送付状の書き方|配置・宛名の敬称・記書きまで1枚で完成させる手順

送付状の基本構成と配置|どこに何を書くか
送付状(添え状・カバーレター)は、書類を郵送・FAXするときに先頭に添える1枚です。「何を・誰が・何通送ったか」を伝え、同封ミスや確認漏れを防ぐ役割があります。まずは要素をどこに置くかを押さえれば、見た目で迷うことはなくなります。
送付状は上から「日付・宛先・差出人・件名・本文・記書き」の順に並べます。配置の鉄則は、日付と差出人は右、宛先は左。この左右の配置が崩れると一気に素人っぽく見えるので、最初に位置だけ決めてしまうのが近道です。
就活・転職で履歴書などを送るときのように個人として出す場合は、差出人欄に会社名・部署名は書かず、氏名・住所・電話番号・メールアドレスを記載します。相手がすぐ連絡できるよう、メールアドレスまで添えておくと親切です。応募書類に添える送付状の文例は別記事にまとめています。
| 要素 | 位置 | 書く内容 |
|---|---|---|
| 日付 | 右上 | 発送日(投函日)。和暦・西暦どちらでも可 |
| 宛先 | 左上(日付の下) | 会社名→部署名→役職→氏名の順 |
| 差出人 | 右(宛先より下) | 会社名・部署・氏名・住所・電話 |
| 件名 | 中央 | 「書類送付のご案内」など |
| 本文 | 左寄せ | 頭語+挨拶+送付の主文+結語 |
| 記書き | 本文の下 | 「記」+品名・部数の一覧+「以上」 |

本文は「頭語(拝啓)→挨拶→送付の主文→結語(敬具)」という手紙の型に従います。最後の記書きは中央に「記」、右下に「以上」で挟み、その間に送った書類の一覧を箇条書きにします。記書きの詳しい書き方は後述します。
頭語と結語は必ずペアで使い、送付状では「拝啓・敬具」の組み合わせが基本です。「前略」は時候の挨拶を省く合図のため、挨拶を添える送付状には不向きで、「前略・草々」は使わないのが無難です。頭語結語や時候の挨拶の使い分けは別記事で詳しく紹介しています。
宛名の敬称ルール|御中と様を間違えない
送付状で最も間違いが目立つのが宛名の敬称です。ルールはシンプルで、会社名・部署名には「御中」、個人名には「様」、この2つは併用しない。「御中」と「様」を同じ宛名に両方付けるのはマナー違反になります。
迷いやすいのが、部署と個人名の両方を書くケースです。担当者の名前が分かっているなら、部署名には御中を付けず、個人名に「様」だけを付けるのが正解です。「営業部御中 山田太郎様」と二重に付ける必要はありません。
| 宛先のパターン | 正しい書き方 | よくある間違い |
|---|---|---|
| 会社宛(担当者不明) | ○○株式会社 御中 | ○○株式会社 様 |
| 部署宛(担当者不明) | ○○株式会社 営業部 御中 | ○○株式会社 営業部 様 |
| 部署+担当者名 | ○○株式会社 営業部 山田太郎 様 | 営業部 御中 山田太郎 様 |
| 役職+氏名 | ○○株式会社 営業部長 山田太郎 様 | 営業部長様(役職に様は二重敬称) |
| 担当者名が不明 | ○○株式会社 営業部 ご担当者様 | 担当者 御中 |
返信用封筒に「○○行」と印刷されている場合、その「行」を消して御中・様に直すのもマナーです。会社・部署宛なら「御中」、個人名宛なら「様」に二重線で書き換えます。これは返信する側(受け取って送り返す側)の作法なので、あわせて覚えておくと安心です。
記書きの書き方|品名と部数まで明記する
記書きは送付状の心臓部です。ここを見れば相手は中身を開けなくても何が入っているか分かります。ポイントは品名だけでなく部数まで必ず書くこと。「請求書」ではなく「請求書 1部」と数まで書けば、相手が受け取った時に過不足をその場でチェックできます。
- 中央に「記」、右下(または末尾)に「以上」を置き、その間に一覧を書く
- 各項目は「1.」「2.」と番号を振ると数えやすい
- 品名のあとに部数(○部・○通・○枚)を必ず添える
- 返送が必要な書類は「(1部はご返送ください)」など補足を付ける
- 請求書なら金額や請求書番号、契約書なら押印の要否を添えると親切
番号と部数を揃えて書くと、こう仕上がります。送付状の本文と記書きをつなげたそのまま使える完成形が次のテンプレートです。
送付物が1種類でも記書きは省かないのが基本です。一方で、宛名や本文を毎回ゼロから書くのが手間なら、項目を入力するだけで体裁の整った送付状が作れるテンプレートを使うと早いです。日付や差出人の配置を気にせず、品名と部数を入れるだけで仕上がります。
A4一枚に収める|手書きとPC作成どちらがよいか
送付状はA4一枚に収めるのが基本です。送付状はあくまで「添え状」であり、主役は同封する書類のほう。挨拶を長々と書いたり、複数枚にわたったりすると本末転倒です。時候の挨拶は1行で十分で、無理に膨らませる必要はありません。
作成方法は、ビジネスではPC(ワープロ)作成が一般的です。読みやすく、宛名や部数の修正も簡単で、同じ体裁を使い回せます。手書きが必須という決まりはありません。
PC作成の送付状に、署名欄へ手書きで一筆添えると印象が良くなります。「いつもありがとうございます」程度の短い言葉でも、機械的な書類に温度が生まれます。お礼やお詫びを伝えたい相手には特に効果的です。
時候の挨拶を季節に合わせて書きたい場合や、「時下ますます〜」「貴社ますます〜」の使い分けは別記事で詳しく紹介しています。深く知りたいときに参照してください。
送付状は必要か|つけるべき場面・省いてよい場面
送付状は法律で義務付けられたものではなく、あくまでビジネスマナーです。つけなくても罰則はありませんが、取引先へ書類を郵送するときは添えるのが常識とされています。書類の枚数チェックや、誰から届いたかの確認に役立つためです。
一方で、持参するとき・事前にメールやチャットで内容を伝えてあるとき・メールに添付して送るときは省いて構いません。対面やメール本文でその場の説明ができるため、別途の送付状は不要になります。迷ったら「郵送なら付ける」と覚えておけば失礼になりません。
送付状に収入印紙は不要です。印紙税がかかるのは印紙税法に定められた文書(契約書や領収書など)に限られ、送付状・添え状はこれに該当しません。同封する書類の側(高額の領収書など)が課税対象になることはありますが、送付状そのものに印紙を貼る必要はありません。
封筒の扱い|朱書きと同封書類の重ね順
封筒には、中身が一目で分かるように「請求書在中」などの朱書きを表面に入れるのがマナーです。位置は、縦書きの和封筒なら宛名の左下、横書きの洋封筒なら右下が一般的。手書きする場合は文字を四角い枠で囲むと丁寧に見えます。
書類を封筒に入れる順番は、送付状を一番上(封を開けて最初に見える位置)に重ねるのが基本です。送付状の下に、記書きに並べた順で書類を重ねると、受け取った相手が一覧と照合しながら確認できます。
A4を三つ折りにするときは、文面を内側にして折るのがマナーです。文字を上にして置き、下3分の1を先に折り上げ、次に上3分の1をかぶせるように折り重ねると、相手が封筒から取り出して開いたときに送付状の書き出しが最初に読める向きになります。宛名や会社名の部分に折り目がかからないよう位置を調整しましょう。
請求書を送るなら、送付状の本文に支払期限や振込先を添えると親切です。請求書そのものの作り方は別記事を参照してください。
コピーして使える汎用テンプレート
季節を問わず使える「時下ますます〜」型の本文です。見積書・契約書・請求書などどの書類にも流用できるので、記書きの品名と部数だけ差し替えて使ってください。
宛名や日付の配置を毎回整えるのが面倒な場合は、項目を入力するだけで送付状を作れるこちらのテンプレートが便利です。記書きの体裁も自動で整います。
コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。










