退職届・退職願の書き方完全ガイド|違い・テンプレート・提出方法・撤回ルール

退職届・退職願・辞表とは|3つの書類の役割
退職するときに会社へ提出する書類には、大きく分けて「退職届」「退職願」「辞表」の3種類があります。3つはよく混同されますが、それぞれ目的と法的な性格が異なります。自分の状況に合わせて正しい書類を選ぶこと、そして書き方とマナーを守って提出することが、円満退職への第一歩です。
本記事では、3つの書類の違いから、書き方の基本、テンプレート、提出のタイミング、撤回できるかどうか、提出方法(手渡し・郵送)、業種別の例外まで、退職書類について必要な情報を網羅的に解説します。各テーマの詳細は専門記事へリンクしているので、深掘りしたい項目はそちらをご参照ください。
この記事で分かること
- 退職届・退職願・辞表の違い(法的性格・撤回可否・対象者)
- 自分はどれを使うべきか(判断フロー)
- 書き方の基本フォーマット(用紙・ペン・印鑑・縦書き/横書き)
- 退職届と退職願のテンプレート(縦書き・横書き)
- 提出のタイミング(民法627条と就業規則の関係)
- 撤回ができる場合・できない場合
- 提出方法(手渡しが原則・やむを得ない場合の郵送)
- 退職理由の書き方(一身上の都合 vs 会社都合)
- 業種・状況別の例外マナー
- よくある質問とNG例
本記事は退職書類全般の総合ガイドです。封筒の選び方・書き方・入れ方・郵送など封筒に関する詳細は『退職届の封筒|選び方・書き方・入れ方・郵送まで完全ガイド』に、退職願ならではの撤回ルールや退職届への切り替えなどは『「退職願」完全ガイド』に深掘り解説をまとめています。
退職届・退職願・辞表の違い|比較早見表
3つの書類の違いを一覧で整理します。法的な性格の違いを理解することが、適切な書類を選ぶ出発点です。
| 項目 | 退職届 | 退職願 | 辞表 |
|---|---|---|---|
| 性格 | 退職を確定通知する書類 | 退職を願い出る書類 | 役職を辞することを届け出る書類 |
| 法的位置づけ | 一方的な労働契約の解約申入れ(民法627条) | 合意退職の申込み | 役職辞任の届出 |
| 撤回(理論) | 原則不可(一方的な意思表示として確定) | 承諾権者の承諾前なら可能 | 受理前なら可能 |
| 撤回(実務) | 実態は会社判断次第(後述) | 実態は会社判断次第(後述) | 実態は会社判断次第(後述) |
| 文末 | 退職いたします | 退職いたしたく、お願い申し上げます | 辞任いたしたく、お届け申し上げます |
| 主な対象者 | 一般の会社員(就業規則で求められる場合) | 円満に退職を願い出たい一般会社員 | 役員(取締役・監査役)・公務員 |
| 提出タイミング | 退職が確定したあと(または退職を一方的に通告するとき) | 退職予定日の1〜3ヶ月前 | 辞任が確定したあと |
| 効力発生 | 意思表示から2週間後(民法627条) | 会社の承諾時 | 受理されたとき |
「退職願」と「退職届」は法的位置づけは異なるものの、実務上は書類のタイトルだけで撤回可否が決まることはありません。判例では「退職届」と書かれていても合意解約の申込みと解釈され、承諾権者の承諾前なら撤回が認められたケースがあります(例: 大隈鉄工所事件)。一般会社員が「辞表」を使うのは誤りで、辞表は役員・公務員が役職を辞すときに使う書類です。
どれを使うべき?実務の標準フローと判断
現代のビジネス実務における退職の標準フローは、「口頭で上司に相談・打診」→「合意のうえで退職日を確定」→「退職届を1回提出」 の3ステップです。「退職願」を書面で提出するのはむしろ少数派で、口頭での申し出が実質的な『退職願』の役割を果たします。退職届の書面提出は、上司との合意が取れたあとの最終手続きとして1回行えば足ります。
実務の標準フロー(多くの会社員が当てはまる)
- ステップ1:直属の上司にアポを取り、口頭で退職の意向を伝える(実質的な『退職願』)
- ステップ2:上司と退職日・引き継ぎスケジュールを相談し、合意を得る
- ステップ3:退職届を作成し、上司または人事に1回だけ提出(書面はこれのみ)
口頭での申し出も法的には有効な意思表示ですが、後々のトラブル(言った/聞いていないの水掛け論)を避けるため、最終的には書面の『退職届』を出して証拠を残すのが安全です。
状況別の判断
| あなたの状況 | 提出すべき書類 |
|---|---|
| 上司との合意済み・円満退職 | 退職届 1回のみ(口頭相談が事実上の退職願) |
| 保守的な会社で書面の手順を踏みたい | 『退職願』を書面で提出 → 合意後に退職届 |
| 会社が退職を認めない・引き止めが強い | 退職届を提出(民法627条で2週間後に効力発生) |
| 会社都合の退職(リストラ・退職勧奨) | 退職届(理由欄は「会社都合により」) |
| 役員(取締役・監査役) | 辞表または辞任届(会社法915条で2週間以内に変更登記) |
| 公務員(一般職) | 辞職願(任命権者宛・人事院規則8-12) |
「退職願」の書面提出が必要になるケース
退職願を書面で出すのは、現代では限定的なケースです。古い慣習が残る伝統企業、年配の上司への配慮が必要な職場、就業規則で「退職願の書面提出」が明記されている会社などでは、口頭の意向伝達後に退職願を提出し、合意後に退職届を出す二段階の流れになります。多くの一般企業では『退職届を1回だけ提出』で完結します。
「退職願 → 退職届」の二段階書面提出は撤回の余地を残せるメリットがあります。退職願なら承諾権者の承諾前まで撤回可能、退職届は会社到達後は原則撤回不可なので、迷いがあるうちは退職願の段階で踏みとどまれます。
退職届・退職願・辞表
退職願の書き方完全ガイド|退職届との違い・撤回ルール・本文・封筒・例文
書き方の基本フォーマット
退職届・退職願は、用紙・作成方法・書式に共通の基本ルールがあります。会社から指定の書式がない限り、以下の基本に従えば失敗しません。
作成方法|パソコン作成が現代の主流
退職届・退職願は、法律上「手書きで書かなければならない」という決まりはありません。就業規則で指定がない限り、パソコンで作成して印刷したものでもまったく問題ありません。むしろ現代のビジネスシーンではパソコン作成が主流で、誤字訂正のしやすさ・読みやすさ・テンプレート活用のしやすさから人事担当者にも好まれます。Word・Googleドキュメント・PDFテンプレート(TEMPLEXなど)で作成→印刷するのがもっとも実用的です。
| 作成方法 | メリット | 向いている場面 |
|---|---|---|
| パソコン作成(推奨) | 誤字訂正が容易・読みやすい・テンプレートでミス防止・短時間で完成 | 現代の一般的な企業のほとんど・テンプレート提出を歓迎する人事 |
| 手書き | 誠意・本気度が伝わるとされる・古い慣習を尊重する企業に安心 | 超保守的な会社・年配の上司・古い慣習が残る業界(一部の伝統企業など) |
「パソコン作成は誠意がない」と捉える上司・会社もごく一部存在します。職場の雰囲気や上司の世代感覚から判断に迷う場合は、本文はパソコン作成で印刷し、氏名(署名)と日付だけ手書きにする折衷案が最も無難です。氏名を手書き+押印にすれば「本人の意思で提出した」証拠としても機能します。
手書きで作成する場合の便箋の選び方・縦書き/横書きの構成・例文・ペンの選び方など、手書きならではの詳細マナーは『退職届を手書きで書く方法|便箋・縦書き・横書きの全文例』に専門記事としてまとめています。
退職届・退職願・辞表
退職届を手書きで書く方法|便箋・縦書き・横書きの全文例【コピペOK】
用紙
- サイズ:A4(210×297mm)が現代の主流。B5(182×257mm)も可
- 色:白無地
- パソコン作成ならコピー用紙、手書きなら無地便箋(罫線あり・なしどちらでも可)
- 100均(ダイソー・キャンドゥ)にも『退職願専用便箋』があり、手書き派にも便利
縦書きと横書き
縦書きは伝統的でフォーマル、横書きはビジネスライクで現代的な印象を与えます。会社の指定がなければどちらでもOKですが、パソコン作成では横書きが扱いやすく、近年は横書きA4で提出するケースが増えています。社内文書がすべて横書き統一の職場や外資系では横書き、伝統的な会社では縦書きを選ぶと安心です。
印鑑
- 認印を使用(実印でなくてOK)
- シャチハタ(インク浸透印)はNG
- 氏名の下または右に押印(縦書きはフルネームの下、横書きは右側に名前にかからないように)
- パソコン作成の場合も、氏名の手書き署名+押印で『本人の意思で提出した』ことを示す
本文の構成要素(共通)
- 表題:「退職届」または「退職願」(中央上部)
- 書き出し:「私儀」または「私事」(謙譲表現)
- 退職理由:「このたび、一身上の都合により」(自己都合の場合)
- 退職日:「令和〇年〇月〇日をもって」(事前に上司と合意した日)
- 文末:退職届は「退職いたします」、退職願は「退職いたしたく、ここにお願い申し上げます」
- 提出日:退職日ではなく提出日を記入
- 所属部署と氏名:押印(認印)
- 宛名:会社の正式名称・代表者の役職と氏名 + 「様」または「殿」
縦書きの数字は漢数字(「令和〇年〇月〇日」)、横書きは算用数字(「2026年〇月〇日」)を使うのが基本。和暦と西暦は混在させず、文書全体で統一してください。


テンプレート集|退職届・退職願 縦書き・横書き
退職届と退職願のテンプレートを縦書き・横書きそれぞれで用意しました。コピーしたあと、日付・会社名・代表者名・所属・氏名を自分の情報に書き換えるだけで使えます。
退職届(横書き)

退職願(横書き)

退職届(縦書き)

退職願(縦書き)

本文中の日付(「〇年〇月〇日をもって」)は退職日、本文の下にある日付は提出日です。混同しないよう注意。退職日は最終出社日ではなく、有給消化後の最終日(雇用契約が終了する日)を書きます。
退職届・退職願・辞表
退職届を手書きで書く方法|便箋・縦書き・横書きの全文例【コピペOK】
退職届・退職願・辞表
退職願の書き方完全ガイド|退職届との違い・撤回ルール・本文・封筒・例文
タイミング|口頭での申し出と退職届の提出時期
退職の流れは「口頭で申し出る → 上司と合意する → 退職届を提出する」の3段階で進みます。それぞれの時期を法律と就業規則の両面から整理します。
| ステップ | 推奨タイミング | 法的根拠 |
|---|---|---|
| 口頭での申し出(実質的な退職願) | 退職予定日の1〜3ヶ月前 | 民法627条1項:期間の定めのない雇用は2週間で解除可(法律上は2週間前で足りるが、円満退職には1〜3ヶ月前が慣習) |
| 退職届の書面提出 | 上司との合意後・退職予定日の1ヶ月前まで | 就業規則で提出期限が定められていることが多い |
| 有期雇用契約(契約社員・派遣) | やむを得ない事由がある場合のみ可 | 民法628条:やむを得ない事由が必要 |
| 有期雇用1年経過後 | いつでも退職可能 | 労基法附則137条 |
民法627条と就業規則、どちらが優先?
「就業規則で『退職は3ヶ月前に申し出ること』と決まっている場合でも、民法627条の2週間前ルールは法律として優先される」というのが法律家の一般的な見解です。ただし、円満退職と引き継ぎ完了のためには、就業規則を尊重して1〜3ヶ月前に口頭で申し出るのが現実的です。
民法の条文はe-Gov法令検索の民法ページ(627条・628条を含む)で確認できます。退職・解雇・雇止めに関する公式ガイダンスは厚生労働省の「労働契約の終了に関するルール」や「確かめよう労働条件」にまとめられているので、より詳細な根拠を確認したい場合は一次情報をご参照ください。
退職日と提出日は別物です。退職届の本文中に書く「退職日」は雇用契約が終了する日(有給消化後の最終日)、本文の下にある日付は退職届を実際に渡す日(提出日)です。提出日に上司が不在の可能性がある場合は、提出日欄を空欄にしておき、当日記入するのが安全です。
撤回できるか?退職届と退職願の違い
「退職届を出したけれど、やっぱり撤回したい」と思ったとき、撤回できるかどうかは、書類のタイトルだけでは決まらず、会社の対応と承諾権者の処理状況で個別に判断されるのが実務の現実です。教科書的には「退職届=撤回不可/退職願=撤回可能」と分けられますが、実際の裁判例ではこの区分が必ずしもそのまま適用されていません。
実務の判断軸|「辞職」か「合意解約の申込み」か
判例上、退職の意思表示が撤回できるかは、それが「辞職」(一方的な意思表示)なのか「合意解約の申込み」なのかで判断されます。重要なのは、提出された書類のタイトル(退職届/退職願)ではなく、提出時の状況・文言・本人の意思の明確性です。判例では「労働者の退職について本人の確定的な意思が明らかな場合に限り辞職と解し、そうでなければ合意解約の申込みと解する」のが一般的で、実務では多くのケースが合意解約の申込みと解釈されます。
| 解釈 | 撤回可否 | 実務での該当例 |
|---|---|---|
| 辞職(一方的な意思表示) | 撤回不可(原則) | 退職届に確定的な意思が明記され、引き止めにも応じない強い表明があった場合 |
| 合意解約の申込み | 承諾権者の承諾前なら撤回可 | 実務上多くのケースがこちらと解釈される。書類タイトルが『退職届』でも適用される判例あり |
撤回できるかは結局「会社次第」
実務上は、たとえ「退職届」と書かれた書類でも、承諾権者(社長・人事部長など)が正式に承諾する前であれば、会社が撤回を認めてくれる可能性は十分にあります。逆に「退職願」を出していても、承諾権者がすでに承諾済みであれば撤回は困難です。撤回を申し入れる際は、書類タイトルにこだわらず、まず直属の上司や人事に相談するのが現実的です。
「受理」と「承諾」の違い
撤回タイミングを判断するうえで重要なのが「受理(受け取った)」と「承諾(受け入れを決定した)」の違いです。単に上司が書類を受け取った段階では承諾されたとはいえず、承諾権限を持つ人(人事部長や役員など)が処理した時点で初めて承諾が成立します。判例(大隈鉄工所事件)では人事部長クラスに承諾権が認められたケースがあります。
「強迫されて提出した」「錯誤で提出した」「会社の虚偽説明で誘導された」など、提出時の意思表示そのものに瑕疵がある場合は、書類タイトルにかかわらず無効を主張できる可能性があります。トラブル時は早めに労働基準監督署や弁護士に相談しましょう。
撤回したい気持ちがある場合、書類タイトルや法理論よりも『早く動くこと』が重要です。承諾権者の処理が進む前に申し入れれば、退職届でも撤回が認められやすくなります。逆に時間が経つほど撤回は困難になります。
退職に関する裁判例や判断基準は、厚生労働省の「辞職に関する裁判例ページ」に整理されています。撤回をめぐるトラブルが懸念される場合は、最寄りの労働基準監督署や弁護士へ早めに相談しましょう。
退職届・退職願・辞表
退職願の書き方完全ガイド|退職届との違い・撤回ルール・本文・封筒・例文
提出方法|手渡しが原則・やむを得ない場合は郵送
退職届・退職願は、直属の上司に手渡しで提出するのが原則です。やむを得ない事情がある場合のみ郵送が認められます。提出時は封筒に入れ、改まった態度で渡すのがビジネスマナーです。
手渡しの基本
- 白無地の封筒に入れて持参(B5用紙→長形4号、A4用紙→長形3号)
- 通勤時はクリアファイルに挟んでカバンに入れる(封筒の汚れ・折れ防止)
- 事前に上司にアポイントを取り、二人きりで話せる場所で渡す
- 封筒の表面を相手に向け、両手で差し出す
- 「お忙しいところ恐れ入ります。退職届を提出させていただきます」と一言添える
郵送が許される場面
- 病気・ケガで出社できない(療養中・入院中)
- 上司・人事が退職届を受け取らない(退職拒否・引き止め)
- 遠方勤務・在宅勤務で出社の機会がない
- 退職勧奨やハラスメントで会社に行けない
- 退職日まで有給消化で出社しない予定
郵送する場合は二重封筒(中:退職届封筒/外:郵送用封筒)が基本。土日祝も配達される簡易書留・レターパックを使うと安全です。受け取り拒否やパワハラがある場合は、内容証明郵便で送付の証拠を残すこともあります。
退職届・退職願・辞表
退職届の封筒|選び方・書き方・入れ方・郵送まで完全ガイド
退職届・退職願・辞表
退職届の郵送方法|封筒・添え状・宛名の書き方とマナー完全ガイド
退職届・退職願・辞表
退職届に封筒は必要?|手渡し・郵送別の判断と封筒なしのリスク
退職理由の書き方|一身上の都合 vs 会社都合
退職理由欄は、自己都合か会社都合かで書き方が大きく変わります。書き方を誤ると、失業給付(基本手当)の受給条件・給付日数・国民健康保険料の軽減などに直結する重要な区分です。書類で数十万円の差がつくこともあるので慎重に書きましょう。
| 区分 | 書く文言 | 失業給付の特徴 |
|---|---|---|
| 自己都合(一身上の都合) | 「一身上の都合により」 | 給付制限あり(待機7日+2〜3ヶ月)/給付日数は90〜150日 |
| 会社都合 | 「貴社の事業縮小に伴い」「貴社からの退職勧奨を受け」など具体的に | 給付制限なし(待機7日のみ)/給付日数は90〜330日 |
| 転職・結婚・介護・健康 | 退職届には『一身上の都合』と書く(具体的事情は書かない) | 原則として自己都合扱い(特定理由離職者の認定で会社都合に近い扱いになる場合あり) |
退職届に書く退職理由は具体的に書かず、「一身上の都合」で統一するのが慣例です。転職先の決定・結婚・介護・健康問題などの個別事情は、退職届には書かず上司との話し合いの中で口頭で伝えます。会社都合の場合は具体的な理由を書く必要があり、書き方によって会社が「自己都合」と主張しないかチェックが必要です。
退職届・退職願・辞表
退職届の退職理由の書き方|「一身上の都合」と「会社都合」の違い・例文・失業給付への影響
封筒のマナー|白無地・郵便番号枠なしが基本
退職届・退職願は、白無地の縦型封筒に入れて提出します。封筒選びと書き方の基本を簡単にまとめます。
- 色:白(茶封筒は事務用としてNG)
- 素材:無地・郵便番号枠なし(手渡し用)
- サイズ:B5用紙→長形4号(90×205mm)、A4用紙→長形3号(120×235mm)
- 表面:中央やや上に「退職届」または「退職願」と縦書き(宛名は不要)
- 裏面:左下に所属部署とフルネームを記入
- ペン:黒の油性ボールペン or 万年筆
三つ折りと封の仕方
- 文字面を内側にして、下から1/3 → 上から1/3の順に巻き三つ折り
- 封筒の裏側から見て右上に書き出しがくるように入れる
- 手渡し:のり付け不要(フタを折るだけ)/郵送:のりで封 + 〆マーク
封筒関連の詳細(色・サイズ・100均で買える商品・書き方・入れ方・郵送方法など)は『退職届の封筒|選び方・書き方・入れ方・郵送まで完全ガイド』に1記事で網羅しています。
退職届・退職願・辞表
退職届の封筒|選び方・書き方・入れ方・郵送まで完全ガイド
業種・状況別の例外マナー
業種・職種・雇用形態によって、退職届の書き方や提出先が一般的なルールと異なる場合があります。代表的なケースを整理します。
| 業種・状況 | 例外的なルール |
|---|---|
| アルバイト・パート | 退職届を求めない職場が多い。LINE・口頭での意思表示も法的には有効 |
| 看護師 | 提出先は看護師長や看護部長。宛名は院長 |
| 公務員(一般職・地方公務員) | 「退職届」ではなく「辞職願」を使う。宛名敬称は「殿」 |
| 教員(公立) | 教育公務員特例法により、辞職願 → 教育委員会 |
| 保育士 | 提出先は園長。年度末退職の慣習が強い |
| 派遣社員 | 提出先は派遣会社(派遣先ではない) |
| 役員(取締役・監査役) | 「辞表」または「辞任届」を使用。会社法915条で2週間以内に変更登記 |
| 定年退職 | 会社が用意する書式に従うことが多い。退職届の提出は不要なケースも |
退職届・退職願・辞表
アルバイト・パートの退職届は必要?|伝え方・タイミング・書き方完全ガイド
よくあるNG・失敗例
退職届・退職願でやりがちな失敗をまとめました。提出前に最終チェックしましょう。
- 退職理由を具体的に書きすぎる(「転職のため」「結婚のため」など)→ 「一身上の都合」で統一
- 退職日を最終出社日と混同する → 雇用契約終了日(有給消化後の最終日)を書く
- シャチハタで押印 → 正式書類のため認印(朱肉を使うもの)を使用
- 修正液・修正テープで訂正 → 改ざん疑念のため不可。書き直す
- 鉛筆・フリクション(消えるボールペン)で記入 → 黒の油性ボールペンか万年筆
- 撤回を「退職願なら可・退職届なら不可」と単純に考える → 実務では書類タイトルだけで決まらず会社判断次第。承諾権者の承諾前なら退職届でも撤回が認められる判例あり
- 辞表を一般会社員が使う → 役員・公務員専用なので誤用に注意
- 「貴社」と「御社」の混用 → 書面では「貴社」、話し言葉では「御社」
- 提出が遅すぎる → 民法上は2週間前、就業規則の期限と整合させて1ヶ月以上前を推奨
- 封筒なしで本文だけ手渡し → 失礼。必ず白無地封筒に入れる
よくある質問FAQ
退職届・退職願に関してよく寄せられる10の疑問にまとめてお答えします。詳細はそれぞれの本文セクションでも解説しているので、気になる項目があれば該当セクションも併せてご参照ください。
Q1. 退職届と退職願、どちらを出せばいい?
現代の実務では「口頭で上司に相談 → 合意のうえ退職届を1回提出」が標準です。書面の退職願を出す必要があるのは、保守的な会社や就業規則で書面提出が指定されている場合に限られます。
Q2. 退職届を一度出したら撤回できる?
教科書的には「退職届は撤回不可・退職願なら可能」とされますが、実務では書類タイトルだけでは決まらず、会社の対応と承諾権者の処理状況で個別判断されます。承諾権者(人事部長など)の承諾前であれば、退職届でも撤回が認められる判例があります。撤回したい場合は早めに上司・人事に相談しましょう。
Q3. 退職届はパソコンで作ってもいい?
はい、まったく問題ありません。むしろ現代のビジネスシーンではパソコン作成が主流で、Word・Googleドキュメント・PDFテンプレートで作成し印刷するのが一般的です。氏名(署名)と日付だけ手書きにし、認印で押印すれば本人の意思表示としても十分機能します。手書きが推奨されるのは、超保守的な会社や年配の上司にカドを立てたくない場合に限られます。
Q4. 退職届に書く日付は退職日と提出日のどっち?
両方書きます。本文中の日付は「退職日(雇用契約が終了する日)」、本文の下の日付は「提出日(実際に渡す日)」です。退職日は最終出社日ではなく、有給消化後の最終日になります。
Q5. 退職理由は具体的に書くべき?
自己都合の場合は「一身上の都合により」で統一します。転職先や結婚など個別の事情は口頭で伝え、書面には書きません。会社都合(リストラ・退職勧奨など)の場合のみ具体的な理由を書く必要があります。
Q6. 民法627条の「2週間前」は本当に守られる?
法律としては就業規則よりも優先されるというのが法律家の一般的な見解です。ただし、円満退職と引き継ぎ完了のためには、就業規則を尊重して1〜3ヶ月前に口頭で申し出るのが現実的です。
Q7. 旧姓と新姓どちらで書く?
原則は戸籍上の氏名(新姓)です。退職届はその後の離職票・社会保険の喪失届などの公的書類と整合性を取る必要があります。社内で旧姓を使用している場合は、人事部に「どちらで提出すべきか」を確認するのが確実です。
Q8. 退職願は撤回できると聞いたけど、どこまで?
承諾権者(社長・人事部長など)が承諾するまでなら、本人の意思で撤回可能とされます。ただし、退職届と退職願の区別は実務上厳密ではなく、最終的には会社の判断次第です。撤回したい場合は書類タイトルや法理論にこだわらず、速やかに上司・人事に相談するのが鉄則です。
Q9. パートやアルバイトでも退職届が必要?
法的には不要(口頭での意思表示でOK)ですが、職場のルールによって書面が必要なケースもあります。大手チェーンや上場企業の本社直営店、就業規則に「退職届の提出」が明記されている場合は書面で提出しましょう。
Q10. 退職届はメールやLINEで送ってもいい?
法律上は有効です(民法上、退職の意思表示は相手に到達すれば成立するため)。ただしビジネスマナー的には紙の手渡しが原則で、一般会社員は紙の退職届を出すのが無難です。アルバイト・パートで普段からLINEで業務連絡している職場なら、LINEで相談 → 直接伝える、という流れが現実的です。
TEMPLEXで退職届・退職願をすぐ作る
TEMPLEXでは退職届・退職願・辞表のテンプレートを無料で公開しています。フォームに必要事項を入力するだけで、印刷可能なPDFが生成されます。手書きが苦手な方や時間がない方はぜひご活用ください。
コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。








