領収書の印紙は税抜き金額で判定できる?税込・税抜の正しいルール

税込だと5万円を超えるけど、税抜きなら超えない ── 印紙はいる?
「税込だと5万円を超えてしまうけど、税抜きなら5万円未満…この領収書に印紙は必要?」と迷っていませんか。結論から言うと、消費税額を領収書に区分記載していれば、税抜金額で判定できます。
たとえば税込54,780円の領収書。そのまま書くと「5万円以上」で200円の印紙が必要ですが、「うち消費税4,980円」と一言添えるだけで税抜49,800円で判定され、非課税(印紙不要)になります。書き方ひとつで印紙の要否が変わるため、正しいルールを押さえておきましょう。
原則 ── 記載金額が判定基準
印紙税は領収書に「記載された金額」で判定する。何も工夫しなければ税込金額が判定基準になります。
ただし、消費税額等が区分記載されていれば、税抜金額で判定できる。国税庁通達で認められているルールで、印紙税法別表第一の記載金額の判定において消費税額等を除外できます。
税抜判定が適用される書き方(OK例)
以下の記載なら税抜金額で判定できます。
- 「金額54,780円(うち消費税等4,980円)」 → 税抜49,800円で判定 → 5万円未満のため非課税(印紙不要)。区分記載がなければ54,780円で判定され200円の印紙が必要だった。
- 「金額54,780円 税抜価格49,800円」 → 税抜金額が明記されているため税抜49,800円で判定 → 非課税。
共通するのは、消費税額そのもの、または税抜価格が具体的に記載されていることです。

税抜判定が適用されない書き方(NG例)
以下の記載では税抜判定は使えず、記載金額そのままで判定されます。
- 「金額54,780円(税込)」 → 消費税額が不明 → 54,780円で判定 → 5万円以上のため課税(200円)。区分記載すれば税抜49,800円で非課税だったのに、書き方だけで200円損する。
- 「金額54,780円」のみ → 区分記載なし → 54,780円で判定 → 課税(200円)。
- 「金額54,780円(消費税含む)」 → 「含む」だけでは税額が分からない → 54,780円で判定 → 課税(200円)。
- 「金額54,780円(税率10%)」 → 税率が書いてあっても、消費税額そのものが記載されていなければ区分記載とは認められず、54,780円で判定 → 課税(200円)。
「税込」「消費税含む」と書いただけでは税額が特定できない。税率の記載だけでも同様です。消費税額等の具体的な金額、または税抜価格の明記がなければ税抜判定は適用されません。
税抜判定で印紙代を節約できるケース
税抜判定が最も効果を発揮するのは5万円前後の取引。消費税の区分記載一つで印紙の要否が変わります。
| 記載例 | 区分記載なし | 区分記載あり |
|---|---|---|
| 税込54,780円 | 課税(200円) | 税抜49,800円 → 非課税 |
| 税込55,000円 | 課税(200円) | 税抜50,000円 → 課税(200円) |
| 税込109,560円 | 課税(200円) | 税抜99,600円 → 課税(200円) |
| 税込110,000円 | 課税(200円) | 税抜100,000円 → 課税(200円) |
税込54,780円(税抜49,800円)のケースでは、消費税を区分記載するだけで200円の印紙が不要になります。飲食店・小売など5万円前後の取引が多い業種では年間の累計効果が大きくなります。
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インボイス制度との関係
2023年10月に始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)では、適格請求書に消費税額の記載が義務付けられています。
適格請求書(インボイス)には消費税額の記載が必須なので、インボイス対応の領収書なら消費税額が区分記載され、税抜判定が適用される。インボイス対応がそのまま印紙税の節約につながるケースがあります。
免税事業者が消費税相当額を区分記載しても、税抜判定は適用されない(課税事業者限定のルール)。免税事業者の領収書は記載金額そのままで判定される。
レシートなどの適格簡易請求書では「適用税率(10%等)」のみの記載も認められているが、この場合は消費税額の記載がないため、印紙税の税抜判定は使えない。印紙代を節約したい場合は、レジやシステムの設定で必ず「消費税額」も印字されるようにしよう。
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コラム著者・編集者
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