個人の領収書に収入印紙は不要?「営業に関しない」の判断基準

個人の領収書は原則「印紙不要」
印紙税法では、第17号文書(金銭の受取書)のうち「営業に関しない受取書」は非課税と定めています(印紙税法別表第一 第17号文書 非課税物件欄2)。個人が事業とは関係なく発行する領収書は「営業に関しない受取書」に該当するため、金額にかかわらず収入印紙を貼る必要はありません。
- フリマで不用品を売った際の領収書 ── 営業に該当しない → 印紙不要
- 自宅(マイホーム)を売却した際の領収書 ── 営業に該当しない → 印紙不要
- 贈与や相続に伴う金銭受取の領収書 ── 営業に該当しない → 印紙不要
ただし、「個人=すべて非課税」ではありません。個人事業主やフリーランスが事業として発行する領収書は「営業」に該当し、印紙税がかかります。以下のセクションで判断基準を確認してください。
「営業に関する」の判断基準
印紙税法でいう「営業」とは、利益を目的として同種の行為を反復継続して行うことを指します(国税庁No.7125)。発行者の立場によって判断が異なります。
| 発行者 | 営業に該当するか | 印紙の要否 |
|---|---|---|
| 営利法人(株式会社・合同会社など) | すべて「営業」に該当 | 5万円以上なら必要 |
| 個人事業主・フリーランス | 事業としての反復継続性があれば「営業」 | 事業関連で5万円以上なら必要 |
| 個人(非事業者) | 営業に該当しない | 不要(金額にかかわらず非課税) |
株式会社や合同会社などの営利法人が発行する領収書は、金額の大小にかかわらずすべて「営業に関する受取書」です。営利法人には「営業に関しない」という概念がそもそもありません。ただし、医療法人・税理士法人・社会福祉法人などの非営利法人や公益法人は営利を目的としないため、受取書は「営業に関しない受取書」として非課税となります。
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個人の場合は、「利益を目的とした反復継続」があるかどうかがポイントです。1回きりの不用品売却は営業に当たりませんが、繰り返し商品を販売していれば営業とみなされます。
個人でも印紙が必要なケース
以下のような場合は、個人であっても「営業に関する受取書」として印紙税がかかります。
フリーランス・個人事業主の事業取引
個人商店の経営者や物品販売を行う個人事業主など、商法上の「商人」に該当する個人が事業として領収書を発行する場合は印紙税の対象です。開業届の有無は関係なく、実態として商行為を反復継続していれば営業者に該当します。ただし、医師・歯科医師・弁護士・公認会計士・税理士・司法書士などの自由職業者は商人に当たらないため、受取書は非課税です。また、店舗を持たない農業・漁業従事者も「商人」に該当せず、受取書は非課税となります(国税庁No.7125)。
不動産を反復売買する個人
自宅の売却は「営業」に該当しませんが、投資目的で複数の不動産を繰り返し売買していれば反復継続性があるとして営業に該当します。不動産売買の領収書は高額になるため、印紙代も大きくなります。
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副業で継続的にサービスを提供している場合
会社員の副業であっても、継続的に報酬を得ているなら「営業」とみなされる可能性があります。たとえば週末にカメラマンとして撮影サービスを提供し、繰り返し代金を受け取っている場合は営業です。
個人でも印紙が不要なケース
以下はいずれも「営業に関しない」受取書であり、金額にかかわらず印紙は不要です。
- 自宅(マイホーム)の売却代金の受取書 ── 居住用不動産の売却は1回きりで反復継続性がなく、営業に該当しない。売却金額が数千万円でも非課税。
- 不用品のフリマ売却 ── 自宅の不用品を処分する目的の売却は営業ではない。ただし、仕入れて転売を繰り返す場合は営業に当たる。
- 贈与・相続に伴う金銭の受領書 ── 対価性がなく営業に該当しない。
判断を誤りやすいパターン
「営業に関する」の判断は、形式ではなく実態で判断されます。以下のパターンは間違えやすいので注意してください。
開業届を出していなくても営業に該当する
開業届は税務署への届出に過ぎず、出していないからといって「営業ではない」とはなりません。実質的に反復継続して利益を得ていれば営業に該当します。ハンドメイド作品の継続販売、副業のWebサービスなどが典型です。
相手が法人でも、発行者が非営業個人なら非課税
「相手が法人だから印紙が要るのでは?」と思われがちですが、印紙税の課否は発行者の立場で判断します。自宅を法人に売却した場合でも、発行者が営業に関しない個人であれば領収書に印紙は不要です。
フリマアプリの「営業」判定
フリマアプリ(メルカリ等)で不用品を出品する程度なら営業には当たりません。しかし、商品を仕入れて利益を上乗せして繰り返し販売しているなら、プラットフォームの種類にかかわらず営業に該当します。「反復継続して利益を目的としているか」が判断のカギです。
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コラム著者・編集者
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