「拝啓」を使うビジネスお礼状はどんなときに必要か
ビジネスお礼状は、取引先・お客様・お世話になった方に対して、書面で感謝を伝える正式な挨拶状です。メールでも感謝は伝えられますが、書面で送ることで「形式を整えて誠意を示している」ことが伝わり、信頼関係の構築や深耕につながります。
- 取引先を訪問させていただいた後(商談・打ち合わせ・工場見学など)
- 新規受注・契約をいただいた直後
- お中元・お歳暮・贈答品をいただいたとき
- 接待・会食でご招待を受けたとき
- プロジェクト完了・納品が無事に終わったとき
- 他社・他部門の方をご紹介いただいたとき
- セミナー講師・講演者をお願いした方へ
- 退職・異動・転任のご挨拶として
送付タイミングの目安は、書面のお礼状なら「翌日〜3日以内」、メールでのお礼なら「当日〜24時間以内」が原則です。書面を送るまで時間がかかる場合は、まずメールで第一報のお礼を入れ、後日改めて封書を送る二段構えが現代の標準です。
拝啓を使ったお礼状の基本構成
拝啓〜敬具を使ったお礼状は、以下の5要素で組み立てます。短くまとめてもよいので、感謝の具体的な内容を必ず一文添えるのがコツです。
- 頭語「拝啓」+時候の挨拶+安否の挨拶(前文)
- 「さて、このたびは」「先日は」など起こし言葉から具体的なお礼(主文)
- 感謝の理由・印象に残った具体的なエピソード(主文)
- 今後のお付き合い・相手の繁栄を願う言葉(末文)
- 「まずは略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます」+結語「敬具」(末文)
拝啓 ○○の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、先日は○○の件で大変お世話になり、誠にありがとうございました。
(具体的なエピソード・感謝の理由)
今後とも変わらぬお引き立てを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
まずは略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
ビジネスお礼状の基本テンプレート「略儀ながら書中にて御礼申し上げます」は、「本来であれば直接お会いしてお礼を申し上げるべきところ、書面で代えさせていただきます」という詫びと感謝を合わせた定型句です。お礼状の結びには必ず入れたい一文です。
訪問・打ち合わせ後のお礼状
取引先を訪問した翌日〜3日以内に送るお礼状です。具体的な話題に触れることで、定型文でない誠意ある印象になります。
拝啓 ○○の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、先日はご多忙のところ、貴重なお時間を頂戴し、誠にありがとうございました。
○○についてのお話を伺い、大変勉強になりました。
ご教示いただいた内容を踏まえ、改めてご提案書をお持ちいたしますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
まずは略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
訪問・打ち合わせ後のお礼状拝啓 ○○の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
さて、先般は○○工場見学の機会を賜り、誠にありがとうございました。
貴社の徹底した品質管理体制と、現場の皆様の高い意識に深く感銘を受けました。
今後の弊社業務にも活かしてまいりたく存じます。
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、お願い申し上げます。
略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
受注・契約成立のお礼状
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびは弊社○○サービスをご採用いただき、誠にありがとうございます。
ご期待に沿えるよう、社員一同全力で対応してまいります。
ご不明な点・ご要望がございましたら、いつでもお気軽にお申し付けください。
今後とも末永いお付き合いのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
まずは略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
拝啓 ○○の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
さて、このたびは○○プロジェクトにおきまして、最後まで多大なるご支援とご協力を賜り、誠にありがとうございました。
おかげさまで無事に納品まで漕ぎ着けることができました。
貴社のご助言とお力添えなくしては成し遂げられない仕事でございました。
今後とも変わらぬお引き立てを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
贈答品・お中元・お歳暮のお礼状
拝啓 盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたびは結構なお品をお贈りいただき、誠にありがとうございました。
社員一同、ありがたく頂戴いたしました。
いつもながらのお心遣いに、深く感謝申し上げます。
暑さ厳しき折、皆様のご健勝とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
まずは略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
拝啓 師走の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
本年も格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
さて、このたびは結構なお歳暮の品をお贈りいただき、心より御礼申し上げます。
皆様のお心遣いに深く感謝申し上げますとともに、社員一同ありがたく頂戴いたしました。
本年も残すところわずかとなりましたが、来る年も変わらぬお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。
略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご厚誼を賜り、心より御礼申し上げます。
さて、このたびは結構なお品をご恵贈賜り、誠にありがとうございました。
ご厚志に深く感謝申し上げます。
社員一同ありがたく頂戴いたしました。
今後とも変わらぬお引き立てのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
まずは略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
接待・会食のお礼状
拝啓 ○○の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、先日はご多忙のところ、お心のこもったお席にお招きいただき、誠にありがとうございました。
お話を伺いながらの食事は格別のひとときで、これからのお付き合いへの思いを新たにいたしました。
お気遣いに重ねて御礼申し上げます。
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
まずは略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
拝啓 ○○の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
さて、先日はご丁重なおもてなしをいただき、誠にありがとうございました。
美味しいお料理と楽しいお話に、すっかりお時間を忘れてしまいました。
ご厚意に重ねて感謝申し上げます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
紹介・推薦をいただいたお礼状
拝啓 ○○の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、先般は○○株式会社様をご紹介賜り、誠にありがとうございました。
早速ご連絡をさせていただき、お打ち合わせの機会をいただくこととなりました。
貴社のお口添えのおかげと、心より感謝しております。
ご紹介いただいた信頼にお応えできるよう、誠心誠意対応してまいります。
まずは略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
拝啓 ○○の候、ますますご活躍のこととお慶び申し上げます。
さて、先日は弊社主催の○○セミナーにて、ご多忙のところご講演を賜り、誠にありがとうございました。
参加者からは「実務に直結する貴重なお話だった」と多数の感想が寄せられ、大変好評を頂戴いたしました。
先生のお力添えのおかげで、有意義な会となりましたことを心より感謝申し上げます。
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、お願い申し上げます。
まずは略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
退職・異動の挨拶状(お礼を兼ねる)
拝啓 ○○の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、私こと、このたび一身上の都合により、○○年○月○日をもちまして△△株式会社を退職することとなりました。
在職中は、貴社よりひとかたならぬご厚誼を賜り、誠にありがとうございました。
お取引を通じて学ばせていただいた経験は、私にとってかけがえのない財産となっております。
なお、後任は同部署の○○ ○○が務めさせていただきます。
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、お願い申し上げます。
敬具
拝啓 ○○の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
さて、私こと、このたび社内異動により、○○年○月○日付で○○部より○○部へ転任いたすこととなりました。
在任中は、貴社より格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございました。
後任は同部署の○○ ○○が務めさせていただきます。
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
まずは略儀ながら書中をもちまして御挨拶申し上げます。
敬具
手紙とメール、どちらで送るべきか
「拝啓」を使うお礼状は、原則として書面(封書)で送るのが最も丁寧です。一方、スピード感を重視する場合や、相手と日常的にメールでやりとりしている場合はメールでも問題ありません。両方を使い分ける、または併用するのが現代的な選択です。
- 封書・縦書き — 役員・社長・年配の方など最も改まった相手へ
- 封書・横書き — 一般的なビジネス相手・PCで作成して印刷する場合
- ハガキ — 軽いお礼・略式の挨拶(ビジネスでは封書のほうが無難)
- メール — 即日のお礼・日常のやりとりの延長として
- 併用パターン — まずメールで即日のお礼、後日改めて封書で正式なお礼状
金額の大きい受注、長期プロジェクトの完了、贈答品など「特別な感謝を伝えたい場面」では、メールだけで済ませず封書のお礼状を送るのが信頼関係の深耕につながります。
ビジネスお礼状でやりがちな誤り
- 拝啓だけ書いて敬具を書き忘れる — 必ずペアで使う
- 「とり急ぎお礼まで」と結ぶ — 略式すぎる。「まずは略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます」が大人の表現
- 「お礼を申し述べさせていただきます」と二重敬語 — 「お礼申し上げます」で十分
- 感謝の理由が定型文だけで具体性がない — 印象に残った話題やエピソードを必ず1つ入れる
- 送るタイミングが遅すぎる — 書面は3日以内、メールは24時間以内が原則
- メールで「拝啓〜敬具」を入れる — メールでは原則使わない(書面の代替時のみ)
- 「貴社」と「御社」を混用する — 文書では「貴社」
- 「お体ご自愛ください」と書く — 「ご自愛」に「お体」の意が含まれるので二重表現
1週間以上遅れてしまったお礼状を送る場合は、書き出しに「お礼が遅くなりましたこと、心よりお詫び申し上げます」と添えると角が立ちません。
送付前のチェックリスト
- 受領・訪問から3日以内に送れるか
- 拝啓〜敬具のペアで書いたか
- 時候の挨拶は今の季節と合っているか
- 感謝の具体的な理由・エピソードを1つ以上入れたか
- 「略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます」を末文に入れたか
- 宛名の社名・部署名・氏名に誤字はないか
- 差出人の連絡先は正しいか
- 便箋・封筒の格式は相手にふさわしいか
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