交通事故報告書の書き方と例文|会社へ提出する社内報告書の項目・物損/人身の書き分け

会社へ出す交通事故報告書は「速く・事実だけ」が基本
業務中や通勤中に交通事故の当事者になり、会社へ報告書を出すよう言われた方へ。ここでは社内提出用の交通事故報告書について、書くべき項目・物損と人身の書き分け・警察や保険への対応との関係・そのまま使える例文を整理します。
会社へ出す交通事故報告書は、上手な文章より「いつ・どこで・何が起きたか」を事実ベースで漏れなく伝えることが目的です。謝罪文ではなく、社内で状況を共有し、保険対応や再発防止につなげるための中立の事実報告だと考えてください。

そして何より、第一報の速さが大切です。事故直後は記憶が鮮明でも、時間が経つほど時刻・位置・相手の言動といった細部があいまいになります。詳細な報告書が後からになっても構わないので、まずは事故発生をその場で電話などで一報し、書面はあとから提出するのが基本です。
- 起きた事実だけを淡々と。推測や言い訳は混ぜない
- 自分に不利な点も省略しない(後から食い違うと信用を失う)
- 日時・場所・相手・損害は具体的に(時刻、交差点名、車種など)
- 完璧を待たず、まず一報。詳細な書面はあとからでよい
ここで扱うのは自動車だけでなく、自転車や歩行中の事故、通勤途上の事故まで含む「交通事故」全般の社内報告です。社用車でぶつけた・通勤中に追突された・自転車で歩行者と接触した、いずれの場面でも基本の項目は共通します。
なお、ここで扱うのは実際に事故が起きた(発生済みの)ときの報告書です。ぶつかりそうになった・ヒヤッとしたが事故には至らなかった(未発生の)段階は、ヒヤリハット報告で記録します。運転中のヒヤリハットの書き方は、こちらもあわせてご覧ください。

交通ヒヤリハットの例文7選|飛び出し・死角・追突未遂など運転シーン別の書き方
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警察・保険会社への対応と、会社の報告書の関係
会社への報告書を書く前提として、まず警察への報告は法律上の義務です。道路交通法第72条は、交通事故を起こした運転者などに対し、警察官へ事故を報告するよう定めています。報告する内容は次のとおりです。
- 交通事故が発生した日時・場所
- 死傷者の数と、負傷者の負傷の程度
- 損壊した物とその損壊の程度
- 事故に係る車両等の積載物
- その交通事故について講じた措置
この報告義務は物損だけの事故でも、加害者・被害者を問わず当事者全員に課されます。違反すると3か月以下の拘禁刑(旧・懲役)または5万円以下の罰金の対象になり得ます。「物損だから警察を呼ばなくていい」という思い込みは禁物で、会社の報告書にも警察への届出の有無(事故受理番号など)を必ず書くようにします。出典は次の条文を参照してください。
(参照:道路交通法第72条(e-Gov法令検索))
ここで混同しやすいのが、保険会社へ出す「事故発生状況報告書」は、会社へ出す社内報告書とは別物だという点です。事故発生状況報告書は、自賠責・任意保険に保険金を請求する際、保険会社が過失割合を判定するための資料として、事故現場の図(双方の車の位置・進行方向・信号の色など)を含めて作成・提出する書類です。提出先も目的も異なるため、社内報告書の代わりにはなりません。
| 書類 | 提出先 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 交通事故報告書(社内) | 勤務先(上長・管理部門) | 社内での状況共有・再発防止・保険対応の起点 |
| 事故発生状況報告書 | 保険会社 | 保険金請求・過失割合の判定資料(現場図を含む) |
| (警察への報告) | 警察官 | 道交法72条の法的義務。事故受理の手続き |
実務上の順番としては、現場での救護・警察への通報 → 保険会社へ連絡 → 会社へ一報 → 社内の報告書を提出という流れになります。社内報告書には、これらの対応をどこまで済ませたか(警察届出・保険連絡の有無)も書き添えると、上長が次の判断をしやすくなります。
会社提出の交通事故報告書に書く項目
社内向けの交通事故報告書は、「ヘッダー(表題・宛先・報告日・報告者)+前文+記書き(記以下の各項目)」の形が基本です。記書きには、第三者が読んでも事故の状況を追えるよう、次の項目を上から順に並べます。
| 項目 | 書くこと | ポイント |
|---|---|---|
| 発生日時 | 事故が起きた年月日・曜日・時刻 | 「午後2時頃」など、できる範囲で具体的に |
| 発生場所 | 住所・交差点名・道路名 | 地図で追える粒度で。駐車場名なども |
| 天候・道路状況 | 天候・路面・見通し | 「雨/路面湿潤」など。状況が原因に関わることも |
| 事故の種類 | 人身/物損/自損の別、追突・出会い頭など | 後述の書き分けを参照 |
| 当事者・車両 | 自車(社有車か)・運転者・相手方の情報 | 相手の氏名・連絡先、車両番号など |
| 事故の状況・経緯 | 5W1Hで時系列に何が起きたか | 報告書の核心。推測と事実を分ける |
| 負傷・損害の程度 | けがの有無・通院、車両や物の損傷 | 人的被害と物的被害を分けて |
| 事故後の対応 | 救護・警察への届出・保険会社への連絡 | 受理番号や担当者名があれば記載 |
| 原因 | 事故に至った原因 | 不明なら「調査中」。憶測で断定しない |
| 再発防止策 | 今後どう防ぐか | 「注意する」で終わらせず行動レベルで |
とくに事故の状況・経緯は、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)で時系列に書きます。「赤信号で停止していたところ後続車に追突された」のように、自分の動きと相手の動きを順を追って記述すると、過失の判断材料にもなります。
再発防止策は、「気をつけます」ではなく具体的な行動に落とすのがコツです。たとえば「訪問先には予定の15分前に着くよう余裕を持って出発する」「運転前にスマートフォンの通知をオフにする」など、明日から実行できる内容にすると説得力が増します。
物損と人身の書き分け
交通事故報告書を書くうえで最初に整理したいのが、その事故が物損なのか人身なのかです。けが人の有無で、報告書で厚く書くべき項目が変わります。
| 物損事故 | 人身事故 | |
|---|---|---|
| 定義 | けが人がなく、車両や物の損傷だけ | 相手や自分などが負傷した事故 |
| 厚く書く項目 | 損傷箇所・損害額・相手車両・対物の保険 | 負傷者・負傷の程度・受診先・救護の状況 |
| 警察の扱い | 物損事故として届出 | 人身事故として届出(実況見分など) |
注意したいのは、事故直後は「物損」でも、後日相手が痛みを訴えて人身扱いに切り替わるケースがあることです。報告書では「現時点では双方負傷なし」のように、報告した時点の状況であることが分かる書き方にしておくと、後から状況が変わっても矛盾しません。
また、相手のいない自損事故(社有車を単独でぶつけた等)は、相手方の欄を「なし(単独事故)」とし、社有車のどこをどう損傷したかを具体的に書きます。会社の車両を傷つけた場合は、修理や弁償の要否にも関わるため、損傷箇所の写真を別紙で添えると親切です。
ケガ人のいない物損事故の社内報告にしぼって、項目や本文例を詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。

物損事故報告書の例文|社用車の物損(ケガなし)を会社へ報告する書き方
社用車などで物損事故(ケガ人なし)を起こしたときに会社へ提出する物損事故報告書の例文と書き方を解説。発生日時・場所・当方/相手の車両・損害・過失・警察の受理番号・対物保険の連絡といった必須項目、自損と対物の書き分け、そのままコピーして使える本文例つき。謝罪が必要な始末書との違いも整理します。
記事を読むそのまま使える交通事故報告書の例文(物損・人身・自損)
下記はコピーしてそのまま使える本文例です。状況に合わせて日時・場所・相手方などを差し替えてください。「記」以下を埋めるだけで、提出できる報告書になります。
原因がその場で分からないときは、無理に断定せず「現在調査中。判明し次第あらためて報告します」と書くのが正解です。推測で原因を決めつけると、後で事実と食い違ったときに報告全体の信用を損ねます。
通勤中の事故・労災(業務災害)にあたる場合
事故が通勤途中や業務中で、自分がけがをした場合は、労災(通勤災害・業務災害)の対象になる可能性があります。通勤災害は会社の安全配慮責任が問われる場面ではありませんが、労災の申請手続きで会社の協力が必要になるため、会社への報告は早めに行うのが望ましいです。社内の交通事故報告書では、本人が負傷した事実と受診先、労災申請の予定を書き添えておきます。
なお、業務中の労働災害(業務中の交通事故や作業中のけが等)で休業4日以上になる場合は、会社が労働基準監督署へ「労働者死傷病報告」を提出する義務があり、これは社内の報告書とは別の公的な手続きです。労災としての報告書の書き方や提出先は、別の記事で詳しく扱う予定です(作業事故・労災報告書の記事)。
また、事故を起こしてしまったことについて謝罪・反省を示す「始末書」が求められる場合は、報告書とは性格が異なります。報告書が事実を客観的に伝える文書なのに対し、始末書は過失を認めて謝罪する文書です。社用車の損傷や交通違反で始末書を書く必要があるときは、以下の記事を参考にしてください。

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記事を読む交通事故報告書テンプレートでPDFを即作成
事故直後に、罫線やレイアウトをWordで整える余裕はないものです。TEMPLEXの交通事故報告書テンプレートなら、発生日時・場所・状況・損害・対応などをフォームに入力するだけでA4のPDFが即発行できます。本記事の例文をそのまま貼り付ければ、提出できる報告書がすぐ完成します。詳しくは交通事故報告書テンプレートをご利用ください。
テンプレートには物損・人身・自損ごとの記入プリセットや、警察・保険への対応の定型文が用意されているので、選んで埋めるだけで体裁の整った報告書になります。自動車だけでなく、自転車・歩行・通勤途上の事故にも対応しています。
- 表題・宛先・報告日・報告者をフォームに入力
- 事故の種類・状況・損害・対応はプリセットから選んで調整
- プレビューで体裁を確認しながらリアルタイム編集
- PDFとして即ダウンロード(Microsoft Office 不要)
- 報告者・差出人情報は次回以降自動入力
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コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。







