3月の時候の挨拶(季節の挨拶)|上旬・中旬・下旬の例文とビジネス書面・メール・卒業送別の文例集

3月の時候の挨拶(季節の挨拶)|上旬・中旬・下旬の例文とビジネス書面・メール・卒業送別の文例集

3月の時候の挨拶とは

3月は年度末・卒業・異動・人事の切り替わりが重なり、ビジネス・プライベート双方で挨拶状やメールを送る機会が最も多い月のひとつです。暦の上では二十四節気の啓蟄(3月5〜6日頃)と春分(3月20〜21日頃)を境に「初春」から「仲春」へ、さらに「晩春」へと季節感が移り変わります。なお、時候の挨拶は「季節の挨拶」とも呼ばれます。

同じ3月でも、月初は「まだ寒さが残る早春」、下旬は「桜が咲き始める春本番」と景色が大きく変わるため、時候の挨拶は上旬・中旬・下旬で書き分けるのが基本です。この記事では月内で安全に使える漢語調・和語調をすべて整理し、ビジネス書面・メール・卒業/異動/退任などシーン別の全文例を、ワンクリックでコピーできる形で掲載します。

  • 上旬(1日〜10日頃):まだ寒さが残る。早春・春寒・浅春
  • 中旬(11日〜20日頃):啓蟄を過ぎ虫が動き出す。啓蟄・軽暖・仲春
  • 下旬(21日〜末日):春分を過ぎ桜の便り。春分・春暖・陽春・桜花
  • 花冷えに注意:暖かくなった後の寒の戻りに言及すると季節感が出る

迷ったら「早春の候」(月初〜中旬)か「春暖の候」(中旬〜下旬)で使い分けると失敗がありません。月内のどの時期でも使える万能型として覚えておくと便利です。

漢語調「〜の候」|上旬・中旬・下旬で使い分け

漢語調はビジネス文書・改まった挨拶状で使う格式高い表現です。「〜の候」「〜のみぎり」「〜の折」はいずれも同じ意味で、置き換えて使えます。時期の区分は目安であり、地域や気候に応じて調整してください。

3月全般で使える表現

  • 早春(そうしゅん)の候:立春後〜3月中旬頃まで。月初に最適
  • 弥生(やよい)の候:3月全般。和風月名を使った柔らかい表現
  • 春寒(しゅんかん)の候:3月上旬。まだ寒が残るとき
  • 浅春(せんしゅん)の候:3月上旬。やや文学的で柔らかい響き
3月上旬:早春の候(書き出し)
拝啓 早春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
3月上旬:春寒の候(書き出し)
拝啓 春寒の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
3月上旬:浅春の候(書き出し)
拝啓 浅春の候、貴社におかれましてはますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。

3月中旬に使える表現

  • 啓蟄(けいちつ)の候:3月6日頃〜20日頃。二十四節気にちなむ
  • 軽暖(けいだん)の候:3月中旬。少しずつ暖かくなる時期
  • 仲春(ちゅうしゅん)の候:3月中旬〜下旬。春の真ん中
  • 春色(しゅんしょく)の候:3月中旬〜下旬。春の気配が広がる
3月中旬:啓蟄の候(書き出し)
拝啓 啓蟄の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。平素は一方ならぬお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
3月中旬:軽暖の候(書き出し)
拝啓 軽暖の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
3月中旬:仲春の候(書き出し)
拝啓 仲春の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

3月下旬に使える表現

  • 春分の候:3月21日頃〜4月4日頃。昼夜の長さが等しくなる
  • 春暖(しゅんだん)の候:3月下旬〜4月上旬。暖かさが増す
  • 陽春(ようしゅん)の候:3月下旬〜4月。日差しが暖かくなる
  • 桜花(おうか)の候:桜の開花時期。地域差に注意
  • 春陽(しゅんよう)の候:3月下旬〜4月。春の日差し
3月下旬:春分の候(書き出し)
拝啓 春分の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご愛顧を賜り、深く御礼申し上げます。
3月下旬:春暖の候(書き出し)
拝啓 春暖の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
3月下旬:桜花の候(書き出し)
拝啓 桜花の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。平素は多大なるお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

「桜花の候」は桜の開花を受けて使う表現です。東京で3月下旬、東北・北海道ではまだ梅の時期、ということもあるため、送付先の地域を踏まえて選びましょう。開花前に使うと違和感があります。

和語調(口語調)|手紙やカジュアルなメールに

和語調は、親しい相手や個人宛の手紙・メールに向いた柔らかい表現です。漢語調より情景が伝わりやすく、ビジネスでも少し距離感を縮めたいときに使えます。

3月上旬:和語調(寒さが残る頃)
春まだ浅く、寒さの残る日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
3月上旬:和語調(梅・沈丁花)
沈丁花の香りがどこからともなく漂い、春の訪れを感じる季節となりました。
3月中旬:和語調(啓蟄のころ)
啓蟄を過ぎ、土の中の虫たちも動き出す頃となりました。皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。
3月中旬:和語調(春めく)
日増しに春めいてまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
3月下旬:和語調(桜の便り)
桜のたよりが聞かれる頃となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
3月下旬:和語調(春分のころ)
春分を過ぎ、日足もずいぶん伸びてまいりました。

結びの挨拶|3月らしい締めの言葉

3月は寒暖差が大きく、花冷えの日もあるため、相手の健康を気遣う結びが定番です。年度末・新年度を意識した一文を添えると、より季節感のある手紙になります。頭語「拝啓」には結語「敬具」、「謹啓」には「謹白/謹言」を対で使います。

結び①(健康を気遣う・万能)
寒暖定まらぬ時節柄、くれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。 敬具
結び②(花冷えに触れる)
花冷えの折、皆さまにはくれぐれもお体おいといのほど、お願い申し上げます。 敬具
結び③(新年度・発展を祈る)
新年度を迎えるにあたり、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。 敬具
結び④(ビジネス・継続取引)
今後とも変わらぬお引き立てのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。 敬具
結び⑤(個人宛・柔らかい締め)
春本番までもう少し、どうぞお風邪など召されませぬようご自愛ください。

ビジネス書面の全文テンプレート(3月)

3月は年度末決算・新年度準備・人事異動の通知と、ビジネス書面を出す機会が多い月です。用途別にそのまま使える全文テンプレートを用意しました。宛名・差出人・日付は自社の情報に置き換えてご利用ください。

年度末のご挨拶(取引先へ)
拝啓 春暖の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、本年度も残すところわずかとなりました。 貴社には一年を通じまして多大なるご支援を賜り、 誠にありがとうございました。 新年度も社員一同、これまで以上に お客様のご期待にお応えできるよう努めてまいる所存です。 今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。 末筆ながら、貴社のますますのご発展と皆様のご健勝を 心よりお祈り申し上げます。 敬具
人事異動のご挨拶(着任の通知)
拝啓 春分の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、このたび弊社では○月○日付をもちまして 下記のとおり人事異動を行いましたので、ご報告申し上げます。 今後とも、変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、 何卒よろしくお願い申し上げます。 まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。 敬具 記 前任:○○部 △△ 後任:○○部 ■■ 発令日:○月○日付 以上
退任のご挨拶(役員退任・書面)
拝啓 春暖の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。 さて、私こと このたび○月○日をもちまして、株式会社○○の 代表取締役を退任することとなりました。 在任中は公私にわたり格別のお引き立てを賜り、 心より御礼申し上げます。 後任には■■が就任いたしますので、 私同様変わらぬご厚情を賜りますよう、 お願い申し上げます。 略儀ながら書中をもちまして、 退任のご挨拶とさせていただきます。 敬具
送付状(3月・請求書などに添える)
拝啓 早春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、下記書類をご送付申し上げますので、 ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。 敬具 記 1. 請求書 1通 2. 納品書 1通 以上

人事異動・退任の書面は、発令日の1〜2週間前までに先方へ届くように発送するのが一般的です。宛先が多い場合は、印刷済みの挨拶状はがきや封書を活用しましょう。

ビジネスメールの書き出し・結び(3月)

メールでは「拝啓〜敬具」は省略するのが一般的です。「お世話になっております」のあとに一文、季節の挨拶を入れると好印象です。結びも同様に、硬くなりすぎない表現を選びましょう。

メール書き出し①(3月上旬)
お世話になっております。株式会社○○の△△です。 春まだ浅く肌寒い日が続いておりますが、 ○○様にはお変わりなくお過ごしでしょうか。
メール書き出し②(3月中旬)
お世話になっております。株式会社○○の△△です。 日増しに春めいてまいりましたが、 ○○様におかれましてはご健勝のこととお慶び申し上げます。
メール書き出し③(3月下旬)
お世話になっております。株式会社○○の△△です。 桜のたよりが聞かれる頃となりましたが、 貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
メール書き出し④(年度末)
お世話になっております。株式会社○○の△△です。 本年度も残すところわずかとなりました。 いつも格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
メール結び①(健康を気遣う)
寒暖差の大きい時期ですので、どうぞご自愛くださいませ。 引き続きよろしくお願いいたします。
メール結び②(新年度に向けて)
新年度もより一層のお力添えができますよう努めてまいります。 今後ともよろしくお願い申し上げます。

プライベート向けの挨拶文(ひな祭り・卒業・お彼岸)

個人宛の手紙やLINE、メッセージカードには、漢語調ではなく和語調で季節感を伝えると温かみが出ます。ひな祭り・卒業・お彼岸・送別など、3月ならではの行事を取り入れましょう。

ひな祭りにちなむ挨拶
桃の節句を迎え、暦の上でも春本番を感じる頃となりました。 お嬢様のすこやかなご成長を、心よりお祈り申し上げます。
卒業・送別に贈るメッセージ
ご卒業、誠におめでとうございます。 この春から始まる新しい日々が、○○さんにとって 希望にあふれた門出となりますよう、心よりお祈りしております。
送別の言葉(同僚・先輩へ)
このたびはご栄転、本当におめでとうございます。 これまで公私にわたり温かいご指導をいただき、心より感謝しております。 新天地でのますますのご活躍を、陰ながらお祈り申し上げます。
お彼岸のご挨拶
春のお彼岸を迎え、暑さ寒さも彼岸までと申しますとおり、 ようやく過ごしやすい季節となってまいりました。 皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。
友人・家族への近況報告(3月下旬)
桜のつぼみもふくらみ始め、いよいよ春本番ですね。 こちらはおかげさまで家族そろって元気にしております。 花冷えの日もありますので、どうぞお体に気をつけてお過ごしください。

3月の季語・二十四節気一覧

時候の挨拶に説得力を持たせるには、季語を一つ盛り込むのが効果的です。3月の代表的な季語と、暦の節目を押さえておきましょう。

二十四節気(3月)

  • 啓蟄(けいちつ):3月5日〜6日頃。冬ごもりの虫が土から出てくる
  • 春分(しゅんぶん):3月20日〜21日頃。昼夜の長さが等しくなる
  • 雨水(うすい)からの続き:2月19日頃〜3月5日頃

3月の季語・キーワード

  • 行事:ひな祭り(桃の節句)、お彼岸、卒業式、送別会、年度末、異動、発令
  • 気候:花冷え、春寒、余寒、三寒四温、春めく、春一番、雪解け、春霞
  • 植物:梅、沈丁花、菜の花、こぶし、木蓮、桜(開花前後)、土筆(つくし)
  • 生きもの:鶯(うぐいす)、蛙、蝶、燕の初見
  • 和風月名:弥生(やよい)

季語はひとつで十分です。「桜」「啓蟄」「彼岸」など複数入れると情景が散漫になります。相手との距離感と時期に合うものを一つだけ選ぶのがコツです。

3月の時候の挨拶で失敗しないための注意点

  • 「早春の候」は立春後〜3月中旬が目安。3月下旬には避ける
  • 「啓蟄の候」は3月5〜20日頃まで。下旬には「春分の候」に切り替える
  • 「春分の候」は春分の日(3月20〜21日頃)以降に使う。その年の春分の日より前には使わない
  • 「桜花の候」は桜の開花が前提。開花前や北国宛てには使わない
  • 「花冷え」は暖かくなったあとの寒の戻りを指す。月初の寒さには使わない
  • 頭語「拝啓」には結語「敬具」、「謹啓」には「謹白/謹言」をセットで
  • 弔事・お悔やみの文面には時候の挨拶を省略するのが通例

年度末・新年度の話題を入れる際は、相手の事業年度が4月始まりとは限らない点に注意。官公庁や一部業種以外では12月決算もあるため、無難にまとめるなら季節の表現を優先しましょう。

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コラム著者・編集者

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