借金の念書・返済計画書の書き方|借用書なしの貸し借りを証拠に残す例文

借用書がなくても、念書で借金を証拠にできる
友人や知人に貸したお金が返ってこない。信頼して貸したから借用書も作っていない——そんな状態でも諦める必要はありません。借用書がなくても、今から相手に念書を書いてもらえば、借金の証拠を作れます。「いつ・いくら借りた」「現在いくら残っている」「いつまでにどう返す」を本人に認めさせて書面にすることを、法律上は「債務の承認」といい、貸した事実を裏付ける有力な証拠になります。
本人の署名または押印がある文書は、民事訴訟法228条4項により真正に成立したものと推定されます。LINEのやり取りや振込記録しか残っていない貸し借りでも、署名入りの念書が1枚あれば「借りた覚えはない」という言い逃れを封じられます。
書いてもらうタイミングは、相手が「必ず返すから待ってほしい」と言っている今がベストです。「待つ代わりに、返済の約束を書面にしてほしい」という頼み方なら、相手も応じやすく角も立ちません。LINEで切り出すなら、次のメッセージがそのまま使えます。
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返済計画書に書くべき項目
借金の念書・返済計画書に入れるべき項目は次の7つです。特に分割で返してもらう場合は、「期限の利益の喪失」条項(1回でも支払いを怠ったら残額を一括請求できる取り決め)が最重要です。これがないと、滞納されても「その回の分」しか請求できず、残りは各回の期日を待つしかなくなります。
- 債務の確認 — いつ・いくら貸したか、現在の残額はいくらか
- 返済方法 — 一括ならその期日、分割なら各回の金額と期日
- 利息 — 取る場合は利率を明記(定めがなければ請求できない)
- 遅延損害金 — 遅れた場合の利率
- 期限の利益の喪失 — 分割を1回でも怠ったら残額を一括返済する旨
- 振込先 — 銀行口座と手数料の負担者
- 作成日・借主の住所・自筆署名・押印
住所は借主本人に現住所を自筆で書いてもらってください。相手が引っ越して住所が分からなくなると、内容証明郵便も訴状も届けられなくなります。可能であれば、念書を受け取る際に運転免許証などの写しをもらっておく(またはスマホで撮らせてもらう)と安心です。関係性によっては頼みにくいものなので、無理のない範囲で構いません。
返済は銀行振込にしてもらうと、各回の入金記録がそのまま返済の証拠になります。手渡しで受け取る場合は、その都度「〇月分として金〇円受領」とメモを交わしてください。
そのまま使える例文(一括・分割・返済計画書)

〇〇や金額・日付を実際の内容に置き換えて使ってください。金額と日付は1か所ずつ具体的に書くほど、後の争いを防げます。
遅延損害金の「年〇%」に入れる数字に迷ったら、法定利率の「年3%」と書いておけば確実です(民法404条。2026年4月の見直し後も年3%に据え置き)。もっと高くしたい場合は、次に説明する利息制限法の上限(利息の上限の1.46倍)の範囲内で定めてください。
利息と遅延損害金のルール(利息制限法)
個人間の貸し借りでは、利息は念書や借用書に定めがなければ請求できません(民法589条1項)。利息を取りたいなら「年〇%の利息を付す」と必ず書面に明記してください。利息を付ける合意はあるが利率を書いていない場合は、法定利率の年3%が適用されます。
利率は自由に決められるわけではなく、利息制限法の上限を超えた部分は無効になります。遅延損害金(返済が遅れた場合のペナルティ)は、個人間の貸し借りでは利息の上限の1.46倍まで定められます。
| 元本の額 | 利息の上限 | 遅延損害金の上限(1.46倍) |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 年20% | 年29.2% |
| 10万円以上100万円未満 | 年18% | 年26.28% |
| 100万円以上 | 年15% | 年21.9% |
遅延損害金の定めを書かなかった場合でも、法定利率の年3%の遅延損害金は請求できます。とはいえ抑止力としては弱いので、念書には利率を明記しておくのがおすすめです。
収入印紙の要否
借金の念書は、タイトルが「念書」「返済計画書」でも中身はお金の貸し借り(金銭消費貸借)なので、第1号文書(消費貸借に関する契約書)として収入印紙が必要です。印紙の金額は、もとの借金に借用書があるかどうかで変わります。
- 借用書がすでにあり、残額の確認と返済方法だけを定める場合:確認した既存債務の金額は印紙税法上の「記載金額」に当たらないとされ、記載金額のない第1号文書として印紙は200円です。
- 借用書がなく、口頭の貸し借りを念書で書面化する場合:その念書自体が貸し借りの金額を証明する文書になるため、金額に応じた印紙(1万円未満は非課税、10万円以下200円、50万円以下400円、100万円以下1,000円、500万円以下2,000円など)が必要です。この記事の例文の30万円・40万円なら400円です。
借用書がない貸し借りを事後に書面化するこの記事の主なケースでは、「200円でよい」ではなく金額に応じた印紙が必要になる点に注意してください(国税庁タックスアンサーNo.7140・国税庁 質疑応答事例「債務承認弁済契約書」)。
印紙を貼り忘れても念書自体の効力(証拠としての価値)は失われません。印紙税の納付義務(過怠税)の問題が生じるだけなので、「印紙がないから無効だ」という主張は成り立ちません。
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消滅時効と「債務の承認」——念書は時効対策になる
個人間の借金にも消滅時効があります。2020年4月1日以降に貸したお金は、民法166条1項により返済期限から原則5年(権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)で時効にかかり、相手が時効を援用すれば請求できなくなります。それより前に貸したお金には改正前の民法が適用され、個人間では原則10年です。
ここで念書が大きな意味を持ちます。借主が債務を認めること(債務の承認)があると、民法152条により時効は更新され、その時点からゼロから数え直しになります。残額を認める念書を書いてもらうことは、まさにこの「承認」に当たります。長く返してもらえていない借金ほど、時効が完成してしまう前に念書を取っておく価値があります。
高額なら借用書・公正証書まで踏み込む
念書は手軽ですが、あくまで証拠であって、それだけで給料や口座の差押え(強制執行)はできません。約束が破られたら、内容証明郵便での請求、支払督促や少額訴訟・通常訴訟と進み、その中で念書を証拠として使うことになります。
金額が大きい場合や、もう一度貸してほしいと頼まれた場合は、より強い書面を検討してください。これから貸すお金には、貸す時点で借用書(金銭消費貸借契約書)を作るのが原則です。TEMPLEXの借用書テンプレートなら、金額・返済期日・利息を入力するだけで無料でPDFを作成できます。
さらに確実を期すなら、公証役場で強制執行認諾文言付きの公正証書を作成する方法があります。「支払わないときは直ちに強制執行に服する」という文言を入れた公正証書があれば、不払いの際に裁判を経ずに差押えに進めます。念書や返済計画書で合意内容を固めてから持ち込むと、作成がスムーズです。
借金の念書はTEMPLEXで無料作成
TEMPLEXの借金の念書テンプレートなら、この記事の一括返済・分割返済(期限の利益喪失つき)・返済計画書形式の文例を収録しており、金額・期日・分割条件を書き換えるだけで、登録不要・無料でA4のPDFをダウンロードできます。印刷して借主に署名・押印してもらえば、返済約束の証拠としてそのまま使えます。
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コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。











