催促状の書き方と例文|支払いの催促を角を立てずに進める方法

催促状の書き方と例文|支払いの催促を角を立てずに進める方法

支払いの催促とは|まずは穏やかに気づいてもらう連絡

支払期日を過ぎたのに入金がない――。このとき最初に出すのが催促状です。催促状は「支払い忘れではありませんか」と穏やかに気づいてもらうための連絡で、相手を責める書面ではありません。期日を少し過ぎただけの多くのケースは、単なる振込忘れや経理の処理漏れです。いきなり強い調子で出すと、ただのうっかりだった相手との関係を壊しかねません。

よく混同される督促状との違いは、温度差にあります。催促状は穏便な「お願い」、督促状は法的措置も視野に入れた正式な「請求」です。どちらも法律で名称が決まっているわけではありませんが、実務では下の表のように段階で使い分けます。

書面温度感出すタイミング
催促状穏やか(行き違いの確認・お願い)期日を過ぎて最初の書面連絡
督促状正式・強め(期限を切って請求・予告)催促しても支払われないとき
催告書法的効果を狙う(内容証明で送る)時効や契約解除が絡む最終段階

関係に配慮しながら、角を立てずに支払いを促したいなら、まずは穏やかな催促状から始めます。催促・督促・催告という3つの言葉そのものの違いを詳しく知りたい場合は、次の記事が分かりやすいです。

督促・催促・催告の違い|催促状・督促状・催告書の使い分け早わかり
督促状・催促状・催告書

督促・催促・催告の違い|催促状・督促状・催告書の使い分け早わかり

督促と催促と催告の違いを比較表で即答。催促=穏便に促す、督促=正式に強く求める、催告=法的効果を伴う最終警告という温度差を、催促状・督促状・催告書という3つの書類の違いと、どの段階でどれを送るかのフローまで整理しました。

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催促の段階|電話・メール・書面の使い分け

支払いの催促は、いきなり書面を送るのではなく「電話・メールでの軽い確認 → 催促状(書面) → 督促状」と段階を踏むのが基本です。相手との関係や金額、これまでの取引実績に応じて、どこから始めるかを選びます。

段階手段ねらい
①軽い確認電話・メール行き違いの確認。振込忘れならここで解決する
②書面で催促催促状(普通郵便)口頭より重く受け止めてもらう。記録も残る
③正式な請求督促状期限を切って請求。次の段階を予告する
④法的効果催告書(内容証明)・法的手段時効対策・裁判所を通じた回収

期日を1〜2日過ぎた程度なら、まずは電話やメールで「行き違いかもしれませんが」と確認するのが角が立ちません。それでも入金されない、あるいは口頭では反応が鈍いときに、書面である催促状へ進みます。書面にすると相手も社内で共有しやすく、口頭より重く受け止めてもらえます。

電話で角を立てずに催促するときの言い回しや、メールで催促する場合の文面・クッション言葉・送るタイミングは、それぞれ別の記事にまとめています。電話やメールで先に促してから書面に移ると、相手の負担も軽くなります。詳しくは以下を参照してください。

催促の電話の言い回し・例文|角を立てない伝え方とトークスクリプト
督促状・催促状・催告書

催促の電話の言い回し・例文|角を立てない伝え方とトークスクリプト

入金・支払いや返信・書類提出を電話で催促したいが、相手との関係を壊したくない方向け。角を立てない言い回しと、場面別にそのまま読めるトークスクリプト、不在・留守番電話の伝え方、避けたいNG例まで例文付きで解説します。

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催促メールの書き方と例文|社内・社外のやんわりした催促テンプレート
メール文例

催促メールの書き方と例文|社内・社外のやんわりした催促テンプレート

ビジネスの催促メールを社内・社外別に例文付きで紹介。やんわり催促する書き方、段階別のテンプレート、送るタイミングの目安も解説します。

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どの段階でも、まず自分の側を確認してから連絡しましょう。請求書がそもそも届いているか、入金済みなのに自社の消し込みが漏れていないか、振込先を間違えて伝えていないか――この3点を確かめてから催促すると、無用なトラブルを防げます。

催促状の書き方|行き違いのお詫びを添えて柔らかく

催促状で大切なのは、相手を責めずに事実だけを伝え、行き違いへのお詫びを一文添えることです。「払っていないのはそちらだ」という姿勢を出すと、たとえこちらが正しくても相手の心証を損ね、その後のやり取りがこじれます。

催促状に書く基本項目

  • 差出日・宛先(会社名・担当部署)・差出人(自社名・担当者・連絡先)
  • 請求の内容(請求書番号・件名・金額・本来の支払期日)
  • 現時点で入金が確認できていない旨
  • 行き違いで支払い済みの場合のお詫びの一文
  • 確認・支払いのお願い(無理に期限を区切らなくてよい)
催促状に書く基本項目
催促状に書く基本項目

Wordなどで自分で作る場合のレイアウトは、ビジネス文書の基本どおりで構いません。右上に差出日、その下に宛名を左寄せ、差出人(自社名・担当者・連絡先)を右寄せ、中央にタイトル「催促状」という配置が標準です。請求書番号や金額などの明細は「記」と「以上」ではさんで箇条書きにすると見やすくなります。

ポイントは、「本メールと行き違いでお支払い済みでしたらご容赦ください」の一文を必ず入れることです。これがあるだけで、相手は「決めつけられた」と感じにくくなります。催促状の段階では、強い期限設定(「○日までに払わなければ法的措置」など)は避け、あくまで確認とお願いにとどめます。期限を切って正式に請求するのは、次の督促状の役割です。

件名や書き出しは「ご請求のご確認」「お支払いのご確認」程度にとどめます。「督促」「警告」といった強い言葉は催促状にはなじみません。封筒も、赤字や「親展」を多用せず、通常の郵便で送れば十分です。中身が請求関係と分かるようにしたいときは、通常の「請求書在中」(青字・黒字のスタンプなど)の記載なら問題ありません。催促状は最も穏やかな段階なので、この程度の控えめな表示にとどめ、「督促状在中」のような強い朱書きは避けます。

そのまま使える催促状の例文

状況に合わせて使える催促状の文面を3パターン用意しました。○○の箇所を自社の情報に置き換えるだけで使えます。いずれも穏やかなトーンで、行き違いへの配慮を入れています。

以下の例文は、印刷して郵送する、またはPDF化して送付する「書面」を想定したフォーマットです。「拝啓」「敬具」や「本状」という言葉も書面前提なので、そのままメール本文に貼り付けると硬すぎる印象になります。メールで催促する場合は、前後の挨拶文を整え、件名や送るタイミングも含めて調整してください(メール向けの文面は前述のメール催促の記事を参照)。

基本の催促状(初回・最も柔らかい)
○○株式会社 ご担当者様 ご請求のご確認のお願い 拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、○月○日付でお送りいたしました下記ご請求につきまして、本日時点でご入金の確認が取れておりません。 お手数をおかけいたしますが、ご確認いただけますと幸いです。なお、本状と行き違いでお支払いお済みの場合は、何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。 敬具 記 請求書番号:○○○ 件名:○○○○ ご請求金額:金○○○,○○○円(税込) お支払期日:○月○日 以上 ○年○月○日 株式会社○○○○ ○○部 ○○○○ TEL:○○-○○○○-○○○○
基本の催促状(初回・最も柔らかい)の例
基本の催促状(初回・最も柔らかい)の例
再度の催促状(電話・メールで反応がないとき)
○○株式会社 ご担当者様 お支払いのご確認(再度のお願い) 拝啓 平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 先般よりご連絡を差し上げております下記ご請求につきまして、本日時点でもご入金の確認が取れておりません。 ご多忙のところ恐れ入りますが、ご事情をご確認のうえ、お支払い予定日をお知らせいただけますでしょうか。なお、本状と行き違いでお支払いお済みの場合は、何卒ご容赦くださいませ。 敬具 記 請求書番号:○○○ 件名:○○○○ ご請求金額:金○○○,○○○円(税込) お支払期日:○月○日(経過しております) 以上 ○年○月○日 株式会社○○○○ ○○部 ○○○○ TEL:○○-○○○○-○○○○
個人のお客様あての催促状(丁寧でやわらかい)
○○ ○○ 様 お支払いのご確認について 拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 このたびは○○○○をご利用いただき、誠にありがとうございます。 さて、○月○日付でご案内いたしました下記お支払いにつきまして、お支払期日を過ぎても、本日時点でご入金の確認が取れておりません。 お手数をおかけいたしますが、ご確認のうえお手続きいただけますと幸いです。すでにお支払いお済みの場合は、行き違いとなりますことをお詫び申し上げます。ご不明な点がございましたら、末尾の連絡先までお気軽にお問い合わせください。 敬具 記 内容:○○○○ ご請求金額:金○○,○○○円(税込) お支払期日:○月○日 以上 ○年○月○日 ○○○○(屋号・氏名) TEL:○○-○○○○-○○○○

コピーした文面は、必ず請求書番号・金額・期日を自社の実際の値に置き換えてください。金額や日付が間違っていると、かえって相手に不信感を与え、催促の効果が弱まります。

催促しても支払われないとき|督促状へ進む

催促状を送っても入金がない、連絡もない――そのときは、期限を区切って正式に請求する「督促状」へ段階を上げます。督促状では「○月○日までにお支払いください」と新たな期限を明示し、応じない場合は次の手段に進むことを予告します。穏やかな催促状とは役割が異なるので、督促状の文面・書き方は次の記事を参考にしてください。

督促状とは?書き方と例文|初回・再督促・最終予告の文面をそのまま使える
督促状・催促状・催告書

督促状とは?書き方と例文|初回・再督促・最終予告の文面をそのまま使える

入金されず督促状を出す側に向けて、督促状の意味・記載項目・書き方の手順を解説。初回督促/再督促/最終予告のトーン別文面をコピーでき、普通郵便と内容証明の使い分け、遅延損害金や時効、払われないときの次の一手まで網羅します。

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なお、支払いが期日に遅れた場合、未回収額に加えて遅延損害金を請求できます。利率は契約での取り決め(約定利率)があればその率、なければ法定利率の年3%が適用されます(民法404条。法定利率は2020年4月の改正で変動制となり、2026年4月以降も年3%で据え置かれています)。ただし、関係に配慮する穏やかな催促状の段階で遅延損害金まで持ち出すと角が立つため、通常は督促状以降で触れる項目です。

もう一つ注意したいのが時効です。売掛金などの債権は、原則として支払期日から5年で時効により消滅します民法166条1項1号)。催促状を送るだけでは時効は止まらないため、支払われないまま長期化しそうなら、早めに督促状・内容証明・法的手段へ進む判断が必要です。回収の全体像(内容証明・支払督促・少額訴訟など)は以下にまとめています。

入金催促メールの例文と売掛金の回収方法|遅延損害金・時効・法的手段まで
請求書

入金催促メールの例文と売掛金の回収方法|遅延損害金・時効・法的手段まで

入金が遅れて困っている請求側向けに、段階別の支払督促メール文例を掲載。遅延損害金・売掛金の消滅時効・内容証明郵便・支払督促・少額訴訟まで、確実にお金を回収するための知識を解説します。

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催促状をすぐ作成する

催促状は、フォームに宛先・請求内容・支払期日を入力するだけで作れます。TEMPLEX なら、行き違いへのお詫びを含んだ柔らかい催促状をその場でPDF化して印刷できます。催促状テンプレートはこちらからご利用いただけます。督促状・最終督促状・催告書のテンプレートはカテゴリ一覧からまとめて選べます。

TEMPLEXの督促状・最終督促状・催告書のテンプレート
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コラム著者・編集者

TEMPLEX編集チーム

TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。

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