個人宛・個人間の督促状の例文|友人に貸したお金を返してもらう書き方

個人間の督促は「関係」と「証拠」でつまずく
友人・知人に貸したお金、個人事業主への報酬や立替金が返ってこない。督促したいけれど、相手は赤の他人ではないので強く出にくい——個人間の督促は、法人どうしの取引とは違う2つの壁にぶつかります。
1つ目は関係性です。きつい文面を送れば友人関係が壊れ、遠慮しすぎれば「待ってくれている」と相手に甘く受け取られます。だからこそ個人間の督促状は、相手との関係と滞納の長さに応じてトーンを使い分けるのが要になります。
2つ目は証拠です。個人間の貸し借りは借用書を作っていないことが多く、いざ法的手段に進もうとすると「貸した事実」を自分で証明しなければなりません。督促状を出す前に、借用書・念書・振込記録・メッセージのやり取りなど、貸した証拠が手元にあるか確認しておくことが、この記事のいちばん大切な前提です。
借用書がなくてもあきらめる必要はありません。LINEなどで「〇万円、来月必ず返します」のように相手が借入や返済を認めた返信のスクリーンショットは、強力な証拠になりやすいからです。相手が借金や返済を認める言動は「債務の承認」にあたり、消滅時効が更新される効果もあります(民法152条・e-Gov法令検索)。
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書く前に押さえる4つの注意点
個人宛の督促状で外してはいけないポイントは次の4つです。形式よりも、「貸した事実」「残額」「返済期限」をはっきり書いて記録に残すことが目的です。
- 貸した事実を特定する — 「いつ・いくら貸したか」「現在の残額はいくらか」を金額・日付つきで明記する
- 返済の期限を切る — 「◯月◯日までに」と具体的な日付を入れる(期限がないと催促として弱い)
- 振込先を書く — 銀行口座を明記し、手渡しではなく振込にしてもらう(入金記録が証拠になる)
- 感情的に責めない — 相手を一方的に非難すると関係がこじれ、話し合いでの解決が遠のく
1回目から内容証明郵便を使う必要はありません。まずは普通郵便やメッセージで穏やかに促し、反応がない・約束を破られた段階で、配達の記録が残る内容証明郵便に切り替えるのが個人間でも角が立ちにくい進め方です。
借用書も念書もない場合は、督促の前に相手に残額を認める念書を書いてもらうと証拠が一気に固まります。書いてもらうタイミングや文例は次の記事で解説しています。

借金の念書・返済計画書の書き方|借用書なしの貸し借りを証拠に残す例文
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記事を読むそのまま使える督促状の例文(3トーン)
相手との関係と滞納の状況に合わせて、次の3つから選んでください。〇〇や金額・日付は実際の内容に置き換えます。金額・貸した日・返済期限は1か所ずつ具体的に書くほど、後の争いを防げます。
① 友人・知人へ穏便にお願いする(1回目)
関係を壊したくない相手への1通目。「責める」のではなく「心配している・確認したい」というトーンにすると、相手も連絡を返しやすくなります。手紙でもメッセージでもそのまま使えます。
② 期限を明示した正式な督促状(2回目以降)
1回目に反応がない、または約束を破られたときの正式な書面。貸した事実・残額・返済期限・振込先をはっきり書くことで、督促した記録としても残ります。

③ 内容証明郵便で送る最終的な督促状
話し合いに応じてもらえず、法的手段も視野に入れる段階の文面です。内容証明郵便は「いつ・誰に・どんな内容を送ったか」を郵便局が証明してくれるので、督促した事実を後の訴訟で示す証拠になります。最後に支払わない場合の対応に触れておくと、相手にも本気度が伝わります(日本郵便「内容証明」)。
ただし内容証明が証明するのは「いつ・どんな内容の請求を出したか」という請求した事実だけで、お金を貸した事実そのものを証明する借用書などの代わりにはなりません。送ったうえで、貸した証拠(借用書・振込記録など)も別に揃えておきましょう。
内容証明郵便の書き方には字数・行数のルールがあります。TEMPLEXの内容証明テンプレートなら、ルールに沿った体裁で無料で作成・印刷できます。
督促しても返ってこないとき
内容証明まで送っても支払われない場合は、裁判所の手続きで回収を図ることになります。個人でも使いやすい代表的な手段が、少額訴訟と支払督促の2つです。
自分で手続きを始める前に、法テラスや市区町村の無料法律相談で、回収の見通しを一度相談するという選択肢もあります。法テラスの民事法律扶助には収入・資産の資力要件がありますが、市区町村が開く弁護士の無料相談なら要件を問われないことが多いです(法テラス)。
少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払いを求める場合に使え、原則として1回の期日で審理が終わる簡易な手続きです。同じ裁判所で1人あたり年10回までという利用制限があり、判決では分割払いや支払猶予が命じられることもあります(裁判所「少額訴訟」)。
支払督促は、相手の住所地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に申し立て、書類審査だけで相手に支払いを命じてもらえる手続きです。相手が支払督促を受け取った後、2週間以内に督促異議を申し立てなければ、債権者は「仮執行宣言の申立て」を行い、強制執行に向けた手続きへ進めます(異議が出れば通常訴訟へ移行します)(裁判所「支払督促」)。
いずれの手続きでも、貸した事実を裏づける証拠(借用書・念書・振込記録・督促状の控え)が必要です。督促状の控えや内容証明の謄本は、必ず手元に残しておきましょう。各手続きの詳しい流れは、それぞれの専門記事で解説しています。

裁判所から督促状(支払督促)が届いたら|2週間以内に異議申立てを
裁判所から届いた「督促状」の正体は民間の督促状ではなく支払督促です。放置すると仮執行宣言を経て財産を差し押さえられます。受け取った日から2週間以内の督促異議申立ての方法、身に覚えのない架空請求との見分け方を、裁判所・法務省の情報をもとに解説します。
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督促状・催告書を無視したらどうなる?やばいのは本当か、差し押さえまでの流れと取るべき行動
督促状や催告書が届き「無視していいか」迷う方へ。放置で進む流れ(督促→催告→法的措置→差し押さえ)、いきなり差し押さえはない理由(債務名義が必要)、遅延損害金の累積、信用情報への影響、催告書を無視する時効・契約解除のリスクと、いま取るべき行動を解説します。
記事を読む貸したお金は5年で時効になることも
個人間の貸し借りにも消滅時効があります。2020年4月1日以降に貸したお金は、返済期限から原則5年(権利を行使できることを知った時から5年)で時効にかかり、相手が時効を援用すると請求できなくなります(民法166条1項・e-Gov法令検索)。長く放置している貸し借りほど、早めに督促・証拠化しておく価値があります。
相手が「残額は◯円ある」と認めること(債務の承認)があると時効はリセットされるため、時効が完成する前に念書で残額を認めてもらうのが有効です。証拠化の具体的なやり方は、念書の記事を参考にしてください。
相手が分割払いを希望する場合は、口頭の約束で終わらせず、返済額・回数・最終期限・遅れたときの扱いを支払い誓約書にまとめておくと、約束がはっきりします。残額を認めた内容になるため、債務の承認として時効のリセットにもつながります。分割払いや遅延損害金の書き方・文例は次の記事が参考になります。

支払い誓約書の書き方(取引先・売掛金向け)|分割払い・遅延損害金の文例
取引先からの代金支払いが遅延した場合に提出してもらう支払い誓約書の書き方を、業務取引(B2B)に絞って解説。分割払いの設定・遅延損害金・連帯保証人・期限の利益喪失条項まで、コピペで使える例文と実務ポイントをまとめました。個人間の借金は弁護士相談を推奨します。
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コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。







