納品書の日付の入れ方|発行日と納品日の違い・どちらを書く・過去日付の注意

納品書の日付は「発行日」と「納品日」の2種類
納品書に入れる日付は、「発行日(書類を作った日)」と「納品日(商品・サービスを納める日)」の2種類あります。1つしか書けないと思い込んで悩む人が多いのですが、実務では両方を並べて書くのがいちばん分かりやすいやり方です。納品書を見た相手が「いつ作られた書類で、いつ納品されたのか」を一目で判断できるからです。
| 日付の種類 | 意味 | どこに書くか |
|---|---|---|
| 発行日 | 納品書を作成・発行した日 | 書類の右上など(「発行日」と明記) |
| 納品日 | 商品・サービスを実際に納める(届く)日 | 発行日のすぐ下など(「納品日」と明記) |

多くの取引では発行日と納品日は同じ日になります(その場で作ってその場で渡すため)。ただし、先に納品書だけ作って後から届ける/配送で到着まで数日かかる/納品後に思い出して書類を作る、といった場面では2つの日付がずれます。だからこそ、欄を分けて両方書いておくと後から取引内容をたどりやすくなります。
1つの日付欄しかないテンプレートを使うときは、その日付が「発行日」なのか「納品日」なのかを必ずラベルで明示してください。項目名のない裸の日付は、相手が出荷日・到着日・作成日のどれと受け取るか分からず、認識のずれを生みます(CASIO 楽一「納品書の日付の書き方」)。
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発行日と納品日の違い・どちらを基準にするか
「結局どっちの日付を基準に書けばいいのか」で迷うのは、納品書をいつ発行するか(出荷のときか、納品が確定した後か)が取引によって違うからです。発行のタイミングは大きく次の2つに分かれます。
出荷のときに発行する場合
商品に納品書を同梱して送る、出荷と同時に書類を切る、というケースです。この場合は発行日=出荷日となり、納品日にはまだ届いていない予定の日(または出荷日)を書くことになります。物販で同梱発送するなら、ほとんどがこのパターンです。
納品が確定した後に発行する場合
サービス完了後・据付完了後など、納品が済んでから書類を作るケースです。この場合は納品日が先に確定していて、発行日(書類を作った日)がそれと同じか少し後になるという関係になります。
どちらの場合でも押さえておきたいのは、発行日は「書類を作った事実」、納品日は「モノやサービスが相手に渡った事実」を表すということです。両者は別の事実なので、片方を相手に合わせて動かしても、もう片方は実際の日付のままにしておきます。たとえば発行が遅れても、納品日は実際に納めた日を書きます。
迷ったときの目安は「発行日は今日(作った日)、納品日は実際に納める/納めた日」です。TEMPLEX の納品書テンプレートは発行日・納品日の両方を別々に入力でき、書類の右上に並べて表示されるので、どちらの日付かで相手が迷うことがありません。
配送で「実際の納品日」とずれるときの書き方
宅配便や運送会社を使って送る場合、出荷した日と、相手に届く日(到着日)がずれます。納品日に出荷日を書くのか到着日を書くのかで現場が悩みますが、出荷日を書くのが一般的です。到着日は配送の遅れや不在で前後するため、発行する側が正確に確定できないからです。
- 出荷日を納品日にする ── 配送で送る場合の定番。発行する側が日付を確定でき、伝票(送り状)の日付とも合わせやすい
- 到着日(検収日)を納品日にする ── 取引先から「実際に届いた日で」と指定された場合。到着が確定してから書類を確定させる運用になる
- 備考欄で補う ── 日付欄は出荷日にし、備考に「お届け予定日:○月○日」と添えて両方を伝える方法もある
大事なのは、出荷日基準にするか到着日基準にするかを取引先と事前に取り決めて、毎回そろえておくことです。書類の様式に法的な決まりはないので(CASIO 楽一)、「うちは出荷日を納品日として記載します」と一度すり合わせておけば、毎回の判断で迷わず、相手の検収・経理処理ともかみ合います。
締め日・請求サイクルとの関係
月末締めなど請求の締め日があっても、納品書の日付はその都度の発行日・納品日を書くのが原則です。締め日に合わせて日付を動かすのは請求書の話で、納品書は1回の納品ごとに、その納品の発行日と納品日をそのまま書きます。月に何度も納品するなら、納品の回数だけ別々の日付の納品書を作ることになります。
なぜ分けて考えるかというと、納品書は「いつ何を納めたか」を1件ずつ示す書類、請求書は「締め日までの分をまとめていくら払うか」を示す書類で、役割が違うからです。月末締めの取引では、月内の複数の納品書(それぞれ別の納品日)を、月末締めの請求書1枚に集約する、という流れになります。
このとき、納品書側に正しい納品日が入っていれば、請求書側は「○月分」とまとめて取引年月日を示せます。逆に納品書の日付がいい加減だと、どの納品がどの月の請求に入るのかが曖昧になり、月をまたぐ取引で締めがずれます。
請求書側を何日付にするか(締め日に合わせるのか、月締め一括でどう書くのか)は、請求書の日付の考え方として別にまとめています。納品書とセットで運用する方はあわせてご覧ください。

請求書の日付はいつにする?発行日・締め日・検収日との関係
請求書に書く日付は「発行日」。でも何日付にするかは請求の方式で変わります。都度請求と月締め一括の違い、取引日(納品日)や検収日との関係、月末締めの日付の入れ方、過去の日付で発行を頼まれたときのリスクまで、発行する側が迷うポイントを解説します。
記事を読む取引フローのどこで納品書の日付が決まるか
標準的なBtoB取引は「見積 → 注文 → 納品 → 検収 → 請求」の順で進みます。この中で納品書が出るのは「納品」のタイミングで、納品書の納品日はこの段階の日付になります。発行日も通常はこのときの日付です。
- 見積 ── 見積書を出す。金額の提示で、まだ納品していない
- 注文 ── 買い手が発注書(注文書)を出す。納品の前段
- 納品 ── 売り手が商品・サービスを納め、納品書を発行する。ここの日付が発行日・納品日になる
- 検収 ── 買い手が中身を確認しOKを出す。検収書・受領書が返ってくる
- 請求 ── 売り手が請求書を出す。納品・検収の後なので日付は後ろになる
つまり納品書の日付は、取引フローの中盤(請求書より前)に位置します。検収日や請求書の発行日は、納品書の日付より後になるのが自然で、これが逆転していると経理処理で違和感が出ます。納品書・請求書・検収書の発行順や役割の違いは、関連書類との関係としてまとめています。

納品書と請求書の違い|役割・発行タイミング・兼用とインボイス運用
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納品日と「売上を計上する日」の関係
納品書の日付がなぜ大事かというと、納品日(モノを引き渡した日)が、売上をいつ計上するかの根拠になるからです。法人税では、商品の販売による売上は「引渡しがあった日」が属する事業年度に計上するのが原則です。
この「引渡しの日」をどの日とするかは、出荷した日・相手が検収した日・相手が使えるようになった日など、取引の実態に合った合理的な日を選び、それを継続して使うことが認められています(国税庁 法人税基本通達2-1-2)。代表的なのが次の2つです。
- 出荷基準 ── 商品を出荷した日に売上を計上する。物販でよく使われ、検収を待たずに計上できる
- 検収基準 ── 相手の検収(検収書・完了通知など)が済んだ日に売上を計上する。納品から検収まで日が空くと計上日も後ろにずれる
ここで注意したいのが検収基準を採用しているケースです。納品書の「納品日」は売り手がモノを引き渡した日ですが、売上計上の根拠になるのは買い手側の「検収日」です。納品から検収までに日が空くと両者にタイムラグが生じるため、計上日を裏付けるには検収日が分かる書類――つまり買い手から戻ってくる検収書の保管が重要になります。検収書そのものの役割や納品書との違いは、こちらで詳しく解説しています。

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記事を読むここで覚えておきたいのは、売上の計上日は、納品書を出したかどうかではなく、引渡しの事実(納品日)で決まるということです。だからこそ納品書の納品日は、実際の引渡しと一致している必要があります。税務調査では「いつ売上を計上したか」を裏付けるために、納品書や検収書など日付の分かる書類の提示を求められることがあります(東京法人会連合会「税務調査で確認される売上の日付」)。納品書の日付と実際の引渡しが食い違っていると、説明を求められやすくなります。
自社がどの基準(出荷基準か検収基準か)で売上を立てているかを一度確認し、納品書の納品日をその基準と矛盾しない日付にそろえておくと、月またぎの取引でも期ずれを指摘されにくくなります。
過去の日付(バックデート)で頼まれたときのリスク
「先月の日付で納品書を出してほしい」と頼まれることがあります。まず分けて考えたいのは、実際に先月のうちに納品が済んでいるなら、その納品日(実際の引渡し日)で後から書類を作ること自体は問題ないという点です。書類を作るのが遅れただけで、引渡しの事実が先月だと裏付けられるなら、その日付で発行するのは正当です。このときは備考欄に「○月○日納品分・後日発行」と一言添えておくと、発行が遅れた経緯が書類自体から分かり安心です。
問題になるのは、実際には先月に納品していないのに、事実と違うと分かったうえで過去の納品日を書く本当の意味でのバックデートです。「今月の売上を前期に付けたい」「相手の予算消化に合わせたい」といった理由で日付を遡らせる依頼がこれにあたります。
事実と異なる日付にするリスク
- 売上の期ずれ・税務上の問題 ── 納品日は売上計上日の根拠。意図的に日付をずらすと、売上を本来と違う期に計上することになり、決算操作・脱税への加担と評価されるおそれがある
- 監査・税務調査での発覚 ── 納品書の日付は検収書・送り状・入金記録などと突き合わせて確認される。他の書類と日付が合わないと、不正な操作を疑われる
- 信用の失墜 ── 日付の改ざんが一度でも発覚すると、その後はその会社が出す書類全体の信頼性が疑われる
対処はシンプルです。実際の引渡し日と一致する日付なら、その日付で発行する。取引の事実が確認できない過去日付を求められたら、実際の納品日でしか発行できないと断る。これが発行する側を守る基本姿勢です。なお、契約の効力を過去にさかのぼらせたいだけなら、日付を偽るのではなく、契約書側で「効力発生日」を別に定めるのが正しいやり方です(freee「バックデートとは?」)。
大原則は変わらず「日付は実際の取引日に合わせる」ですが、先方指定のフォーマットやシステム都合で、日付欄にどうしても過去の日付を入れざるを得ないこともあります。その場合は備考欄に「実際の納品日は○月○日」と併記して、事実と異なる印象を与えないようにしておくと安心です。書類自体に本当の納品日が残るので透明性を保てますし、後から日付の食い違いを問われたときの説明材料になり、税務上のリスクを軽減できる場合があります。
依頼を正面から断ると角が立つときは、個人の判断ではなく社内ルールを理由にすると穏やかに辞退できます。下の一文はそのまま使えます。
請求書を過去日付で頼まれたときの考え方(私文書偽造には当たりにくいが重加算税などのリスクがある点)も、考え方は納品書と同じです。請求書側の詳しい解説はこちらにまとめています。

請求書の日付はいつにする?発行日・締め日・検収日との関係
請求書に書く日付は「発行日」。でも何日付にするかは請求の方式で変わります。都度請求と月締め一括の違い、取引日(納品日)や検収日との関係、月末締めの日付の入れ方、過去の日付で発行を頼まれたときのリスクまで、発行する側が迷うポイントを解説します。
記事を読むTEMPLEX の納品書テンプレートで日付の迷いをなくす
TEMPLEX の納品書テンプレートは、発行日と納品日を別々に入力でき、書類の右上に「発行日」「納品日」と並べて表示されます。どちらの日付かで相手が迷うことがなく、出荷時発行・納品確定後発行のどちらの運用にもそのまま使えます。
- 発行日・納品日とも初期値は当日。必要に応じて片方だけ変えられる
- 明細は税率ごとに自動集計、インボイスの登録番号にも対応
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コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。









