請求書の税込・税抜の書き方|内税・外税の違いと金額の記載例

請求書の税込・税抜の書き方|内税・外税の違いと金額の記載例

結論:税込・税抜どちらでもよいが、消費税額は必ず書く

請求書の単価や金額を税込(内税)で並べるか、税抜(外税)で並べるかは、発行する側がどちらを選んでもかまいません。適格請求書(インボイス)でも、税率ごとに区分した対価の額は税抜価額・税込価額のどちらで書いても認められています(国税庁 No.6625 適格請求書等の記載事項)。

ただし、表示方法に関係なく外せない条件が2つあります。①最終的な請求金額は税込で示す、②インボイスでは税率ごとの消費税額(と適用税率)を必ず書く──この2つです。税抜の金額だけを並べて消費税額をどこにも書かない請求書は、適格請求書として認められません。

内税(税込表示)外税(税抜表示)
単価・明細の金額消費税を含めた金額で並べる消費税を抜いた本体価格で並べる
消費税額の記載必要(うち消費税額として明記)必要(税抜合計の次に別行で表示)
向いている相手一般消費者(BtoC)事業者(BtoB)
内税(税込)と外税(税抜)の基本的な違い

「内税=税込」「外税=税抜」 は同じことを別の言い方にしているだけです。本記事では金額の表示方法の話を「税込・税抜」、消費税の含め方の話を「内税・外税」と呼び分けていますが、指している中身は同じだと考えて差し支えありません。

外税(税抜)の書き方|BtoBの定番

外税(税抜表示)は、単価と明細を本体価格(税抜)で並べ、明細の下で「小計(税抜)→ 消費税 → 合計(税込)」の3行を縦に出す形です。本体価格と消費税額がはっきり分かれるため、相手が税抜で予算・原価を管理する事業者向け(BtoB)の取引で広く使われています。

品名数量単価金額
コンサルティング料1200,000200,000
資料作成費150,00050,000
小計(税抜)250,000
消費税(10%)25,000
合計(税込)275,000
外税(税抜表示)の記載例。単価・小計はすべて税抜で並べる

消費税の行には、適用した税率(10%)も添えると相手が検算しやすくなります。明細欄の金額が税抜だと一目で分かるよう、欄の見出しを「金額(税抜)」としておくか、合計の近くに「上記は税抜価格です」と添えるとより親切です。

項目金額
小計(税抜)250,000円
消費税(10%)25,000円
合計(税込)275,000円
外税(税抜)の合計欄の記載例

内税(税込)の書き方|消費税の逆算式つき

内税(税込表示)は、単価や明細を税込の金額で並べる形です。最終的に払う総額がそのまま見えるので、一般消費者向け(BtoC)に向いています。ただし税込で出す場合でも、「うち消費税額」を別に書くのは省略できません。総額の中に消費税がいくら含まれているかを示す必要があります。

税込の総額から消費税額を出すときは、「税込価格 ÷ 1.1 × 0.1」(軽減8%なら ÷ 1.08 × 0.08)で割り戻して計算します。たとえば税込275,000円なら、275,000 ÷ 1.1 × 0.1 = 25,000円が消費税額です。

割り戻すと1円未満が出ることもあります。たとえば税込50,000円(10%対象)なら 50,000 ÷ 1.1 × 0.1 = 4,545.45… と割り切れません。このとき端数処理は明細1行ごとではなく、税率ごとの税込合計に対して1回だけ行うのがインボイスの鉄則です。理由と直し方は後述します。

品名数量単価金額
コンサルティング料1220,000220,000
資料作成費155,00055,000
合計(税込)275,000
うち消費税(10%)25,000
内税(税込表示)の記載例。単価・金額は税込で並べ、消費税額を内訳で示す
項目金額
合計(税込)275,000円
うち消費税(10%)25,000円
内税(税込)の合計欄の記載例

「うち消費税」を書き忘れた税込請求書は、インボイスの要件を満たしません。 受け取った相手が消費税の仕入税額控除を受けられず、書き直しを求められます。税込で出すときほど、消費税額の行を消さないよう注意してください。

税抜金額のみ(消費税額なし)で出していい?

「本体価格だけ書いて消費税は相手に計算してもらう」という出し方を考える人がいますが、適格請求書(インボイス)では税抜金額のみの記載は認められません。インボイスには、税率ごとに区分した対価の額に加えて、適用税率と税率ごとの消費税額等の記載が必須だからです。消費税額が抜けていると、相手は仕入税額控除に使えません。なお、消費税額さえ書けばインボイスになるわけではなく、登録番号(T+13桁)の記載もセットで必須です。消費税額・適用税率・登録番号のどれが欠けても適格請求書にはなりません。

あなたが免税事業者で、そもそもインボイスを発行しない場合は、消費税額の記載義務はありません。消費税相当額を価格に上乗せして請求すること自体は問題ありませんが、「消費税10%」と適格請求書そっくりに書くと、相手にインボイスだと誤認させるおそれがあります。税込の総額として示すか、「消費税相当額」と表記しておくのが安全です(登録番号に似た番号を書くのは禁止)。免税事業者が消費税をどう扱うか(請求していいのか・登録番号は書かないなど)は、免税事業者の請求書の書き方 で詳しく整理しています。

税抜だけ・税込だけ、ではなく「税抜本体・消費税額・税込合計」の3点をそろえる のが、結局どんな相手にも通用する安全な形です。インボイスの必須6項目や端数処理の細かいルールは 請求書の書き方 にまとめています。

税込・税抜どちらを選ぶ?今から選ぶなら相手で決める

どちらの表示でも法的な効力は同じです。これから決めるなら、主な取引先のタイプ(BtoB/BtoC)で選ぶのが基本です。本体価格で予算や原価を管理する事業者向け(BtoB)は税抜、最終的に払う総額を知りたい一般消費者向け(BtoC)は税込が、それぞれ受け取り手にとって読みやすい形になります。取引のたびに切り替える必要はありません。一度決めたら、請求書全体で表示をそろえます。

表示方法向いている相手選ぶ理由
税抜(外税)事業者(BtoB)本体価格と消費税額が分かれ、経理処理しやすい
税込(内税)一般消費者(BtoC)支払う総額がそのまま見える
税込・税抜の使い分け

もう1つの判断軸が、見積書や過去の請求書と表示をそろえることです。見積りは税抜・請求は税込のように途中で変えると、相手が金額を突き合わせにくくなります。見積書側での税抜・税込の選び方は 見積書の消費税の書き方 で解説しているので、見積りから請求まで一貫させたいときの参考にしてください。

内税で気をつけたい消費税額のズレ

内税(税込)で作るときに起きやすいのが、「明細の税込金額を足した合計」と「税込合計から割り戻した消費税額」がかみ合わず、1円ずれる現象です。明細を1行ずつ税込にして、行ごとに消費税を逆算して足し上げると、各行の端数が積み重なって全体とずれてしまいます。

これを防ぐ考え方はインボイスのルールと同じで、消費税は明細1行ごとではなく、税率ごとにまとめて1回だけ計算することです。適格請求書では、消費税額等の端数処理は一の請求書につき税率ごとに1回と定められており、行ごとに端数処理した額を合算する方法は認められていません(国税庁 No.6371 端数計算)。内税で出すなら、税率ごとの税込合計を出してから一度だけ割り戻すのが正解です。これは消費税額の計算でいう割戻し計算(税率ごとの合計から税額を出す)にあたり、行ごとに逆算して足し上げる積上げ計算型のやり方とは端数の出方が変わります。

端数の処理方法(切り捨て・切り上げ・四捨五入)はどれを選んでも自由ですが、書類ごとに変えないこと。 見積りは切り捨て・請求は四捨五入のようにばらつくと、同じ取引で金額が1円ずれて問い合わせの原因になります。10%と8%が混ざるときの分け方や、税込・税抜が1枚に入り混じってしまったときの直し方は 請求書で税込・税抜が混在するとき で解説しています。

税率ごとの集計や端数処理を手作業でやると、こうしたズレが起きやすくなります。TEMPLEXの請求書テンプレートなら、税抜・税込どちらの形でもフォームに入力するだけで、消費税額と合計まで整った請求書をPDFで作成できます。

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コラム著者・編集者

TEMPLEX編集チーム

TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。

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