委任状の書き方(手書き)|A4で簡単に書けるテンプレート+修正・押印の作法

手書きの委任状は使えるのか
役所への届出や一般的な手続きでは、手書きの委任状でも問題なく受理されるケースがほとんどです。委任状の書式は法律で統一されていないため、必要な項目さえ記載されていればパソコン作成・手書きのどちらでも構いません。
ただし、提出先によっては指定の書式が必要だったり、公正証書や特定の様式でなければ受理されない手続きもあります(不動産登記、金融機関の一部手続き、キャリアショップなど)。手書きで作り始める前に、まず提出先に「自作の委任状で良いか」を確認するのが確実です。
自作OKと確認が取れた場合、委任者(頼む側)の氏名は自筆(手書き)するのが一般的なマナーです。パソコンで本文を作成した場合でも、署名欄だけは手書きにすることで本人の意思であることを示せます。
手書きで委任状を作るときに必要なもの
作成を始める前に、以下の3点を用意してください。
- 用紙:A4サイズのコピー用紙(白紙)、または市販の便箋(B5等でも可)。裏紙や極端に小さいメモ帳などは避けます。
- ペン:黒の油性ボールペン、または万年筆。摩擦で消えるボールペン(フリクション等)は、改ざんを防ぐため重要書類には絶対に使ってはいけません。
- 印鑑:実印または認印。シャチハタ(インク内蔵印)は不可です。用途(車の名義変更など)によっては実印が必須になります。
手書き用 委任状のサンプル(横書き・最小構成)
A4の白紙などに横書きで作成する場合の、最もシンプルで書きやすい構成例です。以下の内容をそのまま書き写してください。

住所や氏名は、住民票や印鑑登録証明書に記載されているとおり(例:1丁目2番3号)に正確に記入してください。ハイフン表記(1-2-3)では、自動車の名義変更や不動産登記などで不受理になることがあります。
日付欄には窓口に行く日ではなく、委任状を作成した日を記入します。
委任事項は「住民票の取得」のように曖昧に書かず、「住民票(世帯全員・本籍記載あり)の写し1通の交付申請および受領」のように、何を・何通・どこまで委任するのかを具体的に記入してください。範囲が曖昧だと窓口で受理されなかったり、悪用リスクが生じたりします。
手書き用 委任状のサンプル(縦書き・便箋向け)
市販の便箋(縦罫線)を使って作成する場合は、以下の構成で書き写します。縦書きの場合、数字は漢数字を使うのが一般的です。

書き間違えた場合の修正方法
手書きの委任状で最も失敗しやすいのが「書き間違い」です。修正液や修正テープを使うと、後から誰かが改ざんしたと疑われ、無効になる可能性が高いです。
正しい修正手順(二重線+訂正印)
- 間違えた箇所に定規でまっすぐ二重線を引く
- 二重線の上または近くの余白に、正しい内容を書く
- 二重線に重なるように、またはすぐ近くに「委任者の印鑑」を押す(訂正印)
訂正印に使う印鑑は、必ず委任者の氏名横に押した印鑑と同じものを使用してください。
可能であれば、訂正するよりも新しい紙に最初から書き直すのが一番確実で丁寧です。間違いを防ぐため、あらかじめ薄く鉛筆で下書きをしてからボールペンでなぞり、乾いた後に消しゴムで消すという方法も有効です。
印鑑の押し方と「捨て印」の活用
印鑑は、委任者の氏名の右側(縦書きの場合は下)に、名前の最後の文字に少しかぶるか、すぐ横に押すのが一般的です。印影がかすれたり欠けたりしないよう、印マットなどを敷いてしっかり押しましょう。
「捨て印」で窓口での軽微な修正に対応
委任状の不備で最も怖いのは、代理人が窓口に持っていった際に「一文字間違っているから受理できない(本人の訂正印が必要)」と突き返されることです。
これを防ぐために、用紙の上部余白にあらかじめ委任者の印鑑を押しておく「捨て印(すていん)」というテクニックがあります。捨て印があれば、代理人が窓口で軽微な誤字脱字を訂正できるようになります。

ただし、捨て印は「内容を後からどう書き換えても良い」と白紙委任するような強力な意味も持ちます。信頼できる家族や専門家(行政書士など)に依頼する場合のみ活用してください。
よくある質問
Q. パソコン作成と手書き、どちらが良いですか?
現代ではパソコンで本文を作成し、署名(氏名)のみを手書きにするスタイルが主流であり、見やすいため窓口の担当者にも好まれます。すべてを手書きにする必要はありません。
Q. 代筆してもらうことはできますか?
本人が病気やケガでどうしても字が書けない場合、事情を説明した上で代筆が認められることがあります。ただし、代筆者の氏名と、なぜ代筆したのかの理由を余白に書き添える必要があります。提出先によってルールが異なるため、事前に電話で確認してください。
代筆を頼む相手は、代理人(窓口に行く人)以外の第三者にするのが原則です。代理人本人が代筆すると、本人の意思による委任かどうかの証明が難しくなり、無効とされるおそれがあります。また、代筆の場合は本人の意思を示すために、代筆した氏名の横に委任者本人の拇印(親指に朱肉をつけて押す)を求められる自治体も多いです。
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コラム著者・編集者
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