録番号のほうは適格請求書では必須ですが、自社で好きに付ける番号ではありません。

この記事は請求書を発行する側に向けて、通し番号の付け方・重複させないコツ・電子保存で効いてくる番号の役割を順に説明します。登録番号(T番号)の調べ方や記載位置を知りたい場合は、インボイスの登録番号の調べ方の記事をご参照ください。

請求書番号とインボイス登録番号の違い

番号が2つ出てくるので混同されがちですが、役割も決め方も別です。請求書番号は自社が管理のために付ける任意の番号、登録番号は国が事業者に割り振る公的な番号です。

請求書番号(通し番号)インボイスの登録番号
目的自社での管理・照合適格請求書発行事業者であることの証明
決める人発行側(自由)税務署長が付与(変更不可)
形式ルールは自由(例:202606-001)「T」+数字13桁の14文字
記載任意(なくても可)適格請求書では必須
番号の単位請求書1枚ごとに変わる事業者ごとに固定(毎回同じ)
請求書番号とインボイス登録番号の違い
請求書番号とインボイス登録番号の違い

登録番号(T番号)は税務署から付与される自社で勝手に変更できない公的な番号です。もし間違えて送ってしまっても取り返しがつかないわけではなく、正しい番号で直した請求書を改めて渡せば修正できます(記載に誤りがあった適格請求書は、発行側が修正したものを交付すれば差し替えられます)。ただし再交付の手間はかかるので、発行前に番号を確認しておくのが安心です。正しい番号がわからない・取引先の番号が有効か確かめたいときは、登録番号の調べ方・確認方法を参照してください。

請求書番号の付け方|通し番号のパターン

付け方に正解はありませんが、実務で使われているのは大きく次の4パターンです。発行件数が少なければ単純な連番、取引先や月で整理したいなら情報を組み合わせる、と考えると選びやすくなります。

パターン向いているケース
単純な連番00001 / 00002発行枚数が少ない・個人事業主
年+連番2026-0001 / 2026-0002年ごとに番号をリセットしたい
年月+連番202606-001 / 202606-002月締めで請求している
取引先コード+年月+連番A001-202606-01取引先が多く、番号で相手を見分けたい

連番の桁は「001」のように先頭をゼロで埋めて固定桁にしておくのがコツです。「1・2…10」と桁が増えると、表計算ソフトでの並べ替えがずれてしまうためです。発行件数の見込みに合わせて3〜4桁ほど確保しておけば安心です。

社内で取引先コードを決めていなくても問題ありません。会社名の頭文字を使えば十分に見分けられます。たとえば「○○商事」なら「MARU-202606-01」のようにすれば、コード表を用意しなくても番号から相手がわかります。

番号フォーマットの例(自社ルールの控えに)
【単純な連番】 00001 00002 00003 【年+連番(年ごとにリセット)】 2026-0001 2026-0002 【年月+連番(月締め向け)】 202606-001 202606-002 【取引先コード+年月+連番】 A001-202606-01 A001-202606-02 B002-202606-01

見積書・納品書・請求書を一連の取引として結びつけたいときは、案件番号を共通にして頭文字だけ書類で変える方法も便利です。たとえば案件「2026-005」に対し、見積書は「M-2026-005」、納品書は「D-2026-005」、請求書は「S-2026-005」とすれば、どの請求書がどの見積りに対応するか一目でわかります。

案件番号を書類でそろえる例
案件番号:2026-005 見積書:M-2026-005 納品書:D-2026-005 請求書:S-2026-005

請求書番号で一番大事なのは「重複させない」こと

付け方そのものより重要なのが、同じ番号を二度使わないことです。番号が重複すると、入金消込のときにどの請求に対する入金かを判別できず、二重請求や誤った督促につながります。番号は「決め方」より「ぶつからない運用」のほうが効きます。

  • 採番ルールを社内で1つに統一する(部署ごとに別ルールにしない)
  • 番号を飛ばさず、欠番が出たら理由を控えておく
  • 請求書を取り消した場合も、その番号は再利用せず欠番のままにする
  • 発行前に直近の番号を台帳で確認してから採番する

内容を修正して請求書を出し直すときは、新しい番号を振るか、元番号の後ろにハイフンで枝番(例:202606-001-rev1)を付けると、元データとの紐付けが壊れません。同じ番号を上書きで使い回すと、修正前後のどちらの請求書か台帳で追えなくなります。

特に複数の担当者・部署が請求書を発行する会社は要注意です。それぞれが「001」から振り始めると同じ番号が量産されます。取引先コードや部署コードを頭に付けて、採番の範囲が重ならないようにしておくと衝突を防げます。

手作業での採番ミスが心配なら、番号を自動で連番にできる作成ツールを使うのが確実です。発行のたびに台帳を見て手入力する手間も省けます。

電子保存で効いてくる「検索要件」と請求書番号

メールやPDFでやり取りした請求書は、電子帳簿保存法により電子データのまま保存することが求められます。このとき関わってくるのが「検索要件(検索機能の確保)」で、保存したデータを次の3つで検索できる状態にしておく必要があります。

  • 取引年月日・取引金額・取引先 で検索できること
  • 日付または金額の範囲指定 で検索できること
  • 2つ以上の項目を組み合わせた条件 で検索できること

検索のキーになるのは「取引年月日・取引金額・取引先」の3つで、請求書番号そのものは検索要件の項目ではありません。とはいえ、請求書番号に発行年月や取引先コードを織り込んでおくと、ファイル整理や台帳作成がこの3項目とそのまま噛み合い、結果的に検索要件への対応がラクになります。

国税庁は、専用システムがなくてもファイル名や表計算ソフトの一覧表で検索要件を満たせるとしています。たとえば保存するPDFのファイル名を「日付_取引先_金額」の形でそろえる方法が代表的です。請求書番号を先頭に足しておけば、台帳と現物の突き合わせもしやすくなります。なおファイル名にスラッシュ(/)やコロン(:)は使えないため、区切りにはハイフン(-)やアンダースコア(_)を使います。

検索要件に合わせたファイル名の付け方の例
20260630_〇〇商事_110000.pdf 20260630_△△工務店_55000.pdf (請求書番号も入れる場合) S-2026-005_20260630_〇〇商事_110000.pdf

前々年(前々事業年度)の売上高が5,000万円以下の事業者などは、税務調査でデータのダウンロードの求めに応じられるようにしてあれば、上の検索機能のすべてが不要になります(この基準額は、以前の1,000万円以下から拡大されたものです)。ただしデータ自体の保存は引き続き必要です。

PDFでの発行・保存のやり方や電子インボイスへの対応は、請求書を電子化・PDFで作る/送る方法の記事でくわしく説明しています。

請求書番号はどこに書く?記載例

請求書番号の位置に決まりはありませんが、発行日の近く、用紙の右上に置くのが一般的です。「No.」や「請求書番号」といったラベルを添えると、相手が問い合わせるときにも番号を伝えやすくなります。登録番号は別の役割なので、請求書番号とは離して書くと混同を防げます。

請求書ヘッダーの記載例
請求書 請求書番号:S-2026-005 発行日:2026年6月30日 登録番号:T1234567890123

請求書全体の項目(必須6項目・端数処理・支払期日など)をまとめて確認したいときは、請求書の書き方ガイドをあわせてご覧ください。

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