委任状の書き方|代理人・実印・委任事項の文例10選と提出先別チェック

委任状とは(委任者・受任者・委任事項の3要素)
委任状は、本人(委任者)が手続きを代わりに行ってくれる相手(受任者=代理人)に対して、「何を」「誰に」任せるかを書面で示した書類です。役所での証明書取得、車の名義変更、銀行手続き、携帯電話の契約変更など、本人が窓口に行けない場面で必要になります。
委任状に法律で定められた統一の書式はありません。ただし、「委任者」「受任者(代理人)」「委任事項」の3つが正確に記載されていなければ無効になりえます。提出先の窓口で受理されず二度手間にならないよう、基本の書き方を押さえましょう。
提出先(役所・運輸支局・銀行・キャリアショップ等)が独自の書式を配布している場合は、指定書式を優先してください。「自作の委任状でもOK」と言われた場合に、ここで紹介するテンプレートが役立ちます。
委任状に書く必須記載項目
委任状には以下の5つの項目が必要です。1つでも欠けると窓口で不受理になることがあります。
- 作成年月日 — 委任状を作成した日付
- 委任者(本人)の情報 — 住所・氏名(自筆が原則)・生年月日・押印
- 受任者(代理人)の情報 — 住所・氏名・生年月日(本人を特定できる正確な情報)
- 委任事項 — 代理人に任せる手続きの内容(具体的に書く)
- 委任期間(任意だが推奨) — 「○年○月○日から○年○月○日まで」など

書き間違えた場合は、修正液・修正テープは使わず、二重線を引いて委任状に押印したのと同じ印鑑で訂正印を押すのが正式な方法です。不安な場合は最初から書き直してください。
委任事項の書き方(具体的・限定的に書くコツ)
委任状で最も大切なのが「委任事項」です。抽象的に書くと窓口で突き返され、広く書きすぎると悪用リスクが生まれます。次の3つのポイントを守ってください。
- 手続きの名称を具体的に書く:「住民票に関すること」ではなく「住民票の写し1通の交付申請および受領」のように、何を何通かまで明記する。
- 対象を限定する:車の名義変更なら「自動車登録番号」「車台番号」を記載し、どの車かを特定する。
- 「一切の権限」は委任事項の最後に添える:具体的な委任事項の後ろに「その他、上記に付随する一切の権限」と書くのは問題ないが、これだけを単独で書くと白紙委任と変わらなくなる。
シーン別の委任事項 文言例10選
委任事項の欄にそのまま書き込める文言例です。手続きに合わせて必要事項を書き換えてください。
役所手続き
自動車・バイク
銀行・金融機関
携帯電話・サービス契約
会議・総会
印鑑の種類と使い分け(実印/認印/シャチハタ)
委任状に押す印鑑は提出先によって異なります。「実印が必要な手続き」で認印を押すと不受理になるため、事前に確認しましょう。
- 実印+印鑑証明書が必要:車の名義変更(普通車)、不動産取引、公正証書作成など。印鑑証明書は発行から3か月以内のものを添付する。
- 認印でOK:住民票・戸籍謄本の取得、転出届の提出、一般企業への届出、携帯キャリアの手続きなど。
- シャチハタ(インク内蔵印)は不可:ゴム印はインクの劣化で印影が変わるため、ほぼすべての提出先で受理されない。朱肉を使う印鑑(三文判でも可)を使う。
提出先別の印鑑・必要書類チェック表
手続きごとに印鑑の種類と添付書類が異なります。以下の表で自分の手続きに必要な組み合わせを確認してください。
| 手続き | 印鑑 | 印鑑証明書 | 本人確認書類(受任者) |
|---|---|---|---|
| 住民票・戸籍謄本の取得 | 認印 | 不要 | 顔写真付き原本(免許証等) |
| 転出届・転入届の提出 | 認印 | 不要 | 顔写真付き原本 |
| 車の名義変更(普通車) | 実印 | 必要(3か月以内) | 不要(実印+印鑑証明書で確認) |
| 車の名義変更(軽自動車) | 認印 | 不要 | 不要 |
| 車庫証明の申請 | 認印 | 不要 | 不要 ※ |
| 銀行口座の解約 | 届出印 | 銀行による | 顔写真付き原本 |
| 携帯キャリアの手続き | 認印 | 不要 | 顔写真付き原本+委任者のコピー |
※ 車庫証明は書類が揃っていれば代理人の本人確認書類は不要ですが、窓口で書類の不備が見つかった場合にその場で訂正できるよう、受任者の認印を持参しておくと安心です。
上記は一般的な運用です。提出先や自治体ごとにルールが異なる場合があるため、事前に窓口やホームページで最新の案内を確認してください。
委任期間の明示と有効期限
委任状に法律上の統一的な有効期限はありませんが、提出先が「作成から3か月以内」などの独自ルールを設けているケースが多いです。古い日付の委任状は本人の現在の意思が疑われるため、手続きの直前に作成するのが無難です。
期間を限定したい場合は「委任期間: ○年○月○日から○年○月○日まで」と明記します。期限が過ぎた委任状は自動的に無効になるため、悪用防止としても有効です。
受任者が窓口で提示する本人確認書類
委任状が完璧でも、受任者(代理人)自身の本人確認書類がなければ手続きできません。忘れると出直しになるため、必ず持参してください。
確認のために役所から委任者へ電話連絡が入ることがあります。委任者には「電話が来るかもしれない」と伝えておくとスムーズです。
白紙委任状は絶対に作らない
白紙委任状とは、委任事項や代理人の欄を空欄にしたまま署名・押印だけを済ませた書類のことです。受け取った相手が内容を自由に書き込めてしまうため、高額契約を結ばれたり財産を処分されたりするリスクがあります。
民法109条(代理権授与の表示による表見代理)により、白紙委任状の悪用で被害を受けた場合でも、委任者本人が責任を負う場合があります。信頼できる相手であっても、すべての欄を記入してから渡してください。
パソコン作成と手書きの使い分け
現在はパソコンで本文を作成し、委任者の氏名のみを手書き+押印するスタイルが主流です。見やすく、窓口担当者にも好まれます。
一方で、パソコンがない場合や急ぎの場合は、手書きでも問題ありません。用紙はA4サイズの白紙コピー用紙で十分で、横書き・縦書きのどちらでも受理されます(横書きが主流)。手書きの場合は消えないボールペン(油性)を使い、フリクションペンは改ざんを疑われるため避けてください。
手書きで委任状を作る場合の詳しい書き方は、関連記事をご覧ください。
委任状
委任状の書き方(手書き)|A4で簡単に書けるテンプレート+修正・押印の作法
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コラム著者・編集者
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