転職で身元保証人は必要?30〜40代の頼み方・親以外・毎回いるのか

転職で身元保証人は必要?30〜40代の頼み方・親以外・毎回いるのか

転職でも身元保証人は必要?まず結論

転職先から身元保証書を求められ、「この歳で親に頼むのか」「前の会社では出さなかったのに」と戸惑う方は少なくありません。先に結論を言うと、身元保証人を求めるかどうかは会社次第で、中途採用でも提出を求める会社はあります。新卒だけのものではありません。一方で、近年は求めない会社も少なくありません。

転職で多くの人がつまずくのは「誰に頼むか」です。基本は新卒と同じく独立生計の親族ですが、30〜40代では親が高齢・他界しているケースもあり、配偶者・きょうだい・親戚へと候補を広げて考えることになります。毎回必要か・前職の保証人を使い回せるか・上司や同僚に頼んでいいかといった、転職ならではの疑問は以下で順に見ていきます。

身元保証書の例
身元保証書の例

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転職でも必要?求める会社・省略する会社

身元保証書の提出は法律上の義務ではなく、求めるかどうかは各社の判断です。中途採用でも、金銭や顧客情報・機密を扱うポジション、現場での事故リスクがある職種などでは、社会人経験を問わず提出を求める会社があります。前職で出していなくても、転職先で求められること自体はおかしくありません。

逆に、手続きの負担や保証人を用意できない応募者への配慮から、身元保証書を求めない会社や、緊急連絡先だけで済ませる会社も増えています。「身元保証書あり=怪しい会社」でも「なし=ゆるい会社」でもなく、社内ルールの違いと考えてかまいません。提出書類の案内に身元保証書の記載があるかをまず確認し、なければ用意は不要です。

ただし、就業規則で身元保証書の提出が入社の要件とされている場合は注意が必要です。提出自体は任意ですが、正当な理由なく提出を拒み続けると、内定取消や解雇につながるおそれがあります(金銭を扱う職種で解雇を有効とした裁判例もあります)。用意が難しい事情があれば応じてもらえることが多いので、無断で無視せず必ず会社に相談してください。

「身元を押さえて辞めにくくする狙いでは?」と不安に思う必要はありません。身元保証は退職を縛るものではなく、退職すれば保証契約も終了します。労働者はいつでも退職を申し入れられ、身元保証書の有無で辞めにくくなることはありません。

誰に頼む?(独立生計の親族が基本)

会社から「本人と別生計の人」「2名」などの指定があれば、その条件が最優先です。特に指定がないときの基本は新卒と変わらず、自分で生計を立てている親族(独立生計の成人)に頼むことです。父母が候補の筆頭ですが、転職世代では下のようにケース別で考えると整理しやすくなります。

  • 親が現役・健在:新卒同様、父・母に頼むのが最も一般的。社会人になってからでも問題ない。
  • 親が高齢・年金生活:年金も安定・継続した収入とみなして頼める会社が多いが、公務員・大手などでは「有職(安定収入)」を条件にする会社もある。心配なら会社に確認するか別の親族を立てる。
  • 親が他界・頼めない:成人して働いているきょうだい、おじ・おば、いとこなど、独立生計の親族へ候補を広げる。
  • 配偶者:可否は会社による。生計を共にしている配偶者は「別生計」の条件で不可とする会社が多いので、要件を必ず確認する。

ここで転職ならではの注意点が、「本人と別生計(生計を別にしている)」を条件にする会社が新卒採用より目立つことです。万一の賠償で本人と同じ家計の人だと保証の意味が薄れるためで、同居の配偶者や同一生計の親が不可とされることがあります。続柄だけでなく「生計が別か」まで条件を読んでおくと、頼んだ後の差し戻しを防げます。

「親族でないと駄目」という法律上の決まりはありません。会社が認めれば、独立生計の知人・恩師などでも保証人になれる場合があります。ただし可とするかは会社次第なので、親族以外を立てたいときは「親族以外でも差し支えありませんか」と先に確認してください。

30〜40代で親に頼みづらい・親が高齢のとき

転職特有の心理的なハードルが、「いい大人になって、いまさら親に保証人を頼むのか」という抵抗感です。ですが、身元保証人を親に頼むのは年齢に関係なくごく一般的で、恥ずかしいことではありません。会社側も中途採用者の保証人が親であることを織り込んでいます。連絡が取れる関係であれば、まずは親に相談するのが最短です。

頼みやすくするコツは、「借金の連帯保証ではなく就職の身元保証で、責任は法律で期間・上限が決まっている」と先に伝えることです。久しぶりに改まって頼む相手にも、用件と負担の軽さが一文で伝わります。なお押印は認印で足りる会社が多い一方、実印と印鑑証明書を求める会社もあるので、提出案内に指定がないか先に確認してから頼むと、印鑑証明を取り直す二度手間を防げます。

社会人になってから親へ改めて頼む一言
転職先に出す書類で、身元保証人を1名お願いしたいのですが引き受けてもらえますか。 この歳で頼むのも気が引けるのですが、独立生計の親族にとのことで、まずお願いできればと思っています。 借金の連帯保証ではなく就職の身元保証で、責任の期間や金額も法律で上限が決まっています。 住所・氏名・生年月日と押印(朱肉を使う印鑑)を書いてもらうだけで大丈夫です。

親が他界している、高齢・遠方で頼みにくいときは、成人して働いているきょうだい・おじ・おば・いとこなど、独立生計の親族へ広げて考えます。配偶者は前述のとおり「別生計」条件に引っかかることがあるため、条件を確認してから判断してください。どうしても親族に頼める人が見つからないときの選択肢は、後のセクションでまとめます。

上司・同僚・取引先に頼んでいい?

転職先に知り合いがいたり、社会人の付き合いが広かったりすると、上司や同僚に頼みたくなることがあります。しかし、転職先の上司・同僚・取引先など、会社と利害関係のある人は身元保証人に向きません。多くの会社の書式でも、こうした利害関係者は除外されます。

  • 公正に保証できない:同じ会社の人は、本人に問題があっても会社に報告・是正しづらく、第三者として保証する立場になりにくい。
  • 関係が壊れやすい:万一の賠償や転職・異動が絡むと、社内・取引先との人間関係に直接ひびく。
  • そもそも書式で不可:「利害関係者を除く」「別生計の親族」と条件指定している会社が多く、認められないことが多い。

頼むなら、会社と利害関係のない独立生計の親族(または会社が認める範囲の知人)が基本です。社内の人を立てたくなったときは、まず会社の条件で「誰が不可か」を確認してください。

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転職のたびに毎回いる?前職の保証人は使い回せる?

結論から言うと、身元保証契約は会社ごとに別々なので、転職先で求められれば毎回あらためて提出が必要です。前職に出した身元保証書をそのまま転職先で使い回すことはできません。退職すれば前職との保証契約は終了し、転職先とは新しい契約を結ぶことになります。

また、身元保証には期間の上限(定めがなければ3年・最長5年)があり、自動更新の特約は無効です(身元保証ニ関スル法律)。同じ会社にいても期間が切れれば出し直しになり得ますし、転職をまたいで効力が引き継がれることはありません。

保証人にとっても、転職のたびに頼まれるのは負担です。だからこそ、「期間は最長5年で、転職すれば前の保証は終わる」ことを伝えると引き受けてもらいやすいです。一生続く約束ではないと分かると、相手の心理的なハードルが下がります。

頼める人がいないときは(会社相談・代行サービスの注意)

親が他界し親族とも疎遠で、独立生計の身元保証人が見つからない——転職世代では十分あり得ます。このとき大切なのは、勝手にあきらめたり架空の名前を書いたりせず、「用意が難しい」事情を早めに採用担当へ正直に相談することです。1名でよい・別の続柄でよいなど、柔軟に対応してくれる会社は少なくありません。

頼める親族がどうしてもいない場合の最終手段が身元保証人代行サービス(就職用で3年契約27,500円〜・5年契約49,500円〜が目安)です。ただし料金を払わせて連絡が取れなくなる悪質業者のトラブルも実在します。利用するなら、必ず会社の了承を得てからにしてください。会社に無断で使い、後で発覚すると虚偽の申告とみなされ信頼を損ないます。代行サービスの選び方や相場の詳細は、次の記事でまとめています。

身元保証人がいない・頼める人がいないときの対処|会社相談と代行サービスの相場・注意点
身元保証書

身元保証人がいない・頼める人がいないときの対処|会社相談と代行サービスの相場・注意点

身元保証書の保証人がいない・頼める人がいないときの対処法。まず会社が求める人数・条件を確認すれば用意できる範囲で済むことも多く、それでも頼める人がいないときの会社への相談、親以外の親族や知人、身元保証人代行サービスの相場(3年27,500円〜・5年49,500円前後)・悪質業者のリスク・会社の了承の取り方までまとめました。

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会社への確認文(続柄の条件・別生計・人数)
お世話になっております。提出書類の身元保証書について、3点確認させてください。 1. 身元保証人の続柄に条件はありますか(親族のみ、利害関係者を除く、など)。 2. 「本人と別生計の人」という条件はありますか。同居の家族は対象外でしょうか。 3. 必要な人数は1名でしょうか、2名でしょうか。 お手数ですがご教示いただけますと幸いです。

連帯保証人との違い(責任は無制限ではない)

保証人を頼むときに最も気になるのが「迷惑をかけないか」です。ここは押さえておきたいポイントで、就職の身元保証人は、借金の連帯保証人のように本人の債務を丸ごと肩代わりするものではありません。本人が入社後に会社へ与えた損害に備えるもので、責任の範囲や期間が法律で限定されています。

身元保証人(就職)連帯保証人(借金・賃貸など)
保証する対象入社後に本人が会社に与えた損害借入金や家賃などの金銭債務そのもの
責任の重さ法律で期間・上限が制限される原則として債務の全額を本人と同等に負う
期間定めがなければ3年・最長5年契約が続く限り

さらに2020年4月施行の改正民法により、身元保証書に「極度額(賠償の上限額)」の記載がなければ、その保証契約自体が無効になります(民法465条の2・個人根保証契約)。保証人に青天井で責任を負わせる書式は、そもそも効力を持ちません。実際の賠償でも裁判所が会社側の落ち度などを踏まえて金額を調整するため、損害の全額を当然に負うわけではありません。

極度額や保証期間など、身元保証がどこまで有効か・責任の上限はどうなるかという法的な詳細は、効力をまとめた記事で深掘りしています。保証人本人に「上限がある」と説明したいときの根拠にも使えます。

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