不倫誓約書の書き方と効力|必須条項・違約金の決め方・例文テンプレート

不倫誓約書は「誰に書かせるか」で2種類
配偶者の不倫が発覚したとき、誓約書を書かせる相手は2人います。配偶者本人と、不倫相手です。どちらに書かせるかで、目的も中心になる条項も変わります。
再構築(婚姻の継続)を目指すなら配偶者に再発防止を、不倫相手には関係の断絶を誓約させるのが基本形です。可能であれば両方から1通ずつ取るのが確実で、双方の言い分の食い違いも防げます。
| 配偶者に書かせる | 不倫相手に書かせる | |
|---|---|---|
| 目的 | 再発防止・再構築の条件の明確化 | 関係の断絶・慰謝料の確保 |
| 中心となる条項 | 事実の自認・接触禁止・違約金・誠実義務 | 接触禁止・求償権の放棄・口外禁止・違約金 |
| 法的な特徴 | 夫婦間の合意(取消しの心配は不要・後述) | 通常の合意としてそのまま効力を持つ |
以下では配偶者に書かせる誓約書を中心に進めます。不倫相手向けの条項(求償権の放棄など)と例文は、次の記事で詳しく扱っています。

不倫相手に書かせる誓約書|求償権の放棄・接触禁止・口外禁止の条項と例文
配偶者の不倫相手(第三者)に書かせる誓約書の作り方。接触禁止・口外禁止・違約金に加え、入れ忘れると慰謝料が実質目減りする「求償権の放棄」条項の意味と書き方を、そのまま使える全文例文2パターンつきでまとめました。
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不倫誓約書の法的効力|後から取り消される心配は?
本人が自由な意思で署名した誓約書は法的に有効です。特に大きいのは、不貞の事実を自分で認めて署名した記載が、後の慰謝料請求や離婚調停で有力な証拠になることです。時間が経ってから「ただの友人だった」と言い逃れされる事態を防げます。
一方で限界もあります。誓約書だけでは強制執行(給与や預金の差押え)はできません。違約金を払わない相手から強制的に回収するには、裁判を経るか、後述の公正証書化が必要です。
なお、「夫婦間の契約は後から取り消せるので誓約書は無意味」という古い解説には注意してください。その根拠だった民法754条(夫婦間の契約の取消権)は、2026年4月1日施行の民法改正(令和6年法律第33号)で削除されました。現在、夫婦間だからという理由で誓約書を一方的に取り消す制度はありません。削除前の時代でも、判例(最高裁昭和42年2月2日)は婚姻関係が実質的に破綻している場合の取消しを認めておらず、この条文を理由に誓約書が覆る場面はもともと限定的でした。
仮に違約金の約束など契約部分の取消しが争われたとしても、本人が不貞の事実を認めて署名したという記録の証拠価値は失われません。事実の自認をできるだけ具体的に書かせることが、誓約書の価値の核になります。
必須条項は4つ
配偶者向けの不倫誓約書に必ず入れるのは次の4つです。曖昧に書くと、違反したかどうかの認定で必ず争いになります。固有名詞・期間・手段を特定して書かせてください。
- 不貞行為の事実の自認:いつからいつまで・誰と・どのような関係だったかを特定して認めさせる。「不適切な関係がありました」のようなぼかした表現では証拠としての価値が下がる。
- 関係の解消と接触の禁止:不倫相手の氏名を挙げ、面会・電話・メール・SNSなど手段を列挙して禁止する。職場が同じなら「業務上やむを得ない場合を除く」と例外を設け、その場合の報告義務を付ける。
- 違約金:再び不貞行為をした場合や無断で接触した場合に支払う金額を定める(決め方は後述)。
- 誠実義務・再発時の取り決め:婚姻関係の維持に努めること、再発した場合は離婚に応じることなど、再構築の条件を明文化する。
「再発したら離婚に応じ、親権も放棄する」と書かせる例がありますが、親権は最終的に家庭裁判所が子の利益を基準に判断するため、誓約書だけで確定させることはできません。離婚協議を有利に進める材料にはなる、という位置づけで考えてください。
配偶者向けの例文(そのまま使える全文)
固有名詞・日付・金額を書き換えれば使える全文です。日付と署名は必ず本人に自筆させ、押印(認印で可)までさせてください。原本は書かせた側が保管します。

第1条の相手の表記が氏名だけだと、後から「同姓同名の別人だ」と言い逃れる余地が残ります。分かる範囲で生年月日・住所・勤務先を氏名に併記して人物を特定しておくと、誰との関係を認めたのかが争いになりません。
職場が同じなど業務上の接触が避けられない場合、第2条の報告が「速やかに」のままだと、いつ・どうやって報告するかで揉めがちです。「接触した日の当日中にLINEで報告する」のように報告の期限と方法まで具体的に決めておくと、報告した・していないの水掛け論を防げます。
パソコンで作った文面への署名でも有効ですが、その場で全文を手書きさせたい場合の例文と手順は、次の記事にまとめています。

浮気の誓約書は手書きで有効|そのまま写せる例文全文と書かせ方の手順
浮気・不倫の誓約書は手書きでも法的効力は変わらず、全文を自筆させればむしろ証拠価値が高まります。その場で写すだけで使える全文例文(配偶者向けフル版・最低限版・浮気相手向け簡易版)と、書かせ方の5ステップ、強要にならないための注意点。
記事を読む違約金の決め方(高すぎると無効になる)
違約金の金額は当事者間で自由に決められますが、実害とかけ離れた高額の違約金は、公序良俗(民法90条)に反して無効・減額と判断されるおそれがあります。基準になるのは、裁判で認められる不貞慰謝料の相場です。
| 夫婦関係への影響 | 慰謝料の相場の目安 |
|---|---|
| 離婚しない(婚姻を継続する) | 50万〜100万円程度 |
| 別居に至った | 100万円を超えるケースが多い |
| 離婚に至った | 100万〜300万円程度 |
違約金もこの水準と均衡する範囲で設定します。再度の不貞に対する違約金なら100万〜300万円程度、接触禁止違反のみの違約金は1回につき50万〜100万円程度に収める例が多く見られます。「違反したら1,000万円」のような金額は、心理的な効果はあっても、いざ請求する場面で減額・無効を主張される弱点になります。
違約金条項の意味は、損害の立証をせずに「約束違反」そのものを理由に決めた金額を請求できることにあります。金額を欲張って無効リスクを抱えるより、確実に請求できる水準に設定するほうが実利があります。あわせて、例文の第4条のように「請求を受けた日から○日以内に指定する口座へ振り込む」と支払期限・方法まで決めておくと、いざ請求する場面での引き延ばしを防げます。
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公正証書にすると何が変わるか
誓約書の内容を強制執行認諾文言付きの公正証書にしておくと、違約金や慰謝料の支払いが滞ったときに、裁判をせずに給与・預金の差押え(強制執行)ができます。公証人が本人の意思を確認して作成する公文書なので、後から「無理やり書かされた」と主張される余地も小さくなります。
- 夫婦で内容を固め、誓約書の案文を用意する
- 公証役場に連絡し、案文を事前に確認してもらう(メール・電話で調整できる)
- 予約した日に双方が本人確認書類を持って公証役場に出向き、署名する
公証人の手数料は記載する金額(目的価額)に応じて決まり、慰謝料・違約金が数百万円の水準なら1万〜2万円程度が目安です。金額の重い約束を交わすときは、検討する価値があります。
公正証書にできる条件(強制執行の対象は金銭の支払いに限られる点)や、作成の流れ・必要書類・最新の手数料は、以下の記事で詳しく解説しています。

誓約書は公正証書にできる?強制執行の条件・作り方・費用|2025年10月改定後の手数料
誓約書の内容は、相手の協力があれば強制執行認諾文言付きの公正証書にでき、不払い時に裁判なしで差押えができます。強制執行の対象が金銭の支払いに限られる理由と違約金条項での対処、作成の流れ・必要書類、2025年10月改定後の公証人手数料までまとめました。
記事を読む不倫誓約書のPDFをTEMPLEXで作成
文面が固まったら、TEMPLEXの不倫誓約書テンプレートで清書できます。宛先・誓約事項・差出人を入力するだけで、登録不要・無料でPDFをダウンロードできます。印刷して、署名・押印だけ本人に自筆でさせれば完成です。
誓約事項の欄には、この記事の例文と同じ条項(事実の自認・接触禁止・誠実義務・違約金・再発時の離婚協議)が最初から入力されています。氏名・期間など実際の内容に書き換えるだけで完成します。
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コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。







