休職届・休職願の期間の書き方|2週間・1ヶ月・3ヶ月・延長と上限の決まり方

本記事を読む前に
本記事は会社書類に書く期間の決め方・更新手続きを解説するものです。療養期間の医学的判断は必ず医師にご相談ください。休職可能な期間の上限は会社の就業規則によって大きく異なるため、最終的には自社規程と人事担当者の指示に従ってください。
休職期間を決める3つの軸
休職届・休職願に書く期間は、3つの軸の組み合わせで決まります。本人の希望だけで自由に決められるものではなく、医師判断と会社規程の整合が必要です。
- 医師の判断(療養期間) ─ 主治医が「○か月の休養が必要」と診断書に記載する期間
- 会社の就業規則上の上限 ─ 勤続年数別の休職可能期間(後述)
- 本人の希望と業務状況 ─ 引き継ぎ完了予定、復職目標時期
①と②の交わる範囲で休職期間を設定します。医師が「6か月必要」と判断しても、就業規則で「勤続3年未満は3か月まで」と定められていれば、3か月が上限です。期間が足りない場合は、後述の延長手続きで対応します。
法的な期間の上限はない|就業規則がすべて
労働基準法(昭和22年法律第49号)・労働契約法(平成19年法律第128号)には休職期間の上限に関する規定がありません。条文はe-Gov 法令検索から確認できます。休職制度自体が会社の任意制度のため、期間も就業規則で個別に定められています。実態としては次のような期間設定が一般的です。
| 休職期間 | 採用企業の傾向 | 傷病手当金との関係 |
|---|---|---|
| 3か月 | 中小企業・勤続年数の浅い社員に多い | 傷病手当金の支給範囲内 |
| 6か月 | 標準的な期間。多くの企業で採用 | 傷病手当金の支給範囲内 |
| 1年 | 中堅以上の社員、または規模の大きい企業 | 傷病手当金の支給範囲内 |
| 1年6か月 | 傷病手当金の最長支給期間と一致 | 上限到達時に保険給付終了 |
| 2年 | 大手企業・公務員・組合のある会社に多い | 傷病手当金支給期間(1年6か月)を超える部分は無給 |
| 3年以上 | 大手・公務員などごく一部 | 同上 |
休職期間として最も多いのは「半年〜1年」で全体の約2割、約75%が2年以内。
勤続年数によって変わる休職期間
多くの会社は「勤続年数が長いほど長く休職できる」という段階的なルールを採用しています。代表的な例は次のようなパターンです(あくまで一例で会社により異なります)。
「同一傷病の通算規定」がある会社では、いったん復職して再発した場合、前回の休職期間と通算されます。たとえば「半年休職→1か月復職→再発」だと、残り半年しか休職できないケースがあります。
傷病手当金との連動|最長1年6か月
私傷病で休職する場合、健康保険法(大正11年法律第70号)第99条に基づき、健康保険から「傷病手当金」が支給されます(全国健康保険協会(協会けんぽ)の解説ページ参照)。支給期間は支給開始日から通算1年6か月で、これが事実上の経済面での上限になります。
- 支給条件 ─ ①業務外の傷病、②療養のため労務不能、③連続する3日間(待期期間)を含み4日以上の休業、④休業期間中に給与の支給がない(一部給与がある場合は減額調整)
- 支給額 ─ 1日あたり 直近12か月の標準報酬月額の平均÷30×2/3(おおむね給与日額の3分の2程度)
- 支給期間 ─ 通算1年6か月(令和4年1月以降は支給開始日から1年6か月の通算期間)
- 申請先 ─ 加入する健康保険組合または全国健康保険協会(協会けんぽ)
退職しても傷病手当金は受け取れる場合があります(健康保険法第104条「資格喪失後の継続給付」)。①退職日までに健康保険の被保険者期間が継続して1年以上ある、②退職日に傷病手当金の支給を受けている、または受けられる状態にある(労務不能で出勤していない)、という条件を満たせば、退職後も残りの期間(通算1年6か月まで)の受給が可能です。休職期間満了で退職するケースでも、要件を満たせば在職中と同様に給付が継続します。詳細は加入している健康保険組合または全国健康保険協会(協会けんぽ)の公式情報をご確認ください。
傷病手当金の最新情報(支給額計算の詳細・申請書様式など)は、必ず加入している健康保険組合または全国健康保険協会の公式情報をご確認ください。
休職届に書く期間の書き方
期間は「開始日」と「終了予定日」を必ず両方書きます。「当面」「しばらく」「未定」は差し戻しの典型例です。診断書の休養期間と一致させるのが基本です。
- OK:「令和○年○月○日から令和○年○月○日まで(○か月間)」
- OK:「令和○年○月○日から令和○年○月○日まで(医師の診断により○か月間の休養を要するため)」
- NG:「○月○日から当面の間」
- NG:「医師の指示により」(具体的日付なし)
- NG:「無期限」「未定」
期間の長さ別の判断ポイント
2週間〜1か月
心療内科・精神科の初診で出されることが多い期間です。「まずは2週間休んで様子を見ましょう」というケース。短期間のため、引き継ぎは最小限で済むことが多く、欠勤扱いとの境目になりやすいです。
1か月〜3か月
回復に一定の時間が必要と判断された場合の標準期間。多くの就業規則の最初の段階に該当します。引き継ぎを行い、復職時期の目安が立つ状態です。
3か月〜6か月
中長期療養として一般的な期間。傷病手当金が安定して支給される範囲。職場では正式な業務再分配や代替要員の手配が行われます。
6か月〜1年
長期療養。多くの就業規則で「中堅以上の社員」が利用できる期間。復職時には段階的復職プログラム・産業医面談などが組まれることが多いです。
1年6か月(傷病手当金の上限)
傷病手当金の最長支給期間。これを超えると経済的支援が止まるため、復職または別制度(障害年金・退職)への移行を判断する重要なタイミングです。
1年6か月を超える長期
大手企業・公務員でみられる長期休職。給与・手当はほぼ全期間無給になりますが、健康保険・厚生年金は継続加入が一般的(保険料の本人負担分は別途支払)。
休職期間を延長したいとき
当初の休職期間内に復職できない場合、延長手続きを行います。多くの会社では「満了日の○日前(一般に2週間〜1か月前)までに延長を申し出ること」と就業規則で定めており、診断書の追加提出が必要です。
- 延長が必要そうと判断したら早めに上司・人事に相談
- 主治医に「休職延長のための診断書」を依頼
- 就業規則で延長申出期限を確認(満了2週間前〜1か月前が一般的)
- 休職延長願(または新たな休職届)を作成
- 延長後の終了予定日を明記し、診断書を添付して提出
- 会社・産業医が延長を判定し、新しい休職期間が確定
延長は無制限ではなく、就業規則の上限期間内で行います。上限に達した場合、復職するか、休職期間満了による退職(自然退職)となるかの判断が求められます。詳しくは別記事「理由別例文」内の「休職期間満了で退職するケース」を参照してください。
休職届・休職願
休職届・休職願の理由別例文10選|病気・うつ・介護・育児・期間満了で退職する場合の書き方
復職時に期間が残っていたら
予定より早く回復し、休職期間内に復職できる場合は、主治医の「就労可能」の診断書を提出して復職手続きに進みます。
- 主治医から「復職可能」の診断書を取得
- 会社の人事・産業医に提出し、復職判定面談
- 段階的復職(時短・業務軽減)の計画を会社と合意
- 復職日を確定
出典:厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(改訂版)。同手引きでは、5つのステップ(病気休業開始→主治医の復職可診断→職場復帰可否判断→職場復帰支援プラン作成→正式復職)が示されています。手引きの本文は厚生労働省のメンタルヘルス対策ポータル「こころの耳」や厚労省サイトから入手可能です。詳細は産業医・人事部にご相談ください。
出典・参考資料
本記事で参照している主な法令・公的資料は次の通りです(一次情報の確認にご利用ください)。
- 健康保険法(大正11年法律第70号)─ 第99条「傷病手当金」、第104条「資格喪失後の継続給付」
- 労働基準法(昭和22年法律第49号)/労働契約法(平成19年法律第128号)─ 休職期間の上限規定はなし
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)公式サイト ─ 傷病手当金の支給条件・申請書様式
- 厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(改訂版)─ 復職5ステップ
- 独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)「メンタルヘルス、私傷病などの治療と職業生活の両立支援に関する調査」─ 休職期間の実態統計
法令の最新条文はe-Gov 法令検索、傷病手当金に関する公的解説は全国健康保険協会、メンタルヘルス・職場復帰関連の公的情報は厚生労働省「こころの耳」から確認できます。
コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。








