クレーム報告書の書き方と例文|受付方法・一次対応・再発防止の項目と社内向けテンプレ

クレーム報告書の書き方と例文|受付方法・一次対応・再発防止の項目と社内向けテンプレ

クレーム報告書とは|受けた側が事実を客観的に残す社内記録

クレーム報告書は、顧客や取引先から受けた苦情について、いつ・誰から・どんな内容を受け、どう対応したかを社内で共有・記録するための文書です。お客様相談室や品質管理部門が再発防止に役立てたり、上長が状況を把握して次の判断をするために使います。

クレーム報告書の一例
クレーム報告書の一例

ここで押さえておきたいのが、クレーム報告書は謝罪文ではなく、苦情を「受けた側」が事実を客観的にまとめる記録だという点です。ミスをした本人が反省を述べる始末書とは性格が違います。感情的な評価や言い訳を入れず、受けた事実・対応した事実を淡々と並べるのが基本になります。

クレームに関する文書は、用途で大きく3つに分かれます。混同するとどれを書けばよいか迷うので、最初に整理しておきましょう。

文書誰に向けて中身
クレーム報告書(社内記録)上長・関係部署など社内受付〜対応〜原因〜再発防止を客観的に記録
お詫びとご報告(社外回答)クレームを入れた顧客調査結果と再発防止策をお詫びとともに伝える
クレーム対応メールクレームを入れた顧客一次対応・経過連絡をその場で返すメール文面
クレームに関する文書の使い分け

この記事で扱うのは1つ目の社内向けのクレーム報告書です。顧客へ直接返信する文面(謝罪・経過連絡のメール)は別物なので、そちらを探している方は後半の関連記事を参照してください。

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クレーム報告書に書く項目(受付方法・一次対応・水平展開まで)

クレーム報告書は、「どう受けたか → 何を言われたか → どう対応したか → なぜ起きたか → どう防ぐか → どこへ広げるか」の流れで項目を並べると、読み手が経緯を追いやすくなります。一般的なクレーム報告書に入れる項目は次のとおりです。

項目書くことポイント
受付情報受付日時・受付方法・受付担当者電話/メール/対面/Web・SNSなど受付方法も明記
顧客情報顧客名・担当者・連絡先・顧客区分法人/個人/一般を区別。匿名なら「お名前の申し出なし」
クレーム内容発生日時・場所・苦情の経緯(事実)ここが中核。お客様の言葉は要約せず事実のまま
一次対応(初動)その場で最初に行った対応・対応者・対応日時謝罪・代替手配・返金・調査の連絡など、初動の処置を具体的に
原因直接原因と、その背景にある根本原因「担当者のミス」で止めず、仕組みの問題まで掘る
再発防止策同じことを繰り返さない仕組み原因と一対一で対応させる。誰が・いつまでに・何を
対応内容・処置(解決状況)最終的にどう解決したか(恒久対応・現在のステータス)一次対応とは別物。「解決済み」「対応継続中」など結末を記録
水平展開・社内共有他部署・他店への共有範囲同種の業務へ広げて、横での再発も防ぐ
クレーム報告書の主な項目

なかでも社内のクレーム報告書で要になるのが、受付方法・一次対応・水平展開の3つです。受付方法(電話・メール・対面・Web/SNS)は、後から経緯をたどるときの起点になります。

一次対応とは、苦情を受けたその場で最初に行った対応(初動・初期処置)のこと。「電話でお詫びし代替品を手配した」「返金で対応しご了承を得た」のように、誰が・いつ・何をしたかを残します。これと混同しやすいのが「対応内容・処置(解決状況)」で、こちらはその場の初動ではなく、最終的にどう解決したか(恒久対応や現在のステータス)を書く欄です。一次対応=その場の初動/処置=結末、と分けて書くと取り違えません。水平展開は、本件と再発防止策を他部署・他店にも共有して横の再発を防ぐことで、「全店へ共有」「次回の会議で報告」のように共有範囲を書きます。

原因と再発防止策は必ずセットで書きます。原因に「確認の仕組みがなかった」と書いたら、再発防止策は「チェック工程を追加する」と、原因をつぶす対策を真下に置く。原因に対応しない精神論(「以後注意する」)だけだと、報告書として評価されません。

一次対応と報告書の時系列|まず対応、記録は事実を確定してから

クレーム対応では、報告書を書くことより、お客様への一次対応(初動)を優先するのが大前提です。お客様を待たせている段階で報告書の体裁を整えていては本末転倒になります。流れとしては、まず受けて対応し、落ち着いてから事実を確定させて報告書に起こす、という順番になります。

  1. 受付・傾聴:お客様の話を最後まで聞き、事実関係と要望を把握する
  2. 一次対応(初動):その場でお詫び・代替・返金・調査の連絡など、できる対応を行う
  3. 事実確認:受注内容・記録・現場などを確認し、何が起きたかを確定させる
  4. 報告書作成:確定した事実をもとに、受付〜原因〜再発防止を時系列で記録する
  5. 再発防止・水平展開:対策を実施し、関係部署へ共有する

報告書に一次対応を書くときは、「対応した事実」と「これからの対応」を分けると読みやすくなります。すでに完了したことは「お詫びし代替品を手配した」と言い切り、まだ調査中・継続中のことは「〇月〇日までに改めて回答する」と、現時点のステータスがはっきり分かるように書きます。

原因がまだ特定できていない段階でも、一報としてのクレーム報告書を先に出してよいです。その場合は原因欄に「現在調査中。〇月〇日までに特定予定」と書き、判明後に追って報告します。完璧を待って報告が遅れるより、早い共有のほうが社内では喜ばれます。

クレーム報告書の例文(そのまま使える本文)

よくある3つの場面——商品不良・接客対応・納期遅延——について、社内向けクレーム報告書の本文例を用意しました。〇〇の部分を自社の状況に置き換えれば、そのまま提出できます。原因と再発防止策が一対一で対応している点にも注目してください。

例文1:商品の不良・破損(電話受付)
クレーム報告書 品質管理部長 殿 20XX年X月X日 顧客対応課 ○○○○ 下記のクレームを受け付けましたので、その内容・一次対応・原因および再発防止策について、下記のとおりご報告いたします。 記 1. 受付:20XX年X月X日 XX時XX分/電話/受付者 ○○ 2. 顧客:株式会社○○(ご担当 ○○様/TEL 00-0000-0000) 3. 件名:○○(商品名)の品質不良に関するお申し出について 4. クレーム内容:X月X日着の○○が破損していたとのお申し出があり、現品を確認したところ外装および本体の破損を確認した。 5. 一次対応:同日、電話にてお詫びし、代替品を翌日着で手配した。対応者:顧客対応課 ○○。 6. 原因:出荷前の梱包・確認工程が担当者任せで、破損を見逃すチェックの仕組みが機能していなかったこと。 7. 再発防止策:出荷前に梱包状態のチェック工程(チェックリスト)を追加し、X月末までにダブルチェック体制を定着させる。 8. 水平展開:本件と再発防止策を全出荷拠点へ共有し、同種業務に反映する。 以上
例文2:接客・対応への不満(来店・対面)
クレーム報告書 店舗運営部長 殿 20XX年X月X日 ○○店 店長 ○○○○ 下記のとおり、接客対応に関するお申し出を受け付けましたのでご報告いたします。 記 1. 受付:20XX年X月X日 XX時XX分/来店・対面/受付者 ○○ 2. 顧客:一般のお客様(お名前のお申し出なし) 3. 件名:○○店における接客対応に関するお申し出について 4. クレーム内容:X月X日の来店時、レジでの案内について「説明が不十分で、料金の確認ができなかった」とのお申し出があった。当時の状況を確認し、案内手順に漏れがあったことを把握した。 5. 一次対応:その場でお詫びし、内容を改めてご説明したうえでご了承を得た。対応者:○○店 ○○。 6. 原因:新人スタッフへの接客手順の教育が口頭のみで、案内項目が標準化されていなかったこと。 7. 再発防止策:レジ案内のチェック項目を明文化し、全スタッフへ再教育を実施して対応のばらつきをなくす。 8. 水平展開:接客手順の見直し内容を全店へ共有し、次回の店長会議で報告する。 以上
例文3:納期遅延・数量相違(メール受付・調査中)
クレーム報告書 営業部長 殿 20XX年X月X日 営業課 ○○○○ 標記の件につき、現時点で判明している内容と一次対応を取り急ぎ報告いたします。詳細は確認のうえ追ってご報告いたします。 記 1. 受付:20XX年X月X日 XX時XX分/メール/受付者 ○○ 2. 顧客:株式会社○○(ご担当 ○○様/TEL 00-0000-0000) 3. 件名:○○のご注文に関する納品遅延・数量相違について 4. クレーム内容:お客様より、○○のご注文について「納期にX日遅れている/注文数と相違がある」とのお申し出があった。受注内容を確認したところ、出荷指示の一部が漏れていたことを確認した。 5. 一次対応:取り急ぎお詫びし、不足分を最短便で手配する旨をご案内した。納期の確定は別途連絡する旨をお伝えした。対応者:営業課 ○○。 6. 原因:現時点では出荷指示の漏れが生じた経緯を調査中であり、判明し次第あらためて報告する(X月X日までに特定予定)。 7. 再発防止策:受注から出荷指示までの確認フローを見直し、出荷漏れを検知する仕組みを整備する(原因特定後に確定)。 8. 水平展開:原因と対策が確定し次第、関係部署へ共有する。 以上

例文1〜2は対応・原因が確定した「完了報告」、例文3は原因が調査中の「第一報」の書き方です。状況に合わせて前文(「下記のとおりご報告いたします」か「取り急ぎ報告いたします」か)を選ぶと、報告の段階が伝わります。

失敗しない書き方のコツ

クレーム報告書で評価が分かれるのは、事実と推測を切り分けられているか、再発防止策が具体的かの2点です。次の点を押さえると、差し戻されにくい報告書になります。

NG(評価されない書き方)OK(伝わる書き方)
お客様がかなり怒っていて、たぶんもう来てくれない。「対応が遅い」とのお申し出を受けた(事実)。今後のご利用への影響が懸念される(所感)。
担当者の不注意が原因。以後、十分注意する。チェックの仕組みがなかった(原因)。出荷前チェック工程を追加する(再発防止策)。
なるべく早く対応した。X月X日XX時に電話でお詫びし、代替品を翌日着で手配した(一次対応)。
クレーム報告書のNG/OK例

お客様の言葉は、書き手が要約・脚色せず、言われた事実をそのまま記録するのが原則です。「ひどい対応だと言われた」ではなく「『説明が一度もなかった』とのお申し出」と、具体的な言葉で残すと、原因分析や再発防止の精度が上がります。

再発防止策は、「注意する」「徹底する」で終わらせず、仕組みに落とすのがコツです。「なぜそれが起きたのか」を数回掘り下げ、人ではなく工程・ルール・チェック体制を変える対策にすると、本当に再発を防げます。再発防止策の書き方や例文をもっと詳しく知りたいときは、再発防止策専用の記事も参考にしてください。

再発防止策の書き方・例文|「注意します」で終わらせない報告書の書き方
報告書

再発防止策の書き方・例文|「注意します」で終わらせない報告書の書き方

報告書の再発防止欄に何を書けばいいか迷う人向けに、良い再発防止策の4条件(具体的・実行可能・主語と期限・仕組み化)、直接原因と根本原因の分け方、なぜなぜ分析のやり方、「注意する」「徹底する」だけのNG例→OK例を解説。誤発送・入力ミス・連絡漏れ・クレーム・事故など、そのままコピーして使える再発防止策の例文を類型別・業種別に多数掲載します。

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なお、ここまでの社内向け報告書とは別に、クレームを入れた顧客へ直接送るお詫び・経過連絡のメールは、書き方も目的も異なります。社内記録は事実の整理、顧客返信は相手の感情に配慮した文面づくりが中心です。顧客への返信文を探している方は、以下の記事を参考にしてください。

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クレーム報告書テンプレートでPDFを即作成

クレーム報告書をWordやExcelで一から作ると、受付欄・顧客欄・一次対応・原因/再発防止のレイアウトを整えるだけで手間がかかります。TEMPLEXのクレーム報告書テンプレートなら、受付方法・顧客区分・一次対応・原因・再発防止・水平展開の項目があらかじめ用意されており、場面に合ったプリセット文例を選んで入力するだけでA4のPDFが作れます。本記事の例文を貼り付ければ、提出できる報告書がすぐ完成します。詳しくはクレーム報告書テンプレートをご利用ください。

TEMPLEXのクレーム報告書テンプレート
TEMPLEXのクレーム報告書テンプレート
  • 受付方法(電話・メール・対面・Web/SNS)を選んで記録
  • 顧客区分(個人・法人・一般)や顧客情報をプリセットから入力
  • クレーム内容・一次対応・原因・再発防止策を場面別の文例から選択
  • 社内記録にも、お詫びを添えた社外回答にも切り替え可能
  • プレビューで体裁を確認しながらPDFを即ダウンロード(Microsoft Office 不要)
  • 作成者・部署などの情報は次回以降自動入力

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コラム著者・編集者

TEMPLEX編集チーム

TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。

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