見積書の支払条件の書き方|そのまま使える記載例・例文(締め/振込手数料/前金)

見積書の支払条件に書く要素
見積書の支払条件は、書く要素がだいたい決まっています。次の5つを押さえれば、後から「いつ・どうやって払うのか」でもめることはほぼなくなります。
- 締め日 — 「月末締め」のように、いつまでの取引分をまとめるかの区切り。継続取引やまとめ請求のときに書く。
- 支払期日(支払期限) — 「翌月末払い」「納品後30日以内」のように、いつまでに払ってもらうか。
- 支払方法 — 銀行振込・現金など。振込なら振込先を併記することもある。
- 振込手数料の負担 — どちらが手数料を持つか。書かないと自社負担になりがち。
- 前金・着手金の有無 — 先に一部を受け取る場合の金額・時期。高額案件や長期案件で書く。
このうち最低限ほしいのは支払期日・支払方法・振込手数料の負担の3つです。締め日や前金は取引の形に合わせて足します。様式に支払条件の欄がなければ、備考欄にまとめて書けば問題ありません。

見積書は契約前の書類なので、ここに書いた支払条件がそのまま後の請求書・取引の前提になります。あいまいなまま発注に進むと、入金タイミングがずれて資金繰りに響きます。金額が大きいほど、支払条件は具体的に書いておきましょう。
記載例:締め支払(月末締め翌月末払いなど)
もっとも多いのが、「○○締め・△△払い」という締め支払の書き方です。継続して取引する相手や、月内の取引をまとめて請求する場合に使います。締め日と支払日はセットで書きます。

支払日を月の特定日にしたい場合は「翌月末日」を「翌月10日」「翌月25日」などに変えます。締め日と支払日は自由に組み合わせてかまいません。
単発の取引で締め日が関係しない場合は、納品(検収)を起点に支払期日を区切る書き方がわかりやすいです。日付が確定しているなら「○年○月○日まで」と具体的に書きます。
「翌月末払い」のように期日が相手の発注後に決まる条件は、見積書の段階では起点(締め日・納品日)を必ず添えると誤解が減ります。請求書を出す段階での支払期日の決め方そのものは、請求書の書き方 で詳しく解説しています。
前金・着手金・分割払いの記載例
金額が大きい案件や、制作・工事のように完成まで時間がかかる案件では、代金の一部を先に受け取る前金(着手金)を設定することがあります。書くときは、前金の金額(または割合)・支払時期・残額の支払時期をセットで明記します。

新規取引や、未払いのリスクを避けたい場合は、着手前に全額を前払いしてもらう条件にすることもあります。
長期の案件では、支払を複数回に分ける分割払いも使えます。各回の金額・割合と支払時期をすべて書くのがポイントです。
前金・着手金を受け取る場合は、キャンセル時に返金するかどうかも備考に書いておくと、後のトラブルを防げます。返金しない条件にするなら、角が立たないよう次のように添えます。
前金や分割は、割合(%)だけでなく見積書の合計金額をもとにした実額も併記しておくと、相手が社内で支払いを通しやすくなります。なお相手が事業者ではなく個人の消費者の場合は、消費者契約法により「一切返金しない」といった条項が無効になることがあるため、実損の範囲にとどめる書き方が無難です。
振込手数料の負担をどう書くか
振込手数料は、書き方を決めておかないと受け取る側(自社)の口座から差し引かれて入金されることがよくあります。負担をどちらにするかは見積書にはっきり書いておきましょう。
法律上は、振込手数料などの「弁済の費用」は支払う側(債務者)の負担が原則です(民法485条)。ただしこれは当事者間の取り決めで変えられるため、見積書に一文を入れておけば足ります。相手に負担をお願いする書き方は次のとおりです。
相手が大口の取引先で「手数料は当社で持つ」と決めているなら、自社負担と書いておきます。どちらが負担するかを明記すること自体が大事で、無記入が一番もめます。
個人・少額取引での書き方
個人事業主・フリーランスでも、書く支払条件の中身は変わりません。支払期日・支払方法・振込手数料の負担の3点を書いておけば十分です。相手が個人や小規模な取引先のときは、締め支払より「納品後○日以内」のシンプルな書き方が伝わりやすいです。
少額の取引や、初めての相手で未払いが心配なときは、前払いをお願いしても失礼にはあたりません。「ご入金確認後に着手」と書いておくと、条件として伝わりやすくなります(前金の文例は前述のものを使えます)。
あなたが発注を受ける側で、相手が一定規模以上の会社の場合、委託事業者は受領日から起算して60日以内に支払期日を定める義務があります(中小受託取引適正化法=取適法、旧・下請法)。これは発注側に課されるルールで、起算点は検収日ではなく給付を受領した日です。極端に遅い支払サイトを提示されたら、この点を確認材料にできます。
支払手段についても、2026年1月1日施行の取適法(旧・下請法)の対象となる委託取引では、手形での支払い(手形の交付)が禁止されました。電子記録債権やファクタリングのうち、支払期日までに満額を現金化できない手段も同じく禁止です。これは資本金・従業員数の要件を満たす委託取引に課されるルールで、すべての手形払いが一律に違法になるわけではありませんが、取引先から長期の手形払いを提案されても、対象取引であれば応じる必要はなく銀行振込を指定して問題ありません。
取適法で禁止される買いたたきや減額など、値引きまわりの注意点は 出精値引きと下請法の注意 で解説しています。
支払条件以外の項目(有効期限・納期・備考など)を含めた見積書全体の書き方は、見積書の有効期限の書き方 と 見積書の書き方 も参考にしてください。
コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。










