催促の電話の言い回し・例文|角を立てない伝え方とトークスクリプト

電話で催促する前に|角を立てない3つのコツ
支払いや返信を電話で催促するとき、いちばん避けたいのは「責められた」と相手に感じさせることです。コツは、相手を責めず、「催促」ではなく「確認」の体裁で、行き違いを想定したトーンで話すこと。期日を少し過ぎただけのほとんどは、単なる振込忘れや見落としです。最初から疑ってかかると、ただのうっかりだった相手との関係を壊しかねません。
メールと違って電話は表情が見えず、声のトーンだけで印象が決まります。ワントーン明るい声で、ゆっくりはっきり話すだけでも、同じ内容がずいぶん柔らかく伝わります。早口で畳みかけると、それだけで威圧的に聞こえてしまいます。
用件に入る前に、必ず「今、お時間よろしいでしょうか」と相手の都合を確認するのが鉄則です。いきなり本題を切り出すと、相手は身構えます。そのうえで、クッション言葉をはさんでから用件を伝えると角が立ちません。電話でよく使うクッション言葉は次のとおりです。
- 「お忙しいところ恐れ入ります」 — 最も汎用的な切り出し
- 「ご確認のお電話で恐縮なのですが」 — 催促ではなく確認の体裁にする
- 「念のための確認なのですが」 — 初回のやわらかい催促に
- 「行き違いでしたら申し訳ないのですが」 — 相手が対応済みの可能性に配慮する
- 「急かすようで恐縮なのですが」 — 期限が迫っているときに
電話をかける前に、まず自分の側を確認しましょう。請求書やメールがそもそも届いているか、入金済みなのに自社の消し込みが漏れていないか、振込先や宛先を間違えていないか――この3点を確かめてから連絡すると、無用なトラブルを防げます。
あわせて、通話中に質問されてもすぐ答えられるよう、手元に資料を開いてから受話器を取りましょう。「いつの・いくらの件ですか」と聞き返されて言葉に詰まると、催促の説得力が一気に落ちます。次のものを開いておくと、相手の問いにその場で答えられます。
- 請求書の控え(金額・支払期日・請求書番号)
- 過去のメールややり取りの履歴
- 契約書(取引条件や支払いサイトを確認できる状態に)
- 入金状況のメモ(いつ確認して、いくら不足しているか)
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催促電話の基本の流れ
催促の電話は長く話すほど角が立ちます。名乗り → 都合の確認 → 用件(確認のお願い) → 次のアクションの確認 → お礼で締めるという流れを短く回すのが基本です。「払ってください」と迫るのではなく、「状況を確認させてください」というスタンスで進めると、相手も答えやすくなります。
- 名乗り:「お世話になっております。株式会社○○の△△です」
- 都合の確認:「今、お時間よろしいでしょうか」
- 用件:「○○の件で確認のお電話なのですが」とクッション言葉をはさんで切り出す
- 次のアクションの確認:「いつ頃ご対応いただけそうか」を必ず聞く
- 締め:「お忙しいところありがとうございました」とお礼で終える
最後に「いつまでに対応してもらえるか」を相手の口から言ってもらうのが大事です。こちらが一方的に期限を切るより、「では○日までにご確認いただけますか」と相手に確認する形にすると、押しつけにならず、約束として残ります。
そのまま使える催促電話の言い回し・トークスクリプト
場面別に、電話でそのまま読めるトークスクリプトを用意しました。○○の箇所を自社の情報に置き換えるだけで使えます。書面と違って「拝啓・敬具」や「記・以上」は使わず、話し言葉のまま読み上げてください。相手の返事が入る間(…)は適宜あけて構いません。
個人のお客様への電話は、もう一段やわらかく切り出します。「株式会社○○の△△です」という型どおりの名乗りより、「先日お手元にお届けした○○(ハガキ・ご請求)の件なのですが」のように、相手の手元にある物から話を始めると、催促というより案内のトーンになります。会社相手の言い回しをそのまま個人に使うと、かしこまりすぎて冷たく聞こえることがあります。
入金・支払いの催促(取引先へ・やわらかい確認)
「もう払った・送った」と言われたときの切り返し
催促したその場で「昨日振り込みました」「もうお送りしました」と返ってくることがあります。多くは入金や郵便の反映までのタイムラグが原因なので、相手を疑わず、いったん引いて自社側を確認する姿勢を見せるのがリカバリーの基本です。ここで食い下がると、対応済みだった相手との関係を一気に損ねます。次のように切り返すと角が立ちません。
返信・連絡がない相手への催促
書類・提出物の催促
納品・対応の催促
社内(上司・他部署)への催促
社内への催促は、確認とサポートの申し出をセットにすると角が立ちません。「まだですか」と進捗を問い詰めるのではなく、「お困りの点はありませんか」「手伝える部分はありますか」と添えると、相手も状況を話しやすくなります。
相手が不在・留守番電話のときの言い方
相手が不在のときは、用件の詳細を伝言で残さず、「折り返しのお願い」か「またかけ直す旨」だけを伝えるのが無難です。支払いや金額に関わる内容を本人以外に話すと、相手に気まずい思いをさせたり、社内で行き違いが起きたりします。基本は、こちらからかけ直す姿勢を見せると印象が良くなります。
留守番電話には、要件を一言と折り返し先の電話番号だけを残します。金額や「お支払いが」といった内容まで吹き込むと、本人以外が聞く可能性があるため避けます。電話番号はゆっくり2回繰り返すと、相手が折り返しやすくなります。
避けたい言い方とNG例|こう言い換える
やわらかく言ったつもりでも、言葉の選び方ひとつで相手を不快にさせます。電話は記録に残りにくいぶん、口調がそのまま印象になるので注意が必要です。以下の言い方は避けて、右の言い換えに置き換えましょう。
| NGな言い方 | 理由 | 言い換え例 |
|---|---|---|
| まだですか | 責める・問い詰める印象 | その後のご状況はいかがでしょうか |
| 払ってもらえてないんですが | 相手のミスと決めつけている | ご入金の確認が取れておらず、念のためご連絡しました |
| 至急お願いします | 命令口調に聞こえる | ○日頃までにご対応いただけますと助かります |
| 何度もお電話しているのですが | 相手を非難している | 重ねてのご連絡となり恐縮なのですが |
| どうなっていますか | 曖昧で相手が答えにくい | ○○の件、いつ頃ご対応いただけそうでしょうか |
電話催促は基本的にマナーと常識の問題ですが、常識的な時間帯・頻度・言い方を守ることが大切です。なお、深夜・早朝や執拗・威圧的な取り立てを規制する貸金業法21条は「貸金業者」を対象とした規定で(貸金業法21条では、正当な理由なく午後9時から午前8時までに取立ての電話・訪問をすることなどが禁止されています)、一般の事業者間の催促電話に直接適用されるものではありません。とはいえ、就業時間外や昼休みを避け、同じ日に何度もかけ直さないなど、相手の業務の平穏に配慮するのが社会人としての常識です。
電話だけで終わらせない|記録に残して次へつなぐ
電話は手軽に話せる反面、「言った・言わない」の証拠が残りにくいのが弱点です。相手が「○日までに払います」と約束したら、その内容を必ずメモに残し、重要なやり取りは電話のあとにメールで一言確認しておくと安心です。
「先ほどはお電話ありがとうございました。○日までにご入金いただけるとのこと、承知しました」のように電話の内容をメールで残しておくと、それ自体が催促した記録になります。メールでの催促の文面やタイミングは、以下の記事にまとめています。

催促メールの書き方と例文|社内・社外のやんわりした催促テンプレート
ビジネスの催促メールを社内・社外別に例文付きで紹介。やんわり催促する書き方、段階別のテンプレート、送るタイミングの目安も解説します。
記事を読む電話やメールで連絡しても反応がない、口頭では動いてもらえないときは、書面で催促状を送る段階に進みます。書面にすると相手も社内で共有しやすく、口頭より重く受け止めてもらえます。行き違いへのお詫びを添えた柔らかい催促状の文面は、次の記事を参考にしてください。

催促状の書き方と例文|支払いの催促を角を立てずに進める方法
支払期日を少し過ぎた相手へ、関係を壊さずに支払いを促したい方向け。催促状と督促状の温度差、電話・メール・書面の使い分け、行き違いのお詫びを添えた柔らかい催促状の文面をそのまま使える例文付きで解説します。
記事を読む催促状を送っても入金がない場合は、期限を区切って正式に請求する「督促状」へ段階を上げます。督促状の書き方・文面は以下にまとめています。

督促状とは?書き方と例文|初回・再督促・最終予告の文面をそのまま使える
入金されず督促状を出す側に向けて、督促状の意味・記載項目・書き方の手順を解説。初回督促/再督促/最終予告のトーン別文面をコピーでき、普通郵便と内容証明の使い分け、遅延損害金や時効、払われないときの次の一手まで網羅します。
記事を読むそれでも支払われず、入金そのものが回収できそうにないときは、内容証明・支払督促・少額訴訟など回収の手段全体を見て判断します。債権回収の全体像は次の記事で解説しています。

入金催促メールの例文と売掛金の回収方法|遅延損害金・時効・法的手段まで
入金が遅れて困っている請求側向けに、段階別の支払督促メール文例を掲載。遅延損害金・売掛金の消滅時効・内容証明郵便・支払督促・少額訴訟まで、確実にお金を回収するための知識を解説します。
記事を読む書面で催促する段階になったら、TEMPLEX の催促状・督促状テンプレートを使えば、フォームに宛先と請求内容を入力するだけでそのままPDF化して印刷できます。テンプレートはこちらからご利用いただけます。
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コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。







