内定承諾書の保証人は誰に頼む?いない場合の対処と身元保証人の基礎

保証人は誰に頼めばいい?まず結論
内定承諾書(または一緒に渡された身元保証書)に保証人の欄があって、誰に書いてもらえばいいのか、頼める人がいないときはどうすればいいのかで止まっている方に向けた記事です。先に結論を言うと、会社からの指定がなければ、父母など独立して生計を立てている三親等以内の親族に頼むのが基本です。学生のきょうだいや、自分の扶養に入っている人は避け、社会人として生計を立てている親族を選びます。
ここでいう保証人は、入社後に本人が会社へ与えた損害を一定の範囲で保証する「身元保証人」であって、借金の連帯保証人とは別物です。責任の範囲も法律で限定されています。まず「誰に頼むか」、次に「いない・頼みにくいときの対処」、最後に「身元保証人とは何か(連帯保証人との違い)」の順で見ていきます。
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そもそも内定承諾書に保証人欄はある?(書式次第)
保証人を探す前に確認したいのが、内定承諾書そのものには保証人欄が無い書式も多いという点です。承諾書は本人が入社の意思を示す書面なので、保証は別の「身元保証書」で出すケースが少なくありません。手元の書類を見て、次のどのパターンかを先に見分けます。

- 承諾書に保証人欄が無い:本人の署名・押印だけで完結。身元保証は不要か、後日「身元保証書」として別途求められる。
- 別紙の身元保証書がセット:承諾書と一緒に身元保証書が同封されている。保証人欄はこの別紙にある。
- 承諾書に身元保証人欄が組み込み:1枚の中に本人欄と保証人欄が並んでいる。
つまり「内定承諾書に保証人欄が見当たらない」=書き忘れや不備ではないことがほとんどです。提出書類の案内に身元保証書の記載が無く、承諾書にも欄が無ければ、保証人は不要と考えてかまいません。判断に迷うときは採用担当へ「身元保証人の提出は必要ですか」と一言確認すれば確実です。
保証人は誰に頼む?(父母など独立生計の親族が基本)
会社が「本人と別生計の人」「2名」などの条件を示している場合は、その指示が最優先です。特に指定が無いときの一般的な目安は、独立して生計を立てている三親等以内の親族に頼むことです。最も多いのは父・母で、新卒の身元保証人は父母が一般的です。
三親等以内の親族には、父母・祖父母・きょうだい・おじ・おば・甥・姪などが含まれます。ただし「三親等以内なら誰でも可」ではなく、自分で生計を立てている社会人であることが実務上の条件になります。学生や、本人の扶養に入っている人、年金収入のみの高齢の親族などは、会社によっては保証人として認められないことがあります。
「親が年金暮らしだけど頼んでいい?」と不安になる人は多いはずです。年金生活でも、生計が自分で成り立っている(破産していない)両親なら、第一候補として書けるケースが多いです。ただし、大手企業や公務員などでは「現役で働いている(有職)こと」を条件にする場合もあります。あてはまりそうなら別の親族を立てるか、迷ったら会社に「年金収入の親でも保証人になれますか」と確認するのが確実です。
- 第一候補:父・母(最も一般的。本人と同居・同姓でも問題ない)。
- 父母に頼めないとき:祖父母・おじ・おば・成人して働いているきょうだいなど、独立生計の三親等以内の親族。
- 避けたい人:学生・無収入で本人の扶養に入っている人など、自分で生計を立てていない親族。
なお会社によっては、リスク分散のために「本人と別生計の人」や「保証人2名(うち1名は別生計)」を求める場合があります。父母と同居している人は、2名めをおじ・おばなど別世帯の親族にすると条件を満たしやすくなります。書式や提出案内に人数・続柄の指定がないか、依頼する前に必ず確認してください。
保証人欄は本人が代筆せず、保証人自身に直筆で記入・押印してもらうのが大原則です。住所・氏名・押印・続柄の具体的な書き方や、家族で印鑑を使い分ける理由は、記入例の記事で詳しく扱っています。

内定承諾書の書き方・記入例|日付・住所・氏名・押印の埋め方
内定承諾書の各欄をどう埋めるかを記入例つきで解説。日付・住所・氏名・押印・誓約事項への同意の書き方、黒のボールペンや訂正のルール、書式に身元保証人欄がある場合の極度額の扱いまで、これから記入する人向けにまとめました。
記事を読む保証人がいない・頼みにくいときの対処
両親が高齢・遠方・他界している、頼める親族が思い当たらない——保証人が用意できないケースは珍しくありません。このとき大切なのは、勝手にあきらめたり架空の名前を書いたりせず、「用意が難しい」事情を早めに採用担当へ正直に相談することです。多くの会社は事情を踏まえて、保証人1名でよい・別の親族でよい、といった柔軟な対応をしてくれます。
頼める人がいないときの選択肢
- 親以外の親族に頼む:父母が難しくても、祖父母・おじ・おばなど独立生計の三親等以内の親族なら認められることが多い。
- 会社に条件を相談する:「別生計の親族がいない」「親が年金生活で…」など実情を伝えれば、条件の緩和や代替手段を案内してもらえる場合がある。
- 保証人代行サービス:費用を払って身元保証人を引き受けてもらうサービス。利用できるかは会社次第で、まず会社の了承を得てから検討する。
親族以外でも、就業規則・書式が認める範囲なら独立生計の信頼できる第三者(知人など)を保証人にできる場合がありますが、これも会社が可とするかどうかが前提です。自己判断で親族以外の名前を書くのではなく、「親族以外でも差し支えありませんか」と確認してから依頼してください。
保証人代行サービスには悪質な業者も混在するため、利用するなら会社が認める範囲で慎重に選びます。サービス側の審査で断られることもあります。まずは親族・会社相談を先に試し、それでも難しいときの最終手段と位置づけるのが安全です。会社に相談せず内緒で代行サービスを使い、あとで発覚すると、虚偽の申告とみなされて信頼関係が崩れるおそれがあります。必ず会社に相談したうえでの最終手段にしてください。
いずれにしても、「保証人がいない」を理由に黙って提出期限を過ぎるのが一番まずい対応です。誠実に相談すれば入社に響くことはほぼありません。提出が遅れそうなときの伝え方は、次の記事も参考になります。

内定承諾書はいつまでに出す?|提出期限の目安とまだ決められない時
内定承諾書をいつまでに出せばいいか知りたい人へ。提出期限の一般的な目安(新卒・中途別)、期限の記載がないときの考え方、まだ決められないときは早めに連絡して待ってもらう、という対応を実用的にまとめました。
記事を読む身元保証人と連帯保証人の違い(責任は無制限ではない)
保証人を頼むときに最も気になるのが「迷惑をかけないか」だと思います。ここはきちんと押さえておきたいポイントで、内定承諾書の身元保証人は、借金の連帯保証人のように本人の債務をそのまま肩代わりするものではありません。身元保証は、入社後に本人が会社に損害を与えてしまった場合に備えるもので、責任の範囲や期間が法律で限定されています。
| 身元保証人(内定承諾書・身元保証書) | 連帯保証人(借金・賃貸など) | |
|---|---|---|
| 保証する対象 | 入社後に本人が会社に与えた損害 | 借入金や家賃などの金銭債務そのもの |
| 責任の重さ | 法律で期間・上限が制限される | 原則として債務の全額を本人と同等に負う |
| 期間 | 定めがなければ3年・最長5年 | 契約が続く限り |
責任に上限があるのは、身元保証ニ関スル法律という古くからの法律が、身元保証人を一方的に不利にしないよう定めているためです。要点は次の2つに集約されます。
- 期間は最長5年:契約で期間を定めなければ成立日から3年、定めても上限は5年。「自動更新」の特約は無効なので、放っておいて延々と続くことはない。
- 賠償額は裁判所が調整:実際に責任が問われる場面でも、会社側の落ち度などを踏まえ、裁判所が金額を判断する。損害の全額を当然に負うわけではない。
さらに、2020年4月施行の改正民法により、身元保証書に「極度額(保証する上限額)」の記載がなければ、その保証契約自体が無効になります(民法465条の2・個人根保証契約)。保証人に「青天井で責任を負わせる」書式は、そもそも効力を持ちません。こうした事情を伝えれば、保証人を頼みやすくなるはずです。
極度額や保証期間など、身元保証がどこまで有効かという法的な詳細は、効力をまとめた記事で深掘りしています。保証人本人に説明したいときの根拠としても使えます。

内定承諾書の法的効力|提出するとどうなる?拘束力と誓約事項
内定承諾書を提出すると法的にどうなるかを解説。内定で労働契約は成立するのか、誓約事項や身元保証はどこまで有効か、提出後の拘束力はどの程度かを、最高裁判例・民法・労働基準法の一次情報をもとに中立的にまとめました。
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保証人に頼むときの伝え方と注意点
依頼する相手が決まったら、「借金の連帯保証ではなく、就職の身元保証であること」「責任は法律で期間・上限が限られていること」を最初に説明すると、相手も安心して引き受けやすくなります。口頭やメッセージで頼むときの言い回しは、次のような短い一文で十分です。
記入をお願いするときは、本人と保証人で別々の印鑑を使うことだけ伝えておきます。家族で同じ三文判を使い回すと、本人と保証人が別人として確認できず差し戻しの原因になります。シャチハタ(インク内蔵のゴム印)も正式書類には使えません。

また、書式に「極度額 金○○円」の欄があれば、空欄のまま提出しないよう注意します。金額は会社があらかじめ印字・指定しているのが通常で、内定者や保証人が勝手に決めるものではありません。空欄で会社からの指示も無いときは、自分で予想して書かず「極度額の欄はどう記入すればよいですか」と採用担当に確認してください。
逆に、書類に「極度額」という言葉すら見当たらない場合は、2020年の民法改正より前の古い書式の可能性があります。極度額の定めがない身元保証書は法的に無効で、会社側にとってもリスクになります。念のため採用担当に「極度額の記載は必要ですか」と確認しておくとスムーズです。
保証人欄の住所・氏名・続柄の具体的な記入例や、極度額が空欄だったときの細かい扱いは、記入例の記事にまとめています。記入の各論はそちらを見ながら進めてください。
内定承諾書の送付状をTEMPLEXで作成
保証人欄まで書き終えた内定承諾書を郵送するときは、添え状(送付状)を一緒に入れるのが基本です。TEMPLEXの内定承諾書の送付状テンプレートなら、宛先と差出人を入力するだけで登録不要・無料でPDFをダウンロードできます。印刷して承諾書・身元保証書と一緒に封筒へ入れれば、そのまま提出できます。
会社所定の様式が手元になかったり紛失したりした場合は、内定承諾書のテンプレートも用意しています。通常は会社の書式に記入して提出するため、まずは会社から届いた用紙を使ってください。
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コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。







