領収書と領収証の違い|「証」と「書」はどっちが正しい?

領収書と領収証の違い|「証」と「書」はどっちが正しい?

結論:領収書と領収証は同じもの

市販の領収用紙やレジの印字が「領収証」になっていて、「領収書」と違うのか不安になった方へ。先に結論をお伝えします。

「領収書」と「領収証」は表記が違うだけで、意味・法的効力・税務上の扱いはまったく同じです。発行する側も受け取る側も、どちらの表記を使っても問題ありません。市販の用紙やレジに「領収証」と印字されていても、そのまま正式な書類として通用します。

民法では、代金の受け取りを証明するこの書類を「受取証書」と呼びます(民法486条1項)。「領収書」も「領収証」も、この受取証書を指す呼び名にすぎません。法律が「領収書」と「領収証」を別物として区別している事実はありません。

受け取った書類のタイトルが「領収証」でも、二重線で「領収書」に直してもらったり、再発行を依頼したりする必要は一切ありません。表記が違うだけで同じ書類なので、そのまま経費精算や保管に使えます。

なぜ「証」と「書」の2つの表記があるのか

どちらかが正しくて、どちらかが間違いというわけではありません。2つの表記が並んで使われているのは、法律上の決まりではなく慣習の問題です。

市販の領収用紙やレジロールは「領収証」と印字された商品が多く、役所や金融機関の窓口でも「領収証」が使われがちです。一方、ビジネス文書のひな形やソフトの項目名では「領収書」が一般的です。身の回りで「領収証」を見かける機会が多いだけで、どちらも同じ書類を指しています。

国税庁の説明でも、証拠書類の大枠を「領収書」とし、その中に「領収証」やレシートが含まれる、という整理になっています。つまり「領収書」が広い総称で、「領収証」はその一種という関係です。発行する書類のタイトルをどちらにするか迷ったら、どちらを選んでも構いません。ただし、自分でフォーマットやシステムを用意するなら、より一般的な総称である「領収書」にしておくのが無難です。

紛らわしい近隣の書類との違い

「領収証」を調べると、受領書・受取書・支払証明書といった似た名前の書類も出てきます。領収書(=領収証)は「お金を受け取ったこと」を証明する書類で、近い言葉とは次のように整理できます。

書類何を証明するか領収書との関係
領収書 / 領収証金銭を受け取った事実同じもの(表記違いだけ)
受領書金銭に限らず、物品や書類を受け取った事実「物品の受領」にも使う広い言葉。金銭の受領なら領収書とほぼ同じ役割
受取書金銭・有価証券を受け取った事実印紙税では「金銭又は有価証券の受取書」を指し、領収書とほぼ同義
レシートレジで自動発行される購入の記録(宛名なしが一般的)法的効力は領収書と同じ。宛名の有無などの違いは別記事で解説
支払証明書領収書が出ない支払い(自販機・公共交通など)の代替領収書をもらえない場面の補完
「証明する対象」が広いか狭いかの違い。金銭の受領という用途では、領収書・領収証・受領書はいずれも同じ目的で使えます。

「受領書」は物品の受け取りにも使う点が領収書との主な違いです。金銭の受け取りを証明するなら、領収書・領収証・金銭受領書のどれを使っても役割は変わりません。

印紙もインボイスも「名称」では決まらない

「領収証」と「領収書」で、収入印紙の要否やインボイス(適格請求書)としての扱いが変わるのでは、と心配する必要はありません。印紙税もインボイスも、書類の「名称」ではなく「記載内容」で判断されます。

国税庁は、課税文書に当たるかどうかを文書の名称や表題ではなく、記載されている内容(実質)で判断するとしています(国税庁「課税文書に該当するかどうかの判断」)。だからタイトルが「領収証」でも「領収書」でも、5万円以上の金銭の受取書なら印紙の要否は同じです。逆に、表題を「領収書」にしたからといって課税されるわけでもありません。

インボイス制度も同様で、適格請求書として認められるかは登録番号・取引年月日・取引内容・税率ごとの金額などの必要項目が記載されているかで決まります。書類の表題が「領収証」であっても、これらの要件を満たしていれば仕入税額控除に使えます。

収入印紙の金額や貼り方など印紙の詳細は領収書の印紙税の記事で解説しています。

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