見積書は手書きでもいい?|手書きの書き方・用紙と効率化のコツ

見積書は手書きでもいい?|手書きの書き方・用紙と効率化のコツ

見積書は手書きでも有効

結論から言うと、見積書は手書きで作っても問題ありません。見積書には法律で定められた様式や作成方法の決まりがないため、必要な項目さえ正しく書かれていれば、手書きでもパソコンで作ったものと同じように正式な見積書として通用します。

少額の取引、急いでその場で渡したいとき、訪問先で対応するときなどは、手書きのほうが早いこともあります。印鑑も手書きだから特別に必要になるわけではなく、押すなら会社の角印や個人の認印で十分です。ただし変色・劣化のリスクがあり、同じ印影が大量にあることから、インク浸透印(シャチハタ等)は公式書類では避けるのが無難で、朱肉を使う印鑑を選びます。印鑑の選び方は 見積書に押す印鑑 で、個人事業主・フリーランスが屋号や個人名で発行する書き方は 個人事業主・フリーランスの見積書 にまとめています。

ただし「手書きだから簡単に書いていい」わけではありません。金額や数字を間違えない・改ざんされない書き方を押さえる必要があり、件数が増えると手間や管理の面でデメリットも出てきます。以下で順に見ていきます。

手書きで書くときの項目と注意点

手書きでも、書く項目はパソコン作成と同じです。宛先・発行日・見積金額・明細・有効期限 と発行者情報(会社名・住所・連絡先)を漏れなく記入します。各項目の詳しい書き方は 見積書の書き方 を参照してください。ここでは手書きならではの注意点だけを取り上げます。

金額は改ざんされない書き方にする

手書きで最も気をつけたいのが金額欄です。あとから数字を書き足されないよう、金額の頭には「¥」または「金」を付け、3桁ごとにカンマ(,)を打ち、末尾に「-」(ハイフン)や「也」「※」を付けるのが基本です。「¥」を使うなら「¥120,000-」、「円」で書くなら「金120,000円也」のように書きます。

  • 頭に「¥」「金」 — 数字の前に「1」やゼロを書き足されるのを防ぐ
  • 3桁ごとのカンマ — 桁を一目で読めるようにし、桁の追加を防ぐ(例:1,200,000)
  • 末尾に「-」「也」「※」 — 数字を後ろに付け足せないようにする
  • 数字の前後に余白を作らない — 右詰めで書き、空いたスペースには斜線を引いて埋める
改善されにくい見積書の金額表記の例
改善されにくい見積書の金額表記の例

筆記具は黒のボールペンか万年筆を使い、鉛筆や消せるペン(フリクション等)は使いません。消せる筆記具は内容が消えたり改ざんされたりするおそれがあるためです。ボールペンなら、水濡れで滲む水性インクより、油性やゲルインクのものが滲みにくく安心です。金額が大きく改ざんが心配なときは、「壱・弐・参・拾・萬」などの大字(だいじ/画数の多い漢数字)で書くとさらに安全です。

書き間違えたら修正液は使わず書き直す

書き損じたときは、修正液・修正テープは使いません。あとから書き換えたと疑われるためです。渡す前に気づいたら、その用紙は書損として控えに残し、新しい用紙に書き直すのが基本です。相手に渡したあとで誤りが分かった場合は、まず連絡を入れ、訂正した見積書を改めて渡します。

その場でどうしても直す必要があるときに限り、間違えた箇所に二重線を引いて訂正印を押し、正しい内容を書く方法もあります。ただし金額は二重線での訂正は避け、書き直すのが安全です。後日あらためて正式な見積書を出し直しましょう。

用紙の選び方|市販の見積書綴り・複写式

用紙に決まりはなく、項目さえ満たせば無地のコピー用紙でも有効です。ただし実務では、文具店や100円ショップ、通販で売っている市販の見積書用紙(見積書綴り)を使うのが手軽です。金額・明細・有効期限などの記入欄があらかじめ印刷されているので、項目の書き忘れが起きにくいのが利点です。

手書きで作るなら、控えが手元に残る複写式(2枚綴り)を選ぶのがおすすめです。1枚目を相手に渡し、2枚目が自社控えとして残ります。複写の主流は、用紙そのものに筆圧で写るノーカーボン式(NCR紙)で、手やインクが汚れず使いやすいタイプです。しっかり写るよう、細字より中字以上のボールペンで強めに書きます。

  • 単票(1枚もの) — 控えが残らないため、発行時にコピーや写真で記録するか、控え用にもう1枚書く手間がかかる
  • 2枚複写(控え付き) — 相手用と自社控えが同時に作れる。日常の手書き運用はこれで十分
  • 無地の用紙 — 項目欄を自分で配置する必要があり、書き忘れや控えの取り忘れに注意

見積書の控えにも保存義務があります(法人は原則7年、個人事業主は原則5年)。複写式なら控えが自然に残るので保管がラクです。単票や無地の用紙を使うときは、渡す前に必ずコピーや写真で控えを残しておきましょう

手書きのデメリット

手書きは手軽な一方で、見積書を繰り返し作る場面では次のような弱点があります。1件だけ・少額・急ぎなら手書き、件数が多いならパソコン、と使い分けるのが現実的です。

  • 計算ミスが起きやすい — 「数量×単価」や小計・消費税・合計を手で計算するため、桁ずれや足し忘れが発生しやすい。インボイス制度では消費税の端数処理を一つの適格請求書につき税率ごとに1回に行うルール(国税庁)があり、手計算はいっそう間違えやすい。出した金額の責任はそのまま発行者に残る
  • 控えの管理が手間 — 単票だと控えを別に残す必要があり、紙の保管・検索も手間がかかる
  • 再利用・修正がしにくい — 似た見積りでも毎回ゼロから書き直し。1か所間違えると用紙ごと書き直しになる
  • 見た目が整いにくい — 文字の崩れや行のずれで印象が左右される。金額の大きい取引では特に気になる

とくに消費税や合計の計算ミスは、そのまま請求トラブルにつながりやすいので注意が必要です。金額が大きい取引や、同じ取引先に何度も出す見積りは、計算を自動化できる手段に切り替えたほうが安全です。消費税の書き方や端数処理の詳しいルールは 見積書と消費税の書き方 で解説しています。

効率化の選択肢|テンプレート・PDF

「手書きはミスや手間が気になるけれど、見積書はすぐ作りたい」というときは、フォームに入力するだけで見積書をPDF化できるツールが便利です。品名・数量・単価を入れれば小計・消費税・合計が自動計算され、計算ミスや桁ずれの心配がなくなります。

作ったデータは控えとしてそのまま保存でき、似た見積りは前回分を直して使い回せます。メールにPDFを添付して送れば、印刷・押印・郵送も省けるので、手書きの手間の多くを一度になくせます。電子データでやり取りした見積書の保存方法やPDFでの作り方は 見積書をPDFで作る方法 で詳しく解説しています。

TEMPLEX の見積書テンプレートは、登録不要・無料でフォームに入力するだけで見積書をPDF出力でき、消費税の項目別表示にも対応しています。手書きと同じ感覚で項目を埋めるだけなので、急ぎの1件にも、繰り返し出す見積りにも使えます。

見積書テンプレートはこちら → TEMPLEX 見積書テンプレート

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コラム著者・編集者

TEMPLEX編集チーム

TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。

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