「今後一切関わらない」誓約書の書き方とテンプレート|接触禁止の条項・効力・限界

「今後一切関わらない誓約書」でできること
しつこい連絡やつきまとい、トラブルの蒸し返しを断ち切りたいとき、「今後一切関わらない」と相手に約束させる誓約書が使われます。口約束と違って書面に残るため、相手の行動への抑止力になります。
誓約書に相手が署名・押印すれば、約束を破ったときに違約金や損害賠償を請求する根拠になり、「そんな約束はしていない」という言い逃れも防げます。一方で、相手の行動を物理的に止める強制力はありません。できること・できないことをセットで押さえたうえで、文面を作りましょう。
- 元交際相手からの復縁要求・連絡をやめさせたい
- 知人・元友人とのトラブルを清算して縁を切りたい
- 貸し借りなど金銭トラブルの解決後、二度と要求させたくない
- 近隣やコミュニティでの迷惑行為を繰り返させたくない
誓約書は、約束する本人(関わらないと誓う側)だけが署名して相手に差し入れる形式の書面です。実際には書かせたい側が文面を用意し、本人に内容を確認させてから署名してもらう流れが一般的です。「言った・言わない」を防ぐため、同じものを2通作成して双方が1通ずつ保管するか、原本はあなたが保管して相手にコピーを渡しておくと確実です。
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入れるべき条項|「一切関わらない」だけでは足りない
文面で最も重要なのは、接触禁止の範囲の特定です。「今後一切関わりません」とだけ書いた誓約書は、何をしたら違反になるのかが特定できず、違約金を請求する場面で「これは『関わった』に当たらない」と争われる余地を残します。禁止する行為を1つずつ列挙してください。
- 事実の確認と謝罪:縁を切ることになった経緯(つきまとい・金銭トラブルなど)を簡潔に記載して認めさせる。何のための誓約書かを明確にする土台になる。
- 接触禁止の範囲:面会・声かけ・待ち伏せ/電話・メール・SNS/自宅・職場への訪問やその周辺の徘徊/第三者を介した伝言や接触の要求、まで具体的に列挙する。
- 口外の禁止:トラブルの内容や誓約書の存在を第三者に言いふらさないこと。
- 違約金:「違反1回につき金○○円」の形で定め、約束に金銭的な実効性を持たせる。
- 場面に応じた条項:写真・データの削除(元交際相手)、債務清算の確認と追加請求の禁止(金銭トラブル)など、相手との関係に合わせて加える。
SNSは「LINE、X、Instagram等」とサービス名を挙げたうえで「その他一切の手段」と包括しておくと、新規アカウントや別サービス経由の接触もカバーできます。
そのまま使える全文テンプレート(汎用版)
どの場面でも使える汎用版です。第1条の事実の内容と、違約金の金額を書き換えるだけで使えます。日付と署名は必ず相手本人に自筆させ、押印(認印で可)までさせてください。より確実にしたい場合は、実印で押印してもらい印鑑登録証明書を添えてもらうと、本人が作成したことをほぼ争えなくなります。
違約金の金額は、相手の支払能力と実害に見合った1回につき数十万円程度に収めるのが現実的です。高すぎる金額のリスクは後述します。
シーン別テンプレート(元交際相手・金銭トラブル)
元交際相手と縁を切る誓約書
交際関係の清算では、復縁要求の禁止に加えて交際中の写真・動画データの削除まで誓約させるのがポイントです。別れた後の画像の拡散(リベンジポルノ)への抑止になります。

金銭トラブル清算後の誓約書
貸し借りや弁償の支払いが済んだ後に縁を切る場面では、「清算済みであること」と「二度と金銭を要求しないこと」をセットで確認しておくと、蒸し返しを防げます。
法的効力と限界
本人が自由な意思で署名した誓約書は、民法上の意思表示として有効です。違反があれば違約金条項を根拠に金銭を請求でき、書面そのものが、後で警察や弁護士に相談するときの経緯の証拠にもなります。
ただし、誓約書は相手の行動を物理的に止める強制力を持ちません。守らせる仕組みは、違約金という金銭的・心理的なプレッシャーにとどまります。さらに、作り方を誤ると効力自体が崩れます。
- 違約金が高額すぎる:実害とかけ離れた金額は公序良俗(民法90条)に反して無効・減額と判断されるおそれがある。
- 無理やり書かせた:脅して書かせた誓約書は強迫を理由に取り消すことができる(民法96条)。「書くまで帰さない」「家族にばらす」といった言動は、強要罪(刑法223条)や脅迫罪(刑法222条)に問われるリスクもあり、立場が逆転しかねない。
- 制限の範囲が広すぎる:「○○市に立ち入らない」など相手の生活を過度に制限する条項は、無効と判断されるおそれがある。
- 相手が未成年者(18歳未満):学生同士の交際トラブルなどで相手が未成年者の場合、親権者(法定代理人)の同意なしに単独で署名した誓約書は民法5条により後から取り消されるおそれがある。本人だけでなく親権者にも一緒に署名・押印してもらう。
署名させる場では、文面を読ませて納得のうえで書かせてください。相手に録音されている前提で、終始冷静に進めるのが安全です。大人数で取り囲む・深夜に長時間拘束するといった状況は作らないこと。
相手と会うこと自体に危険を感じる場合は、無理に対面の場を作る必要はありません。簡易書留や特定記録など記録の残る郵送で誓約書を送り、署名・返送を求めるか、やり取りそのものを弁護士に任せる方法があります。なお、要求した事実を内容証明郵便で残す場合、内容証明は手紙の本文1通しか送れず誓約書の用紙は同封できないため、誓約書は別便で送付します。
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誓約書で止まらないとき(警察・法的手段)
誓約書を交わしてもつきまとい・待ち伏せ・連続した連絡が続くなら、書面のやりとりに固執する段階は過ぎています。身の危険を感じる場面では、誓約書より警察への相談を優先してください。
- 警察相談専用電話「#9110」:緊急性のないつきまとい・しつこい連絡の相談窓口。かけた地域を管轄する警察本部などの窓口につながる。今まさに危険が迫っているときは110番。
- ストーカー規制法の警告・禁止命令:つきまとい等が繰り返されるおそれがあるときは、申出により警察から相手に警告が出され、さらに公安委員会による禁止命令まで進められる(緊急の場合は警告を経ずに禁止命令が出されることもある)。禁止命令に違反してストーカー行為をした者には2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金が定められている。
- 弁護士からの警告・損害賠償請求:弁護士名義の内容証明郵便で接触の停止を求め、違約金や慰謝料を請求する。交渉ごと任せられるため、相手と直接やりとりせずに済む。
この段階でも誓約書は無駄になりません。「接触しないと本人が約束したのに破った」という事実を示す証拠として、警察や裁判所への説明を補強してくれます。
誓約書のPDFをTEMPLEXで作成
文面が決まったら、TEMPLEXの「今後一切関わらない誓約書」テンプレートで清書できます。宛先・誓約事項・誓約者の住所氏名を入力するだけで、登録不要・無料でPDFをダウンロードでき、印刷して相手に署名・押印してもらえばそのまま使えます。
この記事で解説した接触の禁止・写真データの削除・口外の禁止・違約金の条項が最初から入っているので、日付・氏名と違約金の金額を書き換えれば数分で完成します。
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コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。








