注文請書を受け取ったらやること5つ|内容照合・収入印紙の確認から保管期間・電子帳簿保存法の対応まで解説

注文請書を受け取ったら確認すべき5つのこと
注文請書が届いたら、ファイリングする前にまず5つのポイントを確認します。ここで見落とすと、納品後に「言った・言わない」のトラブルになりかねません。
- 注文内容との一致確認 ── 品名・数量・仕様が注文書と合っているか
- 金額・納期の確認 ── 単価・合計額・消費税額・納品日に差異がないか
- 収入印紙の有無確認 ── 紙の請書で契約金額が1万円以上なら印紙が必要
- 社内承認・ファイリング ── 担当部署の承認を得たうえで注文書とセットで保管
- 受領連絡 ── 受け取った旨を相手に伝える(メール一本でOK)
最も重要なのは、自社が出した注文書の内容と注文請書を1項目ずつ照合することです。注文請書は受注者が「この条件で引き受けます」と意思表示する書類なので、ここで合意内容が確定します。食い違いがあるまま放置すると、納品後のトラブルの原因になります。
収入印紙の確認は、請負契約(制作・加工・工事・ソフトウェア開発など)の注文請書で、契約金額が1万円以上の場合に必要です。貼付義務は発行者(受注者)側にありますが、貼り忘れがあれば相手に連絡して対応を依頼します。なお、物品の売買のみの注文請書は課税文書に該当しないため、印紙は不要です(国税庁「物品販売の注文請書」)。
1万円以上かどうかの判定は、消費税額が明確に区分して記載されていれば税抜金額で判断できます。たとえば「本体価格 9,500円+消費税 950円」なら1万円未満で非課税、「合計 10,450円(税込)」と一括表記なら税込金額で判定され課税対象です。
受領連絡は法的義務ではありませんが、ビジネスマナーとして当日中に一報を入れるのが一般的です。「注文請書を受領しました。内容を確認し、問題ございません」程度の短いメールで十分です。
内容に問題があった場合の対処
注文請書の内容が注文書と食い違っていた場合は、発見した時点で速やかに受注者へ連絡してください。金額・納期・仕様のどこにどんな差異があるかを具体的に伝えるとスムーズです。
再発行を依頼する流れ
- 差異のある箇所を特定し、電話またはメールで受注者に連絡する
- 正しい条件を双方で再確認し、合意する
- 受注者に訂正済みの注文請書を再発行してもらう
- 再発行された請書を受領し、改めて照合・ファイリングする
注意点として、注文請書に勝手に修正を加えるのはNGです。請書は受注者が発行する書類なので、訂正が必要な場合は必ず受注者側で再発行してもらいます。やむを得ず書面上で訂正する場合は、二重線と訂正印で対応しますが、原則は再発行が確実です。
口頭やメールだけで条件変更を済ませてしまい、書面を再発行しないケースがトラブルの典型です。条件が変わったら必ず書面(注文書+注文請書)をセットで作り直すことで、あとから「聞いていない」という事態を防げます。
保管方法と保管期間
注文請書は取引の証拠書類として一定期間の保管が義務づけられています。保管期間は法人か個人事業主かで異なります。
| 区分 | 原則の保管期間 | 備考 |
|---|---|---|
| 法人 | 7年(最長10年) | 欠損金が生じた事業年度は10年保存が必要 |
| 個人事業主 | 5年(課税事業者は7年) | 消費税の課税事業者に該当する場合は7年 |
法人の場合、法人税法施行規則により帳簿書類の保存期間は原則7年です。ただし欠損金(赤字)が生じた事業年度については10年の保存が求められます。個人事業主は所得税法上5年ですが、消費税の課税事業者であれば消費税法により7年の保存が必要です。
紙の注文請書の保管ポイント
- 注文書とセットでファイリングし、案件ごとに時系列で整理する
- 原本を保管する(コピーではなく収入印紙が貼付された原本)
- 保管期間が満了するまで廃棄しない
電子データで受け取った場合
注文請書をPDFやメール添付など電子データで受け取った場合、2024年1月以降は電子データのまま保存することが義務です(電子帳簿保存法・電子取引データ保存の義務化)。紙に印刷して保管する方法は原則として認められなくなりました。
電子保存の要件
- 改ざん防止措置 ── タイムスタンプの付与、または訂正・削除の履歴が残るシステムでの保存
- 検索要件 ── 「取引年月日」「取引金額」「取引先」の3項目で検索できる状態にする
- 見読性の確保 ── ディスプレイやプリンタで速やかに確認・出力できること
なお、前々年の売上高が5,000万円以下の事業者は、税務調査時にダウンロードの求めに応じられる体制があれば検索要件が不要になる緩和措置があります。
電子データなら印紙税は不要
電子データでやり取りした注文請書には収入印紙は不要です。印紙税法は「文書」に課税するものであり、電磁的記録は課税文書に該当しないためです。国税庁もメール送信やPDF交付による注文請書は印紙税の課税対象外であるとの見解を示しています。ただし、電子で受け取ったものを紙に印刷して「原本」として保管した場合は課税対象になる可能性があるため注意してください。
コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。








