拝啓で書き始める手紙の書き方|5ステップで完成する例文付きガイド

拝啓で書き始める手紙の全体像
拝啓で書き始める手紙は、「前文・主文・末文・後付け」の4つのブロックで組み立てるのが一般的です(日本郵便の解説では「頭語・前文・本文・末文・あとづけ」の5要素として整理されますが、頭語を前文に含めて4ブロックでまとめる解説も広く使われています)。それぞれの役割を押さえれば、テンプレートに沿うだけで失礼のない一通が完成します。
- 前文 — 頭語「拝啓」+時候の挨拶+相手の安否を気遣う言葉+日頃のお礼
- 主文 — 「さて」「このたびは」など起こし言葉から本題
- 末文 — 相手の健康・今後を願う結びの挨拶+結語「敬具」
- 後付け — 日付・差出人・宛名(縦書きは末尾、横書きは冒頭)

頭語と結語は必ずペアで使うのがルールです。「拝啓」で始めたら「敬具」で締める、これだけを守れば形式は半分以上整います。
ステップ1|前文を書く(頭語+時候の挨拶+安否)
前文は手紙の入口で、本題に入る前のクッションの役割を果たします。「拝啓」「時候の挨拶」「相手の安否」「日頃のお礼」の順に書きますが、すべてを盛り込む必要はなく、相手・場面に合わせて2〜3要素を組み合わせれば十分です。
前文の組み立て方
- 「拝啓」を行頭から書く(字下げしない)
- 1字分の空白を空けるか改行して、時候の挨拶を書く
- 相手の健康・繁栄を気遣う言葉を続ける
- 日頃のお礼やご無沙汰の詫びを添える(任意)
「○○の候」の部分は月によって変わります。1月なら「新春の候」、5月なら「新緑の候」など。月別の時候の挨拶は別記事の早見表をご覧ください。
共通知識
時候の挨拶(季節の挨拶)の書き方|月別一覧・ビジネス例文・使い方完全ガイド
ステップ2|主文を書く(「さて」で本題に入る)
主文は手紙の中心で、伝えたい用件を書く部分です。前文から本題への切り替えを示すために、「さて」「このたびは」「先日は」などの起こし言葉から書き始めます。改行して1字下げで書き出すのが基本です。
起こし言葉の使い分け
- さて — 最も汎用的。あらゆる用件で使える
- このたびは — 出来事・依頼・お礼の切り出し
- 先日は — 直近の出来事への言及
- 突然のお手紙にて失礼いたします — 初対面・初めての連絡
- 誠に勝手ながら — 自社都合のお願いを切り出すとき
主文は要点を絞って簡潔にまとめるのが原則です。複数の用件があるときは、最も重要なものを最初に書き、補足は後ろに回しましょう。
ステップ3|末文を書く(結びの挨拶+敬具)
末文では、相手の健康や今後の関係を願う言葉で締めくくり、最後に結語「敬具」を置きます。「まずは」「とり急ぎ」「略儀ながら」といった定型句から入ると、自然に結びへ移れます。
結びの定型パターン
「敬具」は本文末尾の次の行に書きます。横書きでは行末(右寄せ)、縦書きでは下端に揃えます。直前の文にぶら下げて書くのは誤りです。
ステップ4|後付けを書く(日付・差出人・宛名)
後付けは「いつ」「誰から」「誰へ」を明記する締めくくりの情報です。書く順序と位置は縦書き・横書きで異なります。
縦書きの後付け
- 敬具の次の行に、日付を行頭から少し下げて書く(漢数字が正式)
- 日付の次の行の下側に、差出人の氏名を書く
- さらに次の行の上から、宛名(○○様)を書く
横書きの後付け
- 敬具の次の行に、日付を右寄せで書く(西暦・和暦どちらでも可)
- 日付の下に差出人の氏名を右寄せで書く
- さらに下に、宛名を左寄せで書く(または手紙の冒頭に置く)
縦書きでは漢数字(一・二・三・十・百)を使うのが正式です。横書きではアラビア数字でも問題ありませんが、改まった手紙では漢数字に統一するとより丁寧な印象になります。
シーン別 手紙の例文(コピーで使える6パターン)
実際の場面でそのまま使える手紙の全文例を集めました。日付・氏名・用件を書き換えるだけで一通が仕上がります。
縦書き・横書きどちらで書くか
拝啓を使う改まった手紙は縦書きが基本ですが、相手や用途によっては横書きでも問題ありません。迷ったら以下の基準で選びましょう。
- 縦書きが向く相手 — 目上・年配・恩師・親戚の年長者・公式な場面
- 横書きでも可 — 親しい友人・同年代・職場の同僚・ビジネスメールの代替
- ハガキ — 縦書きが伝統的だが、横書きハガキも一般的に流通している
- 便箋 — 縦書き便箋は罫線が縦、横書き便箋は罫線が横。便箋に合わせて書く
- 数字の多い内容 — 横書きのほうが読みやすい(金額・品番・日程など)
横書きの手紙でも頭語結語のルールは同じです。「拝啓〜敬具」をそのまま使えます。横書きでの具体的な書き方は別記事をご覧ください。
共通知識
「拝啓・敬具」を横書きで書く方法|PC作成・メールでの正しい配置
便箋・封筒・ペンの選び方
- 便箋 — 白無地または薄い罫線のものを選ぶ。改まった手紙ほど無地が望ましい
- 封筒 — 白の二重封筒が最も格式高い。一重でも白封筒なら可。茶封筒は事務用なので避ける
- ペン — 黒のボールペンか万年筆。ブルーブラックも可。消えるペンは不可
- ハガキ — 略式扱い。改まった相手や弔事には便箋+封筒を選ぶ
- 1枚で足りる場合でも、便箋は2枚重ねて出すのが伝統的(1枚は白紙)
1枚の便箋で本文が終わる場合、白紙の便箋を1枚重ねて2枚にして送ると、かつての慣習に沿った丁寧な対応になります。ただし最近は省略されることも多いので、相手・場面に応じて判断してください。
投函前のチェックリスト
- 拝啓と敬具をペアで書いたか
- 前文・主文・末文・後付けの順になっているか
- 時候の挨拶は今の季節と合っているか
- 誤字・脱字、特に相手の氏名・社名は正しいか
- 宛名に「様」「御中」を正しく使い分けているか
- 差出人の氏名・住所は明記したか
- 便箋の表裏、文字の向き、折り方は正しいか
- 切手の金額は重さに足りているか
便箋は3つ折りが基本で、本文を上向き・宛名側を手前にして折ります。封筒に入れるときは、折り目が下、本文の冒頭が右上にくる向きが正解です。
拝啓の手紙でやりがちな失敗
- 拝啓だけ書いて敬具を書き忘れる — 必ずペアで使う
- 拝啓と前略を併用する — 「前略」は時候の挨拶を省く合図なので、両方は使わない
- 拝啓のあとに「○○様」を続ける — 宛名は冒頭または後付けに別途置く
- 敬具を行頭から書く — 行末(右寄せ/下端)に置くのが正解
- 後付けの宛名を差出人より上に書く — 宛名は最後に、差出人の次の行に置く
- メールに拝啓〜敬具を入れる — メールでは原則使わない
- 「ご自愛ください」と「お体をご自愛ください」を混同 — 「お体を」は二重表現で誤り
コラム著者・編集者
TEMPLEX編集チーム
TEMPLEX編集チームは、ビジネス文書の作成・管理に精通した実務経験者と技術ライターで構成されています。送付状・請求書・見積書をはじめとする各種ビジネス書類のフォーマットや書き方のノウハウを、わかりやすく丁寧にお届けします。「Office不要で誰でもすぐ使える」をコンセプトに、忙しいビジネスパーソンの書類作成をサポートします。








