香典返しに商品券を贈る時の挨拶状の書き方と例文|マナーと文例集

香典返しに商品券を贈ってもいい?(最近の傾向と注意点)
香典返しに商品券・ギフトカード・カタログギフトを贈ることは、現在ではマナー違反ではなくなってきました。商品券を扱う各社が弔事用の掛け紙や包装を用意しているのも、その流れを示しています。受け取った方が自分で選べる利便性から、近年は香典返しの選択肢として広く受け入れられています。
ただし、目上の方やご年配の方には今でも避けるのが無難という考え方が残っています。商品券は金額が明示されており、「現金を突き返された」と感じる方もいらっしゃるためです。贈る相手との関係性で判断するのが現代の主流ですが、目上の方に送る場合は本記事の「目上の方への配慮版」セクション(より控えめな表現と品物との組み合わせ方)を必ずご確認ください。
- 近しい身内・若い世代・友人 → 商品券単体でも問題ないことが多い
- 目上の方・年配の方・取引先 → 商品券単体は避け、品物とセットにするかカタログギフトに切り替える
- 格式を重んじる方・冠婚葬祭の習慣を重視する方 → 商品券は避けて消えもの(食品・タオル等)を選ぶ
商品券だけを贈ることに抵抗があれば、お米・お茶・タオルなど消えものや日用品と組み合わせると、印象がぐっと丁寧になります。挨拶状を添えれば「形だけで済ませた」と思われる心配もありません。
挨拶状で商品券を「商品券」と書かないコツ
香典返しに商品券を添える場合、挨拶状の本文には「商品券を同封いたしました」「ギフトカードをお贈りします」のような直接的な表現は書きません。金額を連想させない、やわらかい言い方に置き換えるのが伝統的なマナーです。
言い換えのパターン
| 直接的な表現(NG) | 言い換え(OK) |
|---|---|
| 商品券を同封いたしました | 心ばかりの品をお届け申し上げます |
| ギフトカードをお贈りいたします | 偲び草のしるしまでにお礼の品をお贈り申し上げます |
| 商品券○○円分を | ささやかな品ではございますが |
| JCBギフトカードをお送りします | 日常お役立ていただけるものをご用意いたしました |
| カタログギフトをお贈りします | 別便にてお礼のしるしをお届け申し上げます |
「商品券」「ギフトカード」「金券」といった商品名や、金額に直結する言葉は本文から外します。代わりに、由来として古くから使われる「偲び草」「心ばかり」「お礼のしるし」「ささやかな品」といった表現で受け取り手にお渡しする形にします。
使いやすい定型フレーズ
- 偲び草のしるしまでに 心ばかりのお礼の品をお贈り申し上げます
- 感謝のしるしまでに ささやかな品をお送り申し上げます
- つきましては 日常お役立ていただけるものをご用意いたしましたので ご受納賜りますようお願い申し上げます
- 心ばかりの品を別便にてお届け申し上げますので 何卒ご受納くださいますようお願い申し上げます
弔事の挨拶状では句読点を打たないのが古くからの慣例です。文の切れ目は全角スペースか改行で表します。「葬儀や法要が滞りなく流れますように」という意味合いに由来する伝統的な書式です。
仏式・商品券同封の挨拶状(七七日忌/四十九日)
仏式は忌明けの七七日忌(四十九日)法要のあと、おおむね一ヶ月以内に挨拶状を添えて香典返しを送るのが目安です。本文は故人の名前・お香典への御礼・忌明け法要のご報告・お礼の品のご案内・差出人の順で組み立てます。

「亡父」「亡母」のあとに故人の俗名(フルネーム)を入れ、「儀」を続けます。会葬礼状と同じく戒名は本文に記載しないのが一般的です。差出月は挨拶状を発送する月を漢数字で書き、続けて喪主のフルネームを入れます。
浄土真宗(満中陰志)+商品券の挨拶状
浄土真宗では「往生即成仏」の教えに基づき、香典返しでは関西を中心に「満中陰志(まんちゅういんし)」「中陰志」の表書きが使われます。本文では「冥福を祈る」「霊前」「冥途」など、まだ仏になっていない・行き先が定まらない前提の表現を用いません。代わりに「ご厚志」「ご芳志」「往生」「仏前」「お念仏」を使います。
- 忌明けの呼称は「七七日忌」より「満中陰」を選ぶ
- 「冥福」「霊前」「冥途」「草葉の陰」は使わない
- 表書きは「満中陰志」「中陰志」が一般的(関西では「粗供養」も)
- 「成仏」自体は教えとして肯定されるが「成仏を祈る/成仏してほしい」のように願う表現は避ける
浄土真宗の挨拶状で「ご冥福をお祈りいただき」「霊前にお供えいただき」と書いてしまうのは典型的な誤りです。受け取り側は気にしないことも多いですが、寺院の住職や宗派を重視する親族には違和感を持たれます。
神式(五十日祭)+商品券の挨拶状
神式では忌明けにあたる五十日祭を終えてから、おおむね一ヶ月以内に香典返しを贈ります。「玉串料」「御神前」「帰幽(きゆう)」など神道特有の用語を使い、「供養」「冥福」「成仏」など仏式の表現は用いません。表書きは「偲び草」「志」が一般的です。
- 亡くなったことは「帰幽」、忌明けは「五十日祭」
- 香典に相当するものは「玉串料」「御榊料」「神饌料」
- 「供養」「冥福」「成仏」「往生」は使わない
- 戒名はないため、本文では俗名(フルネーム)で記載する
キリスト教式+商品券の挨拶状
キリスト教式では仏式・神式のような厳密な忌明けの概念はありませんが、亡くなって1ヶ月後の記念日に合わせて挨拶状と返礼の品を送る慣習が広まっています。プロテスタントは「召天」「召天記念日」、カトリックは「帰天」「追悼ミサ」と用語が異なるため、教派を確認してから本文を用意します。表書きは「召天記念」「偲び草」が一般的です。
- プロテスタント → 「召天」「召天記念日」「召天記念礼拝」
- カトリック → 「帰天」「追悼ミサ」
- 香典に相当するものは「お花料」
- 本文に「ご冥福」「成仏」は使わない(代わりに「感謝」「ご厚志」を用いる)
カトリックの場合は「召天」を「帰天」に、「召天記念礼拝」を「追悼ミサ」に置き換えれば、ほぼそのまま使えます。教派が分からない場合は、教会名や故人のお付き合いから確認してから本文を確定させてください。
カタログギフト・QUOカード・金券での文面差
返礼の中身が「カタログギフト」「QUOカード」「全国共通の金券」のいずれかで、本文の言い回しが少し変わります。基本構成は同じですが、由来として「お選びいただけるもの」「日常お役立ていただけるもの」を使い分けると、相手に渡る品物の特性とずれません。
| 返礼の中身 | 本文での言い換え | 向いている相手 |
|---|---|---|
| カタログギフト | 「お好みの品をお選びいただけるもの」「ご都合に合わせてお選びいただけますものを」 | 幅広く(年代・性別を問わない) |
| 商品券・百貨店共通券 | 「日常お役立ていただけるもの」「心ばかりのお礼の品」 | 近しい身内・若い世代・友人 |
| QUOカード・コンビニ系金券 | 「日常お役立ていただけるもの」「ささやかな品」 | 若い世代・職場の同僚 |
| JCBギフトカード等の汎用ギフト券 | 「心ばかりの品」「偲び草のしるし」 | 汎用(目上には品物と組み合わせる) |
カタログギフトは金額が一目では分からないため、目上の方への香典返しでも採用されやすい選択肢です。挨拶状の中で「カタログギフト」と商品名を出す必要はなく、「お選びいただけますものを」と書けば十分に伝わります。
目上の方への配慮版(より控えめな表現)
上司・取引先・年長の親族など、目上の方に商品券を贈る場合は、より控えめなトーンで本文を整えます。商品券を単体で送ることはなるべく避け、お米・お茶・タオルなど消えもの・日用品とのセットにすると印象がやわらぎます。本文では「商品券」を匂わせる表現も避け、「ささやかな品」「心ばかりの品」に留めるのが安心です。
- 差出人の謙譲を強める(「ささやかな」「心ばかりの」「不行届き」を添える)
- 拝眉できないことのお詫びを必ず入れる
- 「お納めください」より「ご受納賜りますよう」と一段丁寧に
- 商品券を単体で贈る場合も、本文では一切「商品券」と書かない
目上の方にどうしても商品券単体で返したいという事情がある場合は、品物に直接同封せず、別封の挨拶状をきちんと添えるのが最低限のマナーです。それでも「現金を渡されたのと同じ」と受け取られるリスクは残るため、関係性によってはカタログギフトへの切り替えも検討してください。
包装・伝票の書き方(掛け紙・配送伝票・封筒)
商品券・カタログギフトを香典返しとして送る場合、包装と配送伝票にもマナーがあります。挨拶状だけ整えても、伝票や掛け紙に違和感があると印象が崩れるので、合わせて確認しておきます。
掛け紙(弔事用のし)
- 弔事では「のし」のないものを「掛け紙」と呼ぶ(右上の熨斗飾りがないもの)
- 水引は黒白か黄白の結び切り(関西・西日本では黄白が多い)
- 表書きは仏式「志」「満中陰志」「粗供養」、神式「偲び草」「志」、キリスト教式「召天記念」「偲び草」
- 水引の下に喪家の姓またはフルネームを楷書で入れる(四十九日前は薄墨、以後は濃墨)
配送伝票の品名
配送業者の伝票内容物欄には「香典返し」「忌明け」と直接書かないのが慣習です。「お茶」「タオル」「焼き菓子」「カタログギフト」など中身の具体的な品名か、「贈答品」と記載します。「内祝」は本来お祝い事(出産・結婚など)のお返しに使う慶事用の表現で、弔事の香典返しに使うのは絶対のマナー違反です(遺族からお祝いの品が届いたように見えてしまうため、受け取った方に大変な失礼にあたります)。なお「食品」「雑貨」のような曖昧な書き方ではなく具体的な品名を書いておくと、配送事故時の補償もスムーズになります。
- 差出人欄は喪主氏名(または喪家姓のみでも可)
- 差出人住所は喪主の現住所(葬儀会場ではなく自宅)
- 受取人欄は香典をくださった方の氏名(敬称は「様」)
- 品名欄は「お茶」「タオル」「焼き菓子」「カタログギフト」など具体的な品名か「贈答品」(「香典返し」「忌明け」「内祝」は不可)
挨拶状の封入と発送
- 二重封筒は「不幸が重なる」を連想させるため使わない(一重封筒)
- 封筒は白無地で郵便番号枠なしのものが正式
- ハガキで送る場合は弔事用の普通切手を貼る
- 品物に挨拶状を同梱できる場合は、掛け紙の上に挨拶状を重ねて包装する
商品券・ギフトカードを単体で郵送する場合は、紛失防止のため簡易書留(基本料金+350円程度)または一般書留での発送が推奨されます。普通郵便ではポスト投函扱いになり、相手に届かないリスクがあります。なお挨拶状は法律上「信書(手紙)」にあたるため、一般的な宅配便(宅急便など)では商品券と同封できないケースがあります。郵便の簡易書留であれば、商品券と挨拶状を一緒に同封して送れるため、信書ルールの観点からも推奨される発送方法です。
香典返しの挨拶状をPDFで作成する
TEMPLEX の香典お礼状テンプレートは、仏式(七七日忌・満中陰志)・神式(五十日祭)・キリスト教式(召天記念日・追悼ミサ)の文例プリセットを揃えています。フォームに故人名・差出月・喪主氏名を入力すれば、句読点なし・縦書きの正式な体裁でそのままPDF化できます。商品券・カタログギフトに添える挨拶状としても、文面を上記の言い換えに差し替えるだけでご利用いただけます。
- 宗派別の文例プリセットから選んで読み込み
- 本文クリックで自由に編集(フォントサイズ・揃え・薄墨対応)
- 縦書きハガキ・カード型のレイアウトで即PDF出力
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コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。








