催告書とは?督促状との違い・法的効果と書き方・例文

催告書とは|督促状との違いは「法的効果」
催告書(さいこくしょ)とは、支払いや債務の履行を求めたうえで、応じなければ法的手段に移る意思を相手に正式に伝える書面です。一般には催促状・督促状を送っても支払われない段階で、最後通告として出されます。
「督促状とどう違うのか」と迷う方が多いのですが、見た目や文面の強さよりも、決定的な違いは法的効果の有無にあります。督促状は支払いを促す事実上のお願いで、それ自体に法律上の効果はありません。一方の催告書は、時効の完成を一時的に止めたり、契約解除の前提条件を満たしたりする「法律上の催告」として機能させることを狙って送る書面です。
| 督促状 | 催告書 | |
|---|---|---|
| 主な目的 | 支払いを促す(事実上のお願い) | 法的効果を生じさせ、次の手続きにつなげる |
| 法的効果 | 原則なし | 時効の完成猶予・契約解除の前提になり得る |
| 送付方法 | 普通郵便が多い | 内容証明郵便(配達証明付き)が基本 |
| 送る段階 | 支払いがない初期〜中期 | 最後通告(法的手段の一歩手前) |
なお「催促・督促・催告」という言葉そのものの使い分けは、別の記事で表を使って詳しく整理しています。ここでは「催告書という書面で何ができるか」に絞って解説します。

督促・催促・催告の違い|催促状・督促状・催告書の使い分け早わかり
督促と催促と催告の違いを比較表で即答。催促=穏便に促す、督促=正式に強く求める、催告=法的効果を伴う最終警告という温度差を、催促状・督促状・催告書という3つの書類の違いと、どの段階でどれを送るかのフローまで整理しました。
記事を読むスポンサーリンク
「催告状」と「催告書」は同じもの
検索すると「催告状」「催告書」の両方の表記が出てきますが、「催告状」と「催告書」は同じ書面を指す言葉で、内容・効果に違いはありません。差し出す相手や場面によって呼び分けが変わるわけではなく、どちらの表記でも問題ありません。
実務やインターネット上の文例では「催告書」のほうがよく使われます。送り先に合わせて統一しておけば十分で、「催告状」と書いたから効果が弱まる、ということもありません。この記事でも以降は「催告書」で統一します。
催告書でできること|時効の完成猶予と契約解除の前提
催告書をわざわざ出す最大の理由は、次の2つの法的効果を得るためです。
① 時効の完成を6か月間止める(時効の完成猶予)
債権には消滅時効があり、放置すると請求できなくなります。一般的な売掛金・貸金などの債権は、権利を行使できることを知った時から5年で時効にかかります(権利を行使できる時から10年のいずれか早いほう。民法166条1項)。
時効の完成が迫っているとき、催告をするとその時から6か月を経過するまでは時効が完成しません(民法150条1項)。これを「時効の完成猶予」と呼びます。催告書は、この猶予を生じさせて、訴訟や支払督促などの準備をする時間を確保するために使われます。
猶予されるのは1回・6か月だけです。催告で時効が止まっている間に同じ催告を繰り返しても、効力は重ねられません(民法150条2項)。6か月の猶予期間中に、裁判上の請求・支払督促の申立てなど次の手続きに進む必要があります。時効を確定的にリセット(更新)したいなら、催告だけでは足りない点に注意してください。
② 契約解除の前提を満たす(催告解除)
相手が契約上の義務を果たさない場合、いきなり契約を解除できるわけではありません。相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないときに、はじめて契約を解除できます(民法541条)。この「相当の期間を定めた催告」を書面で残すのが催告書の役割です。
つまり催告書には、「○月○日までに履行(支払い)がない場合は契約を解除します」と期限と効果を明記しておくことが重要です。これにより、後日「催告していない」「解除は無効だ」と争われるリスクを抑えられます。
「相当の期間」に法律上の固定日数はありません(民法541条 も日数を定めていません)。実務では債務の内容に応じて、書面の到達から1〜2週間程度を設定することが多い、というのがひとつの目安です(賃貸借の賃料滞納など、より長い期間が相当とされる契約もあります)。
ただし、期間経過時の不履行が「軽微」なときは解除できません(民法541条ただし書)。また、定める期間が短すぎると「相当の期間」と認められないおそれがあります。賃貸借契約など、解除のハードルが慣行上高い契約もあるため、契約の性質に応じて余裕のある期間を設定してください。
催告書の書き方|記載すべき項目
催告書は様式が法律で決まっているわけではありませんが、後で証拠として効くように、「誰に・何を・いつまでに・応じない場合どうするか」を一通り書き切るのが基本です。次の項目を漏れなく入れます。
- タイトル(「催告書」と明記)
- 宛先(相手の氏名・会社名)
- 差出人(自分の氏名・住所・連絡先)
- 作成日(送付日)
- 債権の特定(契約日・取引内容・請求書番号など、どの債務かを特定できる情報)
- 請求金額(元金・遅延損害金の有無)
- 支払期限(「○月○日まで」と相当の期間を明示)
- 支払方法(振込先口座など)
- 応じない場合の予告(法的措置・契約解除をとる旨)

特に重要なのが、支払期限を具体的な日付で区切ることと、期限までに応じない場合に何をするか(訴訟・支払督促・契約解除など)を明記することです。曖昧な「速やかに」「早急に」では、後の手続きにつなげる催告として弱くなります。
催告書の例文(コピーして使えます)
支払いを求める基本形と、契約解除を前提とする場合の2パターンを用意しました。○○の部分を自分の取引内容に置き換えるだけで使えます。内容証明郵便で送る場合は、後述の字数・行数ルールに合わせて調整してください。

字数・行数のルールに合わせて体裁を整えるのが手間なときは、必要事項を入力するだけで整った書面になる TEMPLEXの催告書テンプレート も使えます。
スポンサーリンク
催告書は内容証明郵便で送る
催告書は普通郵便でも出せますが、内容証明郵便(配達証明付き)で送るのが基本です。理由は、前述の法的効果を確実に証拠として残すためです。
内容証明郵便は、「いつ・誰が・誰に・どんな内容の文書を送ったか」を郵便局が証明してくれる郵便です。配達証明を付ければ、相手にいつ届いたか(到達日)も記録できます。普通郵便だと「催告された覚えはない」と言われる余地がありますが、内容証明なら催告した事実と到達日を客観的に立証できるため、時効の完成猶予や契約解除を主張する際の決定的な証拠になります。
紙の内容証明は1行・1枚の字数と行数が決まっています。縦書きは1行20字以内・1枚26行以内、横書きは①20字×26行 ②13字×40行 ③26字×20行のいずれかです(日本郵便)。なお 電子内容証明(e内容証明) なら字数制限が緩く、Wordファイルで差し出せます。文面が威圧的すぎると後で不利になることもあるため、事実と期限を淡々と書くのがコツです。様式に沿った書面づくりは、後述のTEMPLEXの内容証明テンプレートでも行えます。
内容証明の作成は TEMPLEXの内容証明テンプレート から行えます。
催告書を出しても無視されたら
催告書を送っても支払いがない場合は、猶予期間(6か月)が切れる前に法的手段へ進むことになります。代表的なのは、簡易裁判所への支払督促の申立てや、訴訟(少額訴訟・通常訴訟)です。催告書はそのための証拠と時間を確保する書面である、と位置づけると分かりやすいです。
「無視されたら具体的に何が起きるのか」「どの裁判所手続きを選ぶべきか」は、それぞれ別の記事で解説しています。

督促状・催告書を無視したらどうなる?やばいのは本当か、差し押さえまでの流れと取るべき行動
督促状や催告書が届き「無視していいか」迷う方へ。放置で進む流れ(督促→催告→法的措置→差し押さえ)、いきなり差し押さえはない理由(債務名義が必要)、遅延損害金の累積、信用情報への影響、催告書を無視する時効・契約解除のリスクと、いま取るべき行動を解説します。
記事を読む
裁判所から督促状(支払督促)が届いたら|2週間以内に異議申立てを
裁判所から届いた「督促状」の正体は民間の督促状ではなく支払督促です。放置すると仮執行宣言を経て財産を差し押さえられます。受け取った日から2週間以内の督促異議申立ての方法、身に覚えのない架空請求との見分け方を、裁判所・法務省の情報をもとに解説します。
記事を読む催告書の前段にあたる督促状(支払いを促す書面)の書き方・例文は、次の記事にまとめています。

督促状とは?書き方と例文|初回・再督促・最終予告の文面をそのまま使える
入金されず督促状を出す側に向けて、督促状の意味・記載項目・書き方の手順を解説。初回督促/再督促/最終予告のトーン別文面をコピーでき、普通郵便と内容証明の使い分け、遅延損害金や時効、払われないときの次の一手まで網羅します。
記事を読む催告書の作成に
催告書は、宛先・債権の内容・支払期限・解除予告などを正確に書き切ることが大切です。TEMPLEX なら、フォームに入力するだけでそのまま送れる催告書PDFを作成できます。内容証明で送りたい場合は 内容証明テンプレート も用意しています。催告書テンプレートは こちら からご利用ください。
スポンサーリンク
コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。





