金銭トラブル示談書

貸金・未払金・損害弁償などの金銭トラブルを当事者間の合意で解決する示談書です。支払義務の確認・分割払い・期限の利益の喪失・清算条項・口外禁止を条文形式で定めます。

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貸したお金・未払い代金・損害弁償などの金銭トラブルを解決する示談書テンプレート。支払義務の確認・分割払い・清算条項・口外禁止までフォーム入力でPDF作成。

金銭トラブル示談書とは?

金銭トラブル示談書は、貸したお金が返ってこない、商品代金や報酬が未払い、物を壊されたので弁償してほしい——そうした金銭をめぐる紛争を、裁判によらず当事者の合意で解決するための書面です。法的性質は民法695条の和解契約で、債権者(甲)と債務者(乙)が互いに譲歩して争いをやめることを約束します。書式の核心は3つ。第一に「支払義務の確認」で、乙が金〇〇円の支払義務を認めることを明記します。これは民法152条の「承認」にあたり、消滅時効が更新(リセット)される重要な効果があります。第二に支払方法(分割回数・期日・振込先)と、滞納時に残額を一括請求できる「期限の利益の喪失」条項。第三に「清算条項」で、本書に定める以外の債権債務がないことを相互確認し、紛争の蒸し返しを防ぎます。必要に応じて口外禁止条項も加えます。なお示談書は私文書のため、それだけでは強制執行できません。分割払いなど不払いリスクがある場合は、強制執行認諾文言付き公正証書にしておくと、不払い時に裁判なしで差押えが可能になります。

こんな時に金銭トラブル示談書が必要

  • 個人間で貸したお金の返済について、金額と分割条件をまとめて合意するとき
  • 商品代金・業務の報酬・外注費などの未払い金の支払いについて合意がまとまったとき
  • 借りた物・預けた物を壊された/なくされた場合の弁償額を取り決めるとき
  • 滞納家賃・立替金・割り勘の精算など、複数の貸し借りをまとめて清算するとき
  • 口約束の返済合意を書面化して、時効の更新(民法152条の承認)と証拠を確保したいとき
  • 支払う側として、金額を確定させてこれ以上の請求をされないようにしたいとき
  • 分割払いを認める代わりに、滞納したら一括請求できる条件を付けたいとき
  • トラブルの内容を第三者に口外しない約束(口外禁止条項)も併せて交わしたいとき

金銭トラブル示談書の書き方のポイント

  1. 1

    冒頭の「紛争の表示」でどのトラブルかを特定する

    「令和〇年〇月〇日付金銭消費貸借契約に基づく貸金返還請求権に関する紛争」のように、いつの・何に関する争いかを冒頭で特定します。ここが曖昧だと、清算条項が他の貸し借りにまで及ぶのか争いになります。複数のトラブルがある場合は、この示談で解決する範囲を明確に区切ってください。

  2. 2

    支払義務の確認(債務承認)で金額を確定させる

    「乙は甲に対し、金〇〇円の支払義務があることを認める」という条項で、争いのあった金額を確定させます。この債務の承認には、民法152条により消滅時効を更新(それまでの時効期間をゼロに戻して再スタート)させる効果があり、時効完成が近い債権の回収では特に重要です。元本のほか利息・遅延損害金を含むのかも明確にしましょう。

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    分割払いには「期限の利益の喪失」条項をセットで

    分割払いを認める場合は、支払期間・毎月の支払額・支払期日・振込先口座を具体的に定めたうえで、「分割金の支払いを怠り、その額が金〇〇円に達したときは、当然に期限の利益を失い残額を直ちに一括して支払う」という条項を必ず入れます。これがないと、滞納されても次の支払期日が来るまで残額を請求できません。遅延損害金の利率も定めておきます(定めがない場合は法定利率・年3%)。

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    清算条項で紛争の蒸し返しを防ぐ

    「甲および乙は、本件に関し、本示談書に定めるもののほか、何らの債権債務がないことを相互に確認する」という清算条項により、示談後の追加請求を双方できなくします。請求する側は、署名前に請求漏れ(利息・費用など)がないかを必ず確認してください。示談書に書かなかった権利は、原則として放棄したことになります。

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    必要に応じて口外禁止条項を入れる

    トラブルの内容や示談の成立・金額を第三者に知られたくない場合は、「本示談の内容および本件に関する事実を、正当な理由なく第三者に開示・口外しない」という口外禁止(秘密保持)条項を入れます。SNSへの投稿が問題になりやすい時代なので、双方にとって入れておく実益が大きい条項です。

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    不払いが心配なら公正証書(強制執行認諾文言付き)にする

    示談書は私文書なので、約束が破られても、裁判で勝訴判決を得なければ給与や預金の差押えはできません。分割払いで長期になる場合や相手の支払能力に不安がある場合は、示談内容を公証役場で「強制執行認諾文言付き公正証書」(民事執行法22条5号の執行証書)にしておきましょう。不払い時に裁判を経ずに強制執行を申し立てられます。

金銭トラブル示談書についてよくある質問

Q.金銭トラブルの示談書にはどんな法的効力がありますか?
A.示談書は民法695条の和解契約として法的拘束力を持ち、合意した支払義務・清算条項は当事者を拘束します。また、債務者が支払義務を認める条項は民法152条の「承認」にあたり、消滅時効が更新されます。後日の裁判でも有力な証拠になります。ただし私文書のため、それだけでは強制執行(差押え)はできず、不払い時は訴訟等で債務名義を得るか、あらかじめ強制執行認諾文言付き公正証書にしておく必要があります。
Q.時効が近い貸金でも、示談書を交わせば回収できますか?
A.示談書の中で債務者が支払義務を認めれば、それは民法152条の「権利の承認」にあたり、時効はその時から新たに進行を始めます(時効の更新)。それまで経過していた時効期間はリセットされるため、時効完成が近い債権の保全手段として有効です。なお、すでに時効が完成し援用された後では原則手遅れなので、早めに書面化してください。
Q.示談書どおりに支払われなかったらどうすればいいですか?
A.示談書は私文書なので、直ちに差押えはできません。支払督促や訴訟で債務名義(判決等)を取得してから強制執行する流れになります。これを避けたい場合は、示談の段階で「債務者は本債務を履行しないときは直ちに強制執行に服する」という強制執行認諾文言を付けた公正証書(民事執行法22条5号)を公証役場で作成しておけば、不払い時に裁判を経ずに給与・預金等の差押えを申し立てられます。分割払い・高額の示談では公正証書化を強くおすすめします。
Q.示談書に収入印紙は必要ですか?
A.金銭の支払義務を確認して支払方法を定めるだけの通常の示談書(和解契約書)は、印紙税の課税文書に該当せず、収入印紙は不要です。ただし印紙税は記載内容で判断されるため、示談書の中で債務を新たな消費貸借に切り替える(準消費貸借)と第1号文書として課税される場合があります。判断に迷うときは税務署に確認してください。
Q.清算条項とは何ですか?必ず入れるべきですか?
A.「本件に関し、本示談書に定めるもののほか何らの債権債務がないことを相互に確認する」という条項で、示談で取り決めた以外の請求を双方できなくし、トラブルの蒸し返しを防ぎます。紛争を終局的に解決する示談書には原則として入れるべき条項です。一方で、署名すると書き漏らした権利は放棄したことになるため、請求する側は金額・利息・費用に漏れがないか署名前に必ず確認してください。
Q.示談書と念書・支払い誓約書はどう違いますか?
A.念書や支払い誓約書は、支払う側が一方的に差し入れる片面的な書面で、作成は手軽ですが、相手方の権利放棄(清算条項)までは含められません。示談書は債権者・債務者の双方が署名押印する和解契約で、支払義務の確認と引き換えに「これ以上請求しない」ことまで合意でき、紛争を終局的に解決できます。争いそのものを終わらせたいなら示談書、単に支払いの約束を取り付けるだけなら誓約書、という使い分けです。
法令・実務上の補足

示談は民法695条の和解契約であり、成立後の蒸し返しは原則できません。清算条項に署名する前に請求漏れがないか確認してください。債務者が支払義務を認める条項は民法152条の「承認」として消滅時効を更新します。遅延損害金の利率を定めない場合は法定利率(年3%・2026年4月1日以降も据え置き)が適用されます。利息を定める場合は利息制限法の上限(元本10万円未満は年20%、10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%)の範囲内とする必要があります。金銭の支払いを内容とする通常の示談書は印紙税の不課税文書ですが、債務を準消費貸借に切り替える内容にすると第1号文書として課税される場合があります。示談書は私文書のため単独では強制執行できません。確実な回収には、強制執行認諾文言付き公正証書(民事執行法22条5号の執行証書)の作成が有効です。本テンプレートは一般的な書式の提供であり、法的助言ではありません。高額・複雑な紛争や相手方と争いが続いている場合は、署名前に弁護士等の専門家にご相談ください。

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