始末書・顛末書は手書き?パソコン作成?選び方とマナーを徹底解説

始末書・顛末書は手書きが必須?まず結論から
始末書や顛末書を書くように指示されたとき、多くの方が最初に迷うのが「手書きで書かないと失礼にあたるのか」「パソコンで作ってもよいのか」という点です。結論を先に述べると、手書きが法的・絶対的に必須というルールはなく、近年はパソコン作成で受理する会社も増えています。ただし、状況によっては手書きのほうが望ましいケースも残っており、選び方には一定のセオリーがあります。
本記事では、まず手書きとパソコン作成のどちらを選ぶべきかの判断基準を表で整理したうえで、手書きで書く場合の作法(縦書き/横書き、用紙、ペン、字の丁寧さ)、パソコンで作成する場合の作法(フォント、押印、署名)、そしてコピーして使える例文を縦書き想定・横書き想定で複数パターン用意しました。提出先の方に「丁寧に書かれている」と感じてもらえる仕上がりを目指します。
始末書と顛末書の違い、社内・社外での顛末書の使い分けは『顛末書(社内向け)の書き方とテンプレート』・『顛末書(社外向け)の書き方とテンプレート』を、書き方の総論は『始末書の書き方完全ガイド』もあわせてご確認ください。
手書き・パソコンの選び方早見表
「手書きかパソコンか」を判断する優先順位は、おおむね次の3段階で考えると迷いません。
- 社内規定や提出先の指示があるならそれに従う
- 指示がない場合は提出する書類の性質と相手で決める
- それでも迷う場合は本文をパソコンで作成し、署名と押印だけ手書きにするハイブリッド型を選ぶ

| 状況 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| 社内規定や上司から「手書きで」と指示されている | 手書き | 規定・指示が最優先。確認せず判断すると差し戻しの原因になる |
| 電子申請・社内ワークフローで提出する運用 | パソコン | PDF化や回覧の効率上、パソコン作成が前提となっていることが多い |
| 謝罪の度合いが重い/取引先や社外向けに提出する顛末書 | 手書きを検討 | 誠意の伝わり方を重視する場面では手書きが好まれることがある |
| 軽微なミスの社内向け始末書・顛末書 | パソコン | 事実関係と再発防止策を読みやすく整える方が運用上は通りやすい |
| 提出までの時間がない/短時間で複数枚を整える必要がある | パソコン | 誤字訂正のたびに書き直す必要がなく、修正も容易 |
| 規定がなく、上司の年代や社風が伝統的 | ハイブリッド | 本文はパソコン、署名・押印のみ手書きにすると無難 |
迷ったときは、自分の判断で進める前に、上司や人事に「手書きとパソコン作成のどちらで提出すべきか」と一言確認しておくと、後で書き直しになるリスクを大きく下げられます。
手書きとパソコン作成の比較|誠意・読みやすさ・運用効率
手書きとパソコン作成は、それぞれに得意な場面があります。誠意の伝わりやすさだけで判断するのではなく、読みやすさ、修正容易性、社内での運用効率も含めて、自分のケースに合うほうを選ぶのが現実的です。
| 観点 | 手書き | パソコン作成 |
|---|---|---|
| 誠意の伝わりやすさ | 丁寧な字で時間をかけたことが伝わりやすい | 事務的に見えやすいので、文面で誠意を補う必要がある |
| 読みやすさ | 字の上手さに左右される。読み手によって印象が変わる | 誰が読んでも同じ可読性。長文でも疲れにくい |
| 修正のしやすさ | 誤字があれば原則として全文書き直し | 保存ファイルを修正して再印刷すれば済む |
| 作成・提出までの時間 | 清書に時間がかかる。複数枚はとくに負担 | テンプレートを使えば短時間で整えられる |
| 社内での運用効率 | 原本管理が中心。PDF化に一手間かかる | 電子申請・回覧・保存のいずれにも適している |
| 向いているケース | 社外向けの謝罪、重い処分とセットの始末書、社風が伝統的な会社 | 社内向けの軽微なケース、電子ワークフローでの提出、短納期 |
なお「パソコン作成は反省していないように見える」という意見も一部に残っていますが、これは絶対的なルールではなく、社風や読み手の世代による感覚差です。社内ワークフローがパソコン前提で組まれている会社では、むしろ手書きで提出すると事務処理が止まってしまうこともあります。
形式論で判断せず、提出先の運用に合わせるのが本筋です。
手書きで書く場合のマナー|縦書き・横書き、用紙、ペン
手書きを選んだ場合、最低限おさえておきたいのは「用紙」「筆記具」「字の丁寧さ」「縦書き/横書きの判断」「修正の扱い」の5点です。形式が整っていないと、内容以前のところで印象を下げてしまうため、提出前に一度チェックしてください。
縦書きと横書き、どちらにする?
手書きの始末書・顛末書は、社内規定に定めがなければどちらでも構いません。一般的には、便箋を使う場合や格式を意識する場面では縦書きが好まれます。一方、社内のフォーマット用紙(罫線・項目欄入り)が用意されている場合は、その形式に合わせます。最近は横書きの罫線用紙を採用している会社も多く、無理に縦書きにこだわる必要はありません。
用紙の選び方
- 白無地または薄い罫線の便箋(B5またはA4)が無難。色付きや柄入りは避ける
- 会社所定の用紙がある場合は必ずそれを使う
- 便箋がなければ無地のレポート用紙やコピー用紙でも可(罫線がないほうが望ましい)
- 封筒に入れて提出する場合は、白無地で郵便番号枠なしのものを選ぶ
筆記具とインク
- 黒のボールペンまたは万年筆を使用する。青インクは原則避ける
- 消えるボールペン(フリクションなど)は使用しない。文書改ざんとみなされるおそれがある
- 鉛筆・シャープペンシルは下書き用にとどめ、清書には使わない
字の丁寧さと書き直しのルール
字の上手さよりも丁寧さが優先されます。極端に小さい字、走り書きの字、続け字は避け、楷書に近い字でゆっくり書きます。
誤字脱字があった場合、修正液・修正テープ・二重線+訂正印のいずれも避け、最初から書き直すのが原則です。書き損じが続くと心理的負担も大きくなるため、本文をいったん下書きしてから清書に移ると失敗が減ります。
用紙のサイズ・選び方の詳細(A4/B5の使い分け、無地と罫線の判断、縦書き/横書きと用紙の関係)は専用記事で扱っています。詳しく知りたい方は次の関連記事も参照してください。
用紙の判断基準を詳しく知りたい場合は『始末書・顛末書の用紙|A4・B5・縦書き/横書きの選び方』を参照してください。
パソコンで作成する場合のマナー|フォント・押印・署名
パソコンで作成する場合は、フォーマットの整え方と「署名・押印をどう扱うか」がポイントになります。本文は読みやすく、宛先・差出人・日付の配置を間違えず、最後に手書きの署名や押印を加える運用が一般的です。
フォントとレイアウト
- 本文フォントは明朝体(MS明朝・游明朝・ヒラギノ明朝など)が無難。読み手が違和感を持たない標準的な書体を選ぶ
- 本文サイズは10.5〜11pt程度。タイトルは14〜16ptで太字にする
- 用紙はA4縦・余白は上下左右25mm前後。1ページに収まる分量を目安にする
- 宛先(左上)・日付(右上)・所属氏名(右上、宛先の下)の順で配置するのが定番
- 本文は左揃えで作成し、「記」を中央、項目を箇条書き、最後に「以上」を右寄せで締める
署名と押印の扱い
パソコンで作成しても、最後の署名と押印は手書き・実印(または認印)で加えると、誠意と本人作成であることの両方を示せます。
氏名欄は「氏名:(署名スペース) 印」のように余白を残して印刷し、提出前に黒のボールペンで署名し、その横または右側に押印します。シャチハタは認印として認められない会社もあるため、朱肉を使う印鑑のほうが無難です。
- 氏名欄は印刷時に空白にしておき、提出前に手書きで署名する
- 押印は朱肉を使う認印または実印を使用する。シャチハタは避けるのが無難
- 電子申請の場合は、社内規定に従い電子印鑑または電子署名で対応する
- PDF化して提出する場合は、署名済みの原本をスキャンしてPDFにする運用が多い
メールに添付して提出する場合でも、印刷して署名・押印した原本をスキャンしてPDF化するのが安全です。原本は手元に保管しておくと、後で確認が必要になったときに役立ちます。
縦書き想定の手書き例文|始末書・顛末書
ここからはコピーして使える例文を紹介します。縦書きの文書では、タイトルと本文を先に書き、本文末尾の「以上」の後に日付・差出人・宛名の順で並べるのが伝統的な作法です。以下の例文はこの並び順で構成しています。なお、見やすさのため例文は左揃え・横書きで掲載していますが、縦書きで清書する際は右上から書き始め、本文を左へと進めていきます。

横書き想定のパソコン作成例文|始末書・顛末書
次に、パソコン作成・横書きを前提とした例文を紹介します。社内ワークフローや電子申請で提出する場合、こちらの形式が運用上スムーズです。氏名欄は印刷後に手書きで署名し、押印する前提で「印」のスペースを残してあります。

上記の例文は、テンプレートに事実関係を当てはめれば短時間で整えられます。日付・氏名・原因・再発防止策の4点だけを自分の状況に合わせて差し替えるのが基本です。
手書き・パソコン作成でやりがちなNG例
手書きでもパソコン作成でも、形式面でやってしまいがちなNG例があります。提出前にチェックリストとして使ってください。
手書きで避けたいNG
- 修正液・修正テープ・二重線で誤字を直す(書き直しが原則)
- 消えるボールペンで書く(改ざんを疑われる)
- 青インクや黒以外の色で本文を書く
- 走り書き・続け字で読みにくくなっている
- コピー用紙の裏紙、メモ用紙、カラフルな便箋を使う
パソコン作成で避けたいNG
- ポップ体・行書体・装飾フォントなど、ビジネス文書にそぐわない書体を使う
- 本文中で複数のフォント・サイズが混在している
- 宛先・日付・所属氏名の配置が不揃い、または順序が逆
- 署名欄を印刷したテキストのみで済ませ、押印・自筆署名がない
- 見出しに過剰な装飾(背景色・絵文字・記号の連続)を入れる
ケース別の例文(作業ミス、レジ過不足、紛失、破損、交通事故、遅刻、無断欠勤など)は『始末書・顛末書 例文集』に集約しています。書き方の総論は『始末書の書き方完全ガイド』を参照してください。
始末書・顛末書の手書き/パソコン作成によくある質問
Q1. パソコンで作成すると反省していないと思われますか?
近年は社内ワークフローがパソコン前提で組まれている会社が多く、パソコン作成だから反省していないと一律に評価されることはあまりありません。ただし、社風が伝統的な会社や、相手の年代によっては手書きのほうが印象がよい場面もあります。迷う場合は本文をパソコン、署名と押印を手書きにするハイブリッド型が無難です。
Q2. 手書きで誤字をしたら修正液で直してもいいですか?
原則として修正液・修正テープ・二重線+訂正印は避け、最初から書き直します。文書全体の信頼性を保つためで、特に始末書・顛末書のような反省・報告文書では書き直しが推奨されます。下書きをしてから清書に移ると失敗が減らせます。
Q3. 縦書きと横書きはどちらが正解ですか?
社内規定で定めがなければどちらでも構いません。便箋に手書きする場合は縦書きが伝統的に好まれ、社内のフォーマット用紙やパソコンで作成する場合は横書きが一般的です。会社の用紙運用に合わせるのが最も無難な選び方です。
Q4. パソコンで作成した場合、押印は必要ですか?
社内規定によりますが、本人作成であることを示す観点から押印または自筆署名を加える運用が一般的です。シャチハタは認印として認められない会社もあるため、朱肉を使う印鑑を使ったほうが安全です。電子申請の場合は社内規定に従って電子印鑑・電子署名で対応します。
Q5. メールで提出するときは手書きとパソコンどちらがよいですか?
メール添付で提出する運用なら、パソコン作成のほうが効率的です。印刷して署名・押印した原本をスキャンしてPDF化し、添付するのが現実的な方法です。原本は手元に保管し、後で確認が必要になったときに参照できるようにしておきます。
Q6. 用紙はA4とB5のどちらがよいですか?
近年はA4が主流で、社内文書もA4運用の会社が多くなっています。便箋を使う場合はB5でも構いませんが、ファイリングや回覧の都合上、迷ったらA4を選ぶと無難です。
テンプレートで素早く整えて、内容に集中する
手書きとパソコンのどちらを選んだとしても、最終的に評価されるのは「事実関係が正しく書かれているか」「再発防止策が具体的か」という中身の部分です。形式で時間を使いすぎず、テンプレートで土台を整え、自分のケースに合わせて事実と原因・再発防止策を書き込むのが、結果的に最も丁寧な進め方になります。
コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。








