接客態度へのクレームのお詫び状|例文と誠意の伝え方

接客態度へのクレームのお詫び状|例文と誠意の伝え方

接客態度へのクレームのお詫び状で押さえること

接客態度へのクレームは、商品やサービスそのものの欠陥ではなく、人がどう接したか(応対)への不満です。言葉遣いが失礼だった、無愛想で冷たかった、横柄・威圧的だった、長く待たせた、私語をしていた、たらい回しにされた——こうした「気持ちを害された」という訴えに対するお詫び状になります。

態度へのクレームは事務的なミスと違って、原因も被害も数字で示しにくいのが特徴です。だからこそ、お詫び状で最初にすべきは原因の説明ではなく、不快な思いをおかけしたことそのものへのお詫びです。「弊社の規定では」「担当者にも事情があり」と弁解から入ると、相手の怒りはかえって増します。

  • 責任者の名前で出す:本人ではなく、直属の上司・店長・部長クラス、内容によっては代表者の名義で出すのが礼儀。部下の応対の責任は管理者が負うという姿勢を見せる。
  • すぐに出す:感情的になっている相手ほど、対応の遅さが二次クレームになる。時候の挨拶などにこだわらず、早く詫びることを優先する。
  • ご指摘に感謝する:「お知らせいただき改善の機会を得た」という感謝を一言添えると、責める相手と詫びる側という対立構図がやわらぐ。
  • 教育・指導で締める:謝って終わりにせず、当該スタッフへの指導と、店舗・部署全体での再発防止策を具体的に書く。

請求ミスや誤発送のような事務的な不手際のお詫びは、態度のお詫びとは書き方が変わります。何がどう間違ったかを事実で特定する書き方は、次の記事でまとめています。

「不手際」を使ったお詫び状の例文|対応・手続きのミスをお詫びする書き方
詫び状・お詫び状

「不手際」を使ったお詫び状の例文|対応・手続きのミスをお詫びする書き方

「不手際」を使って対応・事務手続き・案内連絡・段取りのミスをお詫びする書面の例文集。不手際の意味と使いどころ、手違い・不行き届きなどの言い換え、お客様・取引先向けのシーン別お詫び状テンプレートをまとめました。

記事を読む

スポンサーリンク

お詫び状の構成と頭語・結語

接客態度へのお詫び状は、お詫び → ご指摘への感謝 → 事実の確認 → 当該スタッフへの指導・処分 → 再発防止策 → 今後のお願いの流れで組み立てます。原因を細かく分析するより、「受け止めて、こう改める」という姿勢が伝わる構成にするのがコツです。

通常のビジネス文書と違い、お詫び状では時候の挨拶を省くのが基本です。トラブルを抱えた相手に「向夏の候」などと季節の挨拶を述べるのは場違いで、頭語のあとはすぐ感謝とお詫びに入ります。

頭語と結語は、「拝啓/敬具」よりも、より丁重な「謹啓/謹白(敬白)」が誠意を示す場面に向きます。一刻も早く詫びたい急ぎの文面では、前文を省いて主文から書き始められる「急啓/草々」も使えます。

頭語と結語の使い分け|拝啓・謹啓・前略の違いと組み合わせ完全ガイド
共通知識

頭語と結語の使い分け|拝啓・謹啓・前略の違いと組み合わせ完全ガイド

拝啓・謹啓・前略・急啓・拝復など、すべての頭語と対応する結語をシーン別に解説。日本郵便の公式分類に基づく対応表、敬意レベル別の選び方、誤用しやすいNGパターンまでまとめています。

記事を読む
  1. 日付:作成日を書く
  2. 宛名:お客様の氏名(法人なら会社名・部署名・役職名も省略しない)
  3. 差出人:会社名・店舗名と、責任者の役職・氏名
  4. 件名:「接客対応に関するお詫び」など、何のお詫びか一目で分かるように
  5. 本文:お詫び→ご指摘への感謝→事実→指導・処分→再発防止→今後のお願いの順
  6. 頭語・結語:謹啓/謹白(急ぎなら急啓/草々)で挟む
お詫び状の構成例
お詫び状の構成例

事実関係がまだ確認できていない段階で出す場合は、「現在事実確認を行っております」と正直に書き、原因や処分の断定は避けます。確認前に「担当者が悪うございました」と決めつけると、後で話が変われば二重の不信を招きます。

事実関係を確認している最中でも、対応の遅れは二次クレームになります。詳しい経緯や処分は後日改めるとして、まず謝意と一次対応だけを伝える「取り急ぎのお詫び」を先に出す形が使えます。

取り急ぎのお詫び状(事実確認中・第一報)
○○○○年○月○日 ○○ ○○ 様 ○○店 店長 ○○ ○○ 接客対応に関するお詫び 急啓 このたびは、当店従業員の接客につきまして不快な思いをおかけし、誠に申し訳ございませんでした。心よりお詫び申し上げます。 お客様からのご指摘を受け、現在、当日の状況について事実確認を行っております。確認のうえ、改めてご報告とご説明をさせていただきます。 まずは取り急ぎ、お詫びを申し上げます。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。 草々
取り急ぎのお詫び状(事実確認中・第一報)
取り急ぎのお詫び状(事実確認中・第一報)

書式は、改まった書状として白無地の便箋に縦書きが基本です。便箋・封筒とも色柄のないものを選び、封筒は中身が透けない厚手の白無地にします。二重か一重かは見解が分かれるため、中身が透けなければどちらでも失礼にはなりません(迷えば白無地の一重が無難です)。なお本記事の文例は、貼り付けやすいよう横書きで示しています。縦書きで清書する場合は、日付・差出人・宛名を本文のあとにまとめ(宛名を最後に書く)、数字は漢数字にします。くわしい縦書きの体裁や封筒の書き方は、次の記事でまとめています。

お詫び状の封筒の書き方|表書き・〆・便箋の折り方と入れ方・手渡し
詫び状・お詫び状

お詫び状の封筒の書き方|表書き・〆・便箋の折り方と入れ方・手渡し

お詫び状を封筒で送る・手渡すときのマナーをまとめました。白無地で中身が透けない封筒の選び方とサイズ、宛名と裏面の差出人の書き方、表に「お詫び」と書くかの判断、封の〆・封・緘の使い分け、便箋の三つ折りと入れる向き、手渡しのときの封の要否と袱紗・添える一言まで解説します。

記事を読む
お詫び状を縦書きで書く方法|レイアウト・漢数字・例文
詫び状・お詫び状

お詫び状を縦書きで書く方法|レイアウト・漢数字・例文

お詫び状を縦書きで書くときの配置を図解的に解説。頭語は右上、日付・差出人・宛名は本文のあとに置く後付けの位置、差出人は行末・宛名は行頭という決まり、日付や件数を漢数字で書くルール、横書きとの使い分け、そのまま使える縦書き文例をまとめました。

記事を読む

店舗での接客態度へのお詫び状の例文

店頭での接客にクレームをいただいたケースです。「いつもご利用いただいている感謝」から入り、責任者名で出すのが基本形になります。

店舗での接客態度へのお詫び状(店長名義)
○○○○年○月○日 ○○ ○○ 様 ○○店 店長 ○○ ○○ 接客対応に関するお詫び 謹啓 平素より当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。 このたびは、当店従業員の接客態度につきまして、お客様に不快な思いをおかけし、誠に申し訳ございませんでした。心よりお詫び申し上げます。 お客様からのご指摘を受け、当日の状況を確認いたしましたところ、ご来店時の従業員の言葉遣いおよび応対に、お客様への配慮を欠く点があったことが分かりました。貴重なご指摘をいただきましたこと、重ねて御礼申し上げます。 当該従業員には事実を確認のうえ厳重に注意し、接客の基本を改めて指導いたしました。あわせて、従業員一同で接遇研修を行い、二度と同じ思いをおかけすることのないよう努めてまいります。 今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。 謹白

「不快な思いをおかけし」は接客クレーム謝罪の中心になる表現です。この一言は相手の感情に対する謝罪であり、必ずしも自社の全面的な非を認めたことにはなりません。事実確認が済んでいない段階でも使える、おさえておきたい言い回しです。

用件だけを短く伝えたいときは、次のようにお詫び・指導・再発防止を一段落にまとめると簡潔にまとまります。

接客態度へのお詫び状(簡潔版)
○○○○年○月○日 ○○ ○○ 様 ○○店 店長 ○○ ○○ 接客対応に関するお詫び 急啓 このたびは、当店従業員の接客態度により不快な思いをおかけし、誠に申し訳ございませんでした。貴重なご指摘をいただき、心より御礼申し上げます。 当該従業員には厳重に注意し、従業員一同で接客を見直しております。二度と同じ思いをおかけしないよう努めてまいりますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。 草々

受付・電話応対へのお詫び状の例文

会社の受付や電話窓口での応対は、その会社の第一印象そのものです。たらい回し・冷たい口調・横柄な物言いへのクレームでは、組織として受け止めた姿勢を示します。

電話応対へのお詫び状(部長名義)
○○○○年○月○日 ○○ ○○ 様 株式会社○○○○ ○○部長 ○○ ○○ 電話応対に関するお詫び 謹啓 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 このたびは、お電話でのお問い合わせの際、弊社担当者の応対によりご不快な思いをおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。 お客様からのご指摘を受け、当時の対応を確認いたしました。お問い合わせに対し、担当者の言葉遣いが不適切であったうえ、部署間での引き継ぎが行き届かず、お客様を長くお待たせする結果となっておりました。重ねてお詫び申し上げます。 当該担当者を指導いたしますとともに、電話応対の手順と引き継ぎのルールを見直し、窓口に立つ社員全員で改めて応対マナーを徹底してまいります。 このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございました。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。 謹白

受付・電話は複数の社員が交代で立つため、「誰が」を特定して名指しで処分内容を書くより、「窓口に立つ社員全員で見直す」と組織の問題として書くほうが、再発防止の本気度が伝わります。

飲食店での接客態度へのお詫び状の例文

飲食店では、料理の提供が遅い、スタッフ同士の私語、無愛想な接客などが態度クレームになりがちです。再来店につなげる一言まで添えると、関係修復の意思が伝わります。

飲食店での接客態度へのお詫び状(店長名義)
○○○○年○月○日 ○○ ○○ 様 ○○店 店長 ○○ ○○ 接客に関するお詫び 急啓 このたびは、当店ご来店の際にスタッフの接客により不快な思いをおかけいたしましたこと、誠に申し訳ございませんでした。深くお詫び申し上げます。 お客様からのお申し出を受け、当日の状況を確認いたしました。ご注文の品のご提供が遅れたにもかかわらず、スタッフからの声かけがなく、さらに接客中の私語によりお客様にご不快な思いをおかけしておりました。ご指摘をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。 スタッフには事実を確認のうえ厳重に注意し、提供時のお声がけと接客中の私語について、全員で改めて徹底いたしました。今後はお客様に気持ちよくお過ごしいただけるよう、店舗一同努めてまいります。 またのご来店を心よりお待ち申し上げております。 草々

この例では、前文を省いてすぐ謝罪に入れる「急啓/草々」を使っています。お客様が強い不満を示している場面で、形式的な挨拶を抜きにして早く詫びたいときに向く頭語・結語です。

従業員の失言・暴言へのお詫び状の例文

態度の中でも、従業員が失礼な言葉を口にした「失言」は、お客様の心に強く残ります。言い訳をせず、発言があった事実をはっきり認めて詫びることが何より大切です。

従業員の失言へのお詫び状(責任者名義)
○○○○年○月○日 ○○ ○○ 様 株式会社○○○○ ○○部長 ○○ ○○ 弊社従業員の発言に関するお詫び 謹啓 平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 このたびは、弊社従業員がお客様に対して不適切な発言をいたしましたこと、誠に申し訳ございませんでした。お客様を深く傷つけ、不快な思いをおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。 お客様からのご指摘を受け、本人に事実を確認いたしました。お客様への配慮を著しく欠いた発言であり、弁解の余地はございません。ご指摘をいただきましたこと、重ねて御礼申し上げます。 当該従業員には厳重に注意のうえ指導を行い、接遇のあり方を改めて教育いたしました。今後はお客様に安心してご利用いただけるよう、従業員一同で言葉遣いと応対を徹底してまいります。 何卒ご容赦賜りますよう、伏してお願い申し上げます。 謹白

失言は「言った・言わない」になりがちですが、お詫び状では発言の有無を争わず、お客様が不快に感じた事実を受け止めて詫びる姿勢を貫きます。処分の軽重を文面で約束する必要はなく、「指導した」「教育した」で十分です。

スポンサーリンク

再発防止と教育・指導の書き方

接客態度のお詫び状で差がつくのは、「厳重に注意します」で止めず、何をどう改善するかを具体的に書けるかです。態度は仕組みで直す部分が大きいため、当該スタッフへの指導と、組織としての取り組みの両方に触れると説得力が増します。

  • 接遇研修・ロールプレイで応対を練習し直す
  • 言葉遣い・お声がけのルールをマニュアルで見える化する
  • 報告・連絡・相談を徹底し、引き継ぎ漏れによる待たせを防ぐ
  • 定期的に接客を振り返り、現場で改善を共有する

一方で、書いた再発防止策は実際に行うことが大前提です。実行する気のない取り組みを並べても、同じことが再び起きれば「口先だけ」という、より深い不信につながります。書ける範囲で、確実に実施することだけを書きましょう。

「ご不快な思いをおかけし」というフレーズは便利な反面、多用すると謝罪が型どおりに見えます。場面に応じた言い換えと、使うときの注意点は、次の記事で詳しくまとめています。

「不快な思いをおかけし」お詫び状の例文|言い換えと正しい使い方
詫び状・お詫び状

「不快な思いをおかけし」お詫び状の例文|言い換えと正しい使い方

「不快な思いをおかけし」の正しい使い方を例文付きで解説。ご不快な思いをおかけし/ご不快の念など敬語の形の違い、ご迷惑・ご不便・ご気分を害しといった言い換え、そのまま使える短い文例をまとめました。

記事を読む

書面ではなくメールで対応する場合

ここまではお客様へ送る書面(お詫び状)を前提に説明してきました。来店客への正式なお詫びや、繰り返しのクレームには書面が向きますが、お客様自身がメールで連絡してきた場合や、まず急いで第一報を入れたい場合はメールのほうが適しています。

メールでクレームに対応する場合の、初期対応から解決報告までの段階別の文例は、次の記事でまとめています。

クレーム対応メールの例文|落ち度がない場合の書き方も紹介
メール文例

クレーム対応メールの例文|落ち度がない場合の書き方も紹介

クレーム対応メールの例文を、自社に落ち度がある場合とない場合に分けて紹介。初期対応・調査中・解決報告の段階別テンプレートと、炎上を防ぐ書き方を解説します。

記事を読む

関連記事

お詫び状の書き方と例文|ビジネスで使えるテンプレート
詫び状・お詫び状

お詫び状の書き方と例文|ビジネスで使えるテンプレート

ビジネスのお詫び状(詫び状)の書き方を、お詫び→原因→対応→再発防止の4段構成と頭語結語・配置のルールから解説。商品不良・誤発送・納期遅延・請求ミス・接客・システム障害・社員の不祥事の7シーンの例文と、メール・電話との使い分けもまとめました。

記事を読む

お詫び状をTEMPLEXで作成

TEMPLEXお詫び状テンプレートで作成すると、フォームに入力するだけで登録不要・無料でPDFをダウンロードできます。お詫び→原因・事実→対応→再発防止の流れに沿った文例から選べるので、接客対応のお詫び状もそのまま整えられます。

TEMPLEXのお詫び状テンプレート
TEMPLEXのお詫び状テンプレート

スポンサーリンク

詫び状・お詫び状をすぐに作成しませんか?

TEMPLEXなら、フォームに入力するだけで詫び状・お詫び状のPDFを作成・ダウンロードできます。

詫び状・お詫び状のテンプレートを見る

コラム著者・編集者

TEMPLEX編集チーム

TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。

関連記事

新着記事