催告書・督促状が払えないときの対処法|無視せず連絡・相談すれば道はある

催告書・督促状が払えないときの対処法|無視せず連絡・相談すれば道はある

払えなくても、まずやるべきことはひとつ

催告書・督促状が届いたのにお金がない。そんなときに一番やってはいけないのが「払えないから」と放置することです。結論から言うと、払えないときこそ無視せず、まず相手に連絡し、必要なら公的な窓口に相談するのが正解です。連絡すれば分割や支払いの猶予に応じてもらえることが多く、それでも難しければ債務整理という法的な解決手段も残されています。

「払えない=もう終わり」ではありません。やるべきことは次の順番で考えれば十分です。

  1. 相手(債権者)に連絡して、分割払い・支払猶予を相談する
  2. それでも厳しければ、法テラスなど公的な無料相談窓口に相談する
  3. 返しきれない見込みなら、債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)を検討する
  4. 古い借金なら、すでに時効が成立していないか確認する

ただし、裁判所から「支払督促」という書類が届いている場合は別物です。放置すると財産の差し押さえにつながるうえ、対応の期限が決まっています。心当たりのある方は先に次の記事を確認してください。

裁判所から督促状(支払督促)が届いたら|2週間以内に異議申立てを
督促状・催促状・催告書

裁判所から督促状(支払督促)が届いたら|2週間以内に異議申立てを

裁判所から届いた「督促状」の正体は民間の督促状ではなく支払督促です。放置すると仮執行宣言を経て財産を差し押さえられます。受け取った日から2週間以内の督促異議申立ての方法、身に覚えのない架空請求との見分け方を、裁判所・法務省の情報をもとに解説します。

記事を読む

スポンサーリンク

「払えないから無視」が一番危険な理由

お金がないと、つい督促を見なかったことにしたくなります。しかし放置している間も状況は悪化し続けます。遅延損害金が日々積み上がり、催告書を経て最終的には裁判・差し押さえへ進むためです。差し押さえまで進むと、給与の一部が天引きされて勤務先に借金が知られたり、銀行口座が凍結されて引き出せなくなったりと、生活への影響は一気に現実のものになります。督促状の次に「催告書」が届いているなら、相手はすでに法的措置を視野に入れた最終段階に入っていると考えてください。

逆に言えば、早く連絡するほど選べる解決策は多く、相手の心証も良くなります。連絡が遅れるほど「払う気がない」と判断され、交渉の余地が狭まっていきます。無視した場合に具体的に何が起きるのかは、次の記事で時系列に沿って解説しています。

督促状・催告書を無視したらどうなる?やばいのは本当か、差し押さえまでの流れと取るべき行動
督促状・催促状・催告書

督促状・催告書を無視したらどうなる?やばいのは本当か、差し押さえまでの流れと取るべき行動

督促状や催告書が届き「無視していいか」迷う方へ。放置で進む流れ(督促→催告→法的措置→差し押さえ)、いきなり差し押さえはない理由(債務名義が必要)、遅延損害金の累積、信用情報への影響、催告書を無視する時効・契約解除のリスクと、いま取るべき行動を解説します。

記事を読む

税金・年金・健康保険の場合は別ルール(むしろ急ぐ)

ここまでは消費者金融・クレジットカードなど民間の借金(私債権)を前提にしてきました。しかし、税金・国民健康保険料・国民年金保険料といった公的なお金は、まったく別のルールで動くため注意が必要です。督促状の差出人が役所・税務署・年金事務所なら、こちらの段落を先に読んでください。

最大の違いは、行政は裁判所の手続き(支払督促や判決)を経ずに、自前の権限で給与や預金口座を差し押さえられる点です(滞納処分)。国税徴収法では、督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに納付がないと差押えができると定められています(国税徴収法47条/e-Gov 国税徴収法)。住民税など地方税も同様に滞納処分の対象で、国民健康保険料・国民年金保険料も国税滞納処分の例によって強制徴収されます(国民年金保険料は国民年金法96条)。民間の借金のように「訴えられてから考える」時間的な余裕がないということです。

もうひとつ重要なのが、税金・社会保険料は自己破産で免責を受けても支払い義務が残る「非免責債権」だという点です(破産法253条1項1号「租税等の請求権」/e-Gov 破産法)。後で触れる債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)や時効援用は基本的に民間の借金向けの話で、公的なお金はこれらでは消えません。「破産すればチャラ」と思って放置するのが最も危険です。

公的なお金が払えないときの正解は、放置せず、早めに役所・税務署・年金事務所の窓口で相談することです。一度に納めると生活が立ち行かない事情があれば、分割での納付や、差押え・取り立てを一定期間待ってもらう猶予制度(換価の猶予・納税の猶予など)を案内してもらえます(国税庁納税の猶予・換価の猶予。年金保険料は年金事務所、国民健康保険料は市区町村の窓口)。自分から相談に行くほど、選べる道は残っています。

まずは相手に連絡し、分割・支払猶予を交渉する

最初の一手は、督促状・催告書に書かれた連絡先に自分から連絡することです。「払う意思はあるが、今は一括では難しい」と正直に伝えるのがポイントです。多くの債権者にとっても、訴訟や差し押さえはコストと時間がかかるため、回収できる見込みがあるなら分割や猶予に応じるほうが合理的だからです。

交渉で伝えるべきことはシンプルです。「払えない理由」「いつから・いくらずつなら払えるか」を具体的な数字で示すと、相手も判断しやすくなります。漠然と「待ってほしい」と言うだけでは前に進みません。

  • 現在の収入と、生活費を差し引いて返済に回せる金額(例:月2万円なら無理なく続けられる、など)
  • 支払いを始められる時期(例:来月末から、ボーナス月にまとめて、など)
  • 一括が無理でも、分割なら必ず完済する意思があること

口頭で約束しただけだと「言った・言わない」のトラブルになりがちです。分割払いの合意ができたら、支払う金額・回数・期日を書面に残しておくと双方にとって安心です。書面の作り方(支払い誓約書)は次の記事で詳しく解説しています。

支払い誓約書の書き方(取引先・売掛金向け)|分割払い・遅延損害金の文例
誓約書・同意書

支払い誓約書の書き方(取引先・売掛金向け)|分割払い・遅延損害金の文例

取引先からの代金支払いが遅延した場合に提出してもらう支払い誓約書の書き方を、業務取引(B2B)に絞って解説。分割払いの設定・遅延損害金・連帯保証人・期限の利益喪失条項まで、コピペで使える例文と実務ポイントをまとめました。個人間の借金は弁護士相談を推奨します。

記事を読む

注意したいのは、一部でも支払う・支払いを約束すると、時効のカウントがリセットされる点です(民法152条の「承認」による時効の更新/e-Gov 民法)。後述する時効が成立している可能性がある古い借金では、安易に連絡・支払いをする前に時効を確認したほうがよい場合があります。

自分で交渉が難しいときの公的な相談窓口

相手と直接話すのが怖い、何社もあって自分では整理しきれない、そんなときは国が設立した法的トラブルの相談窓口「法テラス」を利用できます(日本司法支援センター/法テラス公式)。借金・債務に関する相談は法テラスの代表的な取扱分野です。

法テラスの「民事法律扶助」を使えば、収入・資産が一定の基準以下なら、同じ問題について3回まで無料で弁護士・司法書士に相談できます。利用には次の3つの要件を満たす必要があります(法テラス 民事法律扶助業務)。

  • 収入と資産が、定められた資力基準以下であること
  • 勝訴の見込みがないとはいえないこと(和解・調停・債務整理の見込みを含む)
  • 民事法律扶助の趣旨に適すること

弁護士・司法書士に正式に依頼する場合も、法テラスには費用を立て替えて、月々分割で返済できる「立替制度」があります。手元にまとまったお金がなくても専門家に動いてもらえるのが大きな利点です。法テラスの職員には守秘義務があり、どの窓口を案内してほしいかといった一般的な問い合わせは匿名でも可能です(民事法律扶助の利用申込みには本人確認が必要)。

貸金業者からの借入なら、各都道府県の弁護士会・司法書士会の法律相談、消費生活センター(消費者ホットライン188)でも相談できます。身に覚えがない請求なら、連絡する前にまず「本物の請求か」を確かめることが先決です。督促状に書かれた番号にあわてて電話すると、詐欺業者の連絡先だった場合に相手の思うつぼになりかねません。実在する債権者か・本当に契約や借入があったかを確認し、不審なら支払う前に消費者ホットライン188(消費生活センター)や警察に相談してください。

スポンサーリンク

返しきれないなら債務整理という選択肢がある

分割にしても完済の見込みが立たない、利息ばかりで元本が減らない。そんな状態なら「債務整理」で借金そのものを法的に減らす・なくすことを検討する段階です。債務整理は大きく分けて次の3種類があり、借金額・収入・財産の状況によって向き不向きが変わります。

種類おおまかな内容向いているケース
任意整理弁護士・司法書士が債権者と直接交渉し、将来の利息をカットして元本を3〜5年程度の分割で返す。裁判所を通さない。安定した収入があり、利息さえ止まれば元本は返せる人。財産を手放したくない人。
個人再生裁判所の手続きで借金を大幅に(原則5分の1程度まで)減額し、残りを原則3年で返す。住宅ローン特則を使えば家を残せる場合がある。借金が大きく任意整理では返せないが、マイホームを手放したくない・安定収入がある人。
自己破産裁判所に申し立てて免責が認められれば、原則すべての返済義務がなくなる。一定額以上の財産は処分される。収入や財産から見て、もはや返済の見込みが立たない人。

どの手続きを選ぶべきかは個別の事情で大きく変わるため、自己判断せず弁護士・司法書士に相談して決めるのが鉄則です。専門家に正式に依頼すると、債権者からの督促や取り立てが止まる(受任通知の送付)ため、精神的な負担が一気に軽くなる効果もあります。

いずれの債務整理も、一定期間は新たな借入れやクレジットカードの利用が難しくなる(いわゆる信用情報への登録)というデメリットがあります。それでも、払えない状態を放置して差し押さえを受けるより、早めに整理して生活を立て直すほうが結果的に傷は浅く済みます。

古い借金なら、時効が成立している可能性も

何年も前の借金について突然催告書が届いた場合、すでに消滅時効が完成していて、支払い義務がなくなっている可能性があります。債権(貸金など)は、原則として「権利を行使できることを知った時から5年間」または「権利を行使できる時から10年間」行使されないと時効によって消滅します(民法166条1項/e-Gov 民法)。

ただし注意が必要なのは、時効は期間が過ぎただけでは自動的には消えないという点です。時効の利益を受けるには、相手に対して「時効を主張します」という意思表示(時効の援用)をしなければなりません。当事者が援用しなければ、裁判所も時効によって裁判をすることはできないと定められています(民法145条)。

ここで最も危険なのが、時効が完成していても、うっかり一部を支払ったり「払います」と認めたりすると時効が更新(リセット)されてしまうことです(民法152条)。古い借金で時効が疑われる場合は、相手に連絡・返済をする前に、まず弁護士・司法書士に時効の成否を確認してもらってください。援用は内容証明郵便で行うのが一般的です。

状況別の次の一手

最後に、あなたの状況に合わせた次の行動をまとめます。共通しているのは「無視せず、早めに動く」という一点です。

  • 分割なら払える見込みがある → 相手に連絡し、合意内容を支払い誓約書で書面化する
  • 自分では交渉・整理が難しい → 法テラスや弁護士会・司法書士会の無料相談を利用する
  • どう頑張っても返しきれない → 債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)を専門家に相談する
  • 何年も前の借金で身に覚えが薄い → 連絡・返済の前に時効の成否を専門家に確認する

迷ったら、まずは法テラスか地域の弁護士会・司法書士会の無料相談に足を運ぶのが確実です。早く相談するほど選べる道は多く残っています。

スポンサーリンク

督促状・催促状・催告書をすぐに作成しませんか?

TEMPLEXなら、フォームに入力するだけで督促状・催促状・催告書のPDFを作成・ダウンロードできます。

督促状・催促状・催告書のテンプレートを見る

コラム著者・編集者

TEMPLEX編集チーム

TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。

関連記事

新着記事