事務・オフィスのヒヤリハット例文10選|ネタ切れの探し方つき

事務・オフィスのヒヤリハット例文10選|ネタ切れの探し方つき

事務職でも書ける|デスクワークのヒヤリハットは意外と多い

「工場や介護ならともかく、事務の仕事でヒヤリハットなんて書くことがない」——毎月の提出ノルマでそう感じている方は多いはずです。ですが、オフィスのデスクワークでも、つまずき・転倒・指のはさみ込みといった労働災害は普通に起きています。実際、厚生労働省の事故統計では、休業4日以上の労働災害で最も多いのは「転倒」で、業種を問わず発生しています。

この記事では、事務・オフィスでそのまま提出できるヒヤリハット例文を10個そろえました。あわせて、メール誤送信などの情報セキュリティ系のヒヤリをどう扱うか、そして「もうネタがない」を抜け出すための探し方も整理しています。例文の〇〇を自分の職場の場所・物に置き換えれば、そのまま使えます。

そもそもの書き方(項目の埋め方・良い例と悪い例・人を責めないコツ)は、ヒヤリハット報告書全体の書き方ガイドにまとめています。型から確認したい方はこちらもどうぞ。

ヒヤリハット報告書の書き方と例文|良い例・悪い例で学ぶ書き方のコツ
報告書

ヒヤリハット報告書の書き方と例文|良い例・悪い例で学ぶ書き方のコツ

ヒヤリハット報告書の書き方を、良い例文と悪い例文の対比でわかりやすく解説。発生状況・想定される事故の型・問題点・心身の状態・対策の各項目の埋め方、ハインリッヒの法則(1:29:300)の意味、人を責めずに事実を書くコツ、そのまま使える汎用例文と書き出しフレーズまでまとめました。

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「ネタがない」を抜け出す3つの探し方

事務職でネタ切れになるのは、危険が少ないからではなく、デスクワークの危険は地味で気づきにくいからです。ネタは「思い出す」より「探す」もの。次の3つの視点で職場を見直すと、書くことが一気に増えます。

① ヒヤリハットの「対象」を広げて考える

ヒヤリハットは「ケガをしそうになったこと」だけではありません。ミスや事故につながりかけた“あらゆる危なかった”が対象です。事務職では、転倒のような身体の危険に加えて、誤送信・書類の置き忘れといった情報のヒヤリも立派なネタになります(情報セキュリティ系の扱いは後の章で整理します)。

② 4つの視点(4M)で職場を見回す

労働災害の原因分析でよく使われる4M(Man・Machine・Media・Management)という視点を、ネタ探しのチェックリストとして借りると便利です(出典:4M(安全工学))。「どこを見ればいいか分からない」ときの当たりがつきます。

視点事務職での見どころ
Man(人)急いでいた・ながら作業・慣れによる油断・体調や姿勢
Machine(設備・物)コピー機・シュレッダー・キャビネット・台車・OA機器・コード類
Media(環境)通路の段差や荷物・オフィスの照明・床の濡れ・室温や室内の狭さ
Management(管理・ルール)置き場所のルール・確認手順・脚立使用の決まり
4Mをネタ探しのチェックリストに使う(事務職の例)

③ 1日の「小さな違和感」をメモする

「ヒヤッ」とまではいかなくても、“ちょっと危ない”“やりにくい”と感じた瞬間こそネタの宝庫です。引き出しが開けっぱなしで通りにくかった、足元のコードが気になった——その場でひと言メモを取る習慣をつけると、月末に絞り出さずに済みます。過去に職場で出た報告を読み返し、自分の周りで同じことが起きていないか探すのも有効です。

ネタ探しのコツは、「自分が」ではなく「誰かが」やりそうな危険まで広げることです。自分は気をつけていても、新人や来客が同じ場所で危ないかもしれない——そう考えると、書けることがぐっと増えます。

例文①〜③|つまずき・転倒(オフィスで一番多い)

事務職のヒヤリハットで最も多いのがつまずき・転倒です。引き出し・コード・段差・濡れた床が代表的な原因。いずれも「物の置き方・ルール」で防げるので、対策まで書きやすい題材です。

例文1|開いていた引き出しにつまずいた
自席で立ち上がって振り向いたところ、足元に開いたままの袖机の引き出しに気づかず、つまずいて転倒しそうになった。あのまま転んでいれば、打撲や机の角での負傷につながったおそれがある。原因は、引き出しを使い終わっても閉めない習慣と、机周りに足元スペースが確保されていなかったことにある。今後は引き出しは開けたらすぐ閉めることを周知し、机の足元には物を置かないよう整理する。
例文2|濡れた床で足を滑らせた
給湯室前の廊下で、こぼれた水に気づかず足を滑らせ、転倒しそうになった。とっさに壁に手をついたため転ばずに済んだが、打ちどころによってはケガにつながるところだった。原因は、水がこぼれても拭く・表示する手順が決まっておらず、床が滑りやすくなっていたことにある。今後は給湯室前に滑り止めマットを敷き、水こぼれ時はすぐ拭いて「足元注意」の表示を出すルールを掲示する。
例文3|段ボールやカバンに足を取られた
通路に一時的に置かれていた書類の段ボールに気づかず、つまずいて前のめりに転びそうになった。荷物を抱えていたため手で支えられず、転倒すれば顔や手をぶつけるおそれがあった。原因は、通路に物を仮置きする運用が常態化し、置き場所のルールがなかったことにある。今後は通路への仮置きを禁止し、保管場所を決めて表示する。

例文④〜⑥|什器・引き出し・コード類

キャビネットや書庫、足元を這うコード類も、オフィス特有のヒヤリハット源です。什器の転倒や指のはさみ込み、コードへの引っかかりは、地味でも重大なケガにつながりかねません。

例文4|キャビネットの引き出しに指をはさみかけた
書類キャビネットの引き出しを閉める際、もう一方の手を縁に添えていたため、危うく指をはさみそうになった。とっさに手を引いたため無事だったが、勢いよく閉めていれば指を負傷していたおそれがある。原因は、両手の位置を意識せずに閉める動作が習慣化していたことにある。今後は引き出しは取っ手部分を持って閉めることを周知し、注意表示を貼る。
例文5|複数段を開けてキャビネットが倒れかけた
背の高い書庫の上段と中段を同時に開けて重い書類を取り出そうとしたところ、前方に重心が傾き、書庫全体が倒れそうになった。倒れていれば下敷きになる重大な事故につながるところだった。原因は、書庫が壁や床に固定されておらず、複数段を同時に開ける危険が周知されていなかったことにある。今後は書庫を転倒防止金具で固定し、引き出しは一段ずつ開ける運用を徹底する。
例文6|足元のLANケーブル・電源コードに引っかかった
デスク間を移動した際、床を横切る形で配線されたLANケーブルに足を引っかけ、転倒しそうになった。転べばケガだけでなく、引っ張られた機器の落下・故障にもつながるところだった。原因は、コード類が通路を横切ったまま固定・カバーされていなかったことにある。今後は配線を壁際にまとめてケーブルカバーで覆い、通路を横切る配線をなくす。

例文⑦〜⑩|脚立・高所・PC作業・通勤

高い場所の物の出し入れ、長時間のPC作業、そして通勤途中も、事務職のヒヤリハットになります。とくに合理的な経路での通勤中のケガは通勤災害(労災)の対象になり得るため、未然に防ぐ気づきとして共有する価値があります(参考:東京労働局「通勤災害について」)。

例文7|キャスター付き椅子に乗って高所の物を取った
棚の上段の書類を取ろうとして、近くにあったキャスター付きの事務椅子に乗ったところ、椅子が滑って転落しそうになった。落ちていれば打撲や骨折につながるところだった。原因は、脚立がすぐ使える場所になく、椅子で代用してしまったことにある。今後は高所作業用の脚立を所定の場所に常備し、椅子や台に乗っての作業を禁止する。
例文8|脚立の上で体を伸ばしてバランスを崩した
脚立に上って書庫の最上段に箱を戻す際、手が届かず体を横に伸ばしたところ、脚立ごとバランスを崩して転落しそうになった。原因は、無理な姿勢で届かせようとしたことと、脚立を支える人がいなかったことにある。今後は脚立の真正面で作業し、届かない位置の物は脚立を移動させて取る、高所作業時は二人一組で行うことをルール化する。
例文9|長時間のPC作業で目まい・手のしびれが出た
繁忙期に長時間連続でPC入力作業を続けたところ、目のかすみと手首のしびれが出て、立ち上がった際にふらつき、デスクの角に頭をぶつけそうになった。とっさに机に手をついて事なきを得たが、一歩間違えればケガにつながりかねないと感じた。原因は、休憩を取らずに同じ姿勢で作業を続けたことにある。今後は1時間ごとに小休止を取り、画面の高さや椅子の位置を見直して負担を減らす。
例文10|通勤の駅階段で足を踏み外しかけた
通勤途中、駅の階段を下りる際にスマートフォンを見ながら歩いていて、段を踏み外しそうになった。手すりをつかんで転落は免れたが、転げ落ちていれば大ケガになるところだった。原因は、ながら歩きで足元を見ていなかったことにある。今後は移動中の歩きスマホをやめ、階段では手すりを使うことを心がける(合理的な経路の通勤中のケガは通勤災害の対象になり得るため、社内でも注意喚起する)。

ここまでの10例はすべて「状況 → あのまま進んでいたら起きていた事故 → 原因 → 対策」の順で書いています。この順番に出来事を当てはめれば、事務職でも迷わず1件書き上がります。

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情報セキュリティ系のヒヤリも書ける(ただし様式に注意)

事務職ならではのネタが、メール誤送信・書類の置き忘れ・USB紛失などの情報のヒヤリです。もともとヒヤリハットは工事現場などの安全活動から生まれた考え方ですが、情報漏えいにつながりかけた“危なかった”も、共有して再発を防ぐ価値は同じ。多くの企業がこれを情報セキュリティのヒヤリハットとして収集しています。

  • 宛先を確認せず送信ボタンを押しかけ、同姓の別人にメールを送るところだった
  • 添付ファイルを付け忘れた/別の顧客の資料を添付しかけた
  • 個人情報の書類を会議室や電車に置き忘れそうになった
  • 顧客データの入ったUSBメモリを社外に持ち出し、紛失しかけた
  • シュレッダーにかけるべき書類を、誤って通常のごみ箱に捨てかけた
  • 離席中にPC画面をロックせず、機密情報がのぞき見できる状態だった

ただし注意点があります。情報セキュリティのヒヤリは、身体の労働災害のヒヤリハットとは別系統として扱われ、職場によっては情報インシデント報告など専用の様式・窓口が分かれていることがあります。安全活動のヒヤリハット報告書に載せてよいか、まずは自分の職場のルールを確認してください。

工場・日常など、ほかの現場のヒヤリハットを探すなら

同じヒヤリハットでも、現場が変われば起こりやすい危険はまったく違います。事務以外の例文を探している場合は、現場に合った類型から考えるのが近道です。

  • 工場・製造現場なら、はさまれ・巻き込まれ・墜落・フォークリフトなど、機械や重量物にまつわる類型が中心になります
  • 家庭や身の回り(高齢者・子ども・家事)の事例は、研修や安全教育の素材として日常シーンから探すと見つかります

業種別に起こりやすい型の一覧や、どの現場でも応用できる汎用の例文・書き出しフレーズは、冒頭でも紹介したヒヤリハット報告書の書き方ガイドにまとめてあります。自分の現場に近い型から例文を組み立ててみてください。

ヒヤリハット報告書テンプレートで提出物をすぐ作る

例文が決まったら、あとは様式に落とすだけです。TEMPLEXのヒヤリハット報告書テンプレートは、シーンで「事務・オフィス」を選ぶと、想定される事故の型が「転倒・つまずき/什器・引き出し/コード類/脚立・高所/PC作業(身体負荷)」に切り替わります。製造現場向けの型に悩まされず、デスクワークに合った選択肢で作成できるのが特長です。ヒヤリハット報告書はこちらから作成できます。

TEMPLEXのヒヤリハット報告書テンプレート
TEMPLEXのヒヤリハット報告書テンプレート
  • シーンで「事務・オフィス」を選択(事故の型の選択肢が切り替わる)
  • 発生日時・場所・作業内容・あらましをフォームに入力
  • 本記事の例文をコピペして対策欄まで完成させる
  • プレビューで確認しながらA4のPDFをダウンロード(Microsoft Office不要)

毎月の提出をラクにする一番のコツは、気づいたその場で1行メモを残しておくことです。月末にゼロから絞り出すより、ためたメモを本記事の型に当てはめるほうが、ずっと早く・具体的に書けます。

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コラム著者・編集者

TEMPLEX編集チーム

TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。

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