レジ過不足の始末書 例文|接客・小売業の現金管理ミスへの書き方と再発防止策

レジ過不足の始末書 例文|接客・小売業の現金管理ミスへの書き方と再発防止策

レジ過不足で始末書を書くことになった方へ

レジ締めで「数百円合わない」「1万円札と5千円札を取り違えてしまった」「キャンセル処理を誤った」といったことが起き、店長や本社から始末書の提出を求められた方に向けた記事です。

レジ過不足は、接客・小売・飲食・百貨店などの現場で日常的に起こりうるミスであり、提出を求められたからといって、必ずしも重い処分が確定したわけではありません。多くは「再発防止の意識づけ」として運用される譴責・戒告レベル(軽度の懲戒処分)にとどまります。

本記事では、レジ過不足の始末書をすぐ書けるよう、ケース別の例文を4種類以上用意したうえで、再発防止策の具体例、業界別(コンビニ・スーパー・飲食・百貨店)の事情の差、そして「過不足分は給与から天引きされるのか」「損害賠償を求められるのか」という不安についても、労働法の基本的な考え方をふまえて整理します。

そもそも始末書を書くこと自体に不安がある方は『始末書はやばい?書くとどうなる・クビになる可能性』を、書き方の基本ルールから固めたい方は『始末書の書き方完全ガイド』もあわせてご確認ください。

レジ過不足の始末書に書くべき5つの要素

レジ過不足の始末書は、業務ミスの中でも金額・原因・調査経過を具体的に書ける性質のため、抽象的な反省文ではなく「事実報告書+反省文」の性格が強くなります。本社・経理・店長など複数の人間が読む前提で、過不足の発生状況を客観的に再現できる構成が望ましいです。

要素書く内容ポイント
①発生日時・店舗・レジ番号過不足が判明した日時、店舗名、レジ番号・担当者レジ精算時か営業中の途中点検かを明記
②過不足の金額「過剰○○円」「不足○○円」と金額・方向を明記「過剰」「不足」の方向が逆だと意味が変わる
③推定される原因釣銭ミス/登録ミス/返金処理ミス等、調査結果確証がないときは「推定」と書いて構わない
④調査の経過ジャーナル・防犯カメラ・伝票での確認状況「調査の上で原因不明」も正当な記載
⑤再発防止策声出し・ダブルチェック・トレイ運用など具体策「以後気をつける」のみは避ける
レジ過不足の始末書に含める5要素
レジ過不足の始末書に含める5要素
レジ過不足の始末書に含める5要素

原因が特定できない場合は、無理に犯人探しのような記述をする必要はありません。「ジャーナル・防犯カメラを確認したものの、原因の特定には至りませんでした」と正直に書くほうが、後に事実と異なる記述として問題視されるリスクを避けられます。

宛先は「店長宛」とする例文が一般的ですが、会社の規模や規程によっては「代表取締役社長宛」「エリアマネージャー宛」「人事部長宛」とするルールもあります。提出先は、社内規程や上長の指示を事前に確認しましょう。

署名欄は、自筆で氏名を書いたうえで、シャチハタ以外の認印を押すのが基本です。脱ハンコが進んでいる職場でも、始末書のような処分関連書類では署名・押印を求められることが今もあります。電子提出の場合は社内ルールに従ってください。

ケース1|釣銭の渡し間違い(過剰払い・不足払い)

最も多いのが、お客様への釣銭を多く渡してしまった/少なく渡してしまったケースです。1万円札と5千円札の取り違え、千円札を2枚重ねて渡したなど、原因は具体的に追跡できることが多い類型です。

例文1|釣銭の渡し間違い(千円札を1枚多く渡してしまった)
始末書 令和○年○月○日 株式会社○○○○ ○○店 店長 ○○ ○○ 様 所属:○○店 レジ担当 氏名:山田 太郎 印 この度、私が担当いたしましたレジ業務において、お客様への釣銭の渡し間違いにより、現金不足を発生させましたことを深くお詫び申し上げます。下記のとおりご報告いたします。 記 1. 発生日時  令和○年○月○日 ○時○分頃 2. 発生場所  ○○店 第○レジ 3. 内容  お会計○○円につき1万円札にて預かり、釣銭○○円をお渡しすべきところ、千円札を1枚多く重ねてお渡しし、結果として現金1,000円の不足を生じさせました。 4. 原因  千円札を数える際の指離れが不十分で、2枚を1枚と誤認したまま釣銭皿に置いてしまったこと。混雑時間帯であり、声出し確認を省略していたこと。 5. 再発防止策  ・釣銭をお渡しする前に、必ず声に出して金種ごとに枚数を確認する。  ・釣銭は札を1枚ずつ離してカウントし、二度数えてからお渡しする。  ・混雑時こそ確認手順を省略しないことを徹底する。 以上、深く反省し、今後二度とこのようなことのないよう注意してまいります。 以上
始末書の例文1|釣銭の渡し間違い(千円札を1枚多く渡してしまった)
始末書の例文1|釣銭の渡し間違い(千円札を1枚多く渡してしまった)
例文2|釣銭の渡し間違い(過剰払い・お客様連絡先不明)
始末書 令和○年○月○日 株式会社○○○○ ○○店 店長 ○○ ○○ 様 所属:○○店 レジ担当 氏名:佐藤 花子 印 この度、私が担当いたしましたレジ業務において、釣銭の過剰払いにより、現金過剰(記録より少額)の事案を発生させましたことを深くお詫び申し上げます。 記 1. 発生日時  令和○年○月○日 ○時○分頃 2. 発生場所  ○○店 第○レジ 3. 内容  お会計○○円につき5千円札にて預かり、釣銭○○円をお渡しすべきところ、5千円札を1万円札と取り違えて操作し、釣銭を5,000円多くお渡ししました。お客様はすでに退店されており、店内・店外とも姿を確認することができませんでした。 4. 原因  預り金を金種ごとに分けず、レジ上部に置いたまま登録ボタンを押下したこと。新札であったため札の見分けが付きにくかったこと。 5. 再発防止策  ・お預り金は必ずレジ上部の所定位置に立てて置き、金種を声に出して確認してから登録する。  ・1万円札・5千円札の受領時は「○千円お預かりします」と必ず復唱する。  ・新札の取扱研修を月1回受講する。 以上、深く反省し、再発防止に努める所存です。 以上

釣銭の過剰払いでお客様の連絡先が不明な場合、自分で立て替えるべきかどうかは店舗の運用次第です。後述のとおり、過不足分の自動的な給与天引きは適法ではないため、独自判断で立て替える前に必ず店長・本社の指示を仰いでください。

ケース2|レジ集計時の現金過剰

レジ締めで「ジャーナルより現金が多い」現金過剰の場合、釣銭の渡し漏れ・登録忘れ・他のレジからの混入などが原因として考えられます。お客様に損害は出ていないものの、原因不明のまま処理すると不正会計の疑いを生むため、調査と報告が重要です。

例文3|レジ集計時の現金過剰
始末書 令和○年○月○日 株式会社○○○○ ○○店 店長 ○○ ○○ 様 所属:○○店 レジ担当 氏名:鈴木 一郎 印 この度、私が担当いたしましたレジ業務の精算において、現金過剰○○円を発生させましたことを深くお詫び申し上げます。下記のとおりご報告いたします。 記 1. 発生日時  令和○年○月○日 ○時○分(レジ精算時) 2. 発生場所  ○○店 第○レジ 3. 過不足金額  現金過剰 ○○円(ジャーナル合計:○○円/実査現金:○○円) 4. 調査経過  精算時に過剰が判明したため、ただちにジャーナルおよび防犯カメラを確認しました。○時○分頃のお会計において、釣銭としてお渡しすべき○○円のうち、小銭○○円分をお客様にお渡しせず、釣銭皿に残してしまった可能性が最も高いと判断いたしました。お客様の特定は困難であったため、過剰分は店舗の指示に従い処理いたしました。 5. 原因  釣銭皿に残った小銭の確認を怠ったこと。釣銭をまとめてお渡しする前に、金種ごとの数え直しを行わなかったこと。 6. 再発防止策  ・お客様退店後、必ず釣銭皿の中を目視確認する。  ・釣銭は紙幣・硬貨を分けて手渡しし、合計金額を声に出して伝える。  ・営業中の中間点検を1日2回実施し、過不足の早期発見に努める。 以上、深く反省し、再発防止に努める所存です。 以上

ケース3|レジ集計時の現金不足

現金不足は、釣銭の過剰払いや、登録ミス(少額で登録した)・小口の出金漏れ・両替時の取り違えなどが原因です。

「不足」は店舗の損害に直結するため、より厳密な調査と報告が求められます。原因不明の不足が常態化している場合は個人の問題ではなく、レジ運用の見直し(ダブルチェック・カメラ位置・つり銭機の導入)が必要なサインでもあります。

例文4|レジ集計時の現金不足(原因特定)
始末書 令和○年○月○日 株式会社○○○○ ○○店 店長 ○○ ○○ 様 所属:○○店 レジ担当 氏名:高橋 二郎 印 この度、私が担当いたしましたレジ業務の精算において、現金不足○○円を発生させましたことを深くお詫び申し上げます。下記のとおりご報告いたします。 記 1. 発生日時  令和○年○月○日 ○時○分(レジ精算時) 2. 発生場所  ○○店 第○レジ 3. 過不足金額  現金不足 ○○円(ジャーナル合計:○○円/実査現金:○○円) 4. 調査経過  ジャーナルおよび防犯カメラを照合した結果、○時○分頃のお会計において、お客様より預かった金額を実際より低く認識し、釣銭を過剰にお渡ししたことが原因と判明いたしました。 5. 原因  お預り金の確認を1回のみで済ませ、復唱・声出し確認を省略したこと。混雑時間帯における集中力の低下。 6. 再発防止策  ・お預り金は必ず「○○円お預かりします」と声に出して復唱する。  ・釣銭は金種ごとに数え、合計金額をお客様に伝えてからお渡しする。  ・休憩前後にレジ点検を行い、過不足の早期把握に努める。 以上、深く反省し、再発防止に努める所存です。 以上
例文5|レジ集計時の現金不足(原因不明)
始末書 令和○年○月○日 株式会社○○○○ ○○店 店長 ○○ ○○ 様 所属:○○店 レジ担当 氏名:田中 三郎 印 この度、私が担当いたしましたレジ業務の精算において、現金不足○○円を発生させましたことを深くお詫び申し上げます。下記のとおりご報告いたします。 記 1. 発生日時  令和○年○月○日 ○時○分(レジ精算時) 2. 発生場所  ○○店 第○レジ 3. 過不足金額  現金不足 ○○円(ジャーナル合計:○○円/実査現金:○○円) 4. 調査経過  精算後ただちにジャーナルおよび防犯カメラを確認いたしましたが、特定の取引における誤りを示す決定的な記録は得られず、原因の特定には至りませんでした。可能性として、釣銭の渡し間違い、登録ミス、両替時の取り違えのいずれかと考えられますが、確証はありません。 5. 原因(推定)  日常のレジ運用において、声出し確認・釣銭の二度数えを毎回徹底できていなかったことが背景にあると考えております。 6. 再発防止策  ・基本動作(声出し・復唱・二度数え)を1取引ごとに必ず実施する。  ・営業中の中間点検を1日2回実施し、過不足が発生した時間帯を絞り込めるようにする。  ・気付き次第、すぐに店長へ報告する。 以上、深く反省し、再発防止に努める所存です。 以上

原因が特定できないこと自体は珍しくありません。むしろ、無理に「自分のミスです」と断定して書くと、後に給与天引きや損害賠償の根拠として使われるおそれがあります。事実は事実として、推定は推定として、明確に分けて書きましょう。

ケース4|キャンセル処理・返金処理の誤り

返品・キャンセル・取消処理は、操作権限とジャーナルの記録が紐づく性質上、ミスがそのまま現金過不足として残ります。お客様には正しく返金しているのにレジ上は取消が反映されていないケース、逆にお客様には返金していないのにレジ上だけ取消が走っているケースなど、ジャーナルとの不整合が起きやすい類型です。

例文6|返金処理の誤り(取消操作の漏れ)
始末書 令和○年○月○日 株式会社○○○○ ○○店 店長 ○○ ○○ 様 所属:○○店 レジ担当 氏名:伊藤 四郎 印 この度、私が担当いたしましたレジ業務において、返金処理の操作誤りにより、現金不足○○円を発生させましたことを深くお詫び申し上げます。下記のとおりご報告いたします。 記 1. 発生日時  令和○年○月○日 ○時○分頃 2. 発生場所  ○○店 第○レジ 3. 内容  お客様より商品○○の返品をお受けし、現金○○円をご返金いたしましたが、レジ上での取消(マイナス)操作を失念し、当日のジャーナル合計と実査現金が○○円不足する事態となりました。 4. 原因  返金時に取消操作の権限申請(店長承認)を後回しにしたまま、次のお客様のお会計に進んでしまったこと。 5. 再発防止策  ・返金が発生した場合は、その場で取消操作・店長承認まで完了させてから次のお客様に進む。  ・返金伝票を発行し、ジャーナルと突合できる状態にする。  ・1日のレジ締め前に、返品・取消の伝票枚数とジャーナル件数を必ず照合する。 以上、深く反省し、再発防止に努める所存です。 以上

ケース5|キャッシュレス決済処理のミス(決済種別の取り違え・未決済)

現在のレジ業務では、現金以上にキャッシュレス決済(クレジットカード・QRコード決済・電子マネー)を扱う場面が多く、現金以外の操作ミスからレジ過不足が発生するケースも増えています。代表的なのは「現金で預かったのにQR決済として処理してしまった」「クレジットの控えを渡し忘れて未決済のまま会計を終えてしまった」といった操作の取り違えです。

例文7|キャッシュレス決済処理のミス(現金預かりをQR決済処理にしてしまった)
始末書 令和○年○月○日 株式会社○○○○ ○○店 店長 ○○ ○○ 様 所属:○○店 レジ担当 氏名:山田 太郎 印 この度、私が担当いたしましたレジ業務において、決済種別の取り違えにより、現金過剰○○円とキャッシュレス決済(○○Pay)の不正計上を発生させましたことを深くお詫び申し上げます。下記のとおりご報告いたします。 記 1. 発生日時  令和○年○月○日 ○時○分頃 2. 発生場所  ○○店 第○レジ 3. 内容  お客様より現金○○円をお預かりしたにもかかわらず、登録画面で「○○Pay」を選択して決済処理を実行してしまいました。お客様にはレシートをお渡ししたものの、釣銭処理を行わず、お預かりした現金は釣銭皿に置かれた状態でした。後刻のジャーナル照合で過不足が判明し、調査の結果、決済種別の取り違えが原因と特定いたしました。 4. 過不足金額  現金過剰 ○○円(該当取引のお預かり金相当)/○○Pay 過剰計上 ○○円 5. 原因  お会計時に「お支払い方法は何でしょうか」の声出し確認を省略し、画面の選択ボタンを押下してしまったこと。決済確定前のレシート控えの決済種別欄を目視確認しなかったこと。 6. 再発防止策  ・お会計時に必ず「お支払い方法は○○でよろしいですか」と声出しで確認する。  ・決済確定前に画面の決済種別を読み上げて確認する。  ・取引終了後、レシート控えの決済種別欄を1秒目視する習慣をつける。 以上、深く反省し、再発防止に努める所存です。 以上

キャッシュレス決済の取り違えは、本部や決済代行会社へのデータ訂正(オーソリ取消・再決済)が必要になることが多く、現金過不足だけの問題で終わらないのが特徴です。気付いた時点で自己判断で訂正処理せず、店長・本部・経理に速やかに報告してください。

ケース6|両替・締め作業中のミス(補足)

上記4ケースに当てはまらない、両替時のミスや、レジ締め後の入金準備中の取り違えなどが起きた場合の例文も用意しておきます。これらは件数こそ少ないものの、金額が大きくなりやすい類型です。

例文8|両替時のミス
始末書 令和○年○月○日 株式会社○○○○ ○○店 店長 ○○ ○○ 様 所属:○○店 レジ担当 氏名:渡辺 五郎 印 この度、私が担当いたしました両替業務において、金種の取り違えにより、現金不足○○円を発生させましたことを深くお詫び申し上げます。下記のとおりご報告いたします。 記 1. 発生日時  令和○年○月○日 ○時○分頃 2. 発生場所  ○○店 バックヤード金庫 3. 内容  店内釣銭準備のため、金庫内の1万円札○○枚を5千円札と硬貨に両替する作業中、5千円札の枚数を1枚多く認識したまま両替伝票を起票し、結果として現金○○円の不足を生じさせました。 4. 原因  両替伝票への記入後、第三者によるダブルチェックを依頼せず、自己確認のみで完了させたこと。 5. 再発防止策  ・両替伝票の起票後、必ず店長または副店長によるダブルチェックを受ける。  ・両替前後の金種枚数を所定の記録用紙に記入し、後日トレースできるようにする。 以上、深く反省し、再発防止に努める所存です。 以上

現金そのものの「紛失」(封筒ごと無くした、釣銭袋を落としたなど)の場合は、過不足ではなく紛失として扱うため、『現金・備品紛失の始末書 例文』の枠組みのほうが適しています。

再発防止策のチェックリスト|「以後気をつけます」では不十分

始末書で最も評価が分かれるのが、再発防止策の書き方です。「今後は注意いたします」だけで終わると、次に同じ過不足を起こした際、改善の意思がなかったと評価されかねません。

レジ業務の場合、再発防止策は具体的かつ運用可能な行動として書けます。次のリストから、自分のケースに合うものを2〜3個ピックアップしてください。

個人の行動レベル

  • 預り金の金種・金額を必ず復唱(「○千円お預かりします」)してから登録する
  • 釣銭は紙幣・硬貨を分け、金種ごとに枚数を声に出して数えてから渡す
  • 釣銭は札を1枚ずつ離して二度数えてから渡す(指離れの確認)
  • お客様退店後、釣銭皿の中身を目視確認する
  • 返品・取消が発生したら、その場で取消操作と店長承認まで完了させてから次の会計に進む
  • 両替伝票は必ずダブルチェックを依頼する

店舗運用レベル(店長への提案として記載するのも可)

  • 営業中の中間点検(1日2回・3回など)を導入し、過不足の発生時間帯を絞り込めるようにする
  • つり銭機(自動釣銭機)の導入により、人為的な釣銭ミスを物理的に減らす
  • 新人レジ担当には先輩のダブルチェックが入る期間を設ける
  • レジ締めは2名体制(実査担当と記録担当)で実施する

店舗運用の改善提案を始末書に書くこと自体は、責任転嫁にはあたりません。むしろ「個人の注意のみに依存した運用がそもそも限界だった」という事実認識を示すことで、長期的な再発防止に貢献していると評価されることもあります。

業界別の事情|コンビニ・スーパー・飲食・百貨店

ひとくちにレジ過不足といっても、業態によって運用と文化の差があります。自分の業態に合わせて、表現や再発防止策を調整してください。

業態特徴始末書での留意点
コンビニ1人レジが多く、釣銭機普及率が高い。FC本部への報告が形式化されている店舗も本部のフォーマットがあれば優先。アルバイトでも書く機会あり
スーパー・大型小売ピークタイムの混雑が大きく、複数レジ間の現金混入もありうるレジ番号・時間帯・担当の記録が後追いしやすい。具体的に書ける
飲食店テーブル会計とレジ会計が混在。注文の取消・追加が多く、ジャーナル不整合が起きやすいオーダー伝票との突合経過まで書くと信頼性が増す
百貨店高額商品が多く、過不足の金額が大きくなりがち。マナー文化が強い謝罪表現はやや丁寧めに、再発防止策は具体的かつ複数列挙
業態別のレジ過不足始末書の留意点

アルバイト・パートの方も基本構成は同じですが、立場上「店長への提案」レベルまで踏み込みすぎると違和感を与えるため、再発防止策は個人の行動レベルを中心に記載するのが無難です。

過不足分は給与から天引きされる?損害賠償との関係

「過不足分を自腹で払うように言われた」「給与から天引きすると言われた」といった相談は、レジ過不足の現場で頻繁に聞かれます。

ここは法的に少し踏み込んだ話になりますが、結論としては、過不足分の自動的な給与天引きや一律の自腹弁済が適法に行われる前提は、かなり限定的です。

労働基準法の「賃金全額払いの原則」と「賠償予定の禁止」

労働基準法24条は、賃金は労働者に全額支払うことを原則としています。過不足分を会社側の判断だけで一方的に給与から差し引くことは、原則としてこの全額払い原則に反するおそれがあります。例外的に、労使協定や本人の自由な意思に基づく書面同意がある場合などに限って、控除が認められる余地があるという整理が一般的です。

また、労働基準法16条は、労働契約の不履行について違約金や損害賠償の額をあらかじめ定める契約を禁止しています。「レジで過不足が出たら一律○○円」「○円以上の不足は本人が弁償する」のような事前の取り決めは、この賠償予定の禁止に抵触するおそれがあります。

「実損が出た場合の損害賠償」は完全にゼロではない

一方で、従業員に故意または重大な過失があり、それによって会社に実際の損害が生じた場合、会社が損害賠償を請求すること自体が常に違法というわけではありません。

ただし判例上、業務上のミスによる損害賠償は、業務の性質、本人の地位、過失の程度、会社側のリスク管理の有無などを踏まえ、損害の全額ではなく相当な範囲に「過失相殺」「責任の制限」が行われる傾向があるとされます。

レジ過不足の場合は、通常の業務遂行上の軽微な過失にとどまるケースが多く、会社が損害の全額を従業員に負担させるのは難しいと考えるのが妥当です。

従業員の責任割合に関する整理は『始末書を書いたことがある人の割合』に詳しく整理しています。

始末書に「自腹で弁償します」と書かないほうがよい

始末書に「過不足分は自費で弁償いたします」と書くよう求められた場合、その場で署名する前に一度持ち帰ることをおすすめします

本人が自由な意思で同意した賃金控除や弁償は法的に有効になりうるため、その文書が後の天引き・請求の根拠として使われることがあります。納得できない場合は署名せず、店長・本社・労働基準監督署・労働組合・弁護士に相談する選択肢があります。

本記事は一般的な法令・運用の整理であり、個別の事案については労働基準監督署や弁護士など専門家にご相談ください。

テンプレートで素早く整える|書式選びで迷わない

ここまでで、自分のケースに合う例文と再発防止策のあたりが付いたはずです。あとは書式に流し込むだけ。手書き指定がない店舗であれば、テンプレートに事実関係と再発防止策を入れて印刷したほうが、誤字脱字や項目の抜け漏れを防げます。

始末書・顛末書テンプレートを開く(社内宛・項目自動レイアウト対応)

手書きで提出するよう指示された場合は『始末書は手書きとパソコンどちらが正解?』を、用紙のサイズや封筒の選び方で迷う場合は『始末書の用紙・封筒・書式の選び方』もご参照ください。

レジ過不足の始末書 よくある質問

Q1. 過不足額が数百円でも始末書は必要?

店舗の運用次第です。一定額(例:500円・1,000円)以上で始末書、それ未満は口頭注意・報告書のみという運用が一般的ですが、本部の方針によっては全件記録するチェーンもあります。指示があれば従ってください。

Q2. アルバイト・パートでも始末書を書かされる?

雇用形態にかかわらず、就業規則の対象であれば始末書の提出を求められることがあります。本記事の例文はアルバイトの方でもそのまま使える構成ですが、署名欄の所属表記は実態に合わせて調整してください。

Q3. 同じ月に2回過不足を出してしまった、まずい?

回数だけでただちに重い処分につながるわけではありませんが、同種ミスの繰り返しは「改善の意欲がない」と評価される根拠になりえます。2回目の始末書では、1回目の再発防止策が機能しなかった理由と、新たな対策を必ず記載してください。

Q4. 顛末書と始末書、どちらを出せばいい?

事実報告のみが求められているなら顛末書、反省・謝罪まで含めて求められているなら始末書です。レジ過不足の場合、「事実+反省」のセットで提出を求められることが多く、始末書になるのが一般的です。

Q5. 過不足分を自腹で立て替えるよう言われたら?

前述のとおり、一律の自腹弁済を強制する運用は労働基準法上問題があると考えられます。指示された場合は、その場で支払う前に「店長に確認します」「本社の指示を仰ぎます」と一旦保留し、納得できない場合は労働基準監督署・労働組合・弁護士への相談を検討してください。

Q6. 複数人で同じレジを使っていて、誰のミスか分からない場合は?

スーパーやコンビニでは、1台のレジを複数人が交代で使うため、過不足が出ても誰のミスか特定できないケースが少なくありません。防犯カメラやジャーナルでも特定できない場合、該当時間帯の担当者全員に始末書の提出を求める運用をしている会社もあります。

その場合も、自分のミスと断定できないなら「私のミスです」と書く必要はなく、「該当時間帯にレジを担当しておりましたが、ジャーナル・防犯カメラ等を確認しても特定の取引における誤りは確認できませんでした」と、状況を客観的に書くのが安全です。事実と異なる断定は、後の評価や処分判断で不利な証拠として使われるおそれがあります。

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コラム著者・編集者

TEMPLEX編集チーム

TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。

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