身元保証書は自分で書いていい?代筆がダメな理由と正しい書き方

結論:本人欄は自分で書く、保証人欄は保証人が直筆
「身元保証書は自分で書いていいのか」「保証人が遠方・多忙だから代わりに書いてしまっていいのか」で迷っている方に向けて、先に結論を表でまとめます。
| 記入する欄 | 誰が書く | 可否 |
|---|---|---|
| 本人欄(氏名・生年月日・現住所) | あなた(本人) | 自分で書いてOK |
| 極度額・保証期間・作成日 | 会社の指示どおり(不明なら確認) | 勝手に決めない |
| 保証人欄(住所・氏名・押印・続柄) | 保証人本人 | 保証人の直筆が必須(代筆は不可) |
ポイントはこの一点です。本人の情報を書く欄は自分で書いて問題ありませんが、保証人欄だけは保証人本人に直筆で書いてもらう必要があります。保証人欄をあなたが代わりに書く(代筆する)と、せっかくの身元保証が無効になり、最悪の場合は刑事責任の対象にもなり得ます。理由とリスク、遠方の保証人から直筆をもらう方法まで、以下で順に見ていきます。

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「自分で書く」はどこまで許される?(欄ごとの○×)
身元保証書には大きく分けて、本人について書く欄と、保証人について書く欄があります。自分で書いてよいのは「本人欄」だけで、保証人欄を本人が埋めることはできません。それぞれの欄を誰が記入するかを整理します。
- 本人欄(氏名・生年月日・現住所):あなた自身のことなので、自分で書きます。会社の様式に印字された自分の氏名を確認し、署名・押印もここは本人が行います。
- 極度額・保証期間の欄:保証の上限額や期間は会社があらかじめ印字・指定しているのが通常で、内定者が勝手に決めて書く欄ではありません。空欄で指示も無いときは「どう記入すればよいですか」と採用担当に確認します。
- 保証人欄(住所・氏名・押印・本人との関係):保証人本人に直筆で書いてもらいます。ここを本人や家族が代わりに書くのはNGです。
宛先や本文(保証の趣旨)など、あらかじめ印刷されている部分は記入不要です。あなたが手を入れるのは本人欄と、会社から指示された欄(作成日など)までと考えておけば間違いありません。極度額・保証期間といった欄の意味は、全体像の記事でも確認できます。

身元保証書とは?書き方・極度額・保証期間・保証人の頼み方まで
入社時の身元保証書とは何かを、本人欄・保証人欄の書き方、極度額の記入、保証期間(定めなければ3年・最長5年)、誰に頼むか、民法改正の要点まで本人向けにまとめました。ひな形と会社への確認文つき。
記事を読む保証人欄の代筆がダメな理由
「保証人欄をあなたが書く」ことには、大きく3つの問題があります。ここでいう代筆とは、保証人本人の代わりに、その同意の有無にかかわらず保証人の氏名を別の人が書く行為を指します(手書き代行業者に外注する場合も同じです)。なぜ避けるべきか、理由を一つずつ見ていきます。
1. 保証契約として効力を持たない
身元保証は、保証人本人が「責任を引き受ける」と意思表示することで成立します。本人が書いていない保証人欄は、保証人が同意した証拠にならず、保証契約として効力を持ちません。会社が本人確認や押印照合をする目的で身元保証書を求めているのに、その目的を満たせなくなります。
2. 有印私文書偽造(刑法159条)にあたる可能性がある
他人の名前と印を使って書類を作る行為は、有印私文書偽造罪(刑法159条)にあたるおそれがあります。条文は「行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して……文書……を偽造した者」を、3月以上5年以下の拘禁刑(懲役)と定めています。保証人の同意があれば直ちに犯罪が成立するわけではありませんが、同意の有無は後から証明が難しく、身元保証では保証人本人の直筆が原則です。安全のためにも代筆は避けてください。
3. 会社が極度額(上限額)を担保できなくなる
2020年4月施行の改正民法により、身元保証書には保証の上限額である極度額の記載がなければ保証契約自体が無効になります(民法465条の2・個人根保証契約)。会社は極度額を保証人に提示し、了承を得たうえで署名してもらうことで初めて担保が成立します。保証人本人が記入していなければ、この前提が崩れてしまいます。
代筆がバレたらどうなる?
「会社にはどうせ分からないのでは」と考えがちですが、印鑑証明書の添付を求める会社や、保証人へ直接連絡して確認する会社では発覚することがあります。とくに印鑑証明書は「保証人が実在の人物か」を会社が確認するための書類で、金銭・貴重品を扱う仕事ほど身元保証の確認は厳しくなりがちです。必ずバレるとは言い切れませんが、リスクの大きさを踏まえて判断すべきです。
万一、代筆が発覚した場合に起こりうるのは次のような事態です。たとえ刑事事件にまで至らなくても、「書類を偽った人」という印象は採用後の信頼関係に長く影を落とします。
- 提出書類に虚偽があったとして、内定取消や入社後の信頼失墜につながる
- 保証契約が無効なため、改めて保証人本人の直筆で出し直しを求められる
- 悪質と判断されれば、有印私文書偽造として刑事上の問題になり得る
急いで代筆して出すよりも、「保証人の都合で提出が少し遅れます」と一報を入れて正しく直筆をもらうほうが、結果的に安全で印象も良いです。提出期限に間に合わないと感じたら、まず採用担当へ相談しましょう。
保証人が遠方・多忙でも直筆をもらう正攻法
身元保証人は父母など親族に頼むのが基本です。実家の親が遠方にいる、単身赴任で離れている、忙しくて会えない——こうした場合の正攻法は、用紙を実家に送って、保証人欄を本人に書いて押印してもらい、返信用封筒で送り返してもらうことです。代筆せずに直筆をもらうための、現実的で確実な方法です。手順は次のとおりです。
- 本人欄を自分で記入し、会社の指示(極度額・提出期限など)を確認しておく
- 印鑑証明書の提出も求められているか確認し、必要なら「実印での押印」と「印鑑証明書の同封」をセットで頼む(後から証明書だけ取りに行く二度手間を防ぐ)
- 身元保証書の原本に、記入箇所を付箋などで分かりやすく示す
- 返信用封筒(切手を貼り、自分の宛先を記入)を同封する
- 原本と返信用封筒を実家に郵送し、下のようなメール・LINEで何を書いてほしいかを伝える
- 返送された原本を会社へ提出する
郵送する時間も惜しいほど期限が迫っているなら、会社に「保証人が遠方のため返送に少し時間がかかる」と先に伝えて期限を相談します。直筆を待つための遅れであれば、ほとんどの会社は待ってくれます。誰に頼むか自体で迷っている場合は、保証人の選び方の記事も参考にしてください。

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押印の注意(本人と保証人で別の印・シャチハタ不可)
記入と並んで差し戻しの原因になりやすいのが押印です。とくに本人と保証人で同じ印鑑を使い回さないことに注意してください。同居・同姓の親子でも、本人欄は自分の印、保証人欄は保証人の印と、別々の印鑑で押します。同じ印だと、本人と保証人が別人であることを確認できず、差し戻しの原因になります。
- シャチハタは不可:インクが内蔵されたゴム印は正式書類に使えません。朱肉を使う認印(三文判で可)を用意します。
- 通常は認印で足りる:多くの会社は認印で問題ありません。ただし印鑑証明書の添付を求める会社では、保証人に実印を押してもらい、印鑑証明書も一緒に返送してもらいます。
- 本人と保証人で別印:家族で同じ三文判を共有している場合は、別の印鑑を2つ用意します。

郵送で頼むときは、添えるメッセージに「朱肉の認印でOK(シャチハタは不可)」「印鑑証明が必要だから実印で」など、どの印で押してほしいかを明記しておくと、押し直しの往復を防げます。
保証人が書き間違えたときは、修正テープ・修正液は使わず、書き直すのが原則です。身元保証書は契約書にあたり、修正跡があると効力に疑義が生じて差し戻されやすいためです。用紙が1枚しかないなど書き直せない場合は会社に確認のうえ、誤った箇所に二重線を引き、押印欄と同じ印鑑で訂正印を押してもらいます。
それでも保証人を用意できないときは
郵送でも頼める相手が見つからない、頼める親族がいない——そんなときも、代筆や架空の名前で乗り切ろうとせず、まず会社に正直に相談するのが正解です。多くの会社は事情を踏まえて、保証人1名でよい・別の親族でよいといった柔軟な対応をしてくれます。
保証人代行サービスという選択肢もありますが、会社に無断で使うと虚偽の申告とみなされるため、利用するなら必ず会社の了承を得てからにします。頼める人がいないときの選択肢と相談の仕方は、専用の記事で詳しく扱っています。

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身元保証書の保証人がいない・頼める人がいないときの対処法。まず会社が求める人数・条件を確認すれば用意できる範囲で済むことも多く、それでも頼める人がいないときの会社への相談、親以外の親族や知人、身元保証人代行サービスの相場(3年27,500円〜・5年49,500円前後)・悪質業者のリスク・会社の了承の取り方までまとめました。
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会社所定の様式が手元になかったり紛失したりした場合は、TEMPLEXの身元保証書テンプレートが使えます。極度額・保証期間の欄を備えた改正民法対応の様式を、登録不要・無料でPDFダウンロードできます。本人欄を入力して印刷し、保証人欄は保証人本人に直筆で記入してもらってください。通常は会社の書式に記入して提出するため、まずは会社から届いた用紙を優先します。

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コラム著者・編集者
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